劇場公開日 2025年7月11日

三谷幸喜「おい、太宰」劇場版のレビュー・感想・評価

全73件中、41~60件目を表示

4.0パワーダウンしてるけど。

2025年7月15日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館

笑える

知的

カワイイ

三谷作品を語れるほど詳しくは無いのですが…初めて見た作品は、ラジオの時間でした。もう、すっかりハマり大好きに。その後何作か鑑賞して感じていたのは、たくさんの俳優がバラバラに熱演し、なぜか最後はスッキリまとまる後味の良さ。今作は、wowwowと劇場版両方見ましたが、この三谷作品の魅力が、ややパワーダウンしているかも。皆さん実力派ばかりなので、なんとか破綻は免れたが、キャストが違ってたら大失敗だったのではと思いました。小池さん、宮澤さん二人共チャーミング。梶原さん3役お見事。沢山の舞台経験無しでは出来ないお仕事ですね。田中さん、私生活は置いといて、憎めないキャラがいつも楽しい。ただ、今回はやや、演技がうるさく雑に感じました。松山さん、太宰の身勝手さ、危うさ、悲しさに、ユーモアを加味していて、さすがのカメレオン俳優でした。そして太宰が魅力的でなければ、話が成り立たないですが、松山さん、素敵でした。

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たえさん

5.0三谷幸喜ワンシーン・ワンカット渾身の3作目!

2025年7月15日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

驚く

三谷幸喜ワンシーンワンカットドラマ第三作目。

舞台好きには堪らない贅沢な作品。三谷脚本のセリフ劇としての面白さは勿論のこと演じる場所は自然の海。実在するトンネルで結ばれた2つの浜辺を余すことなく走ったり飛んだり跳ねたり激しく動き回る。

主演の田中圭はずっと出ずっぱりで膨大な台詞のお芝居を完璧にこなしながら、カメラに映らないようにカメラマンの背中越しで着替えや移動する俳優スタッフのタイミングを目視で確認しながら臨機応変に自分のお芝居で繋ぐ神業。

カメラマン山本英夫さん(65歳)に至っては、一度カメラを回し始めたら途中で台本を見ることができないので、登場人物全ての台詞を丸暗記。カメラが先行して動くシーンも多いので、俳優の動きを読み取りながら重いカメラを自ら担いでの撮影(超絶神業技巧)。

安心安全三谷組の梶原善、小池栄子、宮澤エマが爆笑を巻き起こし、見るからに非凡人な太宰治を松山ケンイチが見事に演じる。

WOWOWでの鑑賞も良いけれど、大画面で見るおい太宰の没入感は段違い。
是非劇場で楽しんでみて欲しい。
オススメ。

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トモたん

4.5意表をつかれた

2025年7月15日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

俳優の存在感が生のまま露出されてしまう完全ワンシーンワンカット撮影で浮彫りになった5人の俳優の演技力に脱帽という感じの作品だった。演劇の舞台に観客も載っかった様な感じで楽しめてしまうので臨場感が高い。映画を観てカメラマンの凄さを感じる経験はなかなか出来ない。松山ケンイチ演じる太宰治がママの太宰治だった。ルックスだけでなくおどける様子も小説で説明されている通りで、現代の様に音声を伴うメディアが発達していなかった時代の太宰はおそらくあの程度の青森県(津軽?)のなまりは残っていただろう。

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波魁龍之介

3.57月15日@TOHOシネマズ日比谷にて。 WOWOWで先行配信され...

