劇場公開日 2025年10月24日

「じんわり」富士山と、コーヒーと、しあわせの数式 コビトカバさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 じんわり

2025年10月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

何度か予告編は観ていながらも、特に惹かれるものはなかったのだけど、『オオムタアツシの青春』を観に行った時に、東京ではシネスイッチ銀座での上映だと知り、観ることにした。
ミニシアター全盛だった世代には安心と信頼の劇場。

ちょいちょい演出に見え隠れする、昭和のホームドラマ感がなんとも心地よい。
しかし、デート中の商店街の「鮎の天ぷら最中」という、どういうことなのか分からない看板に、気もそぞろ。

コーヒーがメインのひとつなのに、淹れるシーンが横からばかりで、カップが深くて淹れたてコーヒーが見えないのはちょっと勿体ないと感じた。
せっかくなら、コーヒーの香りを想像できるような、帰りにコーヒーでも飲んで帰ろうかと思うカットがあれば良かったかな。

急にキナ臭いエピソードもありつつ、おばあちゃんと孫が夢に向かう姿にほのぼの。
「好きと言える時点で半分届いてる」といった刺さる名言も。
そして数式の秘密が解けて、おじいちゃんが何気ない日常に幸せを感じていたことにウルッときた。
地味だけど良い映画。
筍の皮を剥くキュッという音は苦手。

『白線流し』を号泣しながら観てた世代には、あの可憐な少女がお母さん役か。
なんとも感慨深い。

コビトカバ
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