ワン・バトル・アフター・アナザーのレビュー・感想・評価
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手に汗握る
移民問題。平和ボケした日本人の私には馴染みのない問題であり、薄っすらした知識と感覚のみ、何の前情報も無しに見ましたがさすがでした。期待していた期待を超えてくる見応え。
息をのむ手に汗握る、瞬きをする暇がない。
見落としていい場面が一瞬たりともない。
そんな映画でした。
映画館ではこういう作品を見たい。ディカプリオが出る映画を選ぶように、やみくもに映画館に足を運ばない人におすすめしたい。
知識不足ゆえに1番最後の音声と人物を存じません。それは今後他の方のレビューなどを参考に知りたいと思います。
追記(ネタバレ)
母親がホテルで強制的に密会させられた後の帰り道、暗闇でのふとした表情、娘が産まれた後の陰鬱な様子は後々の遺伝子検査につながる伏線なんだと気付いた時の切なさに結構くらった。
PTA+ディカプリオ
ポール・トーマス・アンダーソン監督、レオナルド・ディカプリオ主演。
今現在のアメリカを、非常に表現していると思うのだが、制作は数年前に始まっていただろうから、すごい予言的な映画である。
アメリカでも革命を志向した人はいて、同時にそれに猛烈に反対する保守を飛び越した陰謀論的な人もいるわけで。そこに、元革命家の娘が巻き込まれて・・・、という感じ。
娘を探し求める、だらしない元革命家をディカプリオが演じてますが、ディカプリオがこのような演技ができるとは知らなかったです。素晴らしい。
軍人役のショーン・ペンは、相変わらず、こういう役が上手いなあ、と。
娘役のチェイス・インフィニティは、名前もすごいが、素晴らしい役者になる可能性がありますね。というか、今作で売れるでしょ。
アメリカの人が見た感想と日本人が見た感想では、かなり差があるのだろうなあ、と感じた。
アメリカ人(白人・黒人・ラテン系その他)でも、全然違う感想になりそう。
やっぱり、アメリカの現状は、よろしくないよ。
ストーリー背景が難しい
評価が高かったので少しハードルを上げて観てしまい、結果、ん〜っとなってしまいました。アクションは凄く派手ではないが、そこそこ楽しめたかな。ディカプリオの所属する団体は革命家?移民支援団体?銀行強盗?少し理解できませんでした。アメリカの移民問題、白人至上主義など日本人には馴染みのないものがテーマになっていたように感じました。
テヤナ演じる母親も最初はぶっ飛んだ感じで結局、浮気?裏切り、失踪。何がしたかったのか?最後は手紙で良い母ぶっていたし。
ディカプリオは最初から最後までダメ親父だったような…娘を全く助けられてないし(娘を助けたの結局殺し屋)合言葉は忘れるし。まぁそこが笑いのツボだったのかな。本当の娘でない事も、最後まで気付かなかったのかな?
ショーンペンはヒール役がハマっていました。しかし警察?軍?こちらも、よくわからない組織でした。
デルトロは、どの映画でも取ってつけたような役が多いですね。今回も唐突に登場しディカプリオを助けて、直ぐにフェードアウト。デルトロ…いい役者なのに、なんかもったいない。
先住民族の殺し屋?は、最後、良い人になって娘を助けたってことなのかな?
なかなか日本人には馴染みのないテーマなので、ストーリーに入り込めませんでした。
しかしアメリカにあんな白人至上主義の秘密結社が存在するなら、恐ろしいですね。
超格好いい映画!!
スゲエ良かったです!!
最後の3台のカーチェイスが、
未来の希望、現在の秩序、過去の敗北を現していて、
その全てが道を登ったり降ったり、上がったり下がったり、良かったり悪かったりを延々と繰り返す様がもう本当に見てて泣けてくる!!
