Enoのレビュー・感想・評価
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生成AIドキュメンタリーという手法は画期的
「Eno」ブライアン・イーノのジェネラティブ・ドキュメンタリー映画を角川シネマ有楽町で鑑賞。
(メモが少し長くてすみません🙇♂️)
まだ20年程度の彼の音楽ファンだが映像作品に触れるのは初めて。チケット争奪戦を経て満員の劇場で観た。(特別料金2500円は格安かも)
ドキュメンタリー嫌いのイーノ先生が唯一許可した作品は、30時間にわたるインタビューと500時間を超える音楽、映像素材を使用して、自動生成システム技術”Brain One”により、上映する度に中身がランダムに組み合わされる2度と同じ上映を体験できないものらしい。字幕監修のピーター・バラカン氏云く、180分程度の映像に字幕をつけてからランダムに選出され、その内の85分程度が上映されるシステムとの事。まさしく映画館でしか体験できない画期的な映像体験でした。(もし発売されるならBlu-rayには断片的に全て収録して欲しい)
(2025/9/21 上映時の覚え書き)
・ROXY MUSICには、アンディ・マッケイに誘われて録音に参加したところ、アンディ所有のシンセサイザーに魅了されバンドに参加したというエピソード。”ヴァージニア・プレイン”のスタジオライブ映像あり。
・ロキシー時代、メイクしたり長髪にしてたのは、メイクしないより、した方がよいから。短い長いという両極端な概念から離れた位置にいたいという考えから(路上でアコースティックギター演奏する男にコインを投げる映像あり)
・David Bowieから見たプロデューサーEnoの印象インタビュー。彼は楽器もあまり弾かないし、何を考えてるか分からないから一緒にやってて楽しかったとの事。
・フェラ・クティのアフロビートに夢中になったイーノさん。トーキングヘッズのメンバーたちにその素晴らしさを説明して録音されたのが、”The Great Curve”(1980年のアルバム”Remain in Light”収録)
・「オブリーク・ストラテジー」レコーディングが行き詰まった際に使う方法論として、クリエイティブな制約や思考を促す100枚以上のカードの効能やDavid Bowie「HEROES」制作時、カードを引いた後、お互い見せ合わずに役割を全うしたエピソード。
・ジョニ・ミッチェルから「一緒にアンビエント作品を創ろう」との電話でのお誘いに対し、アンビエントという語に捉われたくないため、断ってしまった事を後悔している。是非一緒に創りたいとのこと。
・ベストプロデューサー賞受賞時の映像あり。1993年頃の映像か。受賞対象作はU2の”ZOOROPA”など2作品。プレゼンターはBryan Ferry(!!)
・1stソロ『Another Green World』(1975)収録の”Spirits Drifting”制作時、何も思い浮かばず
涙を流しながら作品を作ったこと、スタジオを押さえてしまっているから頭に何も浮かばなくても苦しくても作らなきゃいけない苦悩。
・オムニコード(オートハープをフィーチャーした1981年発売の電子楽器)こそが最も素晴らしい楽器であり、使い出した作品が1983年のアルバム『Apollo』であるというエピソード
・ディスクリート・ミュージック(Discreet Music)および”APOLLO”制作時のエピソード。
1969年、アポロ月面着陸中継を見るために先輩教授の家の小さなテレビで中継を見た思い出。
・Windows 95の起動音The Microsoft Sound
の制作を依頼された際、指示書には「人を鼓舞し、世界中の人に愛され、明るく斬新で、感情を揺さぶられ、情熱をかきたてられるような曲。ただし3.5秒以内(笑)というチャレンジングな内容だったが、キャリア上、やって良かったという話
・1980年頃、N.Y移住時、ラジオから流れるおかしな人間たちの人生相談の音声をコラージュ、サンプリングして“My Life In The Bush Of Ghosts”をデヴィッド・バーンと共作してリリースしたエピソード。
・2021/8/4、ギリシャのアテネにあるアクロポリスでロジャー・イーノとともに5人バンドで
” By This River”を演奏するライブ映像あり
サウンドトラック盤にライブテイク収録済み。
素朴に歌うイーノさんが良い。
・最近は創作活動のために朝食を食べず、起き抜けに湧き上がるものを創作するようにしてるから11時半頃は空腹になるとのこと。
(聞いていたが、上映されなかったシーン)
・人間の脳が昔に比べて15%小さくなったという話題。世の中が便利になって自分で考えることをしなくなったからというシーンは無し
・DEVOは才能はあるが怒りやすくて取っ付きづらかった、もありませんでした。
・イーノが音楽に向き合うようになったのはジョン・ケージの著作『サイレンス』がきっかけになったという話題もありませんでした。
音楽家ブライアン・イーノ氏のドキュメンタリー映画 追加上映でやっと...
