「憧れの国アメリカ」ワン・バトル・アフター・アナザー himabu117さんの映画レビュー(感想・評価)
憧れの国アメリカ
革命と言う言葉がこれほど似合わない国も珍しい。そんなアメリカの革命家のお話。バトルと混沌と家族愛とジェンダーレスな登場人物まで出てきて、どこまで本気なのか外して来るのか、見る者の創造力を大いに鍛えてくれる。
かつては憧れの国だった。
1960年代は、日曜日の朝に放送される、アメリカホームドラマにこゝろときめかせた。
いつか自分もあんな生活が、送りたい。
真新しい家電と自家用車、やたら広い部屋。
1970年代は、イーグルスやシカゴに代表されるアメリカンロックが、世界を席巻した。
1980年代は、それに続くようにマイケルジャクソンやマドンナ、ブルーススプリングスティーン。
「夢のカルフォルニア』と言う言葉は、なんとなく開放的で私たちを別世界に連れて行ってくれる錯覚をした。
だけど、2000年代に入りインターネットが普及しだすと、そんな幻想が打ち砕かれてゆく。
そう、ナマのアメリカが映し出されるようになった。
今までのマスコミによるフィルターが、無くなった。
良くも悪くも、アメリカそのものを見ることができる。
それも取捨選択なしに。
映画『ワン・バトル アフターアナザー』もそんな意味では、生のアメリカに近いのかな。
すべての階層がこうとは言わないが、ある一定の層を描いていると思う。
日本ではおおよそ使わないような下品な言葉
映画の中には、ふんだんに出てくる。
あくまでも、監督のイメージが作り出した作品のようなので、現実との差はあるにしても。
ああこんなもんだったのか、オシャレでスタイリッシュなアメリカ人は勝手に私の中で作られた虚像にすぎなかった。
主人公ボブの妻、革命家で執拗にストーカーされる。
この妻との間にできた娘は端正で、素敵な顔立ちと物腰なんだけど。
この妻の方は、他に誰かいなかったのと突っ込みたくなる。
ストーカーが食い下がるほどの・・・だろうか。
主人公ボブが惚れるのが、不思議なくらい。
まあ、監督のイメージが強い作品のようですから。
現代アメリカ社会のイメージ
なんだろうなこの映画は。
革命と言っても、何のための革命だか定かでないし。
何に対して怒っているのかもよくわからない。
白人至上主義グループにしても、さもありなんで実際にはどうなの。
そうあくまでも原作からインスピュレーションされた監督のイメージの世界なんです。
そんな監督のイメージの世界で遊ぶ三時間近く。
私の中に今の自分が持つアメリカのイメージと合ってるなと。
そんな確認作業をしながらの鑑賞。
そして、得られた結論は。
アメリカは、私にとってかつては憧れだったけど、
今は、行きたくない国の一つになった事。
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