ワン・バトル・アフター・アナザーのレビュー・感想・評価
全133件中、81~100件目を表示
革命家には何も共感できない
ヤサグれデカプリオは好きだな
デルトロ先生もいい
ただラストのかーちゃんの手紙には
何言ってんだコイツ感が…
革命をのたまうヤツの思考なんてそんなもんだ
っていう事を言いたいのかなと納得
期待し過ぎか?
台詞でクスッとなるのだが、闘争時代とパパデュカプリオの落差が思っていたよりも小さく、小ボケレベルでした。闘争時代でも妻に引張られていた感が強くて、小物感が強めなのが原因かも?
それでもラストの携帯の使い方を娘に教えてもらうシーンとか、娘が何処ぞの集会?に行くのを否定しない所とかは二人の関係が窺えて良いラストだと思いました。
けど、万人向けの映画ではないよね…
リコリス ピザ
ハイムの三女、
やっぱり居たよねー
途中で、あの子じゃねえかな?
て思って後で調べたら、合ってた。
多分学校の所だと思う
間違い無く前半で観た気が…
カーチェイスの所も、リコリスピザに似てた。
前のは暗いし、他の仕掛けも有ったから
明るく純粋なカーチェイスやりたかったのか?
混沌と熱狂の162分のジェットコースタームービー
162分、退屈せずに惹きつけられた。シナリオが次から次へと展開するジェットコースタームービーだ。主人公のディカプリオを囲む主要登場人物は皆強烈な個性の持ち主で、現実にここまで強烈な人物いるだろうか?と疑問を持ちたくなるような設定なのだけれど、助演陣の役者たちの名演・怪演が、その疑問を挟む余地を作らせない。
特に、敵役の軍人ショーン・ペンの怪演が際立つ。最初しばらくペンだとはわからなかった。筋トレしたのだろうか、あるいは何らかの特撮なのか? マッチョで年老いた軍人の外見から、体幹がぶれない軍人らしい動作まで、どうやって撮影しただろう。
あともう一人、妻であり母となるテヤナ・テイラー。初めて見た人だ。性的興奮と闘いの高揚感をカクテルして戦う危険な革命の闘士を見事に演じていた。なんか人間として別次元の野生で、本当に近くにいたら怖いような迫力だった。
その中でのディカプリオは革命の闘士であるのだけれど、ただ一人の普通の人に見えてくる。そして、普通の人だから、時に情けなく、時に感情が爆発し、喜怒哀楽に翻弄される。ディカプリオ見ているだけで、画面に惹きつけられてしまうのである。
そうやって楽しく見たのだけれど、その一方で、この話はどこに向かっているのか、何を言いたいのか、どこにカタルシスを得るのかがピンとこなかった。脚本が破綻しているのではと思ってしまい途中引っかかってしまった。
なので的外れになるかもしれないけれど、改めてこの映画を振り返りつつ考察を楽しんでみたいと思う。
まず、この映画の一つの軸は、父娘関係の変遷だ。革命組織に所属し、過激な武力闘争をしていたディカプリオは子供が産まれて父性に目覚める。子育てに夢中になるディカプリオに魅力を感じなくなった野生的な闘士のテイラーは姿を消し、ディカプリオは革命から身を引いて、娘を育てるために16年間を捧げた。
しかし、娘はそんな父の献身的愛情を全く理解せず、父を嫌っている。まず、これだけで多くの父は泣けるのでは。僕に娘はいないけれど、娘を持つ友人たちの話からすると普遍的な父の姿かもしれない。世の娘たちには、この映画を見て、父を理解してあげてほしいくらいである。娘への接し方は間違っているかもしれないし、家で見る父に情けなさを感じるかもしれないけれど、父はあなたのためにあなたの知らないところで闘ってきたのである。
平穏に生きてきた娘は、拉致されて酷い目に遭うことで、守られてきたのだと自覚したのではないだろうか。しかし、たくましい母の遺伝子で娘は自力で勝つのであるが、おろおろと追いかけてきた父に愛情を自覚した。その愛情を父に示すきっかけになるのが、母テイラーからの手紙である。
