ワン・バトル・アフター・アナザーのレビュー・感想・評価
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全てのバランスが完璧!これぞハリウッド!
こんなにいろんな要素取り込んでるのに、物語がとっちらからないのが本当にすごい。
男女の愛憎劇や親子愛のヒューマンドラマ
ハラハラドキドキのクライムアクション
思わず声を出して笑ってしまうコメディ
現代の世相を表しているソーシャルスリラー
ここまで様々な種類のジャンルが詰め込まれていたら、それぞれの要素が中途半端だったり、広く浅くすぎて物足りなかったりしそうなものだけど、どこをとっても満足で、見終わった後の満足感や充足感がすごかった。
今作では、キラキラなレオ様は全くおらず、本当にあなたは以前愛する人を救うためにタイタニック号と共に沈んだ方ですか?と思うぐらい、今回のディカプリオは最初から最後まで頼りなくてカッコ悪い。
でもどこか憎めず応援したくなるのは、ものすごく人間らしくて、親近感をもてるから。
パスワードのところは最高だったなー!声を出して笑った。
そしてこれまた同じくらい印象的だったのは、清々しいほど最初から最後まで変態なショーンペン。変態すぎて笑ってしまう。お見事すぎました。
作品の軸には、暴力や報復劇の裏に、白人至上主義・人種差別・社会分断 という重めのテーマがあるけれども、ユニークなキャラクターやストーリーのおかげで、そこまで重くならず162分があっという間だった。
そしてストーリーだけではなく、カメラワークや劇伴の使い方、音響の演出がとても好みだった。
時間の都合でIMAXで見れなかったが、これはIMAXで見たかったなー!
ハリウッド映画の質の高さをこれでもかと見せつけられた作品だった、オススメ!!
意味なんてどうでもいい。なんだか面白い162分🎬
『ギルバート・グレイプ』にはじまり、世界中にその名を轟かせた『タイタニック』──
恥ずかしながら、私の記憶はそこで止まっている…😅
そして久しぶりにスクリーンで観たレオ様は、確かに歳を重ねていた。若い頃のプリンス・レオ様のイメージしかなかった私なので、あまりにもしがなく、ダメで人間くさいボブ(ディカプリオ演じる本作の主人公)の姿に、いい意味で驚かされた。
他のクセ強俳優たちの快演もとにかく凄まじい。
とくに無慈悲な軍人ロックジョーを演じたショーン・ペンからは、ひと時も目が離せない。怖い😱を通り越してキモい。日本で万が一リメイクするとしたら、この役をやれるのは鈴木亮平さんくらいしか思い浮かばない🤫彼の異常なまでの圧迫感が、この作品に強烈な緊迫感を与えている。
そしてもうひとり、娘の通う空手道場のセンセイ役を演じたベニチオ・デル・トロ。不思議な役どころだが、ピンチにふっと現れて、飄々とカッコよく主人公ボブをアシストする。とにかく作品に良いスパイスを与えているのだ。
怒涛のカーチェイスというより、どこか一風変わったカーチェイスも本作の見どころ。
「凄い」というより「上手い」と唸りたくなるシーンなので要必見です。美しい映像や迫力あるアクションも素晴らしいですが、ピアノやドラムなど打楽器を駆使した“音”にも注目👀不協和音で不快な感情を巧みに表現し、映像とともに感情を盛り上げています。
元革命家でありながら、どこかしがないダメ親父のボブ(レオナルド・ディカプリオ)。とにかく口が悪く、薬に逃げては暴言を吐きまくる。だからこそ愛おしく、時に可笑しく切ない。
最愛の娘のために、そして“本当の自由”のために恐れず奔走する父親ボブの姿に、最後は思わず胸が熱くなる。
「蛙の子は蛙」。勇敢な母の血を受け継ぐ娘もまた然り。
「生みの親より育ての親」。DNAや真実なんて、もはや意味を持たない。
一緒に過ごした時間こそが、愛なのだと気づかせてくれる。
白人至上主義などの風刺もあった…のかしら?
詳しくはよくわかりません😅
でも、意味とか難しいことを考えずに、まずは作品に身を委ねてみてください。
とにかく飽きないし、面白いのだけは確かです!!
