ワン・バトル・アフター・アナザーのレビュー・感想・評価
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これも愛か。革命家父娘の宿命と運命、裏切りの真実が二人の心の中に揺れる!
邦画鑑賞が多い中、洋画もチラホラ観るんですけども。洋画のヒーロ-物とか癖スゴ作品が多い中 やっと本来の洋画らしい洋画に出逢えた気がします。
今日は「ワン・バトル・アフター・アナザー」を観ましたよ。
監督:ポール・トーマス・アンダーソン氏
上映時間:162分
ちょっと長目上映ですがね、飽きずに最後まで引き込まれました!
場内、異様にお客様が多いかな。先週封切ったのにね。ほぼ満席でしたよ。
評価を見て来られてる映画ファンが多そうですね。
兎に角 話のしっぽが掴めない展開。前に観た” ANORA アノーラ”の様でして。
先が読めずそして飽きない展開。最後の車で逃げて追いかけて、追いかけて・・・
いや~面白い。ロケ-ションも撮りも素晴らしい。
総評は★4ですね。
(スペック)
監督:ポール・トーマス・アンダーソン氏
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(極左革命グループ:フレンチ75関係者(移民を救出活動))
パット/ ボブ・ファーガソン(父)役: レオナルド・ディカプリオさん
パーフィディア・ビバリーヒルズ(母)役:テヤナ・テイラーさん
シャーリーン/ウィラ・ファーガソン (娘)役:チェイス・インフィニティさん
(移民収容所の指揮官)
スティーヴン・ロックジョー警部(ウィラの実父)役:ショーン・ペンさん
(メキシコ)
セルジオ・セント・カルロス(ウィラの空手師範)役:ベニチオ・デル・トロさん
(秘密結社:クリスマス・アドベンチャラーズ・クラブ)※白人至上主義
ティム・スミス(ロックジョーを狙撃)役:ジョン・フーゲナッカーさん
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(話展開)
カリフォルニア移民収容所から移民救出する極左革命グループ「フレンチ75」の話。パットとパーフィディアは仲間で革命活動し、お互い愛し合っていた。ある時パーフィディアは収容所でロックジョー警部に出逢ってしまう。彼は黒人女性が異常に好きな白人男性であった。彼女は有る時捕らえられて窮地に。警察内でロックジョーの言い成りに成ってしまう事でフレンチ75が壊滅的に追い込まれてしまう。
彼女は裏切り警察側と司法取引をしてしまったからだった。
命からがら国外(メキシコ)へ自分の赤子と逃亡するパッド。メキシコで16年潜伏し彼(ボブに改名)と娘(ウィラに改名)は偽名のファーガソンを名乗っていた。
そしてそこへ ロックジョー警視が乗り込んでくるのであった。
執拗にフレンチ75の残党を追い込む彼。
果たして 父と成長した娘の運命は どうなる・・・・。
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さすが アンダーソン監督作。話が良く練られていて面白いです。
どうなるのか 先が分からず、そこが楽しい。
父と娘の 妻(母)への葛藤。
破天荒な娘を守る父、革命家の宿命を背負って大人に成った娘の生き様。
兎に角 終盤の車の逃亡と追跡と更に追っていく姿が非常に見もの。
あの 激しく上下繰り返す道路が彼等の運命を物語ってます。
娘の銃口がティムを狙う。革命の合言葉を言え、合言葉を・・・ ズド--ン!
ここね。とってもイイ。
そして次に父・・・合言葉を言え、合言葉を・・・
本当に奇跡な再会と 生きてると信じる思い(確信)が交差する瞬間でした。
この間が とってもリアルで。演出も素晴らしいです。
ほんと 久し振りに良い洋画に出逢いましたよ~!!
十分楽しめました。
ご興味御座います方は
是非、早めに劇場へ どうぞ!!
予告レビューが過剰すぎでは?
2時間半超を長いと感じさせないストーリー展開、ショーンペンの凄い怪演、好感度高い娘役のチェイスインフィニティの好演、と見どころが多いのですが、予告レビューが過剰すぎた分、△0.5点です。
一つ目は、見たこともないカーチェイスシーンが繰り広げられる!
