ワン・バトル・アフター・アナザーのレビュー・感想・評価
全133件中、61~80件目を表示
そして娘になる
最初に観た時、「そして父になるみたいな話だな」と思いました。是枝監督の「そして父になる」のことです。あの映画ほど、テーマを全面に出してないし、雰囲気も暗くないと思いますし、言葉で直接伝えるものではないとは思うのですが。
家族を家族たらしめるものは、血か過ごした時間か。
本当はどちらも大切なのでしょうが、もしどちらかしか得られないとしたら、どちらが大切になってくるのか。少なくともこの映画の登場人物である娘は、過ごした時間を選んだことになりました。というか、実の父親である警官がクズ過ぎて選択の余地もなかった訳ですが。
主人公のボブを演じるレオの、人間のド底辺にいながら父性(といっても毒親な面は否めないのですが)だけは超一流な人間像が、あり得ないようで妙にリアルなところはどうしてかを考えた時、元テロリストという側面が現実性を担保していつつ、そのくせにどこか抜けていて、人が良くて他人を疑わない面が絶妙に同居しているバランス感が、妙な説得力を持たせているのだろうなと思いました。物語の最後まで、結局、この人は娘が実の子供ではないことは知らないでいる訳ですし、そのままテロ行為に赴く娘に「ほどほどにな」と、この家族らしい「いってらっしゃい」を送る能天気さを見せてくれるところもそう思わせてくれました。
他の登場人物もみんなが同じような造形で象られていると個人的は思っていて、警官でありクズ人間であるロックジョーですら、完全な悪というよりは、アメリカという国によって「そう形作られてしまった被害者」の側面すら見えてしまうところが面白いところでした。理想の自分と本当の自分が矛盾した関係にあり、常に葛藤を抱えている様子を、妙な歩き方や無表情の中に潜む狂気でS・ペンが見事に演じていると思いました。結局、ダブスタを演じようとした結果、何一つ得ることなく死ぬこととなる最期はさすがに憐れだな、と思いました。
ただ、この物語の真の主人公は娘であるウィラであり、彼女が本当の意味で「娘になる」ことこそが、この物語の醍醐味なんだろうな、と思っています。予告だけだとレオが追手から逃げる物語なのかと思ったら真逆で、むしろ追っていく方で、追手から逃げるのはウィラでした。最後の最後まで彼女は逃げ続けるのですが、最後のジェットコースターのような道路(おそらく山あり谷ありな人生のメタファーだと思っていますが)の頂点で一転、反撃に躍り出ます。追手(だったのかは定かではありませんが)の白人至上主義者を撃ち殺し、父親が違ったこと、母親が裏切り者だったことなどを知り、グチャグチャになった思考回路で一心不乱にやって来たボブに「お前は何者だ!」と問い詰め、何も知らないボンクラなボブが純粋に「お前の父親だよ! もういいんだよ!」と近付いていき、ようやく二人が邂逅する場面は、確かに感動的でした。この時、彼女はやっとボブの本当の娘となったのだと思います。
人種問題、移民問題、テロリズム、血のつながらない親子関係など、困難な問題を取り扱いながら、その実、まるで優しい世界を描いた寓話を見せられているような不思議な心地にさせてくれる作品でした。それは、登場人物たちがみんな、どこか憎めない面を持ち合わせつつ、善悪がはっきりした対立構造となってもいると思うためかな、と思っています。善悪と言っても、この作品でいう善悪は、通常のそれとはちょっと違うとも思いますが。
物語の構造でいえば、ボブの知らないところで多くのことが起こっていて、それにボブはまったく気づかずに進行していくところだったり、一見すると理不尽に見える展開が、その実、自業自得であったりするところなども、見事な構成だな、と思わされました。
その他、この物語は「一人の自由な女に振り回される憐れな男たちの物語」でもありますし、「金と勇気の関係性」の話でもありますし、「思想という概念の馬鹿馬鹿しさ」の話でもありますし、「人間は完全になろうとすることでより不完全になっていく」というメッセージもあったように思います。他にも色々なテーマを抱えた作品であると思いました。
ただ、上記のような話である割に、そのテンポや音楽がとても軽快で、最初はチューニングが上手くいかず、楽しみ方を心得るまでに少し時間が掛かったので、あくまで個人的な気持ちの問題で1点引きました。
この映画から何も伝わらない
そもそもこの映画の主題がまったく見えてこない。
アメリカの移民問題や差別思想を風刺して描くことが目的なのか(とはいえ風刺というよりは冷笑に近いが...)、それとも父と娘の絆、あるいはボブとロックジョーそれぞれの「父性」のあり方を描きたかったのか。それともまったく別のテーマを掲げていたのか。あまりにも多くの要素を詰め込みすぎた結果、どこにも焦点が定まらず、何も伝わってこなかった。
主演俳優陣の演技は素晴らしく、キャラクターたちに確かな説得力と現実感を与えていた。
だが、それ以外の脇役には問題がある。左翼の理想像のような男センセイ、現実ではあり得ないほど極端に描かれた極左極右の組織、意味ありげに登場しながら物語にほとんど関与しない教会の尼さんたち。そして、意味不明な行動を繰り返す革命家仲間(特に教会でウィラと一緒に捕まる女革命家は一体何だったの...?)。さらには、ウィラを人身売買組織に売り渡しておきながら助けようとする殺し屋など、脇役たちの行動に現実味がなく、その場を盛り上げるためだけの舞台装置に成り下がっているように感じた。結果として、作品全体の演出軸までもぶれてしまっているように思う。
また、ラストのウィラの行動にも正直納得がいかない。
どこまでも真っ直ぐに娘のことを案じるボブとただ父に安心して泣き縋る娘。血の繋がりを超えた父娘の絆が感じられた前シーンから一転し、疎遠だった母親の手紙を読んだ直後に革命家の系譜を受け継ぐような行動を取る展開は、あまりに唐突だ。そもそも彼女がそこまで活動に熱心であった描写もなく、スターウォーズのレイを思わせるような“都合のいい覚醒”に見えてしまった。
些細な部分だと翻訳にも違和感があった。ロックジョーを「警部」と呼んでいたが、彼は軍人なのでは...?
