砂時計サナトリウムのレビュー・感想・評価
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始まって10分も経たずに寝てしまった
Chaosmos
海外のストップモーションアニメってそれぞれ独自の作り込みがされていてとても好きなので、実写混じりの今作ではどう表現されているのかなと気になり鑑賞。
これは原作を読んでないと全く分からないやつか…?ってくらいジメッとした作品でした。
ストップモーションアニメは期待通り個性的なもので良かったんですが、ストーリー周りと話の組み立てが複雑かつ繰り返しが多く好みではなかったです。
全体的にシックな作りになっているので、オシャンティ〜と思いながらアートを観るような感覚で観る方向に切り替えたのでまるで美術館気分でした。
時間を反復しまくって時系列を静かに、だけど派手にいじり倒しているので面白さに繋がっているかというよりかは混乱してしまう作りだったので中々辛かったです。
独特なオーラを放っているセットだったり小物だったりのこだわり具合は異常とも取れるレベルです。
性癖は面白いくらい出ており、特に女性の下半身へのフォーカスがかなり多く、監督はそこんとこお好きなのねという、作品の雰囲気とはまた違う人間味を感じられたのは良かったです。
まぁ監督のファンではなかったのでターゲット外だっただろうなーとは思いました。
かといって今作が導線になっているかというと…んーなってないかなぁ…。
ストップモーションアニメでも狂っていてほしい過激派なんだなと再確認しました。
鑑賞日 8/1
鑑賞時間 12:20〜13:46
ファンなんで。
ストーリーがわかりずらいとか、
暗くて眠くなるとか、
気持ち悪いとか、
わりとレビューに書きがちの人は見ない方がいいです。これは映画の極北、原作からしてシュールな幻想小説、アートです。映像化何本目だろ?クウェイ兄弟ブルーノシュルツ大好きですね。
実はSNSで73年に同じ原作を映画化した物の断片を見て原作探してググってたらクウェイ兄弟が製作中という事実をしりまして、楽しみにしておりました。しかしかなり前から撮影スタートしてたけど中断してたらしく、シュルツの書簡発掘により再開完成したらしいです、エロいです。
で73年ポーランド版は当然実写でカンヌにも引っかかった模様、今見ると映像は寺山チックな感じです。日本では1976年に公開、DVD化されてますが今では3万円以上のプレミアついてます。輸入版ならも少し安いかな。
実写との共存もベヤメンタ、ピアノチューナーへて、処理レベル上がっててスムースに見れました。
色々熱く語ってますが実は私もウトウトしました、いいんですそれで。そうやってみる物です、タルコと一緒です。
ファンなんで。
む、難・・・すぎる。
ブラザーズ・クエイの19年ぶりの新作! テイストは大好物だが、いかんせん難解すぎる……。
『ストリート・オブ・クロコダイル』(86)や『ベンヤメンタ学院』(95)で知られるブラザーズ・クエイの19年ぶりの新作ということで、期待に胸を膨らませながら映画館に足を運んだが……とにかく筋のまったくわからない映画だったな。
もとい、筋をわからせる気のまったくない映画だったな(笑)。
映像の雰囲気は、相変わらず素晴らしいんですよ。
なんともいえない不気味な造形の人形。
ゴチック調の深みのある美術と、
無声映画を意識したフィルム処理。
精密に仕上げられた「デコール」(アニメーションのセットと舞台の模型のこと。クエイ兄弟によって独自の意味が込められている。2017年に松濤美術館で開催された『クエイ兄弟 ―ファントム・ミュージアム―』展で、たくさん観ることができた。彼らはアニメーション制作で使用した舞台装置を「箱」として保存しているのだ)。
出てくるキャラクターのビジュアルインパクトも凄い。
山高帽をかぶったショパンみたいな顔の主人公。
唐突に登場する六臂の阿修羅のような異形の男。
なんで六本腕?? でも存在感あるわあ。
あと、タイトル自体も澁澤チックでかっこいい。
ただ、とにかく話がよくわからない(笑)。
ヨゼフという若者が、列車に乗って
得体の知れないサナトリウムに到着し、
