「ごめんなさい。私には駄目でした。オリジナルの単なるなぞりでしかありません。」あの夏、僕たちが好きだったソナへ あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
ごめんなさい。私には駄目でした。オリジナルの単なるなぞりでしかありません。
平日の上映ながら八分くらいの入り。若い女性が多いのは主演女優か男優かどちらかがお目当てなんだろうね。
オリジナルは2011年の台湾映画「あの頃、君を追いかけた」。続いて2018年には同じタイトルで日本でリメイク、今回が三度目の制作となる。韓国語タイトルは分からないけど英語タイトルは「You are the Apple of my eye」と台湾版と同じ。これはリンゴを目に入れてしまえるくらいあり得なく愛しいっていう華語的強調表現で我々には感覚的に掴みにくい。韓国人もそうらしくてちょっと触れるだけにしている。(主題歌にはなっている)
ちなみにヒロインは台湾版ミシェル・チェン→日本版齋藤飛鳥→韓国版ダヒョン。
本作はレビューを読む限りではまずまず評価が高い。いわゆる青春群像もので、かつ、若い頃の苦しくでもどこか微笑ましい恋こころを描き出していて共感を覚えたという人が多い。でも水を差すようで申し訳ないんだけど2011年台湾版オリジナルは名作でして、そちらをみてしまうとかなりガッカリしてしまう。
まずは高校生のメンバーのキャラクターづくりでしょうね。ほぼ台湾版と同じなのだが、なぞり方が何か書き割り的というかキャラクターが地に足ついていない感じがする。そもそも、高校生らしさというか、もっとヒリヒリした感じ、不安定な感じが誰も表現できていない。そもそもダヒョンは27歳だし、ジニョンに至ってはもう30歳だからね。無理はあるんだけど。だから前半部分ではドタバタしているだけで、仲間たちの連帯感が十分に引き出せていないのです。このあたりは台湾版は本当に素晴らしいのでぜひ見てください。
後半はジヌとソナの二人芝居が増えてきて、やや見ごたえはあるのだけど、やっぱり申し訳ないけど、ヒロインが魅力不足です。確かに可愛いんだけど、表情も硬いし、身のこなしにも滑らかなところはない。言っちゃなんだけど(言っちゃった)アイドルのお芝居という感じは否めない。
台湾版のミシェル・チェンのミューズぶりは本当に素晴らしかったのでね。比べちゃあ気の毒かもしれないけど。