三谷幸喜「おい、太宰」劇場版のレビュー・感想・評価
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パワーダウンしてるけど。
三谷作品を語れるほど詳しくは無いのですが…初めて見た作品は、ラジオの時間でした。もう、すっかりハマり大好きに。その後何作か鑑賞して感じていたのは、たくさんの俳優がバラバラに熱演し、なぜか最後はスッキリまとまる後味の良さ。今作は、wowwowと劇場版両方見ましたが、この三谷作品の魅力が、ややパワーダウンしているかも。皆さん実力派ばかりなので、なんとか破綻は免れたが、キャストが違ってたら大失敗だったのではと思いました。小池さん、宮澤さん二人共チャーミング。梶原さん3役お見事。沢山の舞台経験無しでは出来ないお仕事ですね。田中さん、私生活は置いといて、憎めないキャラがいつも楽しい。ただ、今回はやや、演技がうるさく雑に感じました。松山さん、太宰の身勝手さ、危うさ、悲しさに、ユーモアを加味していて、さすがのカメレオン俳優でした。そして太宰が魅力的でなければ、話が成り立たないですが、松山さん、素敵でした。
三谷幸喜ワンシーン・ワンカット渾身の3作目!
三谷幸喜ワンシーンワンカットドラマ第三作目。
舞台好きには堪らない贅沢な作品。三谷脚本のセリフ劇としての面白さは勿論のこと演じる場所は自然の海。実在するトンネルで結ばれた2つの浜辺を余すことなく走ったり飛んだり跳ねたり激しく動き回る。
主演の田中圭はずっと出ずっぱりで膨大な台詞のお芝居を完璧にこなしながら、カメラに映らないようにカメラマンの背中越しで着替えや移動する俳優スタッフのタイミングを目視で確認しながら臨機応変に自分のお芝居で繋ぐ神業。
カメラマン山本英夫さん(65歳)に至っては、一度カメラを回し始めたら途中で台本を見ることができないので、登場人物全ての台詞を丸暗記。カメラが先行して動くシーンも多いので、俳優の動きを読み取りながら重いカメラを自ら担いでの撮影(超絶神業技巧)。
安心安全三谷組の梶原善、小池栄子、宮澤エマが爆笑を巻き起こし、見るからに非凡人な太宰治を松山ケンイチが見事に演じる。
WOWOWでの鑑賞も良いけれど、大画面で見るおい太宰の没入感は段違い。
是非劇場で楽しんでみて欲しい。
オススメ。
7月15日@TOHOシネマズ日比谷にて。 WOWOWで先行配信され...
7月15日@TOHOシネマズ日比谷にて。
WOWOWで先行配信されたものの劇場版。まぁかつて、Netflixで先行した『アイリッシュマン』や『ちひろさん』を私は劇場でおカネを払って観ても満足できているので、どこが制作しどこで公開しようが作品として優れていれば関係ないです。
いやー期待に違わず抱腹絶倒でしたwww
たまに三谷を吸いに行かないと息が詰まる。
途中、恐らくそれなりの理由でカットは入っているとは思うのですが(現在のCG技術なら完璧にシームレスにできるでしょう)、一応触れ込みは「カメラを止めずにワンカットワンシーン」で101分。
物語は、鎌倉近くの海岸に近い場所で結婚披露宴に参列し、その帰りに道に迷った夫婦のボヤキから始まる。小室美代子(演:宮澤エマ)の友だちが再婚したけれど、相手が胡散臭い男だったとブツブツ。そうかなーと気のない返事をする夫、小室健作(田中圭)。
しかしこの海岸辺りが太宰治の一度目の心中事件の舞台となったことを知ると、太宰ファンの夫はにわかに興奮し始め、あちこち歩き回った末に海岸沿いの洞窟に探検に入る。
ところが洞窟を抜けた先は昭和5年、まさに太宰が心中を図ったその日で、眼の前には太宰(演:松山ケンイチ)と心中相手の女給、矢部トミ子(演:小池栄子)が楽しげに語らっていた。トミ子の運命を知っている健作は、史実を曲げてでも心中を止めようとするが・・・
この4人に、『鎌倉殿の13人』で暗殺者を演じた梶原善がむちゃくちゃな振りの脇役で絡みまくる。
この作品、三谷は例によって役者を骨の髄まで使い倒している、もとい、役者の能力と個性を限界まで引っ張り出している。
また、それに応えている役者たちも相当なレベルである。
田中圭は、永◯芽◯の不倫相手としか知らなかったが、舌を巻くほどの演技力と熱量だ。
宮澤エマはもう上手いのは知っている。知っているけれど、なおも感嘆する。
松山ケンイチの怪人ぶりは太宰を演じてますます燃え上がる。
そして小池栄子ってこんなにすごい役者だったんだ。