2025年7月15日
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鑑賞方法:映画館

7月15日@TOHOシネマズ日比谷にて。
WOWOWで先行配信されたものの劇場版。まぁかつて、Netflixで先行した『アイリッシュマン』や『ちひろさん』を私は劇場でおカネを払って観ても満足できているので、どこが制作しどこで公開しようが作品として優れていれば関係ないです。

いやー期待に違わず抱腹絶倒でしたwww
たまに三谷を吸いに行かないと息が詰まる。
途中、恐らくそれなりの理由でカットは入っているとは思うのですが(現在のCG技術なら完璧にシームレスにできるでしょう)、一応触れ込みは「カメラを止めずにワンカットワンシーン」で101分。

物語は、鎌倉近くの海岸に近い場所で結婚披露宴に参列し、その帰りに道に迷った夫婦のボヤキから始まる。小室美代子(演:宮澤エマ)の友だちが再婚したけれど、相手が胡散臭い男だったとブツブツ。そうかなーと気のない返事をする夫、小室健作(田中圭)。
しかしこの海岸辺りが太宰治の一度目の心中事件の舞台となったことを知ると、太宰ファンの夫はにわかに興奮し始め、あちこち歩き回った末に海岸沿いの洞窟に探検に入る。
ところが洞窟を抜けた先は昭和5年、まさに太宰が心中を図ったその日で、眼の前には太宰(演:松山ケンイチ)と心中相手の女給、矢部トミ子(演:小池栄子)が楽しげに語らっていた。トミ子の運命を知っている健作は、史実を曲げてでも心中を止めようとするが・・・
この4人に、『鎌倉殿の13人』で暗殺者を演じた梶原善がむちゃくちゃな振りの脇役で絡みまくる。

この作品、三谷は例によって役者を骨の髄まで使い倒している、もとい、役者の能力と個性を限界まで引っ張り出している。
また、それに応えている役者たちも相当なレベルである。

田中圭は、永◯芽◯の不倫相手としか知らなかったが、舌を巻くほどの演技力と熱量だ。
宮澤エマはもう上手いのは知っている。知っているけれど、なおも感嘆する。
松山ケンイチの怪人ぶりは太宰を演じてますます燃え上がる。
そして小池栄子ってこんなにすごい役者だったんだ。
さらに梶原善。
この5人が、1時間40分ぶっ通しのライブの舞台上でセリフをほとばしり続けているようなもの。
つまり圧倒されるのである。

あーおもしろかった。

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LukeRacewalker

3.5時間経過も違うということで・・・w

2025年7月15日
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楽しい

太宰治ファンの男が、太宰治が心中事件を起こした浜辺で1930年にタイムスリップして、 正に心中を図ろうとする太宰治&矢部トミ子と遭遇する話。

2024年友人の結婚式に出席した夫婦が、帰り道に迷い太宰治が心中を図った浜に迷い込み巻き起こっていく。

日付や場所や相手の名前はいじってあるけれど、実際の心中事件をモチーフにしつつ、そこに出くわした男のドタバタを見せるコメディですね。

太宰&トミ子は良いとして?w 打雷四郎次郎といかりの年齢設定は何歳よ?と思いつつも、 そんなのどーでも良い感じにテンポの良いおバカなやり取りが終始続き、太宰治の作品は知らずとも、名前や作家であったことを知っている程度で充分愉しめるつくりになっているし、キャストがまあみんなハマっているし。

尺的にも、ちょっとクドさを感じ始めた頃に終了という感じで、とても面白かった。

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Bacchus

4.0薬瓶の中の錠剤をすり替えて欲しかった

2025年7月15日
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幸せ

ドキドキ

またしてもタイムスリップものでWOWOWドラマとして制作されたのだが、これを映画館で見ないでどうする?というくらいドキドキの全編ワンカット長回しの魅力に満ち溢れた傑作コメディである。ほぼ100分出ずっぱりの田中圭、その奥さん宮澤エマ、太宰役の松山ケンイチ、情死の相手小池栄子、そして漁師親子三役を早着替えで演じる梶原善。役者5人がそれぞれに矜持あるMAXの演技をぶつけあっており三谷幸喜ファンで長回しフェチ、しかも太宰治で卒論を書いてしまった私としてはたまらなく幸せな観劇の時間を過ごした。前作「スオミの話をしよう」があまりにも不当に世間の評価が低くて憤慨していたが「映画になっていなく」て上等、これは映画的空間とタイムスリップという仕掛けによって時間の自由さをも手に入れた演劇の到達点、新たな発明と呼んでも差し支えない「演劇映画」である。三谷幸喜のアイデアを超えた青森弁の太宰が異色。

