揺さぶられる正義

劇場公開日:2025年9月20日

解説・あらすじ

多くの冤罪を生んだ「揺さぶられっ子症候群」事件を追ったドキュメンタリー。文化庁芸術祭賞優秀賞など数々の賞を受賞した関西テレビ製作のドキュメンタリー「検証・揺さぶられっ子症候群」シリーズをもとに、新たな取材と視点を加えて映画として完成させた。

2010年代、赤ちゃんを激しく揺さぶり脳に重度の損傷を負わせる「揺さぶられっ子症候群(Shaken Baby Syndrome=SBS)」の疑いで、親などが逮捕・起訴される事件が相次いだ。マスコミでも大きく報じられる中、幼い命を守るという使命感のもと診断にあたる医師たちがいる一方で、刑事弁護人と法学研究者による「SBS検証プロジェクト」が立ち上がる。プロジェクトのメンバーは無実を訴える被告と家族に寄り添い、事故や病気の可能性を徹底的に調査。「虐待をなくす正義」と「冤罪をなくす正義」は激しく衝突し、やがて無罪判決が続出する前代未聞の事態へと展開していく。

監督は、関西テレビに企業内弁護士として入社した後、刑事司法の問題に向き合うべく報道記者に転身した上田大輔。8年間にわたりSBS事件を追い続けた上田監督が、事件の加害者とされた人物や家族との対話を重ね、報じる側の暴力性というジレンマに苛まれながらも、司法とメディアのあるべき姿を問いかける。

2025年製作/129分/G/日本
配給:東風
劇場公開日:2025年9月20日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
上田大輔
プロデューサー
宮田輝美
撮影
平田周次
編集
室山健司
音声
朴木佑果
赤木早織
音響効果
萩原隆之
整音
中嶋泰成
全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

映画レビュー

4.5 終始、胸が痛むほど切ない

2025年10月23日
スマートフォンから投稿

冤罪によって自身の人生の一部を損なわれた人たちを思うと非常に胸が苦しい思いになる。

この映画に出てくる被告人は幸運にも無罪を勝ち取ることができたが、しかし世の中には冤罪で生涯獄中生活を送ることを余儀なくされた人の方が多いことだろう。

この映画のおかげで冤罪に苦しむ人をサポートする団体があることを知れて良かった。何とか一人でも多くのいわれなき罪を負わされた人が救われてほしい。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
はなてん

5.0 たった1つの真実を証明するのは難しい

2025年10月21日
iPhoneアプリから投稿

明日は我が身。
孫を預かるのも監査カメラを置いた方が良いのかな?と思ってしまった。

全マスコミに見てほしい
この映画を作った上田監督に拍手

コメントする (0件)
共感した! 0件)
なまかやゆう

4.5 上田監督の誠実な姿勢

2025年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

起訴こそされませんでしたが、ごく身近で類似の体験をした(今年です)ものとして、親子が引き離された辛さが痛いほどわかります。
 映画には登場してこないもう一つの機関として児童相談所があり、その職員から当初から犯罪者のごとく扱われ子供を隔離(拉致)されたのです。起訴、逮捕、拘留などに至らない類似案件はかなり多いと思います。児童相談所の職員はマニュアル通りの対応なのでしょうが、本人との面接や自宅の育児環境確認などを通じて、明らかに虐待でないと常識では判断できる場合でも、たいへん心無い言葉を浴びせられ、改善や再発防止と称する対応を指示されました。理不尽な対応に怒りを覚えました。
虐待または不注意や過失での傷害を認めない限り子供を返してくれない事例が横行していた(いる)と思われます。
 この映画では、冤罪被害者の方々も医師もカメラの前で勇気と覚悟を持って語ってくれていると思います。これは上田大輔監督が人と向き合う誠実な姿勢があってこそであり、素晴らしいドキュメンタリーです。警察発表、メディア報道を疑うことなく受け入れてしまう、SNSでの根拠ない攻撃など、私たちのあり方への問題提起として、多くの方に観てもらいたい作品です。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Hisah

4.0 冤罪の被害者

2025年10月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

あらゆる関係者の証言、皮肉めいたマスコミ報道。明日は我が身を感じさせる身近な事故を実感出来ます。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
コバキ