そしてラスト、
娘は戦いに向かい、「戦いまた戦い」。
私たちは戦い続ける、世界と、社会と、自分自身と。
いや最高ですねw 〔10/14追記〕
〔10月14日、2回目を観てきて星を0.5 upしました。「農園天国! じゃじゃ馬億万長者! Hジャンクション(?でしたっけ?)」 原語の台詞が見たい・・・〕
公開初日@TOHOシネマズ六本木ヒルズ。
最初の30分は「おいおい」と訝しむばかりだったが、その後の展開たるや抱腹絶倒で何度も声を上げて笑った。
いや別に、この作品は基本的にコメディではない。
しかしボブ(演;レオナルド・ディカプリオ)が、容赦なく笑わせて来るのだ。
あの「合言葉を忘れて言えない」のは悪夢に出てきそうなパターンだ。もー最高。
ディカさんに関しては『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』あたりから凋落したヘタレおっさんの妖しい妙味を出し始め、『キラー・オブ・ザ・フラワームーン』でどうしようもないクズ男を見事に演じた挙げ句、この『ワン・バトル・アフター・アナザー』で「30年、酒とドラッグでダメンズになった」ポンコツ革命家、兼、うざい父親でものすごい存在感を出した。
ついに「ディカさん=ダメおやじ」の境地を完成したのかもしれない。
その30年前の、移民勾留施設を武力解放して吠えるイカレた革命家たちの暴れっぷり(武力だけではなくセックスとドラッグと強盗三昧)は、これを観たトランプとMAGA勢に「だからリベラルは危ないのだ」という頓珍漢な主張の口実を与えそうでハラハラした。彼ら、ファンタジーと事実の境目がわからない人たちですからね。それが「おいおい」のところ。
しかし同時に、物語のカウンターパートとして(たぶんKKKを模しているのだろう)白人至上主義の極右クラブ「クリスマスの冒険者たち」の手先となる軍人、ロックジョー(演:ショーン・ペン)が描かれているので、そういう意味じゃバランスは取れている。どっちもバカだねぇ、クレイジーだねぇ、という意味で。
ショーン・ペン。
『アスファルト・シティ』では崩壊し破綻していったベテラン救命救急隊員をシリアスに演じていたが、この『ワンバト』ではガチガチのミリタリーおっさんでありながら一種の変態であるところを存分に演じていて、いやすごい俳優だ。
そして晴れて正式会員に迎えられ、専用の角部屋オフィスを与えられての末路は素晴らしい。
例えばの話、『ワンバト』が日本でリメイクされたと仮定した時に、同じ役をやれる同年輩の俳優が日本にいるだろうか?
さらにボブの高校生の娘、ウィラを演じた新進気鋭とされるチェイス・インフィニティがめちゃくちゃ良かった。
実年齢25歳らしいが、16~17歳をみずみずしく演じていて、今後が非常に楽しみな俳優である。眼差しが何だか昔のジェニファー・ビールスを彷彿とさせていた。
そしてなんとカラテ道場のセンセイがベニチオ・デル・トロでここでも爆笑。昨日『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』を観たばかりじゃないですかw
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最後に、感嘆したショットがある。
終盤になっての、砂漠の中のフリーウェイを2台のクルマが疾走するときの、道路のアップダウンの誇張である。
丘陵のコブをいくつも越えていくと言っても実際はそれほどの急坂ではないはずだが、極端な望遠レンズでまるでジェットコースターのようなアップダウンに見せた。このシーンはしばらく続く。
そこに生み出された没入感は、それまでのストーリーの「天国と地獄の往復」のような状況のアップダウンを暗示していた。
そして最後に叫ばれる合言葉。緊迫したカーチェイスとガンファイトの仕上げとして、その革命家たちの大真面目な合言葉は子どもの遊びじみた可笑しみさえ醸し、緊張の裏腹のナンセンスさを強烈に対比してくる。
ここ、見事であった。
〔10/14追記:この合言葉の応酬のあと、すでに父親ボブの顔が見えているのに銃の狙いを外さず、「Who, are, you!」と絶叫するウィラのこの言葉は、眼の前の男ボブが生物学上の「父」ではないこと、一方あの変態サイコパスのロックジョーが生物学上の父だったことへの絶望と否定、やり場のない憤りを表しているのかな。
だからこそ逃走・潜伏し続ける母からの手紙に「代わりにパパにキスをして」とあった言葉通り、ダメンズのボブを抱き締めに行くシーンがぐっと来る〕
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このあっけらかんとした「やりたい放題」の映画作りはタランティーノのクソガキを思い起こさせるが、しかしタランティーノより映画としては洗練されているように思えた。
わけのわからない比喩で大変恐縮だが、タランティーノが自慰的だとすればポール・トーマス・アンダーソンは計算ずくのポルノグラフィ的である。
あ。これ、映画ドットコムの投稿規定に反してませんかね?www
過去から未来へ
現代の平和主義的な日本に住む私には、「革命」というのは馴染みのないものだが、かつて日本でも日本赤軍や大規模な学生運動など、正義を振り翳して闘う人もいた。国や時代は違えど、そんな革命家たちのエネルギー溢れる活動の場面からこの映画は始まった。
妻と離れ、娘と2人暮らしになったボブだが、長年が経っても革命家時代の過去から逃れられず、薬を繰り返す日々。年頃の娘からも相手にされず、かつてのレオ様の面影がないほどのポンコツぶり。しかし、娘のウィラは真っ直ぐな瞳で強い精神力を持つカッコいい女性に育っていく様子が分かり、実は血の繋がらない親子ではあったが、しっかり愛情は伝わっていたのだと感じさせる。もう、縛り付けることなく、ウィラのこれからを見守ることができるのだろうな。
それにしても、ショーン・ペンの怪演ぶりが印象に残りすぎて(笑)以前に観たことのあるI am Samと同一人物とは思えないなぁ!
