「お前か!」コンスタンティン あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
お前か!
最近すっかり恒例になり、精神安定剤にまでなってしまっている深夜の映画観賞。つまらなければそのまま寝ればいいのだし、面白ければ寝不足になるだけの話。というわけで、本作を観ました。
始まって10分で「この映画つまんなっ」と思ったのですが、それでもヒロインの女優さんが誰かと似ていることに気づき、ずっとそのこと考えてたら最後まで観てしまっていました。
内容は、一見複雑そうで極めて単純です。天国と地獄の真ん中にある人間界。地獄の大魔王サタンさまの息子がぐれて人間界で一花咲かせてやろうとします。それを阻止しようとする悪魔祓い氏のお話です。
これだけ読むとコメディのように思えますが、タッチはシリアスそのもの。でも、本作の内容は本当にこれだけなのです。笑える話をシリアスにしたものだから、本当につまらないのです。
善と悪の均衡を保たなければ何か大惨事が起きる、という作品全体のテーマはボードリヤールの思想から借用したのでしょうか。こういう勧善懲悪でない映画がアメリカで作られるようになったこと自体に、9・11後の閉塞感があります。
思えば「ダークナイト」もこの類のテーマがありました。なのに、本作は「ダークナイト」と違って観てて眠くなってきます。それは、やはり天国と地獄という本作の構成や霊感といったものが、わたくしには一向に切実に写らなかったからです。
ちなみに、ヒロインの女優さんは、わたくしの前の職場にいた女の子にそっくりだったということが、1時間半でようやく判明しました。
そう気づくと、それに気づくためだけにこの作品と最後までつきあったことと、あの子かわいかったんだと今になって知ったことの二重苦で、心底つかれました。
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