劇場公開日 2025年10月3日

ワン・バトル・アフター・アナザーのレビュー・感想・評価

全315件中、221~240件目を表示

4.0「桐島です」の何たる浅さ。

2025年10月4日
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年テン上位当確。
流石いちいち魅せる。
巧い正調エンタメに心地好く身を委ねた。
男3人良し、特にSペンの不気味で不様な小男ぶり。
そしてデカプの電話演は泣く程笑えた。
とにかく革命の為の革命、それを狩る者。
同ジャンル同年邦画「桐島です」の何たる浅さ。

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きねまっきい

4.0革命の血とダメ親父の哀愁、そのすべてを笑うアメリカ

2025年10月4日
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鑑賞方法:映画館

難しい

ポール・トーマス・アンダーソンがまたしても「やってくれた」という印象。正直に言えばアクション大作の顔をした極めて風変わりなブラックコメディであり、同時にアメリカという国家の過去と現在を皮肉る寓話である。観客の多くが「革命家の娘を救う父の奮闘」という表層のストーリーを追いながら、鑑賞後にじわじわと「この国の病理」を突きつけられるような後味を残すのが本作の最大の効用と感じたのでは?

物語は単純。かつて移民解放を掲げた革命組織「フレンチ75」のメンバーであったパット=ボブ(レオナルド・ディカプリオ)が、16年の潜伏を経て娘ウィラと静かに暮らしている。だが、過去に辱めを受けた収容所長ロックジョー(ショーン・ペン)が再び現れ、娘を拉致する。父は立ち上がり、国境を越えて追走し、最後に娘を取り戻す。表向きはそれだけである。しかし、その背後に潜む「血の真実」が、映画をただの人情アクションからねじれた寓話へと転化させる。

ウィラの実父はボブではなく、ロックジョーである。DNA鑑定というあまりに生々しい小道具で明かされるこの事実は、血縁と時間、記憶と現実の対立を露骨に観客へ突きつける。16年間育ててきたボブは、娘から「あなたは誰?」と問われる。しかし彼は一度たりとも自分が父ではないとは思わない。ここで観客が笑うのは、ディカプリオの間の抜けた演技だけではない。アメリカ社会そのものが「血の純潔性」と「共同体の記憶」という二つの価値を揺らし続けている事実を想起するからだ。トランプ支持層がこの映画を観て「だからリベラルは危険だ」と騒ぎ立てるだろうと危惧されるのも頷ける。

ショーン・ペンのロックジョーは、不死身の軍人でありながら変態的な白人至上主義者として登場し、屈辱の記憶と性倒錯を抱え込んだ悲喜劇の化身である。最後は呆気なく殺されるが、その過程で彼が放つ滑稽さと哀愁は、アメリカの極右運動そのものが孕む滑稽さに重なる。極左的な革命も極右的な人種主義も、等しく「狂気」として提示するP.T.Aのバランス感覚は、皮肉を超えてもはや諧謔の域に達している。

そして何より重要なのは娘ウィラ。彼女は被害者でありながら、革命家の血を受け継ぎ、自ら銃を取り、逃走と闘争を繰り返す。最後に父ボブに抱きつきながらも、選んだのは「普通の生活」ではなく「母ペルフィディアの道」であった。つまり、戦いは終わらない。タイトルが示す通り、バトルに次ぐバトルが世代を超えて繰り返される。ここにあるのは救済ではなく、むしろ「闘争の連鎖」というアメリカの業そのものである。

ディカプリオは『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』に続き、どうしようもないダメ男を演じ切り、ついに「ダメ親父役者」としての境地を完成した。メイクでハゲ散らかした中年を演じながら、娘に小馬鹿にされ、合言葉を忘れ、情けなくも走り続ける。だが、その哀愁にこそ観客は笑い、同時に共感するのだ。ベニチオ・デル・トロ演じる「センセイ」や、革命仲間の断片的な登場人物たちも、どこかで世界の縮図を茶化すスパイスとして機能する。

結局、この映画の問いはシンプルである。「親子とは何か」。血縁か、記憶か。国家とは何か。理想か、現実か。アンダーソンはその答えを提示しない。むしろ「戦い続けるしかない」という不条理を笑い飛ばすことで、アメリカ社会の虚無を描き切った。観終えた後、笑いながらも背筋が冷える。いやはや、いや最高ですね。