ただし、最後の砂漠のハイウェイでのシーンだけは圧巻だった。あの映像演出は、まさに映画史に残る名シーンといっていい。正直、あの場面がなければ星1もつけなかっただろう。
評論家や世間の評価は高く、おそらく今年のオスカー最有力なのだろう。
だが、最近の日本での公開作の中でも突出して優れているとは思えない。わかりにくいストーリーでも、『ザザコルダのフェニキア計画』の圧倒的な映像美と構図、奇怪なコメディ演出で父娘の断絶や和解、変化する感情を描いた作品もあるし、出演陣すべての演技が素晴らしく、特にエドハリスの狂気の父親像が印象的だった『愛はステロイド』、移民問題と家族の絆を希望の形で描いた『スーパーマン』など、洋画だけ見ても、より完成度の高い作品はいくらでもある。
このサイトでレビューを書くのは初めてだが、それほどこの作品の高評価には納得できなかった。
---
2025.10.09 追記
せっかくの初回レビューなので、誤字脱字の修正に合わせて疑問点を追加してみた。
ラストシーンのロックジョーの殺され方には、大きな違和感が残る。
そもそも極右組織があんなまわりくどい殺害方法をとる必然性がない。現に砂漠のハイウェイでは銃殺を実行しているのだから、殺害方法にこだわりがあるわけではないだろう。しかし、ラストのシーンではわざわざロックジョーに言い分を聞いてやり、最後に部屋を毒ガスで満たしてから焼却している。これはアウシュビッツのホロコーストをイメージしているのは明白だが、他の演出と比べてもあまりに直接的で、むしろチープに感じられた。
ロックジョーが頭部を撃たれながらも生存している場面も、この演出のために無理やり生かされたような印象が残り、彼までもが最後には作品の舞台装置に成り下がってしまったように思う。
また、この作品をスターウォーズのキャラクターで例えたが、物語全体にもスターウォーズ的な構造があるように感じる。特にボブが娘を助けようとしつつ逃亡する姿は、三部作の中盤を彷彿とさせる。
ただし、ここで言いたいのはジョージ•ルーカスの『帝国の逆襲』のような完成度ではなく、ライアン•ジョンソンの『最後のジェダイ』的な意味での中途半端さである。
ちがう!逆○○○だ!
何だよ逆ってw
エッホ!エッホ!
マンデーに「火喰鳥を、喰う」からインターバル15分という、非常〜にタイトなジーンズにねじ込んで観た本作。
レビュー挙げたつもりが下書きになってた
ぴえん。
で、少し加筆して改めて。。
ワタクシ、レオさんの若い頃、美少年美青年時代よりも、今の方が好っきゃねん♪
(出演作では「ギルバート・グレイプ」が一番好きだけど)
顔にお肉も付いてきてお肌もツルピカじゃなくなった。
髪もさみしくなって、若干後退してきた?!
もう少しで立派なM字になりそうだ!
いいぞその調子♪
若い頃のレオさんてさ、顎がシュッとしてるから、頭周り"ハチ"が張って見えて小顔なのに小顔に見えない騙し絵の様で戸惑うのよ。
だから今の方がバランス的に良い安心するw
で、前作
「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」ではデ・ニーロにおもっくそお尻しばかれてましたけど(°▽°)b
今回も冴えない役所。
長いネルシャツがダサいのも。
うん。良い♡
(娘にデブと言われ(あのレオ様がww)
テンパってキレて落っこちて、うん。
良い♡)
そして、
ポール・トーマス・アンダーソン監督で、
好きピ♡デルトロさんと名優ショーンペンと来たもんだ!
期待値爆上がりで臨んだ連投!
2回戦は3時間と強敵だい。
はい。
相変わらずジョニー・グリーンウッドが止まらないw
ずっと流れてるBGM♪
上手くマッチしてるんだけど、少しは休憩
ちょ〜だいなorz
ただでさえ情報量が多いので、イカすBGMに気を取られ、若干わかりにくいと感じる箇所もあった。
(まぁコレは個人的、私の理解力の無さ故なので、他の方はノープロブレム)
(EDは長かったw)
で、私が「革命」という言葉から思い浮かぶのは"チェ・ゲバラ"
ハタチ位の頃、ゲバラ関連の本を何冊か読んだ。
学校では学ばなかったカストロとの関係や
キューバ革命についても詳しく知る事になったが、正直半分も理解出来なかった。
それは今もやっぱりそうで、「革命」って
「戦争」じゃん。。と思ってしまう。。
治安部隊と革命側の激しい戦闘は、対国外との戦争と何が違うのか。
結果多くの犠牲者が出るわけですし。。
(無血革命もありますが)
むずい。。
そうそうゲバラは革命成功後、日本を訪れた際、当初の予定にはなかったけど、広島の原爆記念館を訪れたんですよね。
沢山の犠牲者が出た広島。
自身が体験してきた激しい戦闘と亡くした
同志達とも重なって、思う所があったのでしょう。。
と、少し脱線しました映画に戻ると、、
軸は難しくない。
革命家だったボブは娘ウィラの誕生をきっかけにイクメンになるが、母となってもベルフィディアの野心は消えなかった。
彼女は革命家として生きる道を選び2人を残して出て行ってしまう。
それでも2人は平凡な暮らしを送っていたが、ある日ウィラがさらわれて。。
パパは娘を助ける事が出来るのか?