さらに梶原善。
この5人が、1時間40分ぶっ通しのライブの舞台上でセリフをほとばしり続けているようなもの。
つまり圧倒されるのである。
あーおもしろかった。
時間経過も違うということで・・・w
太宰治ファンの男が、太宰治が心中事件を起こした浜辺で1930年にタイムスリップして、 正に心中を図ろうとする太宰治&矢部トミ子と遭遇する話。
2024年友人の結婚式に出席した夫婦が、帰り道に迷い太宰治が心中を図った浜に迷い込み巻き起こっていく。
日付や場所や相手の名前はいじってあるけれど、実際の心中事件をモチーフにしつつ、そこに出くわした男のドタバタを見せるコメディですね。
太宰&トミ子は良いとして?w 打雷四郎次郎といかりの年齢設定は何歳よ?と思いつつも、 そんなのどーでも良い感じにテンポの良いおバカなやり取りが終始続き、太宰治の作品は知らずとも、名前や作家であったことを知っている程度で充分愉しめるつくりになっているし、キャストがまあみんなハマっているし。
尺的にも、ちょっとクドさを感じ始めた頃に終了という感じで、とても面白かった。
薬瓶の中の錠剤をすり替えて欲しかった
またしてもタイムスリップものでWOWOWドラマとして制作されたのだが、これを映画館で見ないでどうする?というくらいドキドキの全編ワンカット長回しの魅力に満ち溢れた傑作コメディである。ほぼ100分出ずっぱりの田中圭、その奥さん宮澤エマ、太宰役の松山ケンイチ、情死の相手小池栄子、そして漁師親子三役を早着替えで演じる梶原善。役者5人がそれぞれに矜持あるMAXの演技をぶつけあっており三谷幸喜ファンで長回しフェチ、しかも太宰治で卒論を書いてしまった私としてはたまらなく幸せな観劇の時間を過ごした。前作「スオミの話をしよう」があまりにも不当に世間の評価が低くて憤慨していたが「映画になっていなく」て上等、これは映画的空間とタイムスリップという仕掛けによって時間の自由さをも手に入れた演劇の到達点、新たな発明と呼んでも差し支えない「演劇映画」である。三谷幸喜のアイデアを超えた青森弁の太宰が異色。
ロケ地と脚本の良いとこ出まくってる
忘れた頃にやってくる三谷監督の全編ワンカットもの
ほぼ二人芝居の『Short Cut』
大人数の『大空港2013』
続く今作は中間の五人芝居だ
舞台は鎌倉の海。偶然そこを訪れた小室夫妻
太宰が心中事件を起こした場所であることを知った小室が辺りを散策していると、なんとも雰囲気のあるトンネルを見つける
トンネルを抜けると過去の世界。そこには事件を起こす前の太宰と恋人がいた・・・
これから全編ワンカットだとは思えない空撮の画スタートなのはなかなかのインパクト
トンネルを抜けると時代が変わるという設定、そしてロケ地も素晴らしい。トンネルを通るたび一呼吸置けるので、過去作に比べて演劇の良いところが出て冗長さが軽減されているように感じた
物語は入水したい太宰と止めたい主人公のあれこれ。そこに梶原善が一人三役で演じる打雷(ダライ)という男が笑いを添えるというゆる~い感じだ
昔は『エルミタージュ幻想』という芸術過ぎる作品くらいしかなかった全編ワンカットものもちょこちょこ増えてきている
それでもコメディで挑戦し続けてくれる三谷組は貴重な存在じゃなかろうか
太宰という蟻地獄で苦闘する。
個人的なことを書くと、私は三谷作品とは相性が悪い。
地方で学生だった頃、東京で面白い舞台作家が出てきたという話が雑誌などから漏れ伝わり、ようやくその作家の映画化作品が上映になったのが「12人の優しい日本人」だった(三谷幸喜は脚本のみで、監督はしていない)。
名作「怒れる12人の男」をベースにして、裁判員制度導入前の日本で陪審員制度を空想する狙いは面白いとは思ったが、何んだか肩透かしを食らったような思いが残った記憶がある。
その後、テレビなどでも三谷幸喜作品に出会うのだが、やはりしっくりと来ないものが続いた。
僭越ながら、互いのセンスが違うと思った。センスは語源的には「方向」を示す言葉だ。三谷幸喜が右を見ていると私は上を見ているといった感じだろうか。互いにソッポを向いているのだ。
近年の作品でも、笑いの種類やタイミングが違うといった感じが続いている。
今回はワンシーンワンカットだそうだが、ワンシーンワンカットというと、ヒッチコックの「ロープ」を思い浮かべる。しかしヒッチコックを気取るととんでもない失敗をやらかすというのは映画界の法則ではなかろうか?
