ワン・バトル・アフター・アナザーのレビュー・感想・評価
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緊張と笑いが襲いかかってくる感じ
面白かったです。腑に落ちないところもありました。が、それも含めて人間を描いた作品だなあと思いました。音楽や雰囲気がコメディっぽいときもその裏には緊張が潜んでいる感じで、飽きることない時間を過ごすことができました。移民問題や革命の暴力性など、昨今の世界情勢を踏まえても興味深いです。情けないディカプリオの演技は見事でした。2回目になりますが面白かったです。
これPG12でいいんですかね?
結構期待して観に行ったんですが、ちょっと事前に想像した内容とは違いました。
3時間近い時間を長く感じることもなく、次の展開が読めないのでのめりこめるんですが、それなりに過激な性的&バイオレンス描写に、これホントにPG12でいいの?と終始感じさせられました。
およそ主役とは思えないディカプリオの役どころや、相変わらず過剰な演技が鼻につくショーン・ペンにうんざりしながらも、アメリカの負の部分を見せつけられるようなキャラクター&背景設定や、前述通り展開が読めないストーリーに、脳天気なアクション大作やヒーローものとは一味違う骨太ハリウッド映画を堪能できました。
ただそうであるがゆえに鑑賞後にスカッと爽快というわけにはいかず、このキャストで長時間作品なら誰もが楽しめるハリウッド大作だろうと思って観に行くと面食らうと思います。
実際そのような感覚で観に来たであろう親子連れ(子供は中高ぐらいの女子)とおぼしき三名が同じ列の隣に座ってましたが、鑑賞後は相当気まずいだろうなと親御さん側に同情しました。
まあそれでもこういう作品が米国とほぼタイムラグ無しで観られるということに感謝しつつ、対極にあるリーアム・ニーソン版裸の銃を持つ男の日本公開も早急にお願いしたいところです。
追われて追って、追って追われて。 パワフルかつお茶目な作品。笑える...
憧れの国アメリカ
革命と言う言葉がこれほど似合わない国も珍しい。そんなアメリカの革命家のお話。バトルと混沌と家族愛とジェンダーレスな登場人物まで出てきて、どこまで本気なのか外して来るのか、見る者の創造力を大いに鍛えてくれる。
かつては憧れの国だった。
1960年代は、日曜日の朝に放送される、アメリカホームドラマにこゝろときめかせた。
いつか自分もあんな生活が、送りたい。
真新しい家電と自家用車、やたら広い部屋。
1970年代は、イーグルスやシカゴに代表されるアメリカンロックが、世界を席巻した。
1980年代は、それに続くようにマイケルジャクソンやマドンナ、ブルーススプリングスティーン。
「夢のカルフォルニア』と言う言葉は、なんとなく開放的で私たちを別世界に連れて行ってくれる錯覚をした。
だけど、2000年代に入りインターネットが普及しだすと、そんな幻想が打ち砕かれてゆく。
そう、ナマのアメリカが映し出されるようになった。
今までのマスコミによるフィルターが、無くなった。
良くも悪くも、アメリカそのものを見ることができる。
それも取捨選択なしに。
映画『ワン・バトル アフターアナザー』もそんな意味では、生のアメリカに近いのかな。
すべての階層がこうとは言わないが、ある一定の層を描いていると思う。
日本ではおおよそ使わないような下品な言葉
映画の中には、ふんだんに出てくる。
あくまでも、監督のイメージが作り出した作品のようなので、現実との差はあるにしても。
ああこんなもんだったのか、オシャレでスタイリッシュなアメリカ人は勝手に私の中で作られた虚像にすぎなかった。
主人公ボブの妻、革命家で執拗にストーカーされる。
この妻との間にできた娘は端正で、素敵な顔立ちと物腰なんだけど。
この妻の方は、他に誰かいなかったのと突っ込みたくなる。
ストーカーが食い下がるほどの・・・だろうか。
主人公ボブが惚れるのが、不思議なくらい。
まあ、監督のイメージが強い作品のようですから。
現代アメリカ社会のイメージ
なんだろうなこの映画は。
革命と言っても、何のための革命だか定かでないし。
何に対して怒っているのかもよくわからない。
白人至上主義グループにしても、さもありなんで実際にはどうなの。
そうあくまでも原作からインスピュレーションされた監督のイメージの世界なんです。
そんな監督のイメージの世界で遊ぶ三時間近く。
私の中に今の自分が持つアメリカのイメージと合ってるなと。
そんな確認作業をしながらの鑑賞。
そして、得られた結論は。
アメリカは、私にとってかつては憧れだったけど、
今は、行きたくない国の一つになった事。
そつなく、なぜか心に残らない物騒なホームドラマ