って所から始まるお話し。
実はロックジョー(変態さん)には野心があって、それを叶える為に確かめなくてはならない事があった。
だからウィラを捕まえる必要があったのだが、ボブウィラからしたら、何で何でこんな事に?ってわからないままその状況に飲み込まれていく。
挙句センセイや移民を匿っている組織の人達も巻き込んで逃げる追う逃げる追う!のカオスな展開に!
「まぐわっていないですよ(棒)」
ダメだって!バレちゃったって!
さぁ大変!ε=εε=┌(; ̄◇ ̄)┘
ウィラを追う立場だったロックジョーにも、彼が知らぬ間に秘密結社からの刺客が送り込まれていて。。って事で、肉付けパートが濃いぃ濃いぃ。
ロックジョーに色々くっつけ過ぎて、でも完璧にやっちゃうペンだから、存在感あり過ぎて見せ場だらけで、何かショーン・ペンが主演だっけ??ってなりました。
(顔芸も披露)
ヒクイドリより執着がえぐいー
実はやっぱり。。だったしねorz
確実にウィラは2人の血だよね。。
本命デルトロ♡
ボブを完璧にアシストする"センセイ"が
めっちゃ頼りになるナイスキャラで萌えまくり。
テンパるボブとは対照的に、やるべき事を見極めて冷静に行動するセンセイ。
しゅてき♡♡
派手に落っこちたぞやばいやばい!
からのビリビリ捕獲orz
ボブ絶体絶命!ここまでか。。
のあの時も。。
センセ〜イ!!!☆*.o(≧▽≦)o *☆
サンキューセンセイサンキュー!!
ボブ、チュ〜しちゃう勢いでしたw
私もセンセイに着いていきます!
(デルトロさん、古谷一行さん♡に似てません??)
なかなか充電出来なくて焦ったり、残りあと
1個の"合言葉"が思い出せなくてイラついたりするボブも面白かった。
私も絶対出てこないよわかりみが深い(°▽°)b
「あんた誰なの?!」は緊張したね。
ウィラ!
大丈夫落ち着いて落ち着いてぇー!!って思ったよぉ。
ウィラの出自。
ウィラは結局ボブたんには言わなかったのだよね。。
おおおーーん!
ちょっと泣いてくるー(/ _ ; )
ベルフィディアは気付いてた?!
だとしたら相当わるーーー( ̄  ̄)
そうそう!
ラストバトルのあの道!!
凄いねーあの地形!
今までの映画で観なかったのが不思議な位のあり得ないロケーションだったよ!
こんな場所がまだ空いていたというラッキーも味方に付けましたね。
(あのカーチェイスは酔いそうでした)
ポール・トーマス・アンダーソン監督強運だわ〜♪
まぁ、F単語盛りだくさんで若干引いたけど、それより白人至上主義者達の差別用語がひど過ぎて胸くそ悪かった。
革命とか秘密結社とか移民問題とかも色々
むずいし怖い。
だけど、深い所は理解出来ていないかもだけど、スピード感あって面白かった。
結局はワン・バトルアフターアナザーって事なんだけど。。(°▽°)
○おまけ○
「トム ファッ○ クルーズ」笑った。
「マグノリア」じゃん。
○○○が降ってくるよ〜!!
大吉センセイ逃げて〜ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
最後のおじさん
アクション映画と思って、無料ポイント使って観てきましたが、アクション映画という感じではなくて、コメディのようでした。コミカルな音楽のせいでワクワクしないし、前半は退屈で面白くなかったです。
最後の方のおじさん(ロックジョー)は、部屋に案内されましたが亡くなりましたね。毒ガスか何か出てたんですかね。
アカデミー賞候補らしいですが、自分にあわなかったみたいです。
切り株の意地
まじびっくりな映画でした。
しょっぱなからえげつない展開が待っていて、早速胸やけがしてきたと思ったら、それが最後までノンストップで続く、
まさにワンバトル・アフター・アナザー(戦闘また戦闘)
妻にも娘にも不釣り合いだった切り株な男が、意地を見せるその様が、いつの間にか大好きになっていきます。
PTA作品というのを始めて見たんですが、
その中身はガチのPTA(小学校とかの)がブチギレるレベル笑
最初の「勃て!」でもう、そういう映画だってわかってからはホントにさいごまで楽しめました笑
お気に入りキャラはロックジョー。
秘密結社に入ろうとしたら、過去のとんでもないゴシップを掘り返される。
デカプリオも人間臭かったけど、ロックジョーの人間臭さは度を超えて凄まじい。死に様も含めて良すぎた。
驚いたシーンは
町中で繰り広げられる逃走劇。一連の流れが、いちども息をつかせることなく続いていきます。
あのセリフ、めちゃ好きです笑
「サンキューセンセイ!センセイサンキュー!ガッデム!!!!!」
ラストのラストまで、
予測不能がすぎて、もはやとんでもない所まで行きます。
これがPG12ってまじかよ、と言いたくなるくらい、
お腹いっぱいになる面白すぎる映画でした!