「権威」が「スターウォーズ」撮りました(by プリ夫)
ポール・トーマス・アンダーソン
一般的に崇められて評価されるのは、「マグノリア」、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」、「ザ・マスター」あたりだが、その後の作品(「ファントム・スレッド」は若干毛色が違うが)について。
「インヒアレント・バイス」では、1960年代のヒッピーやカウンターカルチャー世代の理想が終わり、「カネ」と「権力」への時代の到来が背景にあり、「夢を見た世代」が覚めていく時代を描いた。ヒッピー探偵はドラッグと陰謀の中で「何が現実か」分からなくなっていく。
そのあとの「リコリス・ピザ」は、その「夢の残骸」を生きる若者たち。「失われていく時代」への郷愁を描いた。
この時期から、PTA作品は大学の映画学カリキュラムや映画史の論文でも頻繁に取り上げられるようになり、「権威的」作家として定着。
当人は撮りたいものを撮っただけのように見えるが、共通するのは、父性、男性性、カネ、権力、SEX、(あと下品!ね)を作品に盛り込み、評論家や映画オタクの面々を喜ばせるのだから、すごいことだ。
そんな彼の、プリ夫主演、大予算を獲得しての
「ワン・バトル・アフター・アナザー」
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プリ夫はインタビュで、サングラスを盗むシーンを振り返って、こう言っている。
「ボバ・フェットみたいな、顔をぐるりと覆う光学ゴーグルのイメージがずっと頭にあった。この映画には、どこか奇妙な“スター・ウォーズ的テーマ”がある。この映画は本質的には“娘を取り戻そうとする父親”を描いたアクション映画なんだけど、その裏には非常に緻密で複雑なレイヤーが重ねられている。ここには賞金稼ぎがいて、レイアのような存在がいて、ヨーダもダース・ベイダーもいる。ただし全部、“現実の世界”の中に存在しているんだ。」
PTAは時代を批評しない。
全くその通りだと思う。(帝国も反乱軍、そしてシスとジェダイも「極端」な思想のもとに構築されているのが「スターウォーズ」。)
ここにあるのは、その時代に生きた人物の「父性」、「男性性」が極端な形で描かれ、「下品な物言い」、「SEX」といったPTAならではの要素で作ったアクション映画。
多くの人が指摘するように、本作はPTAより少し上の世代の監督作へのオマージュがちりばめられている。スコセッシの「グッドフェローズ」、スピルバーグの「続・激突 カージャック」、そしてミラーの「マッドマックス」などが分かりやすいが、ベースはなるほど、ルーカスの「スターウォーズ」かもしれない。(そりゃ、スピルバーグもスコセッシもコッポラも絶賛するわな)
もう少し深読みすると、「インヒアレント・バイス」から、「リコリス・ピザ」で若者が時代に翻弄されて生きた姿を描いていることからも、本作はその系譜にある。
思い切って言うと、「青春映画」としての着地なんだよね。PTAの作品には珍しく、甘い結末は、「大予算の娯楽作」ゆえ。
「トランプ政権だとか、なんとか」の声が大きいのは、娘側の視点が少し弱いからか。(プリ夫とデル・トロ、ペンにどうしてもフィーチャーせざるをえない)
ただし、扱いが非常に難しいのは、母親。冒頭からそんなに活躍しているるようには見えない爆弾プロのプリ夫(結局、全編通して、活躍していないプリ夫)が活動を止めて、落ちぶれて、のほうで「バランス」をとっているのだろうが、「娯楽作」の体なので、このキャラクター造形は危険。
あとは、プリ夫の演技が過剰で、PTAのデイ・ルイス、フェニックスと比べてしまうと、ね。言っても仕方ないことだけど。プリ夫の「フラワー・・」の演技は超笑えたんだけどね。
なんだけど!なんだけど!