欲を言えば、16年前のボブの容姿と現在のポンコツ父ちゃんの容姿が、あまり変わらないような気がしたので、もう少し若作りをしたレオ様の姿も見てみたかったと、思ってしまった笑
面白かったと思います
先程、鑑賞しました。
何となく一昔前の映画の感じでした。
ディカプリオの奮闘も迫真の演技で良いのですが、ショーンペンの変態振りも良かったです(笑)
昔はカッコ良かったと思い出した。
結構シリアスな映画に出ていたかと。
ショーンペンが渇望していた秘密結社?
今のアメリカの移民問題につながるかと。
結局、ディカプリオは血縁関係は知らない…のですね。
ストーリー、俳優さん達、トータルでいい映画ではないでしょうか。
キャラが大渋滞しているものの、物語は至ってシンプルで、IMAXで観られる人は機会を大切にしよう
2025.10.3 字幕 イオンシネマ久御山
2025年のアメリカ映画(162分、G)
原案はトマス・ビンチョンの『Vineland』
革命家と警察の遺恨を描いたアクション映画
監督&脚本はポール・トーマス・アンダーソン
原題は『One Battle After Another』で、「戦闘に次ぐ戦闘」と言う意味
物語は、アメリカとメキシコの国境付近にあるオタイメサ移民勾留センターにて、革命グループ「フレンチ75」のメンバーが暗躍する様子が描かれて始まる
そのメンバーの1人・パット(レオナルド・ディカプリオ)は、仲間のペルフィディア(テヤナ・テイラー)たちとともに勾留所を制圧し、移民を解放することとなった
ペルフィディアは収容所の責任者であるスティーブン・J・ロックジョー(ショーン・ペン)を見つけ出し、侮辱して、辱めを与えた
ロックジョーは「また会うことになる」と言うものの、成功に浮かれるペルフィディアは自身の力を過信し始めるのである
その後、ペルフィディアは娘シャーリーン(Otilia Gupta)を授かることになり、パットと家族となった
だが、娘を育てることに全力のパットは革命の道から遠ざかり、ペルフィディアは娘とパットを捨てて、再び革命の道へと進んでしまう
そして、銀行襲撃の際に警備員を殺したことで、彼女はロックジョーに捉えられてしまう
彼は証人保護プログラムを提案し、ペルフィディアは「フレンチ75」のメンバーを売ることになったのである
映画は、ロックジョーが「フレンチ75」を壊滅させてから16年後を描き、パットはボブとなり、シャーリーンはウィラ(Chase Infiniti)となって、新しい生活を始めていく
ウィラはセルヒオ先生(ベニチオ・デル・トロ)のもとで空手を習うようになり、友人たちとダンスに興じることもあった
そんな中、ボブはドラッグに溺れ、不甲斐ない父親に成り下がってしまう
そして、そんな彼らの元に、再びロックジョーの魔の手が迫ってくるのである
ロックジョーは白人至上主義を掲げる「クリスマス冒険者」と言うクラブに名を連ねることを夢見ていて、かつて「フレンチ75」を壊滅に追い込んだ実績が評価されていた
だが、ロックジョーに異人種との交流の噂と、彼に子どもがいるのではないかと言う証言が見つかり、彼はそれを確かめようと躍起になっていた
そして、彼女が通っている高校のダンスパーティーを制圧するのだが、ウィラは間一髪で元フレンチ75のメンバーのデアンドラ(レジーナ・ホール)に助けられていた
その知らせはボブの耳にも入り、集合場所で落ち合うことになったのだが、パスワードが言えずに組織はボブを本人と認めない
そこでボブは、ウィラの通っていた道場のセンセイを頼ることになり、彼の仲間たちと一緒に「集合場所」を探しながら目指すことになったのである