ボブが娘を取り戻すためにいくつものバトルを繰り返すような解説あるが、違うじゃん。
ストーリーが多層になっていて、元革命家で今は冴えない親父ボブの、最愛の娘ウィラが狙われ連れ去られる。狙っているのは高名で、実は変態警察官のロック・ジョー、彼女を狙う理由は、実の娘なら消す必要があるから。常に持ち歩いているケースは何だろうと思ったらDNA鑑定キットで笑ってしまった。なぜそんなことをするかと言えば、「クリスマスの冒険者たち」という白人至上主義者の秘密結社のメンバーになりたいから。お尻のセクシーなカリスマ黒人女性革命家に恋して執着しているクセに。入会資格のひとつに「黒人と交わったことがない」というのがあって、もちろんない、と答えたがもしウィラが実の娘なら露見したら入会できなくなる。そして、ボブ親子が、革命家時代のボブたちがメキシコからの不法移民の受け皿にしていた北の町に潜伏しているのを突き止める。なぜそんな町の存在が黙認されているかと言えば、例の秘密結社の重鎮のビジネスには大量の安い労働力が必要だから。そんな事情を知らないロック・ジョーは、件の重鎮の工場を「不法移民を使って麻薬製造している疑いがあるので摘発する」とボブ親子の狩りに警察を投入するための口実に使って秘密結社の怒りを買う。ついでにロック・ジョーが黒人との間に子供がいることも分かってしまい、刺客が放たれる。
ボブは何故娘が狙われたのか全然わからないがとにかく娘を取り戻すのに躍起になり、ロック・ジョーも自分が刺客に追われているなど夢にも思っていないのでひたすらウィラを狙う。加えて、なぞの武道家のセンセイも、とばっちりで地下でやってる移民支援組織絡みの別のバトルに参戦。
狙うものと狙われるもの助けるものが輪唱のように幾重にも錯綜し、別のバトルが突然こっちに乱入して混然一体となるカオスなシチュエーション。当事者はほぼ全員なんでこんなことになっているのかワケも分からずとりあえずその場を乗り切ったものの勝ち。
多重バトルの交点にいるのは、一人のカリスマ女性革命家、ウィラの母であるベルフィデイア。
仲間を売って生き延びて、行方知れず。
もしかしたら地球のどこかでまた多重バトルの始祖になっているかも。
結局のところこの映画は、元革命家一家の、物騒なホームドラマだったよう。
ロック・ジョーがなぜ自分を狙うのか知ったウィラ、その上実の父は自分を消そうとする。ショックは計り知れないが、ひたすら自分を愛してがむしゃらに取り戻そうとした今のパパがいれば、すべてはどうでもいいよう。ママからの手紙に自分の出自が書かれていなくてほっとしたのでは。愛するパパが傷つかずにすんだから。
それはもしかすると、闘争の権化のような母からの、父娘への小さい思いやりだったかも。
ウィラの、修羅場での冷静な判断力、キレの良い頭脳、高い身体能力など、明らかに母の血ですね。
革命家が国内に10数年も潜伏できるほど組織化された「革命組織」が新人スタッフを採用したりして存続できることや、警察を私物化できてしまうこと、いまだ白人至上主義者の秘密結社が闇の力を持っていること、移民の管理が意外と適当にできること(金と権力次第)、など、アメリカ社会の闇がたっぷり。この国は、根っこは今だ前近代的なままのよう。
あのような現職大統領がいる国であることに、大変納得がいきました。
元革命家は今やヤクでラリッて合言葉を思い出せない落ちぶれよう、泣きながら焦りながらイラつきながら、なりふり構わず必死に食い下がる父親、1ミリもかっこ良くないポンコツ親父なレオくんの演技力が素晴らしい。
ベニシオ・デル・トロは、相変わらず目が死んでいて(誉めてます)何考えているのか分からないけどめっちゃ頼りになる「センセイ」がこの人にしかできないハマりよう。涼しい顔で助けに現れる、サイコー! 死んだ目が魅力で美点な俳優って他にいません。
そして、ショーン・ペン、本作は、実はこの人の映画だったのでは。
権力欲と性欲が異様に強い変態警察官が大変似合っており、もはや地なのでは、とすら思わせる。妙にムキムキなのがストイックそうでさらに不気味。
ベルフィディアへの執着半端ないにもかかわらず白人至上主義秘密結社に入りたいのは権力者の一角に食い込みたい野心ゆえ。結局、権力者たちに手のひらで転がされていただけなのが哀れ。
これといった欠点なく、出演者も豪華で適材適所、ストーリーも盛り沢山、3時間をダレずに飽きずに観たのになぜか心に残らない。面白かったかと言えば、はて??と思ってしまう。
感性の相性の問題なんでしょうか。
ピアノの不協和音が画面にマッチして、音楽もとても良かったのに。
そつがないんですよね。
かっこ悪いディカプリオに拍手