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こひくき

4.0極上のエンタメブレンド珈琲

2025年10月4日
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笑える

興奮

ドキドキ

ストーリー、アクション、音楽、コメディ&社会問題的要素……全てにおいて完成度が高い作品であると感じました。なんというか極上のエンタメブレンド珈琲を飲んだ感じ。

最近の映画は3時間近い長尺作品も珍しくないですが、ラストまで飽きもせず鑑賞できる体験はなかなかありません。長尺作品としては最近、鬼滅の刃、国宝を観ました。どちらも途中で何度か時計を見てしまったのですが、この作品に関してはそうしたことはなく、ホントあっという間に3時間が過ぎた感じです。

レディオヘッドのメンバー、ジョニー・グリーンウッドによる音楽センスもよく、登場人物の心情をうまく表現したようなコミカルな音が使われていたりと、心に深く残りました。

時間を空けてもう一度観たい作品ですね。

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fish_words

5.0面白すぎて脳がバグる

2025年10月4日
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鑑賞方法:映画館

こんなにエンタメに仕上がってるポール・トーマス・アンダーソン作を見れるとは、しかもこんなにずっと興奮が続く映画とはっ!で脳が狂うよ!?となりながら鑑賞しました。
ディカプリオが腰が砕けながら右に左に歩いて走って移動する、ただそれだけと言いきってもいいくらいの映画ですが、とにかくその様、動き、表情が素晴らしいです。
娘の身体の動きの軽やかさ聡明さとの比較で、情けない左翼革命家崩れのディカプリオがとにかく愛おしく、チャーミングですらありました。
ショーン・ペンやデル・トロ、ハイムの!など、他の役者陣も素晴らしかった。
ラスト近く、何故か生きてたショーン・ペンの歩き姿はまじで最高に狂ってて良かったですねー。
カーチェイスの手前←→奥の関係の望遠ショットはもう痺れました。
思い返せば、ファントム・スレッドでの闇夜の猛スピードで飛ばした車のシーン、リコリス・ピザでの静かなカーアクションからして、PTAは車シーンめちゃくちゃいい監督でしたね。
笑えて、興奮して、最後は泣ける、素晴らしい娯楽作でした。
こんな完璧な娯楽作品、次にいつ見れるかわからないので、なるべく何回も劇場で観たい!

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あした

4.0お二人さん、お久しぶりです。

2025年10月4日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

ドキドキ

ショーン・ペン、ベネチオ・デル・トロ。
『21g』以来の共演?でしょうか?(それ以降にあったらごめんなさい)

クセのある演技がもう堪らないですねー。

この2人が出演する情報だけで観に行きましたが、長尺を感じさせないなかなかの良作でした。

欲を言うと、2人の絡みがあればなー。。。

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ゆぴのしん

3.5悪人と狂人と

2025年10月4日
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興奮

難しい

ドキドキ

凄く雑に纏めると、「革命家」気取りのテロリスト達VS変人警官って感じでした。

現在のアメリカの空気を知ってれば「革命家」達の正当性が多少解るのかもしれませんが、色々爆破したり、強盗したりする主人公サイドも立派な悪人だし、警官も狂人がいたり横暴さが出てたり、単純な善悪みたいな構造になってない辺りがこの映画の面白さであり、見難さかなと思います。

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スミクロ

4.0物語が進行するにつれて、どんどん面白くなった

2025年10月4日
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興奮

幸せ

ドキドキ

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ファイナリー

1.5時代に逆行する「自称リベラル」的大傑作

2025年10月4日
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登場する人の誰にも感情移入できない
引っかかりが何もない
というのがこれほど苦痛なのかというのを久しぶりに思い出した作品。

自称リベラルな人々によるメディアを使ったあまりにもあまりな他者批判・自己弁護の印象操作は、日本より欧米でかなり酷い状態でしたが近年、その揺り戻しが起きています。
どちらも日本じゃ観測し難い事象ですが、海外エンタメニュースをウォッチしていれば、この作品が倉庫にしまい忘れてウッカリ店頭に並んでしまったそのテの「傑作」であることはすぐ分かるでしょう。かつてのようにゴリ押しするには勢いが足りませんよ今は。

「異なる意見の人々との対話を重視する言論人を弾丸で黙らせる」という、どうしようもなく民主主義を完全に否定する痛ましい事件が起きた直後に、
暴力革命を礼賛する人々が主役で、国境と国民を守ろうと献身する人々を徹底的に愚弄し嘲笑する映画を公開するとは呆れてものも言えません。

