「健全な歴史改竄」大長編 タローマン 万博大爆発 マスゾーさんの映画レビュー(感想・評価)
健全な歴史改竄
岡本太郎
1911年生まれ
漫画家の父岡本一平と小説家の母かの子
の間で時代を考えれば全く互いに
好きな事をやる家族で自由奔放に育ち
絵は好きだったが何の為に描くのか
迷いながら東京美術学校で学ぶ中で
留学中本場で見たピカソの抽象画に
衝撃を受け戦後には
シュールレアリズムの大家
として突き進み1970年の大阪万博では
総合プロデュースを任されるなど
(実は1964年の東京オリンピック
のメダルデザインも任されている)
丹下健三ほか戦後を代表する
デザイナーとして地位を築く
有名なのは近鉄バファローズの
キャップのロゴをデザインした年
あの巨人のキャップより売れたというから
その世間への人気ぶりがわかる
交友関係も広くテレビ出演も
バラエティなど多岐にわたり
昭和生まれには
指圧の浪越徳治郎
発明のドクター中松と並び
「テレビでよく見る"三大"変なおじさん」
として記憶されている(勝手認定)
誰かさんが一時期名乗ってた
「ハイパーメディアクリエイター」
の正真正銘だったと言えるだろう
という岡本太郎が遺した
数多の芸術作品を奇獣とし
1970年当時放送されていた
というあるはずのない記憶で
特撮映画を作ろう
という謎発想で生まれた「タローマン」
遅れながら観に行ってきましたが
どうだったか
アクの強いノリに果たして
ついていけるのだろうかと
不安でしたが
監督の藤井亮氏
生年を見ると1年違いの同世代
解説する山口一郎氏も同世代
そう
自分も作り手も1970年の大阪万博
リアルで知らない世代なのです
太陽の塔などのモニュメント
しか知らない世代
過去を想像しながら
ある意味さぞ夢があった
イベントだったのだろうと
思いながら作ったんだな
という感じは
シンパシー覚えるところ
あって面白かったです
ちりばめられた岡本太郎の
あまりに多すぎるので書かないが
ある意味ひねくれで
ある意味ポジティブで
ある意味でたらめで
ある意味べらぼうな
格言がほぼセリフで現れ
「~と岡本太郎は言っていた」
「~と岡本太郎みたいな事言わないでください」
という言い回しがギャグになっている
(~とガ〇ダムがそう言っているってのみたい)
作りは前出のNHKのショート番組よろしく
特撮風仕立てでいきなり100分尺は
ムチャではないかと思ったが
やや長いかなと思