確かにチェイスインフィニティの機転で、後続車が見えないところに車を止めてぶつけさせるシーンはお見事!ですが、これってカーチェイス?では、一本道を3台が追いかけっこするのって、それほど凄いカーチェイスでしょうか?それか、その前のディカプリオが車から転げ出るシーンが凄いシーンでしょうか?ワイルドスピードなどと比べても、凄さは言い過ぎではなかったでしょうか?
二つ目は、デルトロが窮地に何度も現れてカッコよく助ける!
これも颯爽と現れたシーンってあったでしょうか?デルトロはいかにも手馴れた革命家像を見事に演じられていました。ですが、ディカプリオが窮地に陥った際に、颯爽と助けに現れたシーンはなかったのでは?
過剰な事前情報はどうしても期待を上げる分、空振った際には、ガッカリ感が深まります。エンタメの最高峰との評もありますが、PTA作品としては、とっつきやすくて、エンタメ寄りという感じではないかなと。
あと、バウンティハンターが命をかけてチェイスインフィニティを助けた点も、彼は子供思いだというセリフはありましたが、唐突感が否めませんでした。
私は以上に引っ掛かってしまったので、事前情報は入れずに観た方が良かったかもしれません。
極左礼賛にはなってないっスよ
革命グループ「フレンチ75」の主要メンバーである二人、ぺルフィディアとその夫ボブを軍人であるロックジョーが追い回す物語。
一部極左礼賛映画などと批判されている様だけど、そうなのかなあ。
確かに極右への揶揄は強く感じるけど、それは割りと表面的。
「革命家は始めは悪魔と戦い、最後は自己と闘う」
そんな様なセリフがあったが、革命テロリストのシンボルの様なぺルフィディア、英雄とされたボブの成れの果てはとても勝利した人間とは思えない。
糸を左右両端から引っ張り合えばいずれ糸はちぎれる。ちぎれるのは糸の最も弱い部分だ。何が、誰が犠牲になるのか。この映画はそれがしっかり表現されていると思う。
ラストシーンは穏やかに見えるが、繰り返しを予感させるしね。
ディカプリオ、良かったー。特に目線とか指先の演技が細やかで見入ってしまった。最近はこういうことなかったけど。
ロックジョーこと、ショーン・ペン65歳?まだまだ全っ然余裕じゃないか。
デル・トロのセンセイ。空手の先生というからてっきり空手でボブを助けると思ってたけどな。でもこの映画で1番好きなキャラ。途中マラドーナに見えてたのは僕だけですか。
この3人の共演が観れただけでもお祭りでした!
デカプリオ泣ける
ワンスアポン〜のときも、ダメ系おっさんの役が良かったけど、今回もダメ系おやじ役のデカプリオ。
ショーンペンのキモい感じも
ラストはちょっとかわいそうな気もした
どこのグループからも嫌われて…
娘役のコが
芯があって逆境に負けない感じが清々しい
先生も熱い!顔も熱苦しい!
あの登ったり降りたりの道路、
あれを生かした反撃!
娘かっこよかった
デカプリオは
屋根から落ちて捕まったり
カッコ悪いけど
それが似合うようになったなー
髪の毛も変な乱れかたしてるし
役柄とはいえ
かっこ悪いが似合うようになった!
上映時間を感じさせない
2時間を超える作品だがそれを感じさせないで終わった。ショーンペンの見た目がとにかく老けた印象。
全体的な会話とか、ちょっとわけわかんないとことかタランティーノっぽい感じ。
親戚がスタッフとしてエンドロールに出てました。
おっさんレオ、ハマり役
ずーっと一定の緊張感をキープしたままストーリーが進んで行って、どの場面で誰が撃たれても不思議じゃないカメラワークに臨場感溢れるカーアクション。
物語の展開としては飽きたりとか無かったけど、上映時間長いし鑑賞後結構疲労してました。
レオ様は革命の英雄として活躍する前半パートから一貫して「ちょいダメ」。完全にイッちゃってる妻に引っ張られてやってる感じで、でもそれがよくハマってた。好みの問題なんだろうけど昔から彼が「イケメン枠」にカテゴライズされるのがハテナ?だったのですが、演技力ではやはりピカイチだと。娘を愛する気持ちだけはしっかりしてるダメなジャンキーオヤジ役非常に良かったです。記憶力衰え設定も、映画にありがちな何でもスラスラ覚えてるのが非現実的だと思ってたのですごく身近に感じて良かった笑
ショーン・ペンもいい役者。自分勝手で欲望に忠実でスケベで凶暴なのにMっ気があり、清潔感皆無のキャラをすごくしっかり表現してた笑。もう本当にキモチワルかったもの!(褒めてます)
子供と一緒には見れないけど、血ではない親子の絆ストーリーもグッときた。
ただ、最後の取って付けたような母からの手紙はちょっと違和感でした。無理やり暖かい家族像にしなくても良かったんじゃないかなー
現代アメリカ政権を揶揄しつつエンタメを追究!