たぶんクリスマス映画。
ホーム・アローン観て、キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン観たあと、これ観るべき笑
☓肩透かし⇒◎楽しい時間が終わった虚しさ
前評判が良さげだったので鑑賞。
冒頭の約30分以降はキャッチコピー通りの追走劇、もとい闘争劇が続く。
「ダメオジのデカプリオが最後にはキメる!」的なシーンを期待していたが最後までなし。
ストーリーは単純かつ、どんでん返しやカタルシスを得られる要素も少ない。
胸に残るのは充電難民デカプリオ、眼鏡がキュートなセンセィ、バックミラーに映る追跡者、レ◯プ願望の敵役警官など面白可笑しい数々のシーンが盛り沢山。
あれあれ?鑑賞直後は面白かったけど肩透かしかな…という気分だったが、な〜んかまた見たくなってきた!あの没入感、今オレ映画見てるよな〜気分を味わいたくて仕方ない。
人にオススメしたいけど、どう面白さを伝えれば良いものか?
こういう映画、もっと観たいです!
映像のカッコよさ
ポール・トーマス・アンダーソンってP.T.A.って略すらしいんだよ。
かなり前に《インヒアレント・ヴァイス》ってのを観たんだけど、めちゃくちゃカッコ良かった。でも内容はさっぱり分かんないの。
今回もそうなるかなって思ったんだけど、予告編が面白そうだったし、観たんだよ。
今回は分かった。
まずレオナルド・ディカプリオがダサいおっさんでイイの。よく、こんなにカッコ悪く撮れるなって思っちゃった。
ストーリーは若干いかれた性癖をもった人たちの話から進むの。
それで娘ができて、娘とディカプリオの話なんだよ。
ディカプリオは移民の解放をやってて、足を洗ったっぽいんだけど、また捕まりそうになんのね。それで娘と逃げんの。
なんか追いかける方は白人至上主義の人たちっぽいんだよね。
ひたすら合言葉が出てくるんだけど、ディカプリオが忘れてたりして、面白いの。
色んなシーンが、予想を裏切る台詞や展開で進んで、ちょっといいんだよ。
それで色んなことがあるんだけど、ラストのカーチェイスのシーンがすごく良かったの。
映像がいいよね。ちょっとスピルバーグの《激突》も思い出したな。
このシーンのちょっと前で白人至上主義の殺し担当みたいな人が出てくるんだけど、ラコステのセーターみたいなの着てんだよね。なんか典型的な人の良いアメリカ人って感じなの。そいつらが白人至上主義を純粋に信じて過激なことをやるのがらしかったな。
それで、その殺し担当と娘とディカプリオで車のシーン。
娘が機転をきかせて殺し担当をやっつけるのね。
そこにディカプリオが駆けつけると娘は合言葉を叫ぶんだよね。ディカプリオは「もういい。父さんだよ」ってまた合言葉言わない人になるんだけど、ここでの“Who are you?”がいいね。
娘はDNA鑑定やられてて、ディカプリオは実の父じゃないことが分かってんの。そこも含んで“Who are you?”。ディカプリオの「父さんだよ」で解決するのもいい。
面白いシーンで進んでくけど、基本はオシャレ映画だと思う。
とにかく最後の車のシーンが印象に残ったな。
ポール・トーマス・アンダーソン面白そうだから、他の未見のも観てみよ。
タイトルなし(ネタバレ)
この手の大作はPROレビュアーや雑誌の評価が軒並み高くなる傾向にあるが、本当にそうか??役者の布陣、スタッフ、これ以上無いくらいに期待は高まった。しかし実際に観てみて、果たしてどうだろう。
確かにショーン・ペンの軍人たる佇まいなど見どころは多々ある。が、多々ある程度にとどまっており、作品全体が諸手を挙げて評価出来るかと言われたら、自分はかなり退屈と感じてしまった。
ディカプリオはもっと振り切ったダメ親父が見れると思ったら意外とライトだったし、キャラクターも中途半端でつかみにくい。怪演しそうでしないあっさり味のベネチオ・デル・トロも肩透かし。空手は何のための設定?