大体「不法」移民がまずいんだと何度言えば分かるんでしょうこの手の人々は。
不法に入って来たという弱みにつけ込まれてべらぼうに安い賃金でこき使われる未来か、そもそも働かず働けず大盤振る舞いの社会保障を齧り倒すか犯罪組織に入り治安を悪化させる未来しか無い(実際そうなっている)本人達も、
仕事の領域が丸被りな上にダンピング料金で仕事をやられちゃうお陰で、本来得られる仕事に溢れたり猛烈な賃下げ圧力に巻き込まれて貧困化したりする「正当な手続きを経たまっとうな移民」の方々も、どちらも地獄を見る未来しかないのに、
表面しか見ていないおハイソな人達は豪邸のプールで寛ぎながら、ボンヤリした「移民が虐げられているのを庇うボクら」を発信してご満悦なんて救えませんよ。

「これは映画なんだし、一番痛い革命家は酷い人間として描かれてるじゃないか、バランスも取れている」と思い込もうとしましたが、やっぱ無理でした。結局全体的にWASPは○ね、革命万歳!になっちゃってるもん。

そもそもほぼ軽蔑すべき人物しか出てこない、見てて楽しい部分が何も無い映画というのはそれだけで苦痛だし、重ねて思想的にも間違い続けているとなれば拷問です。
終盤のカーチェイスの決着だけは「おぉ」と思うものがありましたがそれだけ。この長い拷問で得たものがそれだけという事実が更にきつい。

グレタ・トゥーンベリ女史なら大絶賛するんじゃないでしょうか。

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不敗の魔術師

4.5合言葉は大事だな

2025年10月4日
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興奮

幸せ

この先どうなるのかとワクワクドキドキしました。
前半が少し長く感じますが後半特にラスト間際の3台の車のシーンは圧巻です。

本当にあんな道路があるんですか?あのロケ地は聖地ですね。

パルクールのシーンも光と影で良かったです。

クリスマスの冒険者とは恐ろしく危険な秘密結社だな。白人至上主義で自分達以外を異人種と呼び、交わる事すら許さない。
排外主義、排他主義の極端な表現かもしれませんがそのステイタスに憧れ死にかけてもなりたかったメンバーにガスで殺害されるなんて憐れなり。
ざまあみろと思う人も多いはず。

家族の為、娘の為に命を賭けて戦う強いけど少し頼りないお父さんがアメリカの理想。ディカプリオにはピッタリな役。
その理想はアメリカだけじゃないか。

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ランタイガ

4.0狂った人達

2025年10月4日
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132本目。
狂った人達と、血の繋がりのない親子の話と言ったところ。
ディカプリオの演技力は流石だけど、コメディに感じる部分もあるから、それほどの緊張感はいい意味で感じない。
だったら気楽に観られると言われれば、面白いけど正直長い。
最後、血は争えないと思ったのは、母の影響か、父の影響か?
否、育った環境なのかな。

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ひで

3.5どこまでも“エンタメ”な作品

2025年10月4日
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楽しい

政治に関する問題を織り混ぜながらも、革命家への追う者と追われる者、そして“家族”をテーマに映し出した3時間のスーパー娯楽大作。

関わりたくないのに、どうしてもやらざるを得ない闘争劇。
ユーモアたっぷりでディカプリオらしさが良く出ているなと思いました。

あまりにもしぶとくしつこいショーン・ペンに目を奪われますが、私はデル・トロ演じる“センセイ”がキャラとして好きです。

しかしこの映画にIMAXの必要性はあまり感じなかったかな…

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びぃあぃじぃ

4.5これもまた『父と娘』映画!

2025年10月4日
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面白い!2時間40分もあるのにまったくダレないし、なんならあっという間。
まず、この後どう展開するのかがまったく読めない。
冒頭からずっと今起こってることにくらいついて、一瞬先の展開をただ待ってる。そうしてるだけで最後まで連れて行かれちゃう。そのくらいストーリーが面白い。

そして役者陣。
ディカプリオは最近ダメなおっさんが板についてきたけど、本作のダメなおっさんっぷりは最高。合言葉が思い出せないくだりのダメさは尺を食ってるけどそれでもずっと観てたい。
ベニチオ・デルトロの「センセイ」は彼の愛らしさ全開だし、娘のウィラ役の子も不安と強さを同時に表現できる素晴らしい役者だった。そしてショーン・ペンのヤバさよ。一挙手一投足が見逃せない!
劇伴も文句なしだけど、なにより撮影!特にラストのカーチェイスシーンはちょっと観たことがない撮り方で、緊迫感が凄かった。
PTA作品は、ザ・マスターとゼア・ウィル・ビー・ブラッドを劇場で観られなかったから今でも観てないんだけど、本作は観て良かった。皆さまは同じ後悔をなさいませんように…
そしてなにより、本作もまた『父と娘』映画のレベルを更新してます!是非劇場で!

