前篇を観て展開がとても気になったため、当然ながら後編も鑑賞しました。
ちょうど最近、同じくアイドルを題材にしたアニメ『ガールズバンドクライ』の
後編も観たので、そちらと比較しながら感想を書いてみます。
まずオープニングですが、近年の流行なのでしょうか。
映画館での鑑賞マナーを、アニメ本編内で案内してくれます。
『ガールズバンドクライ』では、このためだけの専用アニメーションを
制作しているのに対し、『アイドリッシュセブン』はテロップを付けつつ
劇中のカットを流用していました。
作品の方向性が違うため単純比較はできませんが、このオープニング以外でも
全体的に『アイドリッシュセブン』の方が制作費を抑えている印象を受けました。
止め絵の多用や、作画・色使いの古さなどが気になります。
アニメ自体が旧作である点は理解しています。
しかし「総集編映画」として公開するのであれば、新規カットの追加や、
一部の手直し、ナレーションによる補足など、作品をブラッシュアップできる要素は
多かったのではないかと思います。
また、元のアニメを観ていない層はターゲット外かもしれませんが、
物語上「売れていく実感」があまり描かれていないため、
ストーリーに唐突さがありました。
メインに据えられているのは数々のトラブルで、「外から見れば輝くアイドルも、
そこに至るまでには多くの苦労がある」というメッセージはよく伝わります。
この視点自体はとても良かったです。
ただ、どう人気を獲得していったのか、その過程をもう少し丁寧に描いて
ほしかったとも感じました。
たとえばナレーションの挿入や既存カットの再編集など、
一工夫あるだけで理解しやすさは大きく変わったと思います。
「既存ファン向けの映画」と言われれば確かにそうなのですが、
アイドリッシュセブンという作品がさらに多くの人に届くためにも、
本作を新規ファン獲得のきっかけにしてほしかった――そこが少し残念でした。
本編では、アイドリッシュセブンが輝くために、
本人たちはとても努力をとても重ねています。
この映画を製作する裏方の皆さんも、もう少しメンバーのために、
知恵を出し合って、努力をしてほしかったかなと思います。
より、アイドルとしてのメンバーが売れるためには、という視点が必要でした。
劇中のアイドリッシュセブンのプロダクションの社長であれば、
どうでしょう、この映画は観終わった後、GOサインを出しましたかね?