この手紙に僕は引っかかってしまった。いつテイラーは、こんな手紙を書く人物になったのだろう。どうやってそれを書いて届けたのだろう。組織を裏切るような形で、多くの仲間を死なせた罪への自覚はあんまりなさそうで贖罪はなされていない。自分の中に子供への母性的愛が芽生えなかったから、家族から離れたのではなかったか。いつ、母性や、かつてのパートナーへの愛が生まれたのだろうか。
もしかすると、この母からの愛情を示す手紙は、ディカプリオが娘のために創作したものなのだろうか。それならわかる気がする。でも、それは描かれなかった。
国家が信じられない時代に、意味を持つのは、親子や家族という小さな愛情空間であるという寓意を伝えたいのだろうか。だとすると、その物語も母の手紙がもしかすると虚構かもしれないように、愛情も虚構に頼らざるを得ないということだろうか。
多分、ちゃんと観れていなかったのだと思うけれど、ここは一つの引っ掛かりポイントではあった。
この映画の時代設定は、明確に描かれなかったれど、近未来、あるいは現代の並行世界というSF的設定だと思う。この世界観は現実のアメリカ社会を色濃く反映した架空の設定で、とても面白かった。
ディカプリオを妻が所属するフレンチ75は革命組織だ。かつてのフランス軍の武器の名前であり、またジンとシャンパンで作るカクテルの名前でもあるのだそうだ。彼らの武力闘争は、極左的な革命と人道主義がベースの理念だろうけれど、そうした思想性は感じさせず、知らないもの同士が集まって開く単時間のレイブ・パーティのようでもあった。
アメリカでもかつて都市ゲリラや武装闘争を行う極左集団があったようだから、それらと現実をカクテルして発想したのかもしれない。
そして、その敵側は政府や警察・軍であるはずなのだけれど、この映画では白人至上主義の秘密結社クリスマス・アドベンチャーズへと変わっていく。これはKKKがモデルのようでもあるし、それが白人エリート層の結社として蘇ったら、というような設定ではないだろうか。
ここにパラノイア的に徹底的に働く軍人のショーン・ペンはメンバーとして迎えられる。本人はエリートの仲間入りをした、私の人生は報われたと感無量だが、実際は便利に使われただけだった。現実の組織人として自分にも重なる部分があって泣けた。彼の鍛え上げた肉体とスキルは、結局エリートに便利に使われるためだけで終わってしまった。
この映画の父娘のドラマとともに、こちらも多くの父である組織人にとって、身につまされて共感できる悲哀を見事に描いたとも感じた。
あとアクション映画としても見どころは多い。特に最後の娘と白人至上主義組織の放った刺客のカーチェイスのアイデアはすごいと思った。革命の闘士の遺伝子が娘に受け継がれていることを表現しているし、アップダウンの多い砂漠のような大地という舞台を見事に活かし切っていて、スカッとした。
観終わった後は、これはなんだったんだろうと不可解だったけれど、こうして振り返ってみると、見どころいっぱいのドラマである。3時間近くの上映でも全く飽きずに観られるし、ディカプリオはじめとするスターたちの素晴らしい演技を堪能できる快作だった。
混沌と熱狂の162分をどう読むかは、観客それぞれに余白として委ねられた豊かな映画だと思う。
鑑賞動機PTA10割
ディカプリオで撮ると聞いた時、正直大丈夫か不安だった。ディカプリオを観たい人と、PTAに翻弄されたい人はあまり重なっていないのではないか。しかもどうやらピンチョンの『ヴァインランド』にインスパイアされたストーリーだとか(あらすじだけなら、かなり違うように見えるけど)で、ますます不安に。無駄に貶されるくらいならいいけど、上映期間が短くなったりしたら嫌だなあと。
鑑賞時はもうトイレが危なかった。冷や汗かきながらエンドロール見て、サウンドトラックの表示あたりで席を立った。ふうっ。最後に追加シーンとかないよね?