作品はかなりハッキリと前半と後半でテイストが異なり?ます
前半は、さもトランプ政権を揶揄するかのような移民排斥、有色人種差別、などなどへの皮肉!まさに武力蜂起革命か!と思わせるハラハラぶりで、ここまで描けば政府から「圧力」ないのか??しかし、表現の自由が日本より力を持つアメリカ、おまけに製作は大手のワーナー・ブラザーズ。すごい肝っ玉?です、、、
後半は、時系列が十数年後へ。父子の絆へと大きく舵が切られます、、、
なんと父とは!!!という怒涛の展開の上にハードアクション・サスペンスへとまるで「ジャンル映画」に、、、
僕は、前半が余りに面白かったので、、、後半の追跡アクション・サスペンスは「定番」っぽく感じられてしまい、、、
全体としては確かに面白かったですが、大御所監督の仰る「革命的作品」とは、どこを指すのか???
僕は、前半は画期的でエキサイティングな設定、描写、物語展開で、好きです。
俳優陣は、ディカプリオが相変わらずの熱演、ショーン・ペンはもっとキレキレかと思っていましたがブラックに笑える?役を微妙な力加減で演じていて抜群の演技を魅せてくれました、、、ターミネーター?と化して道路に現れるところは、劇場内に声を上げる反応も!! デル・トロのセンセイは、もう少し掘り下げると更に興味深かったのではないかな、、と。
PTAは、音楽の使い方が上手く、緊張感のあるシーンも、ゆったりと息抜きをさせてくれる、安定の演出で、この作品にはユーモア、それもブラック・ユーモアが溢れていて、まさにPTA印の満足度をMAXに上げてくれます!
僕は、巨匠たちのように、絶賛とまではいきませんでした、、、残念💦💦💦
イカレ(シ)てる
アメリカが抱える闇(病み)を批判しつつも、娯楽大作になっています。
冴えないお父さんディカプリオのアクションはスマートとは言えず、ちょこちょこ挟まれる笑えるシーン、でも映像はセンスがあってカッコいいです。
根っからの革命家ペルフィディアには全く共感しませんが、彼女のいるシーンがイカれていて面白い。
ロックジョー(ショーン・ペン)は、そうなるだろうと予想できそうなのに、客観的な判断が出来なくなってたんでしょう。復活後のシーンは余計な気もしましたが、あのバカな言い訳は不正がバレても往生際の悪いダメ政治家を見ているようで可笑しかったし、白人至上主義者が寄ってたかってくだらない企みにエネルギーを使う阿保らしさも笑えました。
あの道路での逃走劇はかなり怖いですね。本当は土地を平らにならしてから道路を作るんだろうに、そんな余裕はないという事なんでしょう。
娯楽作品だから笑えましたが、大統領がノーベル賞を要求し、授賞式ごっこをしちゃう国ですから、笑いごとでは済まない可能性も?