主役のディカプリオの慌てふためく元革命家ボブがそれでも懸命に娘を探す姿には共感してしまいます。シリアスドラマでありながらコメディ要素たっぷり。IMAXに相応しいラストのカーチェイス。人種問題、移民問題など背景にした現代に蘇ったニューシネマです。
まずディカプリオ扮するボブのカッコ悪さ。パスワードを思い出せなくて周りに八つ当たり、革命のヒーローもここでは普通のおじさんです。彼を助けるのは娘の空手のセンセイ、慌てずサポートする彼の姿に武道魂を感じました。彼がディカプリオに「トムクルーズみたいに飛び降りろ」という場面は笑ってしまいます。
もう一人のキーマン、ショーン・ペン扮する軍人ロックジョーのキャラも強烈、冷酷無比な軍人、「アイアムサム」の面影なし。貫禄十分な演技に圧倒されます。DNA鑑定の娘とのシーンは愛憎ないまぜのすごいシーンでしたね。
そしてなんといってもオープニングから釘付けになるテイヤナ・テイラーのカリスマ革命家。革命一直線、淫語を常に口にしながらの銃撃、爆弾。性欲旺盛でまさに自己中、やりたい放題、後半、もっと出てきて欲しかったです。
とても楽しめた作品でした。
ダメ親父と変態警部
革命・逃走・救出、最高でした
エロと破壊とポンコツ父に注目!
うーん前評判がとても良かったので、かなり期待していましたが、腑に落ちるところが少々少ないようなモヤモヤ感がありました。とはいえ、褒められるところはたくさんありました。まずエロテックなところ、想像するだけで感情がやられそうなところがありました笑。それも、最後まで怪演で、気色悪かった変態軍人の印象があまりにも強いのでちょっぴり辟易笑。それからアメリカの抱えてきた差別主義や移民問題(今日本でも大変なことになりそう?)も絡んでいて、かなり複雑なイメージが全体を覆ってます。ですので単純なエンタメとはいきません。しかもテーマが革命なのか、プロパガンダなのか、アクションなのか、も定まっていないのがモヤモヤ感につながっているのかもしれません?それでもこの巨匠監督の作品が好きな人にとっては、たまらないものかもしれません。ところで、私が高得点をつけるとしたらディカプリオの演技。飲兵衛で薬物に溺れているのに、昔取った杵柄(爆薬担当の革命家)で、愛娘のためにヨロヨロしながら振り切って戦う必死さが、めちゃくちゃ滑稽さを通り越して熱いオヤジの愛情が感じられて涙です。そして、ラスト近くで親子の関係のどんでん返しがあってびっくりするのですが、それでも変わらないディカプリオの深い愛情に脱帽です。アクションの見どころは車での追跡劇でしょうか。今までにはないアップダウンの道での激走はとても印象に残りました。
追記 娘役のチェイス・インフェ二ティの毅然とした顔つきが素敵でした。将来が楽しみ!
タランティーノ作品を進化させてみたが、無駄な会話だけは入れなかった、という感じ
[60代男です]
ディカプリオ主演作と言うこと以外、内容をまったく知らない状態で鑑賞した。
物凄くエネルギッシュな作品だ。
強いて言うならタランティーノ作品に似ている。が、無駄な会話はない。
はじまりが、いきなり銃を手にしたゲリラかギャングか分からない数人の戦闘員が、軍か警察の施設を襲撃している場面なのだが、誰が何の目的で行動しているのか分からない。
タランティーノ作品のような本筋と関係ない登場人物たちの過剰な無駄話などなく、それどころか説明的な会話すらないので、この話がどこへ向かっているのかも、後半になるまで分からなかった。
本作は映画ファン向けで、多くの作品を観てきた人ほど、見惚れさせる。
分かりやすさを心掛けていないので、映画鑑賞初心者には、入り込みにくく感じさせる。
こういう映画の序盤は、普通、主人公や今現在の状況を説明する、面白くもおかしくもない日常生活の描写から始まるのがパターンで、たとえオープニングだけはアクションの見せ場から始まったとしても、そのあとに退屈な日常描写が用意されている。
どうしても序盤はそうなっている。そういうものだ。
しかし本作にはそういった日常描写が、まったくない。
物語の進行に関係ないシーンがないのだ。
強いてあげるなら、時間が16年とんで主人公の娘が成長したのを表す、空手の型の稽古をしているシーンが唯一の例外くらい。
ここまで日常生活の描写がない作品は初めてかもしれない。
サスペンス映画の構成は、基本的にこうだ。
物語が動く、登場人物が落ち着かない、撮影と編集も緊張感と躍動感があるシーンが見せ場としてあり、その間をつなぐように、観客の気持ちを落ち着かせるように、または時間つぶしのように、落ち着いた映像で、登場人物たちがたいして意味もない会話をするシーンがある。
ところが本作には、見せ場をつなぐ、その落ち着かせるシーンがない。
物語が動く、緊張感と躍動感のあるシーンだけを取り出してつなげたような構成なのだ。
2時間半以上あるというのに!
