「血縁のなしの家族、マッチョな男社会」ワン・バトル・アフター・アナザー 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)
血縁のなしの家族、マッチョな男社会
2025年。ポール・トーマス・アンダーソン監督。革命家として爆弾を製作し、移民収容所を襲ったり銀行強盗をしたりしていた男は組織の女性リーダーと結婚するが、あまりに破天荒な女性リーダーは長女を生んだあと家庭を去り、しかも逮捕された後で組織を密告し、メキシコへと亡命してしまった。一方、密告相手の軍人は、かつて襲撃されたことをきっかけに女性リーダーへの個人的な想いを募らせていた男で、肉体関係を元に密告へと追い込んでいた(結局メキシコへ逃げられるわけだが)。16年後、組織を離れた男は娘と静かに暮らしていたが、しつこく付け狙う当の軍人に見つかったことでふたたび因縁の対決が始まって、、、という話。
血のつながらない子供と家族的な絆を結ぶ、というテーマがハリウッド映画には多いのだが、それに加えて、アンダーソン監督お得意の「マッチョで差別的な男社会」のテーマがある。この二つのテーマが見事にまじりあっている。革命うんぬん、メキシコ人コミュニティうんぬん、はトランプのアメリカへの痛烈な批判だろう。
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