と、ここまでは映画鑑賞前に下書きしておいた。
案の定、本作は失敗と言ってよいだろう。上映中、少ない観客から笑い声が出ることは一度もなかった。
笑いの狙いはわかるが、狙いが分かりすぎて意外性がない。ワンシーンワンカットが持つ胆力が全然生かされていないなど、不満は多い。
太宰には「トカトントン」という短編があり、この題名?が映画の中に登場する。こういったトリビアが太宰ファンには刺さるのだろうか(私は太宰ファンではない)。
太宰は映画化されやすい作家だが、下手に手を突っ込むと抜け出せない蟻地獄になる。
三谷幸喜にそういった覚悟はあったのだろうかと疑問だけが残った。
三谷幸喜「おい、太宰」劇場版
おい、三谷
小池栄子のあのシーン、笑っちゃったな。
というかあそこしか笑えなかった。
ワンシーン、ワンカットで撮影しました、
どうだ、すごいでしょう。
ワンシーン、ワンカットで撮影してるんだ、そうなんだ、
へぇすごいな。
ワンシーン、ワンカットで撮影された作品は今までもあったが、実験的試みか、それ自体を目的とした作り手の自己満足のものがほとんどだと思う。
今作も内容には、ワンシーン、ワンカットの必然性が感じられない。
ワンシーン、ワンカットにこだわるくらいなら、もっと違うところに知恵とお金を使って面白い作品を作ってほしい。
三谷幸喜の新作(新作ではないんだ)、以前ならワクワクして観に行ってたけど、ヘルシンキヘルシンキ以後、期待しないようになった。期待していなかったが、やっぱり三谷幸喜は面白いなぁとはならなかった。
小池栄子のあのシーンと、宮澤エマのあのシーンと、松山ケンイチのあのシーンはよかったです。
もうひとつのエンディングはまったくの蛇足。
太宰はもともときらい。
数年前の米国映画「ソフト /クワイエット」は、ワンショットで撮っている現場の緊張感がヒリヒリと伝わり、内容的にもワンショットで撮影されていることが100%活かされた一瞬も目を離すことのできないすごい映画だった。
ワンシーンワンカット
タイトルなし
三谷ワールド全開。言葉遊びと喜劇。今回は、情けない男を田中が演じきった。エマさんもさすが。太宰に言い寄られて豹変する心の多層性を見事に演じた。小池さんの、布袋ミュージックシーンはすごかった。
梶原さんも含め、鎌倉殿キャスト。三役を見事に演じ、喜劇俳優としての力を示した。
太宰役もなかなか。
確かに、太宰カップルは若い俳優でやれるともっと良かったんだけど。でもそうなると、こちらの中年カップルとの釣り合いが悪い。
一つの舞台(シーン)で海岸のあっちとこっちで舞台裏シーンを見せていく演出はなかなか。穴のあっちとこっち、海岸のあっちとこっちをウロウロする田中の身体の動きはそのまま心の動きを表現している。
田中圭のおっさんずラブ等でのあたふたさはちょっと人工的な感じがしちゃうのだけど、この芝居はさすが三谷さんの演出。
松山ケンイチよかったけど、青森出身だったのか。津軽弁よかった。
笑えない
小池栄子 あなたが主役
101分だけど長く感じた
ワンカットワンシーンで撮ったというのは、すごいと感じる。
冒頭から脚本がよく練られているがゆえ、この撮り方ができるのだなと思った。
小室(田中圭)がタイムトリップをして太宰(松山ケンイチ)とトミ子(小池栄子)と
会ってから、現代と過去を行き来する中でのドタバタ劇には
早々に飽きてしまい、短い作品であるにも関わらず、実に冗長に感じた。
基本ワンシチュエーションだからだと思うが、同じことの繰り返しに感じてしまい、
睡魔におそわれたほど。
ただ、後半は見どころもあって、トミ子vs美代子(宮澤エマ)の図が
『鎌倉殿の13人』を彷彿とさせるやりとりだし、
梶原善のひとり3役も面白かった。
ラストも微妙〜な感じで、もっとスッキリ終わらせるか、
爆笑のオチを用意する・・・でもよかった気がする。
最近は、三谷監督×映画 は、あまり面白いと感じない。
舞台は観たことがないので何とも言えないが、ドラマの方が面白く感じる。
一人三役をこなす梶原善さんの変わり身
面白いというよりも、低予算で製作されたくだらない寄りを楽しむお話しなのかな、と感じました。
一人三役をこなす梶原善さんの変わり身と、松山ケンイチさんの上手さに、面白さを委ねているようなドラマにも思えました。
