「ハードボイルド・ルパン三世の新たな基準」LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン 悠さんの映画レビュー(感想・評価)
ハードボイルド・ルパン三世の新たな基準
『銭形と2人のルパン』は大傑作であり、ハードボイルド・ルパン三世の新たな基準の誕生だった。ルパンを追う敏腕警部銭形幸一の魅力が苛烈に描かれていた。その圧倒的な辣腕振りは見惚れるしかない。
そして、このシリーズで毎回添え物扱いされる主人公ルパン三世からも目が離せない。ルパン三世といえば赤ジャケットのイメージだが、このシリーズでは基本的に青いジャケットを羽織っている。だが、今作では赤いジャケットのルパン三世が出てくる。パイロット・フィルム版のルパンを思わせるクレイジーで危険なルパン三世だ。自らを本物と言い張るルパン三世は間違いなく本物のルパンだった。ただ、少し美学に違いがあっただけ。そして、その決定的な違いが本作で本物とされるルパン三世に圧倒的な余裕を与えていた。添え物ではなく、あくまでルパンが主人公。『銭形と2人のルパン』は2人の似たもの同士が享楽者と闘うという胸熱ストーリーだった。
ワルサーを纏い、狙った獲物は必ず奪う神出鬼没の大泥棒は令和でも健在だった。さてさて、劇場ではどんな事件を巻き起こしてやるのか。楽しみにしてます。
コメントする