「不法移民問題・人種差別・白人至上主義…アメリカの現状課題」ワン・バトル・アフター・アナザー bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
不法移民問題・人種差別・白人至上主義…アメリカの現状課題
最近、日本でもコンビニやラーメン店に行くと、多くの中国や東南アジア系の人々が片言の日本語で対応する光景が、当たり前となってきた。今回の総裁選挙でも、こうした移民問題を政策に掲げた候補者も居たが、日本人が現状の移民問題を、どれだけ重視しているかは疑問だ。単独民族の歴史を持つ日本にとって、移民による危機感というのは、正直ピンとこない部分は否めないだろう。
しかし、アメリカ社会にとっては、メキシコをはじめとした中南米からの不法移民問題は、昔から根深い問題となっており、そんな移民問題をテーマの中心に据えた本作となっている。そこには当然、人種差別もあり、白人至上主義を未だに掲げるアメリカの根底に流れる、社会問題をも絡めている。それは、ある意味トランプ大統領が掲げる国家政策を、痛烈に批判する意図が、見え隠れしている。
移民問題に対する革命家・ベルフィティアの恋人で、彼女の下で移民開放の為の戦闘に明け暮れていた男・ボブを中心に物語は展開。そんな2人の間に娘・ウィラが生まれると、根っからの革命家であるベルフィティアは、相変わらず戦闘に向かい、一方、ボブは娘を守ることを優先し、2人の生活の間に亀裂が生まれる。そして、ベルフィティアは戦闘中に拘束されてしまう。そこに現れたのが軍人・ロックショウ。彼の変態的な振舞を利用し、ベルフィティアは、巧みに懐に入り込み、まんまと拘束から抜け出し、その後は、行方知れずとなる。
それから15年。今や娘との平凡な生活に明け暮れていたボブ。そんな折、娘のウィラが母親絡みの理由で命が狙われ、拉致されてしまう。ボブは、昔の仲間を頼りに、嘗ての革命家当時の闘争心を再燃させて、ウィラ救出に1人乗り出す。しかし、そこには、無慈悲で異常なロックショウが立ちはだかる。実は、ロックショウがウィラのことを、そこまで執拗に拘る背景には、2人の間に意外な事実が隠されていた。果たして、ボブは、ウィラを無事に助ける事ができるのか
主演のボブには、冴えない革命家から命がけで娘を守ろうとする父親役をレオナルド・デカプリオが熱演している。そして、軍人・ロックショウには、ショーン・ペンが演じているが、正にはまり役とも言える。また、ボブを助ける空手のセンセイを、チェ・ゲバラの伝記映画『チェ』で主演・製作を務めたベニチオ・デル・トロが演じている。日本人にはちょっと重く、難しいテーマではあるが、最終的には、父と娘の愛情物語としてまとめている。
今のアメリカ合衆国、だけでなく日本もヨーロッパの国々もどこでもの問題(かつ歴史:ショーン・ペンのあの殺され方はナチを思い出さざるを得なかったです)をビシバシ批判していて、凄い!と思いました。私小説映画だけでなくこういう映画を日本でもっともっと作って欲しいと思いました
共感ありがとうございました。
米国民の25%が『進化論』を認めない白人キリスト教福音派、白人優位主義のカルト集団もたくさんあって、劇中のようにその会員になりたい人間も多いのてしょうね。
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