「主題は評価するものの、ストーリー設定にもやもやする点も」水の中で深呼吸 Bigcatさんの映画レビュー(感想・評価)
主題は評価するものの、ストーリー設定にもやもやする点も
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葵の持つ微妙な感情を描くこと、そしてはっきりと描ききらないことが本作品の主題であり、評価できるポイントでした。
ただ、そういう機微を表現するにしては、葵が好意を寄せているひとりである昌樹のクズさ加減が少々強すぎではないか、と個人的には思ってしまった。
恋人関係ではないのかもしれないが、葵の家に時々遊びに来て、葵の母も好感を持たれているくらいの関係ではあるようなので、もう少し節操を持っていてもいいのでは。あれだと、昌樹くんが他の女子とデートしてたよと、葵の母に早々に見つかってしまっていそうなものだが。
あと気になったのは、葵たち1年生が上級生と水泳のリレー勝負の条件。
1年生側は、勝ったら上級生たちも一緒にプール掃除をしてくれるというメリットが生じるものの、上級生側は勝ってもなにもなし・現状維持で特にメリットなしというのは。
下級生への嫌がらせも厭わないあの上級生たちが「うちらが勝ったらおまえら1年生は何してくれるの」くらいのことは言いそうなものだが。1年生たちの天狗の鼻を折ることができればそれで良しという、教育・愛情的な配慮をしてあげた、ということなのか(ちょっと考えにくいですが)。
出演者さんの多い映画でしたが、作中ではあまり活躍しないままエンディングになってしまった役者さんもいて、ストーリー展開上やむを得なかったのだろうとは思いますが、もったいなく思いました。
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