ロックジョーはウィラを確保してDNA鑑定を行い、不一致ならば解放すると言う
だが、結果は親子として一致ということになり、ロックジョーは彼女を始末せざるを得なくなった
ロックジョーは先住民の賞金稼ぎアバンティ(Eric Schweig)にウィラの処分を言い渡すものの彼は拒絶し、やむを得ずに「1776」というアウトローを頼ることになった
アバンティは彼女を「1776」の元に届けるものの、自分たちを小馬鹿にしている彼らに対して、隙をついて殺害しようと目論む
ウィラはアバンティの計らいによって逃れることができたのだが、そこから行く宛のない旅を続けざるを得なくなってしまったのである
映画のテーマは「親子とは」というシンプルなもので、血縁的親子のロックジョーと記憶的親子のボブとの関係が描かれていく
ペルフィディアが娘の父親のことを知っているのかは描かれていないが、ロックジョーの検査によってウィラは知ってしまう
それが「あんたは誰だ!」という言葉につながるのだが、ボブは1ミリたりとも自分が親ではないなどと想いもしない
そして、16年の歳月の重みが事実をも凌駕し、ウィラとボブは親子を続けることになった
だが、ウィラは普通の人生ではなく、母の行こうとした道を歩み始め、革命活動に従事していくのである
いずれにせよ、162分の長丁場かつIMAX案件の作品なのだが、IMAXシアターで観られる人はラッキーなんだと思う
近場でIMAX上映もなく、やむを得ず通常スクリーンでの鑑賞となったが、IMAXの必要性をそこまでは感じなかった
これに関しては見比べてみないとわからないのだが、それはIMAXで鑑賞した人のレビューを参考にすれば良いと思う
登場人物が死ぬほど多く、キャラ名だけでは誰が誰だかわからないのだが、あまり重要ではないのだろう
ボブたちは移民解放を掲げる活動家で、ロックジョーはそれを取り締まる側であることがわかればOKで、移民の流入によって国の根幹が危ぶまれる中で、どのように「浄化するか」というスタンスの違いがあった
移民対策に反対する側と推進する側のどちらが正義とは描かれておらず、あくまでも対立軸としての設定でしかない
それでも、移民対策がゆくゆくは民族浄化に向かっている流れはあると思うので、そういった問題が「第三次世界大戦」を生み出す元凶になり得るという可能性を示唆しているのかな、と感じた
みんな雑
結局何が言いたかったのか。
ディカプリオは暗号も覚えられないし、最後娘を迎えに行っただけで何も役に立っていない。
革命家組織もあんだけ無茶苦茶やってたらそれはいずれ捕まるよ、ただのテロ組織だし。
ショーン・ペン最後そんなもん?って感じだったし、クリスマスの冒険者?もどんな組織かもわからずじまい。
映画comのレビューはステマに釣り上げられてるのかな。
普通に楽しめた。
普通に楽しめました。
悪い評価が目立ちますがこの作品のディカプリオの役柄が中途半端だからだと思いました。
皆ディカプリオ大好きだからね。
しかしダメなオヤジでも超子煩悩な設定は良かった。
1番中途半端なのがベネチオデルトロのセンセイがあまりにも…
黒人大好きなのにKKKの幹部になりたいショーペン。
変な奴しか出てこない映画でしたね。
スピルバーグが2回見て2回とも最高だ!に騙されたってのは否めないです。
つまらん
なんか巨匠の映画とかで、期待して鑑賞したが、ただのつまらん映画
デカプリオが終始ただの道化で、この監督が意識高い系のトランプ大嫌いの願望だけの
映画だった。この現代のアメリカに革命の妄想でも再現したい気持ちがありありなのか、
出てる俳優陣が可哀そう(特に変態にされたショーン・ペン)