そんなことをぶっ飛ばす、クライマックスの、互いに事情を知らない3人、3台のカーチェイスは映画史に残る名シーン。ここだけでも映画館見る価値十分。本当にすごい。
追記
本作において、やたら比較されているのだが、少し私見だが、タランティーノとPTAは時代との「寝方」が違う、といったところか。
たえず展開し、奇想天外に加速していく傑作
まるで161分間、ビスタビジョンが映し出す壮大な夢を見ているかのようだ。闘いは次から次へと展開し、その肝心の目的は主人公の人生過程において刻々と変移を遂げているかに見える。これは登場人物の誰もが「己を定義づけるものは何か?」という命題の下、もがき続ける物語。革命に燃えるパーフィディアは忽然と姿を消し、脳と体が酩酊しっぱなしのボブは自らを証明する合言葉が思い出せない。秘密結社に属したいロックジョーは審査段階で苦悩にさらされる。後半はウィラが鍵を握るが、彼女も己のアイデンティティに関わる混沌に呑まれ、夢の波間を漂うかのような前代未聞のカーアクションに身をさらす・・・。だが、根源的な主軸はやはりボブだ。世界を変える力のない彼が、娘だけは何が何でも守り抜こうと、自己認証や組織の力を越え、ひとつの個として父の愛を示す物語。激動の米社会を背景に、PTAならではの「家族をめぐる闘争」を描いた傑作である。
“駄目プリオ”の哀愁が最高。PTA映画では「マグノリア」「インヒアレント・ヴァイス」との接点も
酒とドラッグ浸りでよれよれになった中年親父のレオナルド・ディカプリオが、こんなにも哀れでみじめでダサいのにたまらなくチャーミングだなんて、最高に嬉しい驚きだ。
鬼才ポール・トーマス・アンダーソン(以下PTA)がスター俳優からかっこ悪いキャラクターの演技を引き出す手腕という点で、群像映画「マグノリア」に起用したトム・クルーズが思い出される。同作でクルーズが演じるマッキーは、男性受講者らに意中の女性をモノにする方法を伝授する自信満々のカリスマ講師に見えるが、幼い頃父親に捨てられたコンプレックスを虚勢で隠しており、久しぶりに再会した危篤の父に感情を爆発させる。あのキャラクターも、クルーズ自身のカリスマ性を観客が納得しているからこそ、さらけ出した弱さ、歪んだ感情に驚きながらも人間味を感じて心を寄せることができた。
「ワン・バトル・アフター・アナザー」には、ディカプリオ演じるボブがトム・クルーズばりのスタントに挑むシーンが2回ある(2回目などは、ベニチオ・デル・トロ演じるセンセイとの会話にも「トム・クルーズ」の名が出る)。だが2回とも、クルーズが演じるヒーローのような華麗さや軽快さとは程遠く、中年太りに相応の鈍重さで落ちる、転がる。爆笑を誘うそんな場面にも、哀愁が漂っていてちょっと切なくなる。
トマス・ピンチョンの小説が原作ないし原案であることから、2014年製作の「インヒアレント・ヴァイス」ともいくつか類似点が認められる。ホアキン・フェニックスが演じるヒッピーの私立探偵ドックも、酒とマリファナの常用でぼんやりしていて、ダメ中年の一歩手前だ。元恋人から依頼を受け「seek & find」(謎を追い、答えを見つける)の定型で物語が始まるが、ドックが殺人の濡れ衣を着せられて「run & chase」(逃げる、追う)の要素も加わる。
一方の「ワン・バトル~」では中盤からボブとその娘ウィラが離ればなれになり、軍人ロックジョーと彼が指揮する部隊を追手とする二筋のrun & chaseが並行して進む。だがその後、ウィラを追うロックジョーをボブが追い、さらにロックジョーを追う秘密結社の男も加わり、複雑にからむrun & chaseがクライマックスへとなだれ込む。
ハリウッドスターが片言の日本語を口にするユーモラスな場面も、「インヒアレント・ヴァイス」との共通点。同作では、ドックを日本料理屋に連れて行った刑事ビックフット役のジョシュ・ブローリンが「もっと、パンケイク!」(パンケーキおかわり)と叫ぶ。「ワン・バトル~」ではベニチオ・デル・トロが空手道場の師範役で、ディカプリオが「センセイ」を連呼する。主人公を支える重要人物を日本通として描くのは、PTAが日本文化へのリスペクトをさりげなく表しているようで、これもわたしたち日本の観客にとって嬉しいポイントだ。
これまでのポール・トーマス・アンダーソン監督作品の中で、最も万人向け。人物描写や音楽の使い方などが秀逸で、名作の域に達しているエンタメ作品!