個人的には、ちょっとだけ長かったです。血行が悪いので足がつってしまい、ふくらはぎをマッサージしながら観ました。あと15分短ければ大丈夫だったんですが(★には影響しません)
何も成し遂げない父親の物語
感情から社会情勢まで盛りだくさんで、すごい映画でした。
ポールトーマスアンダーソンはアクション映画の監督といった風情ではないですが、パンチドランクラブの車襲撃シーンや、ゼアウィルビーブラッドのタコ殴りなど、暴力描写は飛び抜けている印象があります。
今回、主人公が左派の革命家で、追手も思想つよつよの暴力至上主義者ということもあり、銃弾が飛び交う率高めで楽しませてもらいました。
ロックジョーの持つSIG MCX SPEARや、部下が持つガイズリーのURGアッパーが載ったM4に、銃が好きな人間としては目を見開いて集中する場面が目白押しです。
同時に、そういう『自分が愛してやまないこと』に対して、空しさを覚えるストーリーでもありました。
結局、相手の息の根を止める以外に方法はないんだなと。
思想がどれだけ立派でも、相手が最後に見たのはあくまで銃口であり、そこから飛び出す銃弾には思想はありません。大義のために撃った9㎜も、面白半分で撃った9㎜も、相手にもたらす効果は全く同じです。
しかもフレンチ75の面々は、センセイのように国外退去の危機に遭っている当事者ではなく、そういう人たちに手を貸すために敢えて安全圏から脱出した人たちです。
ハリウッド映画がこのような一見『利他的な行為』を美化しがちな中、この映画の突き放し方は見事で、ラッシュ時の交通整理のような群像劇を描いてきたポールトーマスアンダーソンならではの塩梅でした。
この映画では、リベラルも保守も相当滑稽に描かれています。
余計なイキリムーブからいらない尾ひれが無限にくっついてくるペルフェディア。
※綴りはPerfidiaですが、そのまんま『裏切り』という意味なので、なかなかのキラキラネームです。
戦いを挑むと必ず裏目に出るか、何も解決できない主人公のボブ。
そして、革命を信じているフレンチ75のその他大勢。
最終的に娘のウィラは、追手とはいえ人を殺す羽目になりました。
しかも、父親はロックジョーです。全てを売り渡した母親からの手紙では、馴染みのない『本名』まで知る羽目になります。
無関係でいられたはずのひとりの人間に、どれだけ業を背負わせたら気が済むのか。
ウィラが強くて良かったと思いつつ、ボブに対しては、最後のオークランドのデモは留守番じゃなくてこっそりついていけよと、思ったりもしました。
ディカプリオ父ちゃん
面白かった!
いつか捕まえに来たときに逃げられるように穴掘ってたり暗号があったりそれが15年後も機能してて、スパイものをみてるようでとても楽しかった。マッチョな女性革命家や、ショーン・ペンもキャラクターが濃くてディカプリオが普通に見えた。
最高です。面白い。
面白かったです。3時間弱の上映時間ですが是非とも映画館で見て欲しい出来栄えでした。
最初から最後まで緊迫感があり食い入るように見てしまいました。特に最後の坂道での追跡シーンでは坂の先は大丈夫かと手に汗握る緊張感でした。脚本がいいのでしょうね。さすがポール・トーマス・アンダーソンですね。アカデミー賞での作品賞候補の最右翼ではないでしょうか。見ても入場料以上の物は楽しめます。是非とも。
レオナルド•ディカプリオ
さんって、気づかなかったわ。最初笑笑。若い頃とだいぶ変わったな。観る予定ではなかったけど、サイトみたりしてて、面白そうだったので鑑賞😎
レオナルド•ディカプリオさんが冴えない娘想いの父親を熱演😀
警視役と娘役の俳優の演技も良かった😀
ストーリー的には分かりやすくて、良かった😀
ラスト、娘も母親と同じ道に行くのかなと思い少し切なくはあったが笑笑
母と警視の遺伝子を受け継いでたらとんでもないなあと笑笑
母と警視のとんでもない人間性は驚愕、母からの手紙は本当に母が書いたのか❓笑笑
今もアメリカでは血のつながりでの争いはあるんやろなあ。
まあ、楽しんでみれたので細かいところはええかな🧐
ディカプリオは活躍しない
予告ではディカプリオが愛娘の為に大暴走!と思ったら、前半部はダラダラ長く下品な寒いセリフ連発でこれが160分なら中座して帰るかと。
よくディカプリオやショーン・ペンがあんなブサイク黒人に夢中になり説得力の無さ。
16年経ち、娘が成長しディカプリオがダメ親父になってからだんだん面白くなり着地点が見えなくなる!
キリスト教福音派の秘密結社やら移民拘束反対デモ、ベニチオ・デル・トロのセンセイ登場でカオスさが加速!
結局、ディカプリオはダメダメなままで何も出来ず終了。
でも、世の中、そんなもん。
かっこ悪いディカプリオも逆にかっこいい!
ポール・トーマス・アンダーソン監督にしたら意外にも政治的メッセージが強い作品でいつものモヤモヤ感がなく観た後もニヤニヤしっぱなし!