合言葉の一連の会話とか、携帯の充電とかこれギャグだよね。おかしくって、座席でプルプルしてしまった。
終盤の逃走と追跡はものすごい緊張感で、あの対処方はこれまで描かれたことはあるのだろうか。
同級生尋問シーンの演出とか好き。
ディカプリオは情けないキャラが板についてきた感じ。
なんでショーン・ペンのキャラが、あらすじであんな含みのある書き方されているのかと思ったら、ドMでしかもベタ惚れじゃないですか!その上、やろうとしていることは、鬼畜極まりないとか。
デルトロセンセイはもう少し裏があるかと思ったけど、何か見逃したか。
アラナの最期は、つい吹き出してしまった。
どちらにも肩入れしようがないけど、お話としてはわかりやすいし楽しんだ。
長すぎる気がする
全体的にブラックジョークが効いててそういう意味では面白かったが、
「充電!充電!」と喚くディカプリオと、充電できて電話した結果かなりの時間をパスワードの応酬に取られていて、正直面白いを超えて長すぎてイライラした。
育児を経た元・革命家は小太りの小うるさいオジサンと化していた。屋根を飛び越えられないあたりかなり無様である。子煩悩なのはかわいいけれど、それ以外はマジでうざくて最悪。
それ以外でこれは完全にギャグだなと思ったのは悪役のショーンペン。髪を撫で付けるシーンでもう気持ち悪さ爆発だったけど、特に笑ったのは終盤の「逆レイプされました」。「敵にどんなメリットが…?」の応酬がめちゃくちゃ笑えました。確かにそれメリットじゃないだろっていうのと、以前にこいつを殺す計画が持ち上がっていたので、こりゃ絶対殺されるパターンだなと思いつつ、言い訳に爆笑。しかももう可哀想とも思えない。
娘が頭良すぎてすごく良かったです。女が強い映画ですね。お母さんも格好良い。
差別発言が最初からバリバリで、移民問題も、黒人差別も、白人至上主義も、先住民差別も、てんこ盛りでしたね。
先住民と呼ばれた手下が、鬱憤を晴らすように裏切るのもなんだか痛快でした。
「センセイ」がビール飲んで運転したりで胡散臭さが最高。いいキャラですね。
ディカプリオ以外は全部面白かった。
ただ全体的に長すぎてだるかったです。もうちょっと終盤くらいポンポン話を進めればいいのにと思いました。
ビバザレボリューション!
…と叫びたくなるくらい、劇伴もアクションも素晴らしい。ただストーリーは(原案:ピンチョンらしくはあるが)混線気味で、特に結末で父娘の和解のためだけに出てきたような母からの手紙は唐突感が強い。(そんな殊勝で反革命的な女か?)走り回るだけでちっとも活躍せず、ディカプリオの役者力だけで成立しているようなダメ親父よりも、テロリスト女にメロメロになってしまうショーン・ペン演じる悪役の方がずっと面白いキャラクターになっていて、あんな雑な結末にしてしまうのは勿体ない。とはいえ結末に至るまでの疾走感はトンデモなく、傑作映画であることは疑いえない。16年の雌伏期間ですっかり官僚主義に陥ってしまった主人公たちの組織フレンチ75対KKK的陰謀団「クリスマスの冒険者」(アホな名前すぎる…)の争いを尻目に、移民支援の地下組織をきっちりやってるデル・トロ演じる「センセイ」が良い味。
少しややこしかった
・冒頭、移民の施設を襲っていた。屋根もなさそうだし金網だし、毛布はなくアルミホイルみたいなので断熱してて酷い状況だったのが印象に残った。多分、メキシコからの不法移民と思われるシーンがあった。様子を見る感じ、どうしても居られずに逃げた来た感じに見えた。現状の日本も移民の問題と重なってみえて複雑な気持ちになった。(思うことはあるけど、いったん置いておく。)
・ディカプリオがレジスタンスとして活動していた時の収入源なんだったんだろうと思った。
・ショーン・ペンが変人で狂人で国家権力をもっているというやべぇ奴っていうことだったんだけど、アイアムサムのイメージがあるせいか振り切って悪人って思えなかった。
・ショーン・ペンが純白人?だけが所属できるダボス会議みたいなのの会員になるために過去にレジスタンスの黒人女性と性交した事実を隠蔽するため、実子の疑惑がある娘を殺そうとする。ディカプリオはショーン・ペンの子とは知らず自分の娘と思っているので、彼女を死に物狂いで守る。といった感じだった。
・ディカプリオが暗号を言えと言われておぼえてなくて、そりゃそうだよなって思った。
・ディカプリオとショーン・ペンが15年後も同じ見た目だったので時間の経過がわかりにくく、過去の時の話をしてるのか今の状況の話をしてるのか時々わからなくなった。