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ぱんちょ

4.5絶えぬ闘いの果て

2025年10月4日
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マスゾー

5.0闘争と家族愛をエンタメに仕上げる凄さ

2025年10月4日
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アメリカに革命家ってどれだけいるんだろうか。しかも本作に登場するのはそれなりの過激なやつ。拘留されている施設から移民たちを解放するという冒頭の作戦はたしかにレジスタンスだよな。弾圧される革命闘争(という表現が正しいのか迷うところだが)が描かれた後、逃亡先で16年が経過した現在に場面は変わる。
革命家として活動していた緊張感はもはやなくなり、面倒くさいことをのたまう父親になっていたボブ。包囲網をかいくぐりながら、さらわれた娘のウィラを救うために奔走する。
面白いのは革命組織が水面下できっちり根付いているところ。緩さもあるがきっちり組織されている。暗号を確認するシーンとか結構笑えたりする。でも、白人至上主義のやつらと闘っている姿はカッコいい。本当にこんな闘争があるのかは怪しいが、今のアメリカの問題を浮き彫りにする効果はあったはずだ。
ただ、本作のメインは革命家たちの闘争ではなく、家族愛だと感じた。闘争よりも家族を選ぼうとした男と、子どもを育てることよりも闘争を選んだ女が描かれる。そして彼らは家族としてどんな選択をしていくのか。DNAと育った環境・教育。そんなことを考えさせられる娘の存在。ウィラを演じたチェイス・インフィニティが素晴らしい。気が強そうで凛としてて、でも優しさを内包している。親の監視から逃れるしたたかさも持っていたりする。いろんな事実を提示され、それでも目を背けなかった彼女の闘いが印象的だった。
革命家たちを描くことで小難しい話になるわけでもなく、きっちりエンタメ作品に仕上げている。追ってくる車からウィラが逃走するシーンとか、その決着も含めて地味ながらとても緊張感のあるいいシーンだった。好き嫌いは分かれるかもしれないが、とても質の高い映画だ。

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kenshuchu

4.0スピルバーグが絶賛してて3回も観たらしい。

2025年10月4日
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情報をシャットアウトして観ました。

事前情報は…

“これは逃走劇のフリをした闘争劇”のキャッチコピーと、だらしなさそうなディカプリオ(笑)

アンダーソン監督作、おおまかなキャスト、スピルバーグが絶賛してて3回も観たこと。

期待値が高かったけど、ガッカリすることなく面白かった。

クライム系スリラーだと思ってたけど、ほぼ合ってると思う、アンダーソン監督っぽくないですね。

移民問題、人種問題、差別問題、いろいろ入ってます。

観てる途中では予想できたけど、観る前では予想だにできなかった着地の仕方。

序盤は、そこまで…と思ってたんだけど、時間が経つごとに、だんだん面白さが加速していきます。

IMAXは時間が合わなくて通常スクリーンで観たんだけど、後日フルサイズのIMAXでも観まーす♪

『スーパーマン』のカタカナ表記の日本版ポスターが貼られてるシーンあり。

アラナ・ハイム出番が少なくて残念だった(笑)

ちなみに、僕は移民には反対です。

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RAIN DOG

4.0白人至上組織と抵抗活動社会のバトルに生きるAmerican Girl

2025年10月4日
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興奮

ドキドキ

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カール@山口三

4.0IMAXでもう一度ビール飲みながら見たい

2025年10月4日
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初日に来てしまうのは宮崎駿とゴジラの新作とスターウォーズとポールトーマスアンダーソンくらいか。来てしまったよ。

そもそもピンチョンの作品を映画化できる人なんて羨ましい。今回もヴァインランドが〜とか噂にはなってたけどヴァインランドは読んでない。読んでいないがおそらく「ごった煮POPスペクタクル」に違いない。そして本作は言うなればPTA流のジェットコースタームービー(ジェットコースタームービーの元祖はスピルバーグ)。とはいえ、これがピンチョンだ!とかこれがポールトーマスアンダーソンだ!というような満足感は実はない。それほどこの人には期待値が高いのでそうはならない。(最もピンチョンぽい映画監督って実はキューブリックだと思ってる)。単にインヒアレントバイスからその掛け算がうまくいってると思ってない。

しかし本作は面白い。アクションに継ぐアクションのテヤナ・テイラーの魅力全開の前半の革命運動シークエンスはもう一度見たらこれが最高!なのかもしれないけど初見では若干長くは感じる。しかしジョニー・グリーンウッドの切れ目ない音楽も見事にはまっていてテンションがあがっていく。

怪しい光を放つのは徹底的にショーン・ペン。一癖二癖というか癖の塊みたいな鬼軍曹みたいのが革命軍団を追っていく。しかもそれは仕事以外に途方も無い執念が湧く仕掛け(性癖と欲望)がしてありそれが笑える。