もっとこじゃれた邦題を付けてくれ
原因不明だが、何故かレビューが削除されていたので、再投稿。
PTAの新作だ。そう、Paul Thomas Anderson 略してPTA。今やフルネームで
呼ぶことよりもPTAの方が多くなった。
当然だが、ジョン・ヒューズの快作コメディ映画「大災難P.T.A.」(88年作、映画.comの評価は4.6/5.0)とは無関係。
ところで80・90年代にはユニークなコメディ映画が公開されていたが、近ごろはめっきり少ない気がする。輸入元・配給元がコメディ映画を敬遠しているのだろうか?
本作はアクションコメディ映画と呼ぶべきだろう。
人によっては革命指向の左翼的アジテーションと見る向きもあろうが、私は純粋に娯楽作品として堪能した。
ディカプリオは50代となって、その風貌がますますデ・ニーロ化しているぞ。
かつて革命行動家として名を馳せた女は警察に拘束されると組織を裏切り、証人保護プログラムで別人になってメキシコへと逃げるが、映画はその後の彼女の姿を追いかけることはしない。
母たる彼女の行く末に映画はあまりにも無関心だ。
失われた母性と論じるネット記事もあったが、PTAは鼻っから母性には見向きもしない。
父と娘と彼らを追う変態軍人(ショーン・ペンが好演・怪演‼)の姿こそこの映画の真骨頂だ。
娘役を演じたのはチェイス・インフィニティさん。なんとこの名前、本名らしい。ミドルネームを姓にしたとか。
キックボクシングのトレーナーの経験があるということで、本格アクション映画でも重宝されそうだ。
終盤の砂漠のハイウェイでの追跡シーン。道が大きく波打っているなと思っていたら、その地形を利用して追跡者とケリをつけた。
ラストで娘に父親(ディカプリオ)が母親からの手紙を渡すが、あれは父親の創作だろう。組織を裏切った母親にかつての夫であるディカプリオに連絡する伝はないはず。あの手紙は父親としての精一杯の思いやりだろうし、娘もそれを理解して父親をハグする。
思えば、アメリカはイギリスと独立戦争を行なった。故に今のアメリカ人は革命家の孫たちともいえる。
そうして、革命家の心意気はアメリカ人に「切り株」のようにどっしりと根付いた。
早くも、PTAの次の新作が待ち遠しくなった。
最高にどうかしているイカした映画
PTA監督作はいくつか観ていますが、オモシロイと思った作品に通じるのは“長〜い前フリ”ですね。
今作でも、ボブが娘を救いに向かうまでの長いこと長いこと笑
いや、そこは目を瞑るとしても、ロックジョーが革命家の一斉検挙作戦を実行に移すまですら長い笑
しかし、フリがしっかり効いているからこそ、終盤の怒涛の展開に厚みが生まれ、終わる頃には不思議なカタルシスに包まれるのです。
結果的に、上映時間は2時間オーバーとなることもしばしばの監督ですが、見応えがあるので毎度許せてしまいます。
?
主人公はビール飲んでマリファナやって文句言ってるだけだったんじゃが?