建物内を彷徨うが、出てくる人間は
みんなうろんで、要領を得ない。
死の床にある父親を訪ねたらしいが、
サナトリウムの住人は、「ここは
時間が遅れている」といったことをいう。
女性ものの靴をはこうとする足の映像。
巨大な眼球のようなものをすくう映像。
時計か炉のような蓋の中にはいる映像。
さまざまなイメージショットが、
何度も何度も小刻みにリフレインされる。
ただ、なんの光景なのかも、
そこに挿入される意味も、
浅学の僕には理解不能なことばかりだ。
交わされる会話も概念的で、抽象的。
ブルーノ・シュルツの原作準拠だとすれば、
原作自体がかなりの難物なのだろう。
ついでにいうと、実写と人形アニメの区分や、
実写パートにおける、兼ね役の意味合いも
よくわからない。
総じて、本当に「何もわからない」せいで、
ついつい観ながらうとうとしてしまうので、
さらに何が起きているか追えなくなって、
あとはぼーーっと観ているうちに終わる(笑)。
内容を理解するためには見返してみたいけど、
見返すほどに、はまれなかった自分がいる。
全体のノリとして、ホテルなり病院があって、その多層的な構造のなかにいくつも部屋があって、奇妙な連中がそれぞれの部屋で不思議な行動をとっている、という構図自体は、これまでのブラザーズ・クエイの作品とも共通するし、パトリック・ボカノウスキーの『天使』(82)やガイ・マディンの『ギムリ・ホスピタル』(88)とも似た部分がある。
何より似ているなと思うのは、アヴァンギャルド映画の嚆矢ともいえる、ジャン・コクトーの『詩人の血』(32)だ。
建物の構造が、覗き部屋の集積のようになっているところ。
主人公のそこに「迷い込んだ」ような感覚と、各部屋での「窃視」の感覚。
(いわゆる「覗きからくり」のギミックが援用される。)
靴フェチぶりや、トリック撮影、リピートとリフレイン。
視聴感覚や、観客との間合いが、とても『詩人の血』と似ている気がする。
(ついでにいうと、章構成になっていて、毎回章タイトルの静止画が挿入されるのは、無声映画の形式を踏襲している。ちょうど同じ演出を『ストレンジ・ダーリン』(24)で先日目にしたばかりだが……(笑))
個人的には、『詩人の血』のテイストに、ポーランドやチェコスロヴァキアの前衛的パペット・アニメーションの伝統を接ぎ木したのが、『砂時計サナトリウム』独特の味わいではないかと感じた。
本作の主眼が、現実と幻想、過去と夢の織りなす「あわい」を描くことであり、テーマが「時間」の束縛からの解放と「永遠」について思索することなのは、漠然とそうだろうなと思うわけだが、文学的・哲学的考察については僕の手には到底余るものなので、ここではスルーするしかない(パンフは参考になるにせよ、これがまたどの識者の方も、いってることがほんとに難解なんだよねww)。
ただ、これだけ観客を置いてけぼりにして、自らの思索的世界に耽溺されてしまうと、その世界観に客がのめりこむのはまあまあ難しいかなあ、と思う。
繰り返すが、テイストとしては大好物。
瞬間、瞬間の「静止画」としても素晴らしい。
でも、僕にはとても咀嚼できなかったし、
呑み込むことも能わなかった。
自分には難解だった…
うたた寝と洗脳
死期が迫った父親に会う為に、カルパティア山脈にあるサナトリウムにやって来た男が不思議な体験をする話。
謎の競売ディーラーの実写から始まって、列車でサナトリウムに向かう男のストップモーションへと展開し巻き起こっていく。
サナトリウムに男が到着し章立てて進行して行き、なぜか腕6本のDr.が外の概念では死んでいるけどとか、時の間隔がとか、なんとなくしか判らないけれど1章は状況説明?
そして2章で謎がさらに深まって、3章でさらにちんぷんかんぷん。
あっという間の4章からの5章もどういうこと???これは箱の中の話し?
そもそもがかなり独特の世界観なところに、説明があまりにもなさ過ぎだし、人形と背景の造形やアニメーションのつくりも独特な上に粗過ぎて、自分には何が言いたいのかどころか、何が起きているのかも良くわからなかった。
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