・ショーン・ペンが娘をインディアン?の殺し屋に引き渡したとき子供は殺さないと言って断っていた。その後、別の殺し屋?に引き渡した後、守るため?積み重なった怒り?のために引き渡した殺し屋たちを殺していた。死ぬ覚悟を持ってまでいくのが少しわからなかった。
・冒頭で移民関連のことをしていたので、ディカプリオ親子がメキシコに逃げたのか国内にいるのか混乱した。多分、アメリカだろうけど。
・ラストにかけて勘違いが展開の中心になった印象。ショーン・ペンが娘をさらう→それをディカプリオが目撃して車で追いかける→娘を殺し屋に引き渡す→殺し屋が娘を助けてくれるが殺し屋は死んでしまう→娘が殺し屋の車で逃げる→ディカプリオ、娘が車を運転してるとは知らない。ショーン・ペンの車に乗ってると思っているためショーン・ペンの車を追いかける→ショーン・ペンが上級国民みたいな組織の命令でショットガンで撃たれて車体ごと転倒する→それを見たディカプリオがショックをうける→娘、上級国民の車がショーン・ペン一味の車が追走してきてると思って乗ってきた車を降りて追突させる→降りてきた男にレジスタンスの合言葉を言って仲間か確認するが答えないので射殺する→その後、ディカプリオが来るが憶えてないという状況で撃つか撃たれるかみたいな状態になるも説明して2人助かる。といった掛け違いがうまくて面白さよりも感心が勝った。
・ラストで娘は自分が実子ではない事をディカプリオに言ったのかどうかわからなかった。まぁ言ってもしょうがないしとも思った。家に無線機があってどこかで何かが起こっている連絡だった。それを聞いて娘はレジスタンスとして活動しているのかどうか、少しわからなかった。多分、そうしてるんだろう。
・作品とは関係ないけれど、鑑賞中に近くでどなたかの携帯電話の着信音が何度も鳴った。最初、BGMにそういった音楽を差し込んでいるんだと思ったら、何度も鳴るので違うってことに気づいた。ガラケーかと思ったら、たまたま見知らぬ通行人がその着信音にしていてスマホだった。その音を聞くと、この作品を思いだす状態になってしまった。
トムクルーズばりのアクション
日曜日にイオンシネマで
公開1週目にしては空いていた
シニア料金が100円上がったなような
最近利用頻度が高いので入会した
年会費400円だと
この監督の作品はスクリーン鑑賞初めて
リコリスピザというのを観ようと思って
時間が合わなかった記憶
あとザマスターはDVDで観たが
ちと合わなかった記憶
なんとなく避けていた気も
オラと同年代だ
本作は最後まで飽きずに楽しめた
まぁ好きな役者が2人出ていたら
そりゃ面白いわ
ショーンペンの役作り
ホンモノの変態ぶり さすが
歩き方とかピチピチのTシャツ
レオの情けないオヤジぶり
我が子のために走り回る
大好きなワンスアポンナタイムと共通の面白み
ある時期のデニーロとも重なる
トムクルーズばりのアクションだが結果がともなわない
ミッションインポッシブルとは明らかに違う
パスワード忘れる
若い連中についていって
落下のところとか声を上げて笑ってしまった
ハードな内容なのだが
ユーモアたっぷり でも狙っている感じでない
ベニチオ先生の家のくだりもウケた
どんだけ人が出てくるんだ 充電したいレオ
所々飲み込めないところもあった
ネイティブ・アメリカンの行動原理とか
娘を保護する黒人女の経緯とか
あと娘が知った事実をレオは知らないのではとも思った
そのあたりは他の人のレビュー楽しみ
クリスマスの冒険者たちとか
似たような団体は実在するんだろうな
掃除屋みたいなのも出てきたな
終了後は恒例の公園ビール×2と自作弁当
雨を心配していたが大丈夫だった
今日もいい休日だ
ショーン・ペンは良かった
革命活動家とか
白人至上主義とか
馴染みのないものが背景なので
最後までフラットな感情で画面を眺めてた。
誰にも感情移入も出来ないし
最後に母親からの手紙を読み上げる
お涙頂戴シーンがあるが、
この母親もトンチキだったので
どこまで本当の気持ちを手紙に書いてるのか
分からず感動しません。
母親が拉致された娘を助けに来るのかな?
とか期待してたんですけどね。
なんかズレてると思いつつ魅入ってしまった
なんだこれっていう設定。
現代アメリカでリベラル革命家の武力闘争?銀行強盗で顔面晒して名乗ってどうする!
革命組織の通信手段は固定電話か1G携帯で、「合言葉」で身元確認?
警視という役職なのに軍服?警察なのか軍隊なのか?