音楽家ブライアン・イーノ氏のドキュメンタリー映画
追加上映でやっと座席確保できました。
音楽の制作過程, 考え方, 実験, コラボ etc.
刺さる音や言葉だらけでした。
これまでのイーノ氏の様々な作品を、深堀りして聴き直したい印象。
私的に最も刺さったのは
ヴォーカル曲を避ける時期があった、楽器が脇役になる
のような言い回しの箇所。
普段、音楽を聴いているときに、頻繁に気になるところです。
ただし、本映画自体が、
ジェネラティヴ = 観るたびに内容が変わる というもので
ほかの観衆と、同じものを観たのか、同じ感想を共有できているのか、
まだ分かりません。
(出だしに、上映日付と、日本という表記は、画面に出ましたね。)
上映機会があまりに少なく、再び観られる機会があるのかないのか。
また観て、違いを楽しみたい、理解を深めたいと願いつつ。
(鑑賞 2025-08-23 土曜 17:00, 109シネマズプレミアム新宿, 10階 THEATER 7 にて。)
デジタルコズミック…
eocというシンプルなものに隠されているものは果てしない大宇宙。目に見えるもの、知っているものは無数にあるのに、それを遙かに凌ぐ、見えないものや知らないものが無限にある…ずーっとそんな思いで鑑賞していました。
ポップ、テクノ、アンビエント、映画音楽、プロデュース、デジタル、メディアアート、ありとあらゆるワークをし続けて今なお何かを生み出し続けるこの人は何なんだ!と心底思いました。
あまりグループの音楽は聴かないけれど、ソロとかアンビエントとか映画音楽のイーノを好んで聴いていて、結構色んな色んな音楽に触れているのですが、そんなもの微々たるもので、知らず知らずに聴いているものもかなりあるしまだ未体験のものも膨大にあることを思い知らされました。
映画自体、デジタルチックに映像がランダムにコラージュというかぶつ切りにというか、細かく構成されていた印象なんですけど、今現在のまばゆい色彩のイーノは、まるで悟りを得たように落ち着きつつもますます何かを楽しむが如く何かを創造しようとしている雰囲気がにじみ出ていて(─作品自体そのように仕向けようとしていたと感じましたが─)、さらにイーノを欲してしまった次第です。
そのその映画上映なのに、なんでチケット販売所を通さなければならないのか、手数料もかかるし、座席指定もできないし、なんかビジネス的なにおいしか感じなくて、正直嫌な感じだったのですが、作品や鑑賞に関しても満足です。
映画なのになんでライブコンサートみたいな手法で公演しているのか甚だ疑問だったのですが、冒頭、ちらりと鑑賞日の日付が表示されたりしたので、ライブ的な要素も加わっているのかなと多少納得しましたが、本人の生演奏とか無いわけですからねー・・・
同じ時同じ空気同じモノゴト
を共有したもの同士が信じる事で
生まれるのが信仰だとある神社の宮司は仰った。
また、私が見た映画ではイーノは音楽は感情
だと言い切っても良いと言うような表現をしていたが
我が国のファッションを代表するような
デザイナーが、あなたにとってファッションとは?
と問われ、気分でしょ。と答えたと言うエピソードを
思い出した。
この信仰と感情・気分と言う話題から
我々人類において、それぞれを貫く共通した要素が
なんであるかが薄ぼんやりではあるが理解できる。のと
我々人類が違い多様たらしめる要素を
何処により生み出しているかが理解できるであろう◎
そんな気づきとジェネラティブであることの
意味が通底して伝わって来た良い映画であった(^^)
イーノはやっぱEーNOー🎵
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