「ワクチンの再評価と感情論をきちんと仕分けた今後の対応が望まれる。」WHO? あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
ワクチンの再評価と感情論をきちんと仕分けた今後の対応が望まれる。
まず自分の立場を明らかにしておくと、私はコロナ禍直前の2019年10月に定年退職となるまで製薬会社に長く勤めていた。ずっと傍流ではあったがそれでも経営幹部のそれも含め製薬企業の思想信条はある程度は理解できる。
コロナワクチンは今まで7回接種している。これは多いほうだろう。ただしコロナの罹患歴も2回ある。うち1度目はワクチン接種の20日後に発症した。副反応は7回ともほぼなかった。
さて、映画だが、大変面白かったが、玉石混交の印象。遺伝子操作ワクチンに警鐘を鳴らしている医療関係者や医学者が発言する一方明らかに陰謀論的主張が主体の者たちも発言する。前者がコロナワクチンを使用し続けた時の被害や影響の拡大を危惧する一方で、後者はコロナウィルスの起源を語り、ワクチンの普及によって利益を得た組織や人々を糾弾しそれらを光のもとに引きずり出そうとする。WHOは、そういった悪の巣窟と各国政府や民衆をリンクさせる役割を持つものとして位置づけられているようだ(タイトルの割にはWHOそのものへの言及は少ない)。
でも何故そんな主張をする?日本に住む我々はパンデミックが国際的陰謀であることを証明する術を持たないし、仮にそれがそうだったとしても最早済んでしまったことである。(ロスチャイルドやビル・ゲイツが暗躍していたとしてそれが我々には何か関係あるか?)
我々が求めるべきはコロナワクチンの有用性、安全性を確認すること、そして後遺症に悩む人をきちんとケアすることである。
幸い医薬品には再評価の制度がある。コロナワクチンは認可時にはその緊急性が優先され、臨床前、臨床試験の数々が簡素化された。実用化後数年を経てデータが蓄積された今、やらなければならないのは最初に戻って各種データを新薬と同様のレベルで収集し評価することである。
だから「ワクチン反対派」がシュプレヒコールすべきは「毒を子供に与えるな」というような感情的なものではなく「ワクチンを再評価せよ」ということではないかと私は思う。映画の感想からはちょっと離れてしまったかもだが。