いろいろ突っ込みたくなるシーンがあるけれど、このズレも監督の計算のうちなんだろう。現実に即したリアリティさに拘らないことで、撮りたいものが撮れ、見せたいものが見せられる。
そしてそのズレが気にならなくなるキャラクターの濃さと後半に畳みかけてくるスピード感あるストーリー展開。逃げて、追って、逃げながらも追う。本当に162分もあったのかというほど中身が濃かった。
ディカプリオのイマイチカッコよくない中年親父っぷりが何ともいえない味わい。屋上から落っこちるシーン、携帯の充電が何度もできないシーン、合言葉を忘れた電話のシーンは笑った。ベニチオ・デル・トロのセンセイの段取りの良さを見習いなさい。
テヤナ・テイラーの野生児のようなエネルギー溢れる演技にも驚かされたが、やはりショーン・ペンの存在感が半端ではない。16年経っても追い続ける執拗さ。白人至上主義の秘密組織に入会したいという動機だけでここまでやることの異常さ。願望が成就した後の最後のオチは、現代アメリカ社会への皮肉めいたものを感じた。
特別凝った画はなかったように思うが、カーチェイスの場面で路面(地形)のアップダウンを巧みに利用した場面は唸った。観客を引き込む構図。上手い。
尺の長さを感じさせない展開と緊張と抜け感をミックスした巧みな構成。こんな映画を撮れる監督って他にいるのか?監督の腕に脱帽です。
3時間もかけて流す映画じゃない
ほんっとに時間返して欲しい
パパががんばって子育てしてたのを娘が見てたから良い子に育ったけど結局ママの子だったのねっていうだけの話しを長々3時間もやらないでほしい
さすがこの監督
ポール・トーマス・アンダーソン作品は、ドカーンといつも恰幅のいい映画。アクション、サスペンス性が強いけど、いつまでたっても携帯充電できなかったり、合言葉を忘れていて汚い言葉連発や、入っても奥まで奥まで奥まで行ってやっと目的の部屋に辿り着く、センセイの自宅や白人至上主義の豪邸など、クスクス笑える所もあり。娘役の俳優は魅力あり良い。最後ほどほどにと父親に言われながら、シゴトに出かける姿もカッコいい。
仲間が近づくアラームが鳴り、母が助けに来た、という結末を期待してしまった。
PTA×レオの必然の初タッグは、“ワン・エンタメ・アフター・アナザー”なマスターピースだった!
レオナルド・ディカプリオは『ブギーナイツ』の出演を断った事がキャリア最大の後悔と語るほどポール・トーマス・アンダーソン(以下PTA)監督作への出演は28年越しの悲願らしいが、私もPTA監督の作品を劇場で観るのは『マグノリア』以来25年ぶり。インディーズの雄であるPTA監督の作品は地元どころか隣町でもなかなか上映しないので…。
そんなPTAが製作費1億ドル以上をかけたキャリア最大の大作! 珍しい全国メジャー公開。
PTA監督作としてもレオ主演作としても、こりゃいい意味で裏切られた…!
概要は、娘を拐われた元革命家の男が娘を探す。
立ちはだかる障害や刺客からレオがカッコ良く…と思ったら、レオ様ファン失望レベル!
かつて燃えていた革命魂は何処へやら…? 落ちぶれて、まあ何と情けなくカッコ悪く。終始ダサい部屋着姿で、一日中ラリってる。娘を拐われ、何者かに追われ逃げ、ずっとテンパってあたふた。
嗚呼、豪華客船で世界の王子様やってたレオが…。でも、そんなレオが最高!
カッコ悪さたっぷり、悲哀や哀愁もたっぷり、だけど何だかんだ娘を思う父を滲ませ、自身の中でまた熱い何かを滾らせていく。
そんな芸当が出来るのも今のレオだからこそ。風貌はもはやジャック・ニコルソンだが、風貌だけじゃなく演技も存在そのものもその領域へ。
これまで群像スタイルや狂気と重厚、愛すべき小品と様々な人間ドラマを描いてきたPTA。今回も真面目な作品かと思ったら、PTAファンもびっくりのこりゃある意味おバカ映画! しか~し!
アクション、犯罪、コメディなど織り交ぜたキャリア初とも言えるエンタメに振り切り、それでいて移民、人種問題、白人至上主義への風刺など変わらぬ人間ドラマスタイルそのままに、最後は家族愛で締める。
『ブギーナイツ』『マグノリア』の頃からずっと思ってたけど、天才か! 天才はずっと天才。そんな監督も世界広しと言えどもPTAレベルはなかなか居ない。
天才監督と天才俳優が遂に組んだんだもの。勝ったも同然。
PTAの語り口が見事。
レオ演じる主人公ボブも革命家として活動していたが、一際熱かったのは、出会い後に妻になったペルフィディア。
移民や人種差別を受ける人たちの為に権力と闘う。
熱く激しくカッコ良く、時にセクシー。実は出番は序盤だけなのだが、そうとは思わせないインパクト。
演じたテヤナ・テイラー、何本か見た作品に出てたようだが、本作でしかと認識。
彼女にKOさせられたのは私だけではなかった。
移民摘発を行う軍人、スティーヴン。ペルフィディアの奇襲を受けた際、屈辱とおっ勃たせられる。
以来、ペルフィディアに異常なまでの性的執着を。超ド変態!
