「もっとこじゃれた邦題を付けてくれ」ワン・バトル・アフター・アナザー alfredさんの映画レビュー(感想・評価)
もっとこじゃれた邦題を付けてくれ
原因不明だが、何故かレビューが削除されていたので、再投稿。
PTAの新作だ。そう、Paul Thomas Anderson 略してPTA。今やフルネームで
呼ぶことよりもPTAの方が多くなった。
当然だが、ジョン・ヒューズの快作コメディ映画「大災難P.T.A.」(88年作、映画.comの評価は4.6/5.0)とは無関係。
ところで80・90年代にはユニークなコメディ映画が公開されていたが、近ごろはめっきり少ない気がする。輸入元・配給元がコメディ映画を敬遠しているのだろうか?
本作はアクションコメディ映画と呼ぶべきだろう。
人によっては革命指向の左翼的アジテーションと見る向きもあろうが、私は純粋に娯楽作品として堪能した。
ディカプリオは50代となって、その風貌がますますデ・ニーロ化しているぞ。
かつて革命行動家として名を馳せた女は警察に拘束されると組織を裏切り、証人保護プログラムで別人になってメキシコへと逃げるが、映画はその後の彼女の姿を追いかけることはしない。
母たる彼女の行く末に映画はあまりにも無関心だ。
失われた母性と論じるネット記事もあったが、PTAは鼻っから母性には見向きもしない。
父と娘と彼らを追う変態軍人(ショーン・ペンが好演・怪演‼)の姿こそこの映画の真骨頂だ。
娘役を演じたのはチェイス・インフィニティさん。なんとこの名前、本名らしい。ミドルネームを姓にしたとか。
キックボクシングのトレーナーの経験があるということで、本格アクション映画でも重宝されそうだ。
終盤の砂漠のハイウェイでの追跡シーン。道が大きく波打っているなと思っていたら、その地形を利用して追跡者とケリをつけた。
ラストで娘に父親(ディカプリオ)が母親からの手紙を渡すが、あれは父親の創作だろう。組織を裏切った母親にかつての夫であるディカプリオに連絡する伝はないはず。あの手紙は父親としての精一杯の思いやりだろうし、娘もそれを理解して父親をハグする。
思えば、アメリカはイギリスと独立戦争を行なった。故に今のアメリカ人は革命家の孫たちともいえる。
そうして、革命家の心意気はアメリカ人に「切り株」のようにどっしりと根付いた。
早くも、PTAの次の新作が待ち遠しくなった。
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