「男子って、おバカで幼稚だよね」あの夏、僕たちが好きだったソナへ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
男子って、おバカで幼稚だよね
■ 作品情報
監督はチョ・ヨンミョン。主要キャストはジニョン、ダヒョン(TWICE)。脚本はクァク・ジェヨンとキム・チンギョンが担当。ギデンズ・コーによる2011年の台湾映画『あの頃、君を追いかけた』を原作とした韓国映画。
■ ストーリー
2002年の韓国を舞台に、将来の夢もなく男友達と騒いでばかりいる高校生のジヌは、ある出来事をきっかけにクラスの優等生ソナに恋心を抱く。皆の憧れの的であるソナと少しずつ心を通わせ、ジヌの青春の日々は色濃く変化していく。特別な絆を築き始めた二人だったが、高校卒業後の大学生活が始まると、少しずつすれ違いが生まれていく。
■ 感想
予告を目にすることもなく、ノーマークだった本作ですが、観たい作品の前に時間があったので、とりあえず観てきました。公開当日の夕方時点でののレビュー評価は2.1とすこぶる悪く、不安を抱えての鑑賞スタート。でも、思ったほどダメダメではなく、そこそこ楽しかったです。
誰もが一度は経験する初恋の甘酸っぱさや、学年のマドンナ的存在に恋心を抱く男子たちの姿、そして彼らのどうしようもないおバカぶりは、自身の青春時代の記憶と重なり、懐かしさがこみ上げてきます。特に、男子たちの他愛ないふざけ合いは、多くの男性が共感を覚えるのではないでしょうか。キュンとするような派手な場面は少ないものの、全体に漂う甘酸っぱい空気感が心地よく、終始優しい気持ちで観ることができます。
しかしながら、2000年代初頭という時代設定を考慮しても、ジヌたち男子のノリが全体的に幼く、まるで小中学生レベルなのが気になります。もう少し大人びた感情表現があってもよかったのではと感じます。また、終盤の結婚式を機に、現在のジヌが思春期の初恋を回想しているなら、その舞台をなぜあえて2002年としたのかが疑問です。この年は韓国にとって特別な意味のある年なのでしょうか。そうではなく、2025年に現在のジヌが回想しているのだとしたら、そのシーンが描かれない点はやはり疑問です。現在40歳くらいのジヌがどんな生活を送っていて、どんなきっかけで過去を思い出すのか、といった部分が補完されると、より深みが増したように思います。
ラストシーンも、一見きれいにまとまっているように見えますが、ソナのジヌに対する言動にはモヤモヤとした思いが残ります。もし今でもジヌへの思いがあるのなら結ばれるべきだし、他の男性との結婚を選んだのなら、ソナの中ではその恋は終わっているはずでは、と。男性目線で語られているからこその描き方なのかもしれませんが、女性の思考とは少し異なるような気がします。ただ、私の後方の席にいた若い女性客二人は、そろって号泣していたので、イケメンの切なさを際立たせるこの締めくくりは、今の若い女性には刺さるのかもしれません。やはり、実らなかった初恋というのは、いつまでも心に残り続ける美しく尊い思い出なのだと改めて感じさせられます。
こんにちは。
これは私見ですが、ギデンズ・コー監督のオリジナルに沿ったのと、あの頃は劇中でも描かれましたがワールドカップなど韓国が盛り上がっていた時期だったからかなと。
あと、仰る通り私を含めて男はおバカで幼稚ですが、今作(シリーズ)の肝要な点は、”実らなかった恋ほど、思い出に残る。”という事かなあと思いながら観ていました。あ、返信は不要ですよ。今から帰省した子供達と酒宴何で。良いお盆をお過ごしください。ではでは。