そんなヤベー奴を、まさかショーン・ペンが演じるとは…!
しかし彼もまたハリウッド随一の名優。思い出しただけでも笑っちゃうくらいの怪演と凄み。レオより目立ってた…?
お気に入りは終幕エピソードの直前。生きてたのかい!(だけど哀れな最期…)
情熱的な恋に落ち、革命活動にも熱が入り、やがて二人の間に生命が…。
その事で二人の間に感情の違いが…。ボブは家族で穏やかな暮らしを望み、ペルフィディアは革命活動を続けたい。…
ある一件でペルフィディアは過って人を殺してしまう。捕まり、仲間を密告してしまう…。
革命活動に終焉の時が…。ボブは産まれたばかりの娘を連れて別地へ。ペルフィディアはスティーヴンと“ある取引”をして解放され、メキシコへ逃げる…。
16年後。
だらしない中年オヤジになったボブと、ティーンエイジャーに成長した娘ウィラ。
父娘仲良く穏やかに…と言いたい所だが、関係は最悪。過保護な父に自立精神溢れる娘は反発。古今東西あるある。
その日常を脅かす者が…。勿論スティーヴン!
移民摘発の活躍が認められて、栄えある白人至上主義団体への入会が内定したスティーヴン。
変態スティーヴンでも感激だが、厳しい審査。その一つに、白人以外の連中と関係はないか?
ありません!…と断言したい所だが、ありま~す!
ペルフィディアに性的強要を。その証拠を消す。
その過程で、ウィラに娘がいる事を知る。
何処ぞのクズとパパ娘してるらしいが、何を言っている! 父親は俺だ! あの時、情熱的な愛を…(と思い込んでいる)。でも実は…。ネタバレになってしまうので伏せ。
娘である事の確認と、その隠蔽。変態で傲慢で自分勝手の極み。
ゴロツキを使って“掃除”。かつての仲間が襲撃されていく。
辛うじてボブにも連絡。ボブ自身、仲間同士の暗号をすっかり忘れていたけど。
かくしてウィラは拐われ…。
これが因縁あるスティーヴンの魔手と分かり、逃げる逃げる!
執拗に追う追うスティーヴン。
逃げるボブの顔にはっきりと。何で今更こんな目に~?!
あっちでトラブル、こっちでトラブル。
追い、逃げ、追い、逃げ…。
探して探して。
気付けばアメリカからメキシコ辺境にまで。
ダメダメ、イカレ、へんちくりん…。出てくる奴にまともな人が居ない!
ウィラが通う空手道場の“センセイ”ベニチオ・デル・トロ。飾ってある『スーパーマン』の日本版ポスターの事を聞きたい。
レオの娘役でスクリーンデビューのラッキーガール、チェイス・インフィニティ。フレッシュな魅力と名前の通り無限の可能性を秘めている。
逃走追跡劇…もとい、ドタバタ珍道中を盛り上げる臨場感あるカメラワーク。極め付けはクライマックスのカーチェイス。連続する坂道がうねる波のようで、面白い見せ方! これ、4DXでもし座席がアップダウンしたらスゲーと共に車酔いするだろうなぁ…。
PTA常連ジョニー・グリーンウッドの独特の音楽がこれまたピタリとハマる。
ハラハラドキドキスリリングなアクション、シュールなコメディ、終着点不明のクレイジーさ、強烈個性キャラ…。
娯楽に次ぐ娯楽。タイトルに絡めて“ワン・エンタメ・アフター・アナザー”と言いたい。
社会派テーマやメッセージも突き刺さる。
人や命が物のように扱われるアメリカ~メキシコ国境の犯罪多発地帯。現状に戦慄する。
それ故問題になる移民。違法や犯罪に関わるのは一部。多くが自由を求めてアメリカへ。そこで受ける迫害摘発の現実…。双方に立場や言い分があり、難しい問題。
移民たちは非白人や非アメリカ人。ここは、アメリカ白人のもの。白人至上主義団体の圧…。あんなKKKみたいな団体が今もあるなんて…! しかも社会的権力者たちで構成されているから質が悪い。
これほどの要素と160分超えのボリューム。力量に乏しい監督だったら破綻している事だろう。
ちと私自身迷走しそうにもなったが、最終的にはどっぷりの見応えと面白さ。何かこれ、じわじわ来る。
やっぱスゲーわ、PTAは…。
ラストシーンは、何処かで生きてるかもしれない母ペルフィディアからの手紙と、関係より良くなったボブとウィラ。
母の熱き魂を継ぐかのように、ウィラは抗議運動へ。そんな愛娘の姿を噛み締めるように見送るボブ。
何だかそのシーンのレオが、オスカーも有力視されるPTAの作品に念願の出演を果たし、新たなマスターピースとなり、充実感と幸福感噛み締めているように見えた。
面白いかもしれないけども。
前知識なく鑑賞。人が突然殺されたりしたらどうしようと、ヒリヒリする場面は多かったので、不安いっぱいでした。
ボブと黒人女性の間に娘がいるんだけど、実の父親はロックジョーであった。
娘は事実を知るもそれでもボブのことを父親だと思っている。
ロックジョーを殺したのはフレンチ75でいいのかな?
