劇場公開日 2025年7月11日

「7月15日@TOHOシネマズ日比谷にて。 WOWOWで先行配信され...」三谷幸喜「おい、太宰」劇場版 LukeRacewalkerさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 7月15日@TOHOシネマズ日比谷にて。 WOWOWで先行配信され...

2025年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

7月15日@TOHOシネマズ日比谷にて。
WOWOWで先行配信されたものの劇場版。まぁかつて、Netflixで先行した『アイリッシュマン』や『ちひろさん』を私は劇場でおカネを払って観ても満足できているので、どこが制作しどこで公開しようが作品として優れていれば関係ないです。

いやー期待に違わず抱腹絶倒でしたwww
たまに三谷を吸いに行かないと息が詰まる。
途中、恐らくそれなりの理由でカットは入っているとは思うのですが(現在のCG技術なら完璧にシームレスにできるでしょう)、一応触れ込みは「カメラを止めずにワンカットワンシーン」で101分。

物語は、鎌倉近くの海岸に近い場所で結婚披露宴に参列し、その帰りに道に迷った夫婦のボヤキから始まる。小室美代子(演:宮澤エマ)の友だちが再婚したけれど、相手が胡散臭い男だったとブツブツ。そうかなーと気のない返事をする夫、小室健作(田中圭)。
しかしこの海岸辺りが太宰治の一度目の心中事件の舞台となったことを知ると、太宰ファンの夫はにわかに興奮し始め、あちこち歩き回った末に海岸沿いの洞窟に探検に入る。
ところが洞窟を抜けた先は昭和5年、まさに太宰が心中を図ったその日で、眼の前には太宰(演:松山ケンイチ)と心中相手の女給、矢部トミ子(演:小池栄子)が楽しげに語らっていた。トミ子の運命を知っている健作は、史実を曲げてでも心中を止めようとするが・・・
この4人に、『鎌倉殿の13人』で暗殺者を演じた梶原善がむちゃくちゃな振りの脇役で絡みまくる。

この作品、三谷は例によって役者を骨の髄まで使い倒している、もとい、役者の能力と個性を限界まで引っ張り出している。
また、それに応えている役者たちも相当なレベルである。

田中圭は、永◯芽◯の不倫相手としか知らなかったが、舌を巻くほどの演技力と熱量だ。
宮澤エマはもう上手いのは知っている。知っているけれど、なおも感嘆する。
松山ケンイチの怪人ぶりは太宰を演じてますます燃え上がる。
そして小池栄子ってこんなにすごい役者だったんだ。
さらに梶原善。
この5人が、1時間40分ぶっ通しのライブの舞台上でセリフをほとばしり続けているようなもの。
つまり圧倒されるのである。

あーおもしろかった。

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LukeRacewalker