【こんな映画作って喜んでるようじゃ、もうハリウッドも民主党もだめかもわからんね】
極左革命グループ「フレンチ75」は政府転覆を目論み、移民収容所襲撃、爆弾テロ、銀行強盗、電力網爆破などの破壊工作に勤しんでいます。いかにもハリウッドらしい派手な爆破シーンや銃をぶっぱなすシーンはてんこ盛りですが、彼らの思想は語られず精神的支柱も見当たりません。こんな集団がもし政権を奪取したらそれこそ暗黒時代に逆戻りでしょう。このご時世に暴力革命を肯定するなんて本気でしょうか。アホらしくなってきます。中国やロシアじゃないんだから。
フレンチ75に所属する若き黒人女性パーフィディア・ビバリーヒルズ(テヤナ・テイラー)さんはイケイケの革命闘士です。彼女のカリスマ性の前に、二人の白人男性がメロメロに。
一人はホワイト・トラッシュ代表ボブ・ファーガソン(レオナルド・ディカプリオ)さん。もう一人は軍人代表スティーブン・J・ロックジョー大佐(ショーン・ペン)。
前半のボブはただただパーフィディアさんに付き従い、彼女に捨てられてからは酒とドラッグに溺れ、娘がさらわれてからはその救出に生命をかける男です。自分の人生は空っぽな男で、まさにホワイト・トラッシュ。でも彼がなぜそこまでパーフィディアさんに惹かれるのかよく分かりません。
ロックジョー大佐もパーフィディアさんに一目惚れして付きまとい、ホテルに呼び出します。「来なければ活動できなくしてやるぞ!」ってなんだそれ。でもパーフィディアさんはノコノコ出かけていってノリノリで逆レイプごっこ。彼らの性癖はよく分かりません。
パーフィディアさんはなにしろ暴力とセックスに目がない女性です。全ては衝動であり、別に深い思想的背景があるようには見えません。こんな彼女のことを二人の白人男性は“英雄”として崇めます。パーフィディアさんは女の子を産みますが、彼女も父親がどっちなのか分かりません。そんなこんなでこの“英雄”は革命の大義のためにあっさりと家族を捨て、自分が捕まったらあっさりと組織を売ります。本作の“英雄”の斬新な点は若い黒人女性であることと自己犠牲なんてしないこと。新たな“英雄”像を提示して見せてくれました。
本作の斬新な点はそこだけ。英雄を黒人女性にしてそれに従うのが白人男性達と立場を入れ替えただけです。もしそうしなければただの暴力男の革命夢物語でしかなく、女性や黒人の観客はそっぽを向くでしょう。いろんな計算が働いています。
フレンチ75に対抗するのが白人至上主義の秘密結社「クリスマス・アドベンチャラーズ・クラブ」。陰謀論によく出てきそうな陳腐な組織です。ロックジョー大佐も入会を許可されます。でも黒人女性と関係を持っていたことがバレ、粛清されます。エリート白人メンバーであるティム・スミス(ジョン・フーゲナッカー)さんが直々に殺しに出かけます。エリート白人が自分の手を汚すはずないじゃん!アホくさ。
一方ロックジョー大佐は自分の手を汚しません。先住民の賞金稼ぎ・アヴァンティQ(エリック・シュヴァイク)さんを雇い、娘の居場所を突き止め、軍隊を動かし街を襲います。女子高生一人を誘拐するのに軍を動かすなんて!アホくさ。
で、やっと娘と二人きりになったロックジョー大佐はすかさずDNA検査を敢行!やっぱ俺の娘じゃん!ということで、あー、この親父、娘を守るために軍を裏切って戦うのかな―、と思って見てたら、アヴァンティQさんに娘の処分を頼みます。パーフィディアさんは崇めてたのに娘はあっさり処分。ロックジョー大佐の行動原理が分かりません。アヴァンティQさんもアヴァンティQさんでなぜか娘を逃がすために命を捨てます。なにがしたいのか分かりません!
