「人々の心の痛みや叫びをうまく切り取った」クラッシュ(2005) αさんの映画レビュー(感想・評価)
人々の心の痛みや叫びをうまく切り取った
「ぶつかりあって、それでも人は生きていく」というのがキャッチコピーですが、まさにその通りだと思いました。
登場人物は皆、最初はささくれだっていて、他人を人種や見た目で差別化し、決定付けようとする。それによって引き起こされるちょっとしたいざこざが絡まりあって、悲劇を生んでいく。
最初はなんで彼らはこんなに嫌な人間なんだろうと思って見ていたけど、ふと思えば、自分も日々嫌なことが積み重なっていくと、ついつい他人に対してささくれだった気持ちになってしまうよなあと思わされる。
そんな気持ちで人とぶつかって、結果として自分が傷付き、それでもやはり人であるからには人と寄り添って生きていかなければならない。そんな人々の心の痛みや叫びをうまく切り取った映画であるなあと思ったのでした。
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