元爆弾魔的なスキル発揮して状況を打破するシーンとか無い……んですね。
そう言った分かりやすいアクションエンタメじゃない、と。
……お子様舌なので良く分かりませんでした。
あー、敵の変態警察と娘さんは良かったです。ついでに、黒幕幹部クラスなのに下っ端ヒットマンやらされてた人も。
何だか盛り上がらない
ショーン・ペンとベニチオ・デル・トロが出演しているので期待して観に行きました。結論から言うと、ところどころ良いシーンはあるものの、全体としては今ひとつ盛り上がりに欠ける作品でした。
原因はいくつか考えられますが、まず、ストーリー的にディカプリオが革命家として活動していた頃の描写が少なく、彼がどれほどの人物だったのかが十分に伝わってきません。また、母親が育児放棄して家を出ていった後が全く描かれず、その点も中途半端に感じました。それはそれで構わないのですが、それならば最後の母親からの手紙のシーンは不要だったと思います。
さらに、キャスティング面ではディカプリオがミスキャストだと感じました。わざとなのかも知れませんが、彼が登場するとどこかコミカルに見えてしまい、作品全体の緊張感と合っていないように感じました。他のキャストは皆さん良かっただけに残念です。
最後に、ベニチオ・デル・トロには、もっとぶっ飛んだ役柄を演じてほしかったです。
そして娘になる
最初に観た時、「そして父になるみたいな話だな」と思いました。是枝監督の「そして父になる」のことです。あの映画ほど、テーマを全面に出してないし、雰囲気も暗くないと思いますし、言葉で直接伝えるものではないとは思うのですが。
家族を家族たらしめるものは、血か過ごした時間か。
本当はどちらも大切なのでしょうが、もしどちらかしか得られないとしたら、どちらが大切になってくるのか。少なくともこの映画の登場人物である娘は、過ごした時間を選んだことになりました。というか、実の父親である警官がクズ過ぎて選択の余地もなかった訳ですが。
主人公のボブを演じるレオの、人間のド底辺にいながら父性(といっても毒親な面は否めないのですが)だけは超一流な人間像が、あり得ないようで妙にリアルなところはどうしてかを考えた時、元テロリストという側面が現実性を担保していつつ、そのくせにどこか抜けていて、人が良くて他人を疑わない面が絶妙に同居しているバランス感が、妙な説得力を持たせているのだろうなと思いました。物語の最後まで、結局、この人は娘が実の子供ではないことは知らないでいる訳ですし、そのままテロ行為に赴く娘に「ほどほどにな」と、この家族らしい「いってらっしゃい」を送る能天気さを見せてくれるところもそう思わせてくれました。
他の登場人物もみんなが同じような造形で象られていると個人的は思っていて、警官でありクズ人間であるロックジョーですら、完全な悪というよりは、アメリカという国によって「そう形作られてしまった被害者」の側面すら見えてしまうところが面白いところでした。理想の自分と本当の自分が矛盾した関係にあり、常に葛藤を抱えている様子を、妙な歩き方や無表情の中に潜む狂気でS・ペンが見事に演じていると思いました。結局、ダブスタを演じようとした結果、何一つ得ることなく死ぬこととなる最期はさすがに憐れだな、と思いました。
ただ、この物語の真の主人公は娘であるウィラであり、彼女が本当の意味で「娘になる」ことこそが、この物語の醍醐味なんだろうな、と思っています。予告だけだとレオが追手から逃げる物語なのかと思ったら真逆で、むしろ追っていく方で、追手から逃げるのはウィラでした。最後の最後まで彼女は逃げ続けるのですが、最後のジェットコースターのような道路(おそらく山あり谷ありな人生のメタファーだと思っていますが)の頂点で一転、反撃に躍り出ます。追手(だったのかは定かではありませんが)の白人至上主義者を撃ち殺し、父親が違ったこと、母親が裏切り者だったことなどを知り、グチャグチャになった思考回路で一心不乱にやって来たボブに「お前は何者だ!」と問い詰め、何も知らないボンクラなボブが純粋に「お前の父親だよ! もういいんだよ!」と近付いていき、ようやく二人が邂逅する場面は、確かに感動的でした。この時、彼女はやっとボブの本当の娘となったのだと思います。
人種問題、移民問題、テロリズム、血のつながらない親子関係など、困難な問題を取り扱いながら、その実、まるで優しい世界を描いた寓話を見せられているような不思議な心地にさせてくれる作品でした。それは、登場人物たちがみんな、どこか憎めない面を持ち合わせつつ、善悪がはっきりした対立構造となってもいると思うためかな、と思っています。善悪と言っても、この作品でいう善悪は、通常のそれとはちょっと違うとも思いますが。
物語の構造でいえば、ボブの知らないところで多くのことが起こっていて、それにボブはまったく気づかずに進行していくところだったり、一見すると理不尽に見える展開が、その実、自業自得であったりするところなども、見事な構成だな、と思わされました。