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たあちゃん

4.0ロケ地と脚本の良いとこ出まくってる

2025年7月14日
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忘れた頃にやってくる三谷監督の全編ワンカットもの

ほぼ二人芝居の『Short Cut』
大人数の『大空港2013』
続く今作は中間の五人芝居だ

舞台は鎌倉の海。偶然そこを訪れた小室夫妻
太宰が心中事件を起こした場所であることを知った小室が辺りを散策していると、なんとも雰囲気のあるトンネルを見つける
トンネルを抜けると過去の世界。そこには事件を起こす前の太宰と恋人がいた・・・

これから全編ワンカットだとは思えない空撮の画スタートなのはなかなかのインパクト

トンネルを抜けると時代が変わるという設定、そしてロケ地も素晴らしい。トンネルを通るたび一呼吸置けるので、過去作に比べて演劇の良いところが出て冗長さが軽減されているように感じた

物語は入水したい太宰と止めたい主人公のあれこれ。そこに梶原善が一人三役で演じる打雷(ダライ)という男が笑いを添えるというゆる~い感じだ

昔は『エルミタージュ幻想』という芸術過ぎる作品くらいしかなかった全編ワンカットものもちょこちょこ増えてきている
それでもコメディで挑戦し続けてくれる三谷組は貴重な存在じゃなかろうか

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作務衣もん

3.0太宰という蟻地獄で苦闘する。

2025年7月14日
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alfred

3.0小室です!

2025年7月14日
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鑑賞方法:映画館

斬新

面白いけど、始終イライラが募る

微妙な笑い、ニヤニヤ、イヒイヒ

爆笑させてくれ、ストレスがたまる

ワンカットは凄いが、私は三谷作品が肌に合わない

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AK

4.5三谷幸喜「おい、太宰」劇場版

2025年7月13日
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田中圭さん、あの件で敬遠してました。
けど、三谷作品なので足を運びました。
さて、作品です。
梶原さんや宮澤さんの三谷組の方々の安心感。
『スオミ』で批判も多かった(と、記憶してます)舞台の様な演出。
今回はそれを全面に押し出し、演者も振り切った演劇芝居。
お見事です。
田中さん、ここまで出来るとは。
あの件で消えるには、惜しい。
小池さん、モデル上がりのイメージは、もうありませんね。
松山さん、フロントラインと同一人物?
宮澤さんも、振り幅イイです。
演劇として、鑑賞出来ますよ。
梶原さん、ウザ(笑)

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映画館難民

4.0おい、三谷

2025年7月13日
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鑑賞方法:映画館

小池栄子のあのシーン、笑っちゃったな。
というかあそこしか笑えなかった。

ワンシーン、ワンカットで撮影しました、
どうだ、すごいでしょう。
ワンシーン、ワンカットで撮影してるんだ、そうなんだ、
へぇすごいな。

ワンシーン、ワンカットで撮影された作品は今までもあったが、実験的試みか、それ自体を目的とした作り手の自己満足のものがほとんどだと思う。
今作も内容には、ワンシーン、ワンカットの必然性が感じられない。
ワンシーン、ワンカットにこだわるくらいなら、もっと違うところに知恵とお金を使って面白い作品を作ってほしい。

三谷幸喜の新作(新作ではないんだ)、以前ならワクワクして観に行ってたけど、ヘルシンキヘルシンキ以後、期待しないようになった。期待していなかったが、やっぱり三谷幸喜は面白いなぁとはならなかった。

小池栄子のあのシーンと、宮澤エマのあのシーンと、松山ケンイチのあのシーンはよかったです。
もうひとつのエンディングはまったくの蛇足。

太宰はもともときらい。

数年前の米国映画「ソフト /クワイエット」は、ワンショットで撮っている現場の緊張感がヒリヒリと伝わり、内容的にもワンショットで撮影されていることが100%活かされた一瞬も目を離すことのできないすごい映画だった。

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大吉

4.0モテる男

2025年7月13日
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作家さんてモテるんですね。特に太宰は人の弱さを描いているのでそうなんでしょう。
小池さんとケンイチくんのそれぞれの舞がツボでした。三谷さんの脚本はいつでも魅力的です。