けっこうお金もかかっている。
主人公が必要があって、市街地の、違法な人たちがたむろする場所など、さまざまなところへ行くのだが、どこへ行ってもいろんな人たちがいろんな状況にいるのが背景として描かれているのも凄い。
脇役とすら呼べないモブキャラたちをいちいち配置して動かすのに、どれだけ手間とお金をかけるのだろう。
話の展開に必要なわけでもないのに、この監督の、映画に深みを与えるためのこだわり、その情熱がすごい。
主演のレオナルド・ディカプリオは、良い俳優だとあらためて思った。
ショーン・ペンが、いままで見たことがない彼史上最低の、情けない変態軍人の役で、これが印象に残る。
ベニチオ・デル・トロだけは、いつも通りのベニチオ・デル・トロで、頼りになるいい男の役だ。
主人公の娘役チェイス・インフィニティと、変態革命家の女性役テヤナ・テイラー、2人とも初めて見る役者だったが、しっかり記憶に刻み付けられた。
面白かった。
期待し過ぎか?
台詞でクスッとなるのだが、闘争時代とパパデュカプリオの落差が思っていたよりも小さく、小ボケレベルでした。闘争時代でも妻に引張られていた感が強くて、小物感が強めなのが原因かも?
それでもラストの携帯の使い方を娘に教えてもらうシーンとか、娘が何処ぞの集会?に行くのを否定しない所とかは二人の関係が窺えて良いラストだと思いました。
けど、万人向けの映画ではないよね…
思う事は人それぞれ
日本人の私には、よく判らない映画
おぢさん達のちょっと滑稽な逃走と追跡劇
予告の時点ではあまり惹かれるものはなかったのですが、「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」のベニチオ・デル・トロが非常に良かったので、その勢いで本作を…。
思った以上にアクションあり、笑いありのエンターテイメント作品でした。ストーリーは白人至上主義だとか、黒人がどうだとか、革命がどうだとか…いまいちピンとこない部分が多く、前半は飲み込むのに少し苦労しました。苦労した要因の1つがテンポの良さですね。エピソードごとに深く掘り下げるのではなく、重要な事象を観せたら、はい次ー!はい次ー!ってな具合に場面がポンポンポーン!です。私は一歩二歩遅れて頭の中で解釈しながら追っていったのでちょっと疲れましたw
何が起こってるか大体把握できたら、後は集中して楽しむことが出来ました。テンパってるレオ様だとかすっとぼけたデル・トロだとか、結構笑えるところが多かったです。よくスパイものとかにある合言葉を使ったコントみたいなやりとりとかwあと、スタントマンってやっぱり危ない仕事だよな…って改めて思ったり。
アンダーソン監督曰く、映画の結末を決めずに撮影に挑んだとか。あの終盤のカーチェイスの名シーンも偶然の産物であると。たまたま面白い地形を発見したと…。そんなことあるー!?(笑)奇跡だ…。
テンポ良く、アクション、コメディのバランスも良く、長尺でありながら飽きずに観れました。ラストはちょっとほっこり。ガッツリ社会派作品ってわけでは無いので、俳優目当てとか、単にエンタメ作品を観たいって人も是非😊
全然万人受けじゃないと思うなあ
個人的に注目していて、評価も高いので期待してました。
コメディパートは沢山あって結構笑っちゃいました。ディカプリオ面白すぎる!合い言葉忘れて開き直る。そして屋根から落ちて簡単に捕まる間抜けさがたまりませんでした。
ですが、それはそれ。ストーリーはそんなに面白いとは思えず。誰にも感情移入できないまま終了してしまいました。
元々この監督がお好きな人には刺さっている感じがします。
残念ながら、ちょっと合いませんでした。下品な言葉が多い映画はダメかも。
エンドロールに入ってあっという間に半分くらい退場したので、勝手な想像ですがその方々も同じ気持ちだったのかと思いました。珍しく明るくなるまで座っていたのはほんのわずかでした。
それから、いつになくシアター内でのマナーが悪くてがっかりしました。
予告編の間中話し続ける人々、なんなら上映中も。
そんなに混んでいないのに謎のトナラー。
エンドロール入ったら速攻スマホ使う人々。飲食店探してる雰囲気だったな…外でやってほしいです。
全289件中、21~40件目を表示
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