その他、この物語は「一人の自由な女に振り回される憐れな男たちの物語」でもありますし、「金と勇気の関係性」の話でもありますし、「思想という概念の馬鹿馬鹿しさ」の話でもありますし、「人間は完全になろうとすることでより不完全になっていく」というメッセージもあったように思います。他にも色々なテーマを抱えた作品であると思いました。
ただ、上記のような話である割に、そのテンポや音楽がとても軽快で、最初はチューニングが上手くいかず、楽しみ方を心得るまでに少し時間が掛かったので、あくまで個人的な気持ちの問題で1点引きました。
この映画から何も伝わらない
そもそもこの映画の主題がまったく見えてこない。
アメリカの移民問題や差別思想を風刺して描くことが目的なのか(とはいえ風刺というよりは冷笑に近いが...)、それとも父と娘の絆、あるいはボブとロックジョーそれぞれの「父性」のあり方を描きたかったのか。それともまったく別のテーマを掲げていたのか。あまりにも多くの要素を詰め込みすぎた結果、どこにも焦点が定まらず、何も伝わってこなかった。
主演俳優陣の演技は素晴らしく、キャラクターたちに確かな説得力と現実感を与えていた。
だが、それ以外の脇役には問題がある。左翼の理想像のような男センセイ、現実ではあり得ないほど極端に描かれた極左極右の組織、意味ありげに登場しながら物語にほとんど関与しない教会の尼さんたち。そして、意味不明な行動を繰り返す革命家仲間(特に教会でウィラと一緒に捕まる女革命家は一体何だったの...?)。さらには、ウィラを人身売買組織に売り渡しておきながら助けようとする殺し屋など、脇役たちの行動に現実味がなく、その場を盛り上げるためだけの舞台装置に成り下がっているように感じた。結果として、作品全体の演出軸までもぶれてしまっているように思う。
また、ラストのウィラの行動にも正直納得がいかない。
どこまでも真っ直ぐに娘のことを案じるボブとただ父に安心して泣き縋る娘。血の繋がりを超えた父娘の絆が感じられた前シーンから一転し、疎遠だった母親の手紙を読んだ直後に革命家の系譜を受け継ぐような行動を取る展開は、あまりに唐突だ。そもそも彼女がそこまで活動に熱心であった描写もなく、スターウォーズのレイを思わせるような“都合のいい覚醒”に見えてしまった。
些細な部分だと翻訳にも違和感があった。ロックジョーを「警部」と呼んでいたが、彼は軍人なのでは...?
ただし、最後の砂漠のハイウェイでのシーンだけは圧巻だった。あの映像演出は、まさに映画史に残る名シーンといっていい。正直、あの場面がなければ星1もつけなかっただろう。
評論家や世間の評価は高く、おそらく今年のオスカー最有力なのだろう。
だが、最近の日本での公開作の中でも突出して優れているとは思えない。わかりにくいストーリーでも、『ザザコルダのフェニキア計画』の圧倒的な映像美と構図、奇怪なコメディ演出で父娘の断絶や和解、変化する感情を描いた作品もあるし、出演陣すべての演技が素晴らしく、特にエドハリスの狂気の父親像が印象的だった『愛はステロイド』、移民問題と家族の絆を希望の形で描いた『スーパーマン』など、洋画だけ見ても、より完成度の高い作品はいくらでもある。
このサイトでレビューを書くのは初めてだが、それほどこの作品の高評価には納得できなかった。
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2025.10.09 追記
せっかくの初回レビューなので、誤字脱字の修正に合わせて疑問点を追加してみた。
ラストシーンのロックジョーの殺され方には、大きな違和感が残る。
そもそも極右組織があんなまわりくどい殺害方法をとる必然性がない。現に砂漠のハイウェイでは銃殺を実行しているのだから、殺害方法にこだわりがあるわけではないだろう。しかし、ラストのシーンではわざわざロックジョーに言い分を聞いてやり、最後に部屋を毒ガスで満たしてから焼却している。これはアウシュビッツのホロコーストをイメージしているのは明白だが、他の演出と比べてもあまりに直接的で、むしろチープに感じられた。
ロックジョーが頭部を撃たれながらも生存している場面も、この演出のために無理やり生かされたような印象が残り、彼までもが最後には作品の舞台装置に成り下がってしまったように思う。
また、この作品をスターウォーズのキャラクターで例えたが、物語全体にもスターウォーズ的な構造があるように感じる。特にボブが娘を助けようとしつつ逃亡する姿は、三部作の中盤を彷彿とさせる。
ただし、ここで言いたいのはジョージ•ルーカスの『帝国の逆襲』のような完成度ではなく、ライアン•ジョンソンの『最後のジェダイ』的な意味での中途半端さである。
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