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立丸

4.0ワンシーンワンカット

2025年7月13日
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楽しい

斬新

三谷幸喜の映像作品は演劇的アプローチが必ずしも成功してるとは言い難いものがある中で、このワンシーンワンカットのシリーズは舞台と映像のいいとこどりにちゃんとなっていて面白かった。
タイムスリップもので主人公が気軽に現代を過去を行ったり来たりする設定が斬新だし、それをワンカットでやってしまうアイディアが凄い。
松山ケンイチの太宰治はイメージ通りだし恋人トミ子を演じる小池栄子が凄くキュート。
その2人と妻に振り回されて右往左往する主人公を演じる田中圭がコミカルではまり役。
梶原善が一人三役やっていてそれも見どころ。
主人公の妻を演じる宮澤エマも振り切った演技で笑わせてくれる。

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akka

5.0タイトルなし

2025年7月13日
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三谷ワールド全開。言葉遊びと喜劇。今回は、情けない男を田中が演じきった。エマさんもさすが。太宰に言い寄られて豹変する心の多層性を見事に演じた。小池さんの、布袋ミュージックシーンはすごかった。
梶原さんも含め、鎌倉殿キャスト。三役を見事に演じ、喜劇俳優としての力を示した。
太宰役もなかなか。
確かに、太宰カップルは若い俳優でやれるともっと良かったんだけど。でもそうなると、こちらの中年カップルとの釣り合いが悪い。
一つの舞台(シーン)で海岸のあっちとこっちで舞台裏シーンを見せていく演出はなかなか。穴のあっちとこっち、海岸のあっちとこっちをウロウロする田中の身体の動きはそのまま心の動きを表現している。
田中圭のおっさんずラブ等でのあたふたさはちょっと人工的な感じがしちゃうのだけど、この芝居はさすが三谷さんの演出。
松山ケンイチよかったけど、青森出身だったのか。津軽弁よかった。

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Emiri

2.0笑えない

2025年7月13日
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舞台を映画化するってこういうことじゃないと思うんですよね。

にしても、太宰の鎌倉での心中事件について多少なりとも知っていれば、亡くなった女性にあたるキャラの描かれ方にやっぱり冒涜に近いものを感じるんじゃないでしょうか。
名前を変える気づかいはあるのに、あれですか。
コメディにするのはいいが、優しさがないんですよ。

これまでもさんざん指摘されてきているはずなのに、三谷さんは自分の中の女性差別について決してお認めになりませんよね。

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Pocaris

4.0小池栄子 あなたが主役

2025年7月12日
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 小池栄子がコメディエンヌとしての才能を見せつける。劇場内が爆笑の渦となったあのシーンを思い出し笑いをしてしまう。一発どりであの演技を出し切ってしまう思いっきりの良さ。お腹が捩れるくらい笑ってしまった。

 宮澤エマもラストに近くなるほど、爆発力を見せる。太宰とのやりとりで見せる乙女の仕草がたまらない。宮澤エマ自体をこんなに認識したのは初めて。

 中盤は、ちょっと飽きがくる時間帯がありながらも、終盤からは怒涛の会話劇。「スオミ」よりも断然楽しめます。

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bion

2.0101分だけど長く感じた

2025年7月12日
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ひでちゃぴん

1.0一人三役をこなす梶原善さんの変わり身

2025年7月12日
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ねこたま

2.5太宰ガッカリ

2025年7月12日
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…演者さんたちが良いので
楽しみにしていました
・・コメディに振り切っているのに
"何故か"笑えない
う~ん何故だろう~
"何処かクドイ"…
"演出"なのか"テンポ"なのか分からないけど
もっとサラリと作れなかったのだろうか
舞台だったらと思うけど…
皆さん大声で叫んでいるだけで
…疲れる
田中圭さんも疲れたと思います
太宰を演じる松山ケンイチさんは
面白かったし小池栄子さんが演じるトミ子
そして梶原善が三役をこなして忙しい
所々笑えるところもありましたが
…タイムスリッフを
意味なく何度も繰り返すと
観ているこちらが
いつまで同じことを…
俳優の皆さんは本当に素晴らしいです
…頑張りに拍手です
で、おもしろさはどこ