あっと言う間の3時間?とはならず、謎にしつこいカーチェイスの走行シーンなど、いやいや必要?って思う箇所多数。スカッとするカタルシスも特に無く、「まあそうだろうな」と想像のつくラスト。
タランティーノのように苦にならない日常描写という訳でもない、意図の掴めないシーンが多数あった。これは自分の理解が及んでないのかも知れないが、とにかく退屈なシーンが多かった印象。何度も見れば分かるもかも知れないが、もう一度観たい気力が沸かない。
Dirty Work
めちゃくちゃ良いレビューが飛んできていたので、そりゃあ期待しちゃうでしょう!という事で鑑賞。
あらら〜?って感じですごいグサグサ刺さるタイプの作品では無かったです。
もちろん面白い部分だったり、映像への没入感なんかはとても良かったんですが、苦手だな〜というのが序盤から終盤までずっとあってモヤっていました。
極右極左をテーマの軸に置きながらシリアスな雰囲気を纏ってはいるんですが、作品自体はコメディに近い感じで展開されていき、そこが自分の抱いていた作品との印象とかけ離れていてのめり込めなかったなと思いました。
序盤から革命家たちが移民を逃すために施設に襲撃する流れから始まり、ペルフィディアがそこにいた警官のロックジョーを言葉責めにしてしまったがためにMに目覚めてしまい、めっちゃ執着されるという流れは最初は笑えたんですが、フル勃起したあたりからちょっと顔が引き攣ってしまいました。
あと最初からベンとペルフィディアがベロベロチュッチュイチャイチャしまくるパートが多すぎて胃もたれしますし、爆弾仕掛けてんのにイチャイチャし出したのは早よ逃げろよって思ってしまいました。
そこから娘が生まれてから夫婦間で溝ができてしまい、冴えない日々を過ごすボブと、革命に向かいまくるペルフィディアの対比がこれでもかって映されます。
娘も成長した姿で登場し、その際に流れた"Dirty Work"は大好きな洋楽のうちの一曲なのでめちゃめちゃテンション上がりました。
娘との喧嘩もあったり、過保護すぎるボブが映ったりと色々と不穏になっていくのも特徴的でした。
そしてここからロックジョーとボブと娘と様々な視点から物語が展開されていき、群像劇に近いものになっていくんですが、テーマがテーマなだけあってそんなにダラダラする必要性はあるかな?と思ってしまうくらいのんびりやっちゃているのはいただけなかったです。
センセイが登場してお茶目かますあたりは好きなんですが、話がうまいこと通じない組織の人間とのやり取りでブチギレまくるボブの様子が延々流される時間はちょっと苦痛でした。
このテイストが好きな人は好きなんだろうなーとは思いましたが、自分は良さが分からずじまいでした。
待っていたカーチェイスがやっとこさスタートし、センセイとのドタバタがあったり、雑な脱出だったりとこの辺からやっと盛り上がってきたなーってなりました。
終盤のカーチェイスは爽快感重視ではなく、グッと広がった映像で魅せるタイプだったのが新鮮でした。
アップダウンの激しい一本道での追って追われて、先頭、中断、後方と1つの場面で3つの視点が味わえるのも最高でした。
車を坂上に置いてトラップとして後続にぶつけさせるのはお見事すぎて笑っちゃいました。
ロックジョーはとんでもない変態で、もう動き全てが気色悪かったですし、起こす行動も全てきしょいですひ、生命力も強すぎて訳分からんかったです。
ショーン・ベンの熱演も手伝って気持ち悪さに拍車がかかっていましたが、この気持ち悪さが生理的に受け付けなくてロックジョーが出てくる場面はずっと鳥肌が立っていました。
物語的にはそこまで何かを解決したとかではなく、日常の延長線として落ち着いてしまったのであまりスカッとはしなかったなぁという印象です。
個人的にはあんまりでしたが、ハマる人はガッツリハマるタイプだと思いますし、役者陣の演技や映像に関しては素晴らしいと思うのでオスカー最有力候補なんだろうなぁと思いながら劇場を後にしました。
鑑賞日 10/5
鑑賞時間 17:25〜20:20
勢いだけで突っ走る共感しづらいご都合主義!
今日、池袋のIMAXで観ましたよ!
IMAX版は1日1回なので7割の入り。
さすが全編フルサイズだから顔のアップはど迫力!
ただ、予告編の最中にトラブル発生!
来年5月公開のマンダロリアンのIMAX予告編の途中で何度も全面グリーンの砂嵐になって、恐らく「死霊館」かと思われる予告編の途中でエクソシストっぽい少女が天井から手を出してる怖ーいところで完全にフリーズ!そのまま場内明るくなりトラブルのアナウンスと共に15分遅れて本編スタート!
評判のような大絶賛とまでは自分にはとても思えなかったなぁ!
テンポも良く無駄なシーンもほとんどないから予告編を含めて3時間は別に長くは感じなかったからトイレの心配もなく楽しめたんだけど、勢いで突っ走っただけの印象?(笑)
俳優陣はみんな熱演だからどデカいスクリーンだし見応えはあったけれど、所詮感動、感激するようなお話ではないので観終わって都合の良すぎる展開ばかり思い出しちゃって。
例えば床下の抜け穴から脱出するも10メートル程度這い上がってすぐ自宅の脇の木陰に出たのに抜け穴も見つかってるのに追手が誰もいないなんて???しかもそこから100メートル程度走っただけで住民達が何事もなかったかのような佇まいの公園に出るなんて!あの家は森林の中にあったのではないのか???(笑)
娘を助ける?為に仲間も皆殺しにして自分も死ぬ先住民族のような親父とかとてもまともな尼さんとは思えない丘の上の修道院の皆さんなんて説明も伏線もなくコメディのワンシーンのような扱いにはとても笑えなかったし?(笑)
別にアカデミー賞ものなんて作品ではないわなあ!
スピルバーグが3回も観て感激したとか?
恐らくラスト近くにある砂漠のハイウェイでの追っかけシーンがお好みだったのでは?
あっ、ワーナー作品らしくベニチオ・デル・トロが先生(師範でもないみたい?)をやってる空手道場の部屋の壁に「スーパーマン」の日本版ポスターが貼られているのにはびっくり!デル・トロは日本大好きだからじゃないだろうけど。
デカプリオの熱演以上にショーン・ペンが素晴らしかったね!