そして中盤から始まる爆笑チェイスの情けないランボー、というかトム・クルーズの逆張りで攻めるだらしないディカプリオのかっこよさ!(娘から相手にされないわ、暗号は忘れるは、なかなか充電させてもらえないわ)。

そしてショーンペンも異常性がましていく。「リコリスピザ」のアラナ・ハイムが見れてよかったと思ってると中盤に現れるチェイス・インフィニティの新旧ヒロインの交代にハッとしながら、撒かれた種の回収(かなりとぼけている)もすべてアクションで進む。特に終盤のあのカーチェイスはこれだけアクション映画を観ていてもなかなか見れないものではあった。

という具合にあっという間に終わる。本当にある意味「ミッションインポシブル」といいうアクションスターの娯楽映画のフォーマットをPTAとディカプリオで真剣にパロディしてるというか、換骨堕胎して、ポストモダン化してる。そしてアクションシーンもタランティーノとかと違ってキレがある。

そして忘れてはいけないのはそのショーンペンがかわいく収まってしまうクリスマスの冒険者の面々のリアリティ。『プロミッシングヤングウーマン』のスノッブ集団に次ぐナイスキャスティング。

もう一回観たいな。次はビール持ってIMAX最前列で。

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ONI

4.0映画らしい、ホントに映画らしい映画

2025年10月4日
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楽しい

興奮

幸せ

ストーリーはトマスピンチョンという20世紀最高のアメリカ文学者の作品が元らしいですが、そんなことはどうでも良いくらい最高。細かい説明はぶっ飛ばして、映像と出演する役者の演技で私たちをぐいぐい引っ張っていく、本当に映画らしい映画だった。ディカプリオのキレっぷりはいつものお約束、ショーンペンはいい感じで老けて頑固ジジイがお似合い(ジーンパックマンの後を継げるのでは?)、ベニチオデルトロは安定をもたらす、とにかく面白く力強い映画でした。音楽の使われ方も良かった。いまは映画館を出た後、賞金稼ぎのアバンティが最後にとった行動を考察してるところ(どなたかコメント求む)。
ところでこの映画、トランプが見たら何ていうのかね?

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kiyopon7

4.0今の政権をかなり皮肉ってます‼︎‼︎

2025年10月4日
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えーじ

4.5面白いとしか言いようが無い🔥

2025年10月4日
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結論から言うと3時間を全く飽きさせないです👍
予定調和ではなく先が案外読め無い展開なのでずーっと緊張感があるんだけど笑える要素もチョイチョイ入れてくるから緩急のつけ方のバランスが良いんです)
あとその場にいる人の心情を表す音響🔈の効果も絶大だしIMAX撮影した利点を最大限に生かした絵作りで(ノーラン作品全般やノープくらい上手く活用できてました)凄かったです(ラストのカーチェイスの時の地面を這うような映像は4dxの用な臨場感ありました)
この作品は監督の作風を考えると派手なだけの単調なアクションだったりド派手な爆破シーンがメインでは無いからそれを期待すると面白く無いでしょうね🤮
プリオに関してはカッコいいヒーローの役とかをあえて外すような作品ばかり出ていてそれを上手く演じるのは凄いですね👍更にプリオとデルトロは全面に出ないような抑えた演技で(プリオもデルトロも顔演技がヤバかったしアカデミー賞のノミネートもほぼ確実でしょう)良かったしショーンペンが主役レベルの存在感でノーカントリーのアイツ以来って言い切れるくらいの気持ちの悪さで🤮ウルトラ超絶ドMの🦹🏼‍♂️🪢変態軍人を完璧を超える演技でやっていて🤣過去イメージが全てブッ飛ぶ最強のキャラを演じていて最高でしたよ😆🤣😂
出来ればIMAXカメラ🎥での撮影の作品なので通常スクリーンだと恐らく画面の40%くらいが削られると思われるし臨場感が相当凄くて音響も激ヤバだったのでIMAXスクリーンがあるならIMAXで間違い無しです🥳
あとテーマは社会問題になってる移民の話だし演技も最強レベルだしアカデミーのノミネート数も多くなるでしょうね(逆に派手なアクションしかウリの無い質の低い安いバカ作品じゃなくて良かったです)
ポールトーマスアンダーソンは作品を作ると毎回必ず映画祭で賞🏆をついつい取ってしまう天才肌というか賞レースに強い作品しか作らない職人さんならではの出来でしたね🏆
自分的には今年観た作品の中ではブッチギリ一位の国宝の次に面白かったです🙂‍↕️

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