これまでのポール・トーマス・アンダーソン監督作品はツウ向けが多い印象でしたが、本作では最も製作費をかけてアクションシーンを増やすなどエンターテインメントを追求した楽しい作品になっています。
本作のメインは子供が成長した「16年後」ではありますが、前半の展開が「16年後」において重要な意味を持ってきます。
そこで前半も時間を確保してしっかり描く必要性があるのです。
上映時間が162分ではありますが、前半は前半で面白いですし、「前半」との対比のもと「16年後」の父親役のレオナルド・ディカプリオの姿や、娘との関係性などが人物造形において深みを与え、長さを感じさせません。
メインの登場人物が奇抜な役柄になっていますが、レオナルド・ディカプリオ、ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロというアカデミー賞受賞経験のある個性派俳優3人の“競演”も見どころの1つです。
これまでポール・トーマス・アンダーソン監督が培ってきた人物描写手法や音楽の活用法などを駆使し、アカデミー賞でのノミネートも多数期待できる、演技も展開も楽しめる名作です。
キャストに救われた作品
アクション映画として宣伝してる割には大したアクションがあるわけでもなく、
ではキャラクターに魅力があるのかといえば、みんな中途半端な生き方をしていて、それで間抜けなところとか奇人的な部分をみせられてもなんのギャップも生まれないし…
ならば、ストーリーが面白いかといえば、明快で話がわからなくなるという事はなかったが、それは他の要素(キャラクター、演出)が優れていないとただただ物足りないだけで、何の相乗効果も生まないのですが🖐️😅
ディカプリオが観たくて劇場に行ったのに実際の主役は娘だし、肝心のディカプリオはただ追いかけて逃げての繰り返しで物語的には何もしてないじゃないか😢
なによりダメだった一番の原因は敵に敵としての魅力がなさすぎたことだった
前半は警察(軍人?)としては真っ当に仕事をしているだけだし、後半のKKKに認めてもらうために娘を処分する部分も、直接手を下すわけではなく民兵みたいなのに引き渡したり、いつまでも悪人らしい事をしないので、敵に対しての憎しみの感情が全く掻き立てられなかった
映画としてやるべきことをしっかりやっていないので、過度に会話で下品なワードを使ったり、パスワードのくだりの天丼だったりが、小手先のウケ狙いとしか感じられないシーンになってしまい、ウンザリしました
何も考えずに身を委ねられる映画
考えずにというか、考える間もなくタイトル通り次々とバトルが展開され、小気味よいジョークも交えながら、見応えのある映画だった。
相変わらず良い老け方をしているディカプリオだが、本作では頼りない父親として描かれているのが、なんとも可愛らしい。
内容的にはややキツイ展開もあるが、鑑賞後はなんともいえない爽快感や満足度があった。
当時のアメリカの左翼の世相感はよく分からなかった。おそらく今のトランプ政権への反発だろう。そこだけ若干ハマらなかった。
闘争の季節
顔アップが多く退屈💦
センターフレーミングが全体的に甘い。そのためつなぎのノリが悪くアクションにおける気持ちい〜みたいなのは全くない。最初から最後まで徹底してアンチクライマックスであり、サスペンスを高めることを技法的に否定。一度飽きてしまうとどうしようもない。
合わない映画だった
「アメリカ」を中心に描かれる、親子の物語?
ノーマークでしたが、あらすじが面白そうだったので観に行きました。
・親子の再生を描いているが、背景が移民排斥、白人至上主義の今のアメリカの社会情勢に疑問を呈する形となっている
・ところどころに挟まるディカプリオのぶっとんだ演技が面白い。特に秘密の暗号を思い出せずにイライラするところ笑 娘を車で追う時に、分かれ道で進む方が分からずに近くのメキシコ人に聞く時は流暢なスペイン語が聞けました。字幕の恩恵。
・後半のカーチェイス。雄大なアメリカの自然をバックに繰り広げられ、旅行に行ったような気分になりました♪空気を裂くように響くエンジン音に心が高鳴る😙
・白い車がひたすらかっこよかった…。ホンダのシビックに似とったけどな。外車?