レオ様だから面白い。レオ様じゃなかったらつまらん。
タイタニックを愛する者としてはレオ様が出る作品は内容は面白くなさそうでも一度は観てみるという方針で映画館で鑑賞。
結論、レオ様だからまぁまぁ面白かった。
ストーリー的には冒頭の下品なシーンが始まったらへんからくだらん。と、
冒頭らへんで寝てしまい、空白の10分くらいがあるせいでいつの間にか話がかなり突っ走っていて
なんだなんだ面白くなってきたぞ。とそこからは食い入るように観てました。
寝てしまって後悔。気絶するほど最初がつまらんかったということでもあるか。
敵(どっちが敵かは分からんが)からあの手この手のつてを使って隠れながら逃げていく様子は、まるでアンネフランクの映画を観ているよう。
そしてセンセイが落ち着いててかっこいい。
レオ様のパスワードの電話でのくだりはつい笑ってしまったw
そしてあの悪者警察、どこかで見たことあるなー、レインマンか?と思ったらアイアムサムの人だったか。
なんだかよく分からんストーリーではあったが
レオ様の瞳の色が宝石のようでそこだけスクリーンに目立ってすごく美しく、
見た目は歳もとって小汚いおじさん役を演じてるが、瞳の色だけは色褪せない。
眼だけで語るあの素晴らしい演技はタイタニックのジャックを思い出した。
センセイがなかなかいいセリフをちょいちょいはくのでそれだけでも観た価値はあったかな。
"Do you know what freedom is? No fear! "
どういう立ち位置で見たらいいの?って考えてるうちに、次から次へと
誰が主人公なの?、社会風刺なの?などと考えて見ているうちに心がだんだん重たくなったんだけど、途中からそんなことはどうでもよくなってきて、もうハラハラドキドキの連続。ゼアウィルビーブラッドみたいに何度も見ることになりそう。
子どもを守ろうと翻意して白人の殺し屋たちと相撃ちになって死んでいったネイティブ・アメリカンの殺し屋、かっこよかったな。
ショーン・ペンはよくこんな役を引き受けたなぁ、でもこんな人いそう!
毎度ながら、うるさいよ!
ジョニーグリーンウッド。
画が心地よい、最後辺りの段々畑ロードとか。脱出トンネルの下りでは神の視線を再認識。
メイン三人文句無し、お母さんプリケツ、マタニティマシンガンはやり過ぎ。
唯一残念だったのは、分断=戦争ミーツキルビルみたいな話が、一応イイ風に終わった事。
個人的には燃やされる所で終わっても良かった。
おすすめの映画ないですか?…なんて愚問には普段は応じないんだけどさ…いや、今回だけはこれを勧めることにしよう
公開早々、二日続けて見に行ってしまいました。
映画の面白さがたっぷり詰まって、それでも餡がはみ出してる傑作だった。
と言いつつ、どうしても気になる点があるので、誰か教えてください。
クライマックスのカーチェイス(素晴らしいシーンだ)にて。
①青い車は白い車に件の人物が乗っているのをなぜわかったのか
②白い車を追いかけてる青い車を、なぜ黒い車は探してる車だとわかったのか
がどうしても引っかかって眠れません。
家内に質問したら「あの場には4台しか車がいないからだ」といなされたのだが…
バカな質問だったら無視してくださいw。
ひたすら続く「逃亡」と「追跡」の物語に引き込まれる
題名から、銃撃戦に次ぐ銃撃戦のような映画なのかと思ったら、序盤こそ、爆弾テロやら銀行強盗やらのシーンがあるものの、潜伏していた主人公とその娘の居場所がバレる中盤以降は、ひたすら逃亡と追跡の物語になって、やや「看板に偽りあり」の感があることは否めない。
ただし、決して一箇所にとどまらず、移動し続ける登場人物と、彼らを追って変化し続ける場面が、小気味よいテンポと先の読めない展開を生み出していて、長尺ながら、少しも飽きることはなかった。
基本的には、父と娘、それぞれの、逃亡→拘束→脱出→反撃の話なのだが、その最中で、追われる者と追う者の立場が入れ替わる様子は面白いし、1人の娘と2人の父親の因縁の物語にも引き込まれた。
主人公が助けを求めた娘の空手のセンセイが、たまたま、不法入国者の支援組織のリーダーだったり、娘を執拗に付け狙う警官(どう見ても軍人だが•••)が、白人至上主義の秘密結社のメンバーだったりと、移民とか人種差別とかの問題が取り上げられてはいるものの、革命家のはずの主人公自身に、思想信条だとか、信念のようなものが感じられないところは、あえて政治的なメッセージ色を薄めているようで興味深い。
それどころか、主人公は、大切な合言葉を忘れてしまうようなダメ男として描かれていて、この、合言葉を巡っての電話でのやり取りには、思わず吹き出してしまった。
その主人公も、ラストで、娘を助けて格好いいところを見せるのかと思いきや、結局、娘が、自分自身で追跡者を撃退してしまって、最後まで主人公に見せ場がなかったところも、いかにも、この父親と娘(あの両親にして、この子あり!)らしくて良かったと思う。
また、ここで描かれた、上下に波打つ道路で繰り広げられる車同士の対決は、近年、稀に見る秀逸なアクションシーンのように思われて、そのアイデアに感心してしまった。そう言えば、主人公が、木の枝に引っ掛かりながらビルから転落したり、高速で走行中の車から道端に飛び降りたりといったスタント(もしかしたら、CGか?)も素晴らしく、そうしたアクションにも目を奪われた。
その一方で、主人公が、あれだけこだわっていた、互いに数百m以内に近づくとセンサーが反応するという機器が、ラストであまり活躍しなかったのは物足りないし、空手のセンセイが大切にしていた「銃のようなもの」が、実際にライフルで、しかも、望遠鏡としての役割りしか果たさなかった(これは、主人公の狙撃が下手くそだったからだが•••)ことにも、何だか拍子抜けしてしまった。
ただ、何よりも残念だったのは、せっかく生き残った警官が、あっさりとガスで殺されてしまったことで、これでは、何のために、(顔にメーキャップを施してまで)生き残らせたのかが分からない。どうせなら、警官が、白人至上主義者達に復讐して、きっちりと制裁を加えるというエンディングにしてもらいたかったと思えてならない。
さらには、主人公の黒人のパートナー(娘の母親)には、手紙だけでなく、ラストで再登場してもらいたかったとも思ったのだが、彼女は家庭に落ち着くような女性ではないので、これは、これで、良かったのだろう。
正直ずっとつまらない
ディカプリオの新作なので見ました。
個人的には面白さが全くわかりませんでした。
登場人物に興味を感じません。
主人公達は革命家?で有色人種に対する差別的な物事や資本主義社会に対して自由?を求めて反発します。
ですが銃を突きつけて脅したり、爆弾で破壊活動をして暴れ回る野蛮な集団にしか見えませんでした。
ボブの妻は子供ができたことにより精神が不安定になり、革命活動中に不必要に警備員を射殺し捕まります。証人保護を受けるために仲間の居場所をばらし、大勢の仲間が死にます。
彼女の親は彼女には偉大な革命家の血が流れていると言っていましたがそうは思えません。
主人公ボブは娘ウィラを探しながら追っ手から逃げ回りますが、空手の師範代にずっと世話になりっぱなしで終始魅力を感じませんでした。
屋根から落ちて捕まった時、ここからどうやって逃げるのかな?と期待していたら、潜入していた仲間(もしくは師範代の協力者)がサラッと簡単に逃がしてくれて外には師範代が車で待っているんです。何も起こらなすぎてすごく違和感を感じました。
爆弾を使う設定も最初だけだし、無味無臭でつまらないキャラクターです。
逆にロックジョーはとても良いキャラクターだと思います。黒人を性的に好きだが、白人至上主義的なクラブ?に入会するために性的嗜好を隠し、自らの子供であるウィラを消そうとするとする面白いおじさんです。
ボブとロックジョーによる娘ウィラの争奪戦をもっと時間を使って表現してほしかったです。
本作はコメディ、アクション、ドラマなどのたくさんの要素を詰め込んだと言われていますが
そのどれも中途半端に感じました
特にパスワードを忘れてキレるくだりが長すぎてうんざりしました。一回も笑えるところはなかったです。
アクションも少なめに感じ、何も感動する要素はありません。
絵的にも印象に残るようなシーンはありませんでした。
あとウィラの始末任されたおじさんはなんでウィラ助けたのでしょうか?
最後も私たちの戦いはこれからだ!みたいなありきたりな感じで終わったり。
てかなんで普通に家帰れてんのよ、ロックジョー燃やした後どうやって事態おさまったの?
音響演出もここ盛り上がるよ!みたいなところで爆音でそれっぽいBGMを流したり
昔の洋楽(dirty workだっけ?)をオシャレでしょ?みたいに流したり
師範代にセンセイ!センセイ!って言ってお辞儀するのも寒かった
予告cmだけ見て劇場に行きました。
予告の情報量の少なさの理由がわかりました
監督のことも知らないし、ディカプリオ以外のキャストも知りません。
この映画を楽しめるだけの知識と、感性が自分にはないのかもしれません。
自分にはとてもつまらなく感じました。
個人の意見です。下手くそな文章でごめんなさい
間違ったことを言っていたらすみません。
憧れの国アメリカ
革命と言う言葉がこれほど似合わない国も珍しい。そんなアメリカの革命家のお話。バトルと混沌と家族愛とジェンダーレスな登場人物まで出てきて、どこまで本気なのか外して来るのか、見る者の創造力を大いに鍛えてくれる。
かつては憧れの国だった。
1960年代は、日曜日の朝に放送される、アメリカホームドラマにこゝろときめかせた。
いつか自分もあんな生活が、送りたい。
真新しい家電と自家用車、やたら広い部屋。
1970年代は、イーグルスやシカゴに代表されるアメリカンロックが、世界を席巻した。
1980年代は、それに続くようにマイケルジャクソンやマドンナ、ブルーススプリングスティーン。
「夢のカルフォルニア』と言う言葉は、なんとなく開放的で私たちを別世界に連れて行ってくれる錯覚をした。
だけど、2000年代に入りインターネットが普及しだすと、そんな幻想が打ち砕かれてゆく。
そう、ナマのアメリカが映し出されるようになった。
今までのマスコミによるフィルターが、無くなった。
良くも悪くも、アメリカそのものを見ることができる。
それも取捨選択なしに。
映画『ワン・バトル アフターアナザー』もそんな意味では、生のアメリカに近いのかな。
すべての階層がこうとは言わないが、ある一定の層を描いていると思う。
日本ではおおよそ使わないような下品な言葉
映画の中には、ふんだんに出てくる。
あくまでも、監督のイメージが作り出した作品のようなので、現実との差はあるにしても。
ああこんなもんだったのか、オシャレでスタイリッシュなアメリカ人は勝手に私の中で作られた虚像にすぎなかった。
主人公ボブの妻、革命家で執拗にストーカーされる。
この妻との間にできた娘は端正で、素敵な顔立ちと物腰なんだけど。
この妻の方は、他に誰かいなかったのと突っ込みたくなる。
ストーカーが食い下がるほどの・・・だろうか。
主人公ボブが惚れるのが、不思議なくらい。
まあ、監督のイメージが強い作品のようですから。
現代アメリカ社会のイメージ
なんだろうなこの映画は。
革命と言っても、何のための革命だか定かでないし。
何に対して怒っているのかもよくわからない。
白人至上主義グループにしても、さもありなんで実際にはどうなの。
そうあくまでも原作からインスピュレーションされた監督のイメージの世界なんです。
そんな監督のイメージの世界で遊ぶ三時間近く。
私の中に今の自分が持つアメリカのイメージと合ってるなと。
そんな確認作業をしながらの鑑賞。
そして、得られた結論は。
アメリカは、私にとってかつては憧れだったけど、
今は、行きたくない国の一つになった事。
そつなく、なぜか心に残らない物騒なホームドラマ
ボブが娘を取り戻すためにいくつものバトルを繰り返すような解説あるが、違うじゃん。
ストーリーが多層になっていて、元革命家で今は冴えない親父ボブの、最愛の娘ウィラが狙われ連れ去られる。狙っているのは高名で、実は変態警察官のロック・ジョー、彼女を狙う理由は、実の娘なら消す必要があるから。常に持ち歩いているケースは何だろうと思ったらDNA鑑定キットで笑ってしまった。なぜそんなことをするかと言えば、「クリスマスの冒険者たち」という白人至上主義者の秘密結社のメンバーになりたいから。お尻のセクシーなカリスマ黒人女性革命家に恋して執着しているクセに。入会資格のひとつに「黒人と交わったことがない」というのがあって、もちろんない、と答えたがもしウィラが実の娘なら露見したら入会できなくなる。そして、ボブ親子が、革命家時代のボブたちがメキシコからの不法移民の受け皿にしていた北の町に潜伏しているのを突き止める。なぜそんな町の存在が黙認されているかと言えば、例の秘密結社の重鎮のビジネスには大量の安い労働力が必要だから。そんな事情を知らないロック・ジョーは、件の重鎮の工場を「不法移民を使って麻薬製造している疑いがあるので摘発する」とボブ親子の狩りに警察を投入するための口実に使って秘密結社の怒りを買う。ついでにロック・ジョーが黒人との間に子供がいることも分かってしまい、刺客が放たれる。
ボブは何故娘が狙われたのか全然わからないがとにかく娘を取り戻すのに躍起になり、ロック・ジョーも自分が刺客に追われているなど夢にも思っていないのでひたすらウィラを狙う。加えて、なぞの武道家のセンセイも、とばっちりで地下でやってる移民支援組織絡みの別のバトルに参戦。
狙うものと狙われるもの助けるものが輪唱のように幾重にも錯綜し、別のバトルが突然こっちに乱入して混然一体となるカオスなシチュエーション。当事者はほぼ全員なんでこんなことになっているのかワケも分からずとりあえずその場を乗り切ったものの勝ち。
多重バトルの交点にいるのは、一人のカリスマ女性革命家、ウィラの母であるベルフィデイア。
仲間を売って生き延びて、行方知れず。
もしかしたら地球のどこかでまた多重バトルの始祖になっているかも。
結局のところこの映画は、元革命家一家の、物騒なホームドラマだったよう。
ロック・ジョーがなぜ自分を狙うのか知ったウィラ、その上実の父は自分を消そうとする。ショックは計り知れないが、ひたすら自分を愛してがむしゃらに取り戻そうとした今のパパがいれば、すべてはどうでもいいよう。ママからの手紙に自分の出自が書かれていなくてほっとしたのでは。愛するパパが傷つかずにすんだから。
それはもしかすると、闘争の権化のような母からの、父娘への小さい思いやりだったかも。
ウィラの、修羅場での冷静な判断力、キレの良い頭脳、高い身体能力など、明らかに母の血ですね。
革命家が国内に10数年も潜伏できるほど組織化された「革命組織」が新人スタッフを採用したりして存続できることや、警察を私物化できてしまうこと、いまだ白人至上主義者の秘密結社が闇の力を持っていること、移民の管理が意外と適当にできること(金と権力次第)、など、アメリカ社会の闇がたっぷり。この国は、根っこは今だ前近代的なままのよう。
あのような現職大統領がいる国であることに、大変納得がいきました。
元革命家は今やヤクでラリッて合言葉を思い出せない落ちぶれよう、泣きながら焦りながらイラつきながら、なりふり構わず必死に食い下がる父親、1ミリもかっこ良くないポンコツ親父なレオくんの演技力が素晴らしい。
ベニシオ・デル・トロは、相変わらず目が死んでいて(誉めてます)何考えているのか分からないけどめっちゃ頼りになる「センセイ」がこの人にしかできないハマりよう。涼しい顔で助けに現れる、サイコー! 死んだ目が魅力で美点な俳優って他にいません。
そして、ショーン・ペン、本作は、実はこの人の映画だったのでは。
権力欲と性欲が異様に強い変態警察官が大変似合っており、もはや地なのでは、とすら思わせる。妙にムキムキなのがストイックそうでさらに不気味。
ベルフィディアへの執着半端ないにもかかわらず白人至上主義秘密結社に入りたいのは権力者の一角に食い込みたい野心ゆえ。結局、権力者たちに手のひらで転がされていただけなのが哀れ。
これといった欠点なく、出演者も豪華で適材適所、ストーリーも盛り沢山、3時間をダレずに飽きずに観たのになぜか心に残らない。特別に面白かったかと言えば、はて??と思ってしまう。
感性の相性の問題なんでしょうか。
ピアノの不協和音が画面にマッチして、音楽もとても良かったのに。
そつがないんですよね。
追記:
クリスマスの爺さんたち、もしかしたらナチ信奉者だったりしませんかね、末裔とか。
ロック・ジョーをガス室の後に焼却、純血を汚したものにふさわしい死を賜ったのでは、と思ったり。移民たちを大量に使役(使い捨て)も、かつてナチスドイツがユダヤ人等に行ったことをトレースしているような気もします。あんな設備をオフィス内に造って、手慣れた感じ。妙に合理的なところもそれっぽかったり。考えすぎかもですが。
全133件中、61~80件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。