娘とそれを追うエリート白人ティムさんとさらにそれを追うホワイト・トラッシュのボブさんの3台のカーチェースが最後の見せ場になりますが、この3台が揃うのも「たまたまそこに」でしかありません。陳腐すぎ!他にも「革命尼僧の修道院」とか、「秘密の脱出経路が張り巡らされた街」とか陳腐設定のてんこ盛り!
娘のテコンドーの先生でありボブの逃走を手助けするセルジオ・セント・カルロス(ベニチオ・デル・トロ)さんは黒人とヒスパニックの共闘を象徴する重要キャラです。でもなんで彼が協力的なのかもよく分かりません。結局自分だけ警察に捕まっちゃうし。
娘は普通の女子高生のはずですが銃の撃ち方知ってます。さすがアメリカ!銃社会!この娘が母の意思をついで次の革命闘士になっていくような、それを賛美するような、嫌なエンディングでした。
「娯楽映画」としてこれまで暴力を賛美し続けてきたハリウッド。本作ではついに暴力革命を賛美しているようにうつります。それでいいのか?アメリカ人。たしかに白人人口は減少しており、白人支配の終焉はおそらく避けられないでしょう。本作はその後の混乱を示唆するような映画でした。
極左の暴力革命の女性闘士に振り回されるダメ男を演じたディカプリオ。本作のコメディパートを一身に背負って熱演していますが、なにしろ演出が冗長なので、笑いよりも退屈を産んでしまいます。革命を支援する役を演じた彼のギャラが2000万ドルというのが最高のブラックユーモアでした。革命を描いた映画で大儲けするというビジネスモデル、新たな搾取構造、斬新です。
本作は果たしてアメリカ社会の分断と暴力を解消するのか、助長するのか。もちろん助長します。こんな娯楽映画作って喜んでるようじゃ、もうハリウッドも民主党もだめかもわからんね。
この映画を観て、極左革命組織へのシンパシーを感じるか、それとも暴力革命を怖いと思うか、どちらが多いだろうか。銀行の警備員を撃ち殺した女性“英雄”の姿に共感できるだろうか。結果的に本作は左派や白人エリート層と対峙するMAGAを利する形になったのではないだろうか。PTAはMAGAなのだろうか。陳腐なフィクションは現実社会をさらに歪めてしまうのではないだろうか。
白人至上主義がポイント
かつては過激な革命家だったが、いまは平凡な日々を過ごすボブには大切なひとり娘ウィラがいた。しかし、娘は何者かに狙われることとなってしまった。娘を守るため刺客たちと戦うが、警官ののロックジョーが異常な執着心でウィラを狙い・・・さてどうなる、という話。
前半は16年前の革命のための戦闘で、ボブの妻がとにかく過激で下品。メキシコ国境って言ってたからアメリカ南部の話なんだろうけど、史実でこんなことあったのだろうか?完全フィクションだとしたら、誰に共感すれば良かったんだ?敵味方がよくわからないし。
ボブ役のレオナルド・ディカプリオもロックジョー役のショーン・ペンも16年経ってもあまり変わり映えしなくてわかりづらかった。前半は若作りして明らかに一目でわかるようにして欲しかった。
特にロックジョーなんか何歳から何歳の設定なんだ?50と66くらい?
ウィラはロックジョーの娘って事なんだろうけど、なぜ実の親を殺そうとした?
ロックジョーを狙った青いマスタングの男は誰の味方だったんだ?ジェットコースターのような道路を登ったり降ったりする画面を観て酔いそうになった。
最後にロックジョーは生きたまま火葬されたってこと?誰がなんの目的で?
アクションはそこそこだが、とにかくわかりにくなった。
前半の主役は妻ベルファディアが間違いなく主役だろう。アクションも下品さもピカイチだった。
演じたテヤナ・テイラーは素晴らしかった。
後半での娘ウィラ役のチェイス・インフィニティは可愛かったし暴れっぷりも母親譲りでなかなか良かった。
2025/10/7追記
一度観ただけでよくわからなかった所を親切な会員さんに教えていただき劇場で再鑑賞しました。
実の娘より白人至上主義のクリスマスアドベンチャーに入れてもらうことの方が大切だったんだとわかった。
再鑑賞でデカプリオの娘を溺愛する情けない親父ぶりが素晴らしいことを再認識した。
評価も+1の3.5へ変更します。
全133件中、121~133件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。