三谷幸喜監督の3本目となる「ワンシーンワンカット」が、この映画の売りのようですけれど、先日に「1917 命をかけた伝令」を観ているので、それほどの感銘は有りませんでした。
太宰ガッカリ
…演者さんたちが良いので
楽しみにしていました
・・コメディに振り切っているのに
"何故か"笑えない
う~ん何故だろう~
"何処かクドイ"…
"演出"なのか"テンポ"なのか分からないけど
もっとサラリと作れなかったのだろうか
舞台だったらと思うけど…
皆さん大声で叫んでいるだけで
…疲れる
田中圭さんも疲れたと思います
太宰を演じる松山ケンイチさんは
面白かったし小池栄子さんが演じるトミ子
そして梶原善が三役をこなして忙しい
所々笑えるところもありましたが
…タイムスリッフを
意味なく何度も繰り返すと
観ているこちらが
いつまで同じことを…
俳優の皆さんは本当に素晴らしいです
…頑張りに拍手です
で、おもしろさはどこ
観たあとに
気持ちが軽くなるコメディはいいけど…
今回は笑えずとにかく疲れた~
【あのロケ地、良く見つけたなあ・・。田中圭さんのバタバタ感がチョイうざいけど、小池さんは可笑しいし、松山ケンイチは青森出身だから太宰バッチリだね!歴史改編タイムスリップコメディだね!】
■小室健作(田中圭)は太宰治を敬愛する平凡な男。妻の美代子(宮澤エマ)と出席した結婚披露宴の帰り道、偶然太宰が心中未遂を起こした海辺に迷い込む。太宰ゆかりの地に興奮した健作はふと見つけた暗い洞窟を”ゴチン!”と頭をぶつけながら進んでいく。
その先に現われたのは大正風の着物を着た太宰治(松山ケンイチ)と銀座のバーの女中らしき恋人の矢部トミ子(小池栄子)が優雅にハイキングに来ている何だか、綺麗な空気の小さな湾に面した海岸である。
タイムスリップしてしまった健作はトミ子に一目惚れをする。しかし、史実では2人はもうすぐ心中してしまう。トミ子を助けたい健作は奔走するのであーる!
◆感想
・この作品のフライヤーが劇場に並んだのは、公開の2W前だったかな。7/11の週は新作公開が少ないから、劇場がWOWOWで流した作品を劇場版とした作品を、急遽上映決定したみたい。
・今作は、三谷監督作としては珍しい屋外ロケ。で、ワンシーンワンカットってフライヤーに書いてあるから、どうなのかなあと思いながら鑑賞したが、最初は、非情にチープな感が漂って、”あ、これ三谷監督の面白くない方の作品かな”と不安になる。
・一人三役の梶原善さんは、三谷組の常連だけども、ずーと、誰かに”カワハギの刺身は、胆と醤油で食べると美味いんだから、戻ってこいって!”などとスマホで訳の分からない事を言っているし、そもそも何で小室健作夫婦は、あんな鄙びた海岸沿いの街を結婚式の引き出物を持ってウロウロしているのかも、良く分からない。
結局、”太宰のいる浜辺”に誘っているだけなんだよね。
■けれども、小室健作が浜辺で、”大好きな太宰の心中未遂の場所”という、ボロッチイ木に書かれた文字を観て、舞い上がって行く所からマアマア、面白くなってくる。
因みに太宰は何度も女と心中を図っているが、矢部トミ子はどーみても銀座のバーの女中の田部シメ子だよね。(太宰治って、経歴を見るとホント、甘ったれなどーしよーも無い男なんだけど、作品はオイラは好きなんだ。)
で、可笑しいのは矢部トミ子を演じる小池栄子さんが堂々と”私、19歳よ!”とあのドヤ顔で宣うから、マア可笑しいのである。劇場内はシーンとしていたけれど、オイラは笑ったなあ。
あとは、太宰を演じた松山ケンイチのキャスティングはバッチリだと思ったな。どこか面影が似ているし、松山さん自身が青森出身だから、青森弁を”分かりやすく、喋る”所も、グーである。
津軽弁って、ネイティブの方が喋るとマジ分からないのだが、流石松山ケンイチである。”ワー(お前って意味ね!)、兄貴に言われて来たな!”と小室健作を怪しむところなどは、ナカナカであった。
<今作が、大笑いする程のモノかと言われると、それは微妙カナ。実際、お客さんが殆ど入っていなかった事もあるけれど、笑いは起きなかったもんな。
けどまあ、実験的な取り組みと、ワンシーンワンカットという難しい手法にチャレンジした俳優さん達や、製作スタッフに敬意を表して3.5ね。
エラソーですいません・・。>
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