そこそこ
解説・あらすじ読んでもどんな話かわからなかったので見るしかないなと思いました。
日本でも最近は排外的な思想が広がってきましたが国の成り立ちからして多人種のアメリカでは革命家とかいるんだなぁと感心しました。
どんな話か分からないからどういう終わり方するのかわからないという点で最後まで興味深く見ることができたかな。
革命家の白人男性と黒人女性とその子供(ホントは違う)それぞれキャラが立っていて良かったがやっぱりこの映画はロックジョーの異常性、変態性に尽きるなと思った。
これがなかったらサラッとした話で終わったかも知れない。
あの娘がロックジョーの変態性を受け継いでると思うと心配ではある。
家族と月月火水木金金
原題であり、そのまま邦題としても使われた「ワン・バトル・アフター・アナザー(One Battle After Another)」。意味合いが今ひとつ掴めなかったのですが、序盤でセリフとして登場し、「戦闘また戦闘」と字幕が出ていました。思いきり意訳するなら「月月火水木金金」といったところでしょうか(かえって分かりにくいかもしれませんが)。
実際、物語は戦いに次ぐ戦いを描いていましたが、単なるアクション映画ではなく、政府との闘いに身を投じた“プロテスター家族”の物語でもあり、むしろ後者に重心が置かれていた印象です。
まず“戦い”の側面に触れると、移民への抑圧や排外主義、人種差別といった現代アメリカ(あるいは全世界的)に蔓延する問題に抗議するプロテスターであり、同時に“テロリスト”とも見なされる主人公ボブ(レオナルド・ディカプリオ)と、彼のバディにしてパートナーのペルフィディア(テヤナ・テイラー)が属する革命組織“フレンチ75”と、それを取り締まるアメリカ軍(劇中では警察的な描かれ方をしていましたが、公式サイトでは軍とされています)との戦いが序盤で展開されます。
この戦いを指揮するのがスティーブン・J・ロックジョー(ショーン・ペン)。彼の悪辣さ、いや異常性欲者としての狂気ぶりが物語を強烈に牽引します。単なる非人道的行為を行う軍人ではなく、歪んだ性欲を持つ人物として描かれているのがポイントでした。また、ボブとペルフィディアの性の奔放さも印象的で、テロ直後におっぱじめるなど、正規軍とテロ組織の戦いの裏で、敵味方入り乱れた三角関係が展開されるという予想外の筋立てに唖然とさせられました。
やがて二人の間に“戦いの申し子”とも言える娘ウィラ(チェイス・インフィニティ)が誕生すると、状況は一変します。ボブの政府への闘争心は娘への愛情へと変わり、母ペルフィディアは娘への嫉妬に駆られるという、赤ん坊が生まれた後の一般的な家庭の力関係を逆転させたような構図がとても秀逸でした。
その後、ペルフィディアは因縁のロックジョーに逮捕され、司法取引に応じて仲間を売ることに。一方ボブは革命家を引退し、娘ウィラを一人で育てます。そしてウィラが成長した頃、物語は後半へ。反抗期の娘に手を焼くボブでしたが、再びロックジョーの魔手が迫ります。引退したはずのボブも、娘と自分を守るために再び銃を取る――まさに「One Battle After Another」。
一方ロックジョーは白人至上主義の秘密結社に迎え入れられ、有頂天になりますが、過去に“汚らわしい異人種”と関係を持ったのではという噂が浮上。その疑惑を払拭するため、ボブとペルフィディア、そしてウィラの一家を追跡し始めます。まさに邪悪そのもの。そして物語終盤、かつての三角関係の果てに、ウィラが実はロックジョーの娘であることが明らかに――驚愕の展開でした。
クライマックスでは、ボブ一派、ロックジョー率いる正規軍、白人至上主義者たちの秘密結社が入り乱れる大迫力の戦闘シーンが展開され、物語は壮絶な大団円を迎えます。ペルフィディアとウィラの母娘関係にもひとつの区切りがつき、静かな余韻を残してエンディングへ。