観たあとに
気持ちが軽くなるコメディはいいけど…
今回は笑えずとにかく疲れた~

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しろくろぱんだ

3.0【あのロケ地、良く見つけたなあ・・。田中圭さんのバタバタ感がチョイうざいけど、小池さんは可笑しいし、松山ケンイチは青森出身だから太宰バッチリだね!歴史改編タイムスリップコメディだね!】

2025年7月12日
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楽しい

知的

幸せ

■小室健作(田中圭)は太宰治を敬愛する平凡な男。妻の美代子(宮澤エマ)と出席した結婚披露宴の帰り道、偶然太宰が心中未遂を起こした海辺に迷い込む。太宰ゆかりの地に興奮した健作はふと見つけた暗い洞窟を”ゴチン!”と頭をぶつけながら進んでいく。
 その先に現われたのは大正風の着物を着た太宰治(松山ケンイチ)と銀座のバーの女中らしき恋人の矢部トミ子(小池栄子)が優雅にハイキングに来ている何だか、綺麗な空気の小さな湾に面した海岸である。
 タイムスリップしてしまった健作はトミ子に一目惚れをする。しかし、史実では2人はもうすぐ心中してしまう。トミ子を助けたい健作は奔走するのであーる!

◆感想

・この作品のフライヤーが劇場に並んだのは、公開の2W前だったかな。7/11の週は新作公開が少ないから、劇場がWOWOWで流した作品を劇場版とした作品を、急遽上映決定したみたい。

・今作は、三谷監督作としては珍しい屋外ロケ。で、ワンシーンワンカットってフライヤーに書いてあるから、どうなのかなあと思いながら鑑賞したが、最初は、非情にチープな感が漂って、”あ、これ三谷監督の面白くない方の作品かな”と不安になる。

・一人三役の梶原善さんは、三谷組の常連だけども、ずーと、誰かに”カワハギの刺身は、胆と醤油で食べると美味いんだから、戻ってこいって!”などとスマホで訳の分からない事を言っているし、そもそも何で小室健作夫婦は、あんな鄙びた海岸沿いの街を結婚式の引き出物を持ってウロウロしているのかも、良く分からない。
 結局、”太宰のいる浜辺”に誘っているだけなんだよね。

■けれども、小室健作が浜辺で、”大好きな太宰の心中未遂の場所”という、ボロッチイ木に書かれた文字を観て、舞い上がって行く所からマアマア、面白くなってくる。
 因みに太宰は何度も女と心中を図っているが、矢部トミ子はどーみても銀座のバーの女中の田部シメ子だよね。(太宰治って、経歴を見るとホント、甘ったれなどーしよーも無い男なんだけど、作品はオイラは好きなんだ。)
 で、可笑しいのは矢部トミ子を演じる小池栄子さんが堂々と”私、19歳よ!”とあのドヤ顔で宣うから、マア可笑しいのである。劇場内はシーンとしていたけれど、オイラは笑ったなあ。
 あとは、太宰を演じた松山ケンイチのキャスティングはバッチリだと思ったな。どこか面影が似ているし、松山さん自身が青森出身だから、青森弁を”分かりやすく、喋る”所も、グーである。
 津軽弁って、ネイティブの方が喋るとマジ分からないのだが、流石松山ケンイチである。”ワー(お前って意味ね!)、兄貴に言われて来たな!”と小室健作を怪しむところなどは、ナカナカであった。

<今作が、大笑いする程のモノかと言われると、それは微妙カナ。実際、お客さんが殆ど入っていなかった事もあるけれど、笑いは起きなかったもんな。
 けどまあ、実験的な取り組みと、ワンシーンワンカットという難しい手法にチャレンジした俳優さん達や、製作スタッフに敬意を表して3.5ね。
 エラソーですいません・・。>

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NOBU