「Dirty Work」ワン・バトル・アフター・アナザー ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
Dirty Work
めちゃくちゃ良いレビューが飛んできていたので、そりゃあ期待しちゃうでしょう!という事で鑑賞。
あらら〜?って感じですごいグサグサ刺さるタイプの作品では無かったです。
もちろん面白い部分だったり、映像への没入感なんかはとても良かったんですが、苦手だな〜というのが序盤から終盤までずっとあってモヤっていました。
極右極左をテーマの軸に置きながらシリアスな雰囲気を纏ってはいるんですが、作品自体はコメディに近い感じで展開されていき、そこが自分の抱いていた作品との印象とかけ離れていてのめり込めなかったなと思いました。
序盤から革命家たちが移民を逃すために施設に襲撃する流れから始まり、ペルフィディアがそこにいた警官のロックジョーを言葉責めにしてしまったがためにMに目覚めてしまい、めっちゃ執着されるという流れは最初は笑えたんですが、フル勃起したあたりからちょっと顔が引き攣ってしまいました。
あと最初からベンとペルフィディアがベロベロチュッチュイチャイチャしまくるパートが多すぎて胃もたれしますし、爆弾仕掛けてんのにイチャイチャし出したのは早よ逃げろよって思ってしまいました。
そこから娘が生まれてから夫婦間で溝ができてしまい、冴えない日々を過ごすボブと、革命に向かいまくるペルフィディアの対比がこれでもかって映されます。
娘も成長した姿で登場し、その際に流れた"Dirty Work"は大好きな洋楽のうちの一曲なのでめちゃめちゃテンション上がりました。
娘との喧嘩もあったり、過保護すぎるボブが映ったりと色々と不穏になっていくのも特徴的でした。
そしてここからロックジョーとボブと娘と様々な視点から物語が展開されていき、群像劇に近いものになっていくんですが、テーマがテーマなだけあってそんなにダラダラする必要性はあるかな?と思ってしまうくらいのんびりやっちゃているのはいただけなかったです。
センセイが登場してお茶目かますあたりは好きなんですが、話がうまいこと通じない組織の人間とのやり取りでブチギレまくるボブの様子が延々流される時間はちょっと苦痛でした。
このテイストが好きな人は好きなんだろうなーとは思いましたが、自分は良さが分からずじまいでした。
待っていたカーチェイスがやっとこさスタートし、センセイとのドタバタがあったり、雑な脱出だったりとこの辺からやっと盛り上がってきたなーってなりました。
終盤のカーチェイスは爽快感重視ではなく、グッと広がった映像で魅せるタイプだったのが新鮮でした。
アップダウンの激しい一本道での追って追われて、先頭、中断、後方と1つの場面で3つの視点が味わえるのも最高でした。
車を坂上に置いてトラップとして後続にぶつけさせるのはお見事すぎて笑っちゃいました。
ロックジョーはとんでもない変態で、もう動き全てが気色悪かったですし、起こす行動も全てきしょいですひ、生命力も強すぎて訳分からんかったです。
ショーン・ベンの熱演も手伝って気持ち悪さに拍車がかかっていましたが、この気持ち悪さが生理的に受け付けなくてロックジョーが出てくる場面はずっと鳥肌が立っていました。
物語的にはそこまで何かを解決したとかではなく、日常の延長線として落ち着いてしまったのであまりスカッとはしなかったなぁという印象です。
個人的にはあんまりでしたが、ハマる人はガッツリハマるタイプだと思いますし、役者陣の演技や映像に関しては素晴らしいと思うのでオスカー最有力候補なんだろうなぁと思いながら劇場を後にしました。
鑑賞日 10/5
鑑賞時間 17:25〜20:20
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