現代アメリカの病理をえぐり出しつつ、エンタメとしてのアクションも迫力満点。さらに父・母・娘それぞれの葛藤と愛情を見事に描ききり、非常に満足度の高い作品でした。
俳優陣も見応え十分。悪役ロックジョーを演じたショーン・ペンは圧巻で、恐ろしい風貌、異様な眼つき、白人至上主義者としての不気味な雰囲気――すべてが完璧でした。主役ボブを演じたレオナルド・ディカプリオも素晴らしく、「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」同様、どこか抜けた中年男を絶妙に演じていました。肝心のパスワードを忘れて窮地に陥る場面など、スーパーヒーローとは対極のアンチヒーロー像を体現しており、彼の真骨頂を改めて感じさせます。
また、直近で観た「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」で主演していたベニチオ・デル・トロが、ウィラに空手を教える師匠役で登場。今回も渋い存在感を放っていました。ウィラを演じたチェイス・インフィニティも、激しいアクションと母との再会シーンで見せた繊細な演技が印象的で、強く心に残りました。
そんな訳で、本作の評価は★4.6とします。
センセイ充電させてくれ(切実)
あちらこちらでの評判が良いので観に行きました。
確かに面白かったですが、ちょっと長いなと感じましたわね。
革命とか親子愛がどうこうよりもギャグシーンやそのやりとりが個人的には秀逸でした。
プ◯シー連呼の多さよ...
男手一人で娘を育て上げるボブ、催涙ガスにやられるボブ、合い言葉を忘れて逆ギレするボブ、充電したいだけのボブ、屋上から落ちてテーザーでやられるボブ、マーベルヒーロー名出して誤魔化そうとするボブ、すぐにセンセイに助けられテンションぶち上がるボブ、トムファッキンクルーズみたいになれと言われ車から落とされるボブ......波乱万丈すぎるぜ。感情の浮き沈み激しすぎて風邪引くわ。
というか、それらは全てディカプリオの演技力も相まって素晴らしいものだなと感じましたね。
さらには黒人女好きすぎて手を出すロックジョー、女に逃げられ16年後になっても追いかけてくる執念深いロックジョー、実の娘にシャツがピチピチすぎると難癖付けられるロックジョー、聞かれてもないのにゲイじゃないと怒るロックジョー。
執念深すぎてショットガンで顔を撃たれ車も横転したくせに、死なずに早歩きしてるシュールなロックジョーが一番面白かったです。
生き残ったかと思ったらすぐ毒殺されて燃やされるロックジョー...シリアスなくせに面白い存在だった...
それと、道場にはクリストファーリーヴ版のスーパーマンのポスターが貼ってありましたね。
スーパーヒーロー大好きかよ。
とまあ結局、センセイやデアンドラ、ウィラを助けてくれた(?)アヴァンティもその後どうなったか分からずじまいで、パーフィディアも出てこなかったのはモヤッとしますね。
長尺のわりにはもっと深堀できたはずの部分や映して欲しかった所が無かったなぁと思ってしまう。
無い物ねだりは映画あるあるですね。
PTA作品はあまり観ないので自分の解釈、知識不足があるとは思いますが、革命家が暴れるだけ暴れて種まいて身内で争っておしまい、な感じがします。
こういった人種などの差別や争いが身近で無いから、そう受け取ってしまうんでしょうがね...
まあつまり...パーフィディアがいっちゃんわりぃ。
自分が起こした問題を全部ほったらかしにして解決しないのは流石に革命家以前に人としてどうなんや?フェードアウトするなら筋通しましょうや...
もう少し短くまとめて120分くらいにしてたら、もっと面白かったはずというというのが総合的な感想です。
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