形容しがたい主題です。きっと、観た人によって捉え方は違うんだろうと思います。
追う、追われるスリル
センセイサイコー
個人的にPTA監督作品ははあまりハマらないことが多いのですが、本作は分かり易いプロットとカーチェイスの面白さやコメディポイントの多さなどもあり観やすく楽しかったです。
一方で、作品に込められたメッセージを正しく受け取れてる自信が全然なく。笑 闘争の後にまた闘争が起きる、タイトルの通り暴力による革命が引き継がれていくように見えたけれど、違うのかな…?全く頓珍漢かも。
とりあえず…
・ペルフィディアが強烈
・ロックジョーもっと強烈&自分でも言ってたけどフィジカルもメンタルも強すぎる
・娘タフ&クレバー
・うねうねロードのカーチェイスクライマックス痺れた!
・てゆーかわりとみんなすぐ口割るよね
・ボブしっかりせーやと思うけどなんか応援しちゃう
・センセイサイコー!!
という感じでした。面白かったです。
合言葉
小気味いいリズムで熟成演技を
気がついたら上映最終日ではないか。見よう見ようと思いながら、邦画の豊作ぶりに押されて後回しになっていた。
はたして期待を裏切らない面白さ。革命団の駆け引き、裏切り、冷ややかな人種差別意識を描きながら、どこかコミカル。残酷シーンもそんなに多くない。
ディカプリオって、本当、出演した映画に棲みつく役者だなあと思う。例えばハリウッドからやって来た感じのトム・クルーズと違って。その役柄の人生を、本当に映画の中で生きてしまう感じ。
若い頃の顔の丸みは消え、横に大きくなりながらも顔つきは鋭くなっている。カットの角度によっては誰?と思う。イメージは若い頃のまま、生物学的に歳を重ねたトムもいいが、苦み走った中年として生まれ変わったディカプリオもいい。
今回の役はかなり情けないが、人間味あふれる元革命家で、全くその魂を失ったわけでもないが、だいぶ終わっている。しかし家庭人、父親としては脂が乗りきって熟成されている。
最愛の娘がさらわれて…となると、だいたい筋は読めてくるのだが、どんでん返しもあり、重層的に面白く、息をもつかせぬ展開。最初から最後まで、どこか呑気な木琴のようなリズムが乗せてくれて全く飽きさせない。
前にクマと格闘する恐ろしい役をやったディカプリオだが、今度の相手はショーン・ペン。半袖シャツの生地を破らんばかりの太い上腕二頭筋と老練な瞳の正義なき軍人。歳を取って持ち前の滋味がさらに豊かになっているようだが?
ディカプリオを余裕のポーカーフェースで助ける仲間のカラテの先生。どこか見覚えがあると思ったら、昔、正真正銘の革命家、チェ・ゲバラを演じたベニチオ・デル・トロではないか。それを意識したキャスティング? ニンジャとかセンセイとかちょっと日本贔屓なシーンも楽しい。
ようやくPTAがオスカー獲れるか
映画はムーブメントを楽しむものでであるということを改めて教えてくれる。
ダメ親父の奮闘劇自体はよくある話だが、革命団の奇襲に始まり、追撃、逃亡と次々にアクションが続き、どのアクションシーンもどうやって撮ったのかと目を見張るものばかりだ。
しかも、007やMIなどで展開される洗練されたアクションシーケンスではないというところがいい。
要はドタバタ劇なんである。デカプリオ演じる父親は全く策も度胸もなく、あるのはやる気だけ。笑
「ホント、こいつバカだな」と笑いながらも、そのドタバタが圧倒的な迫力であり、かつチャーミングである。
そんなバランスの作品は滅多にない。
個人的には「ブギーナイツ」や「ゼアウィルビーブラッド」のようなクセ強なPTA作品が好きだけど、大スクリーンでこそ見るべき活劇をたくさんの人に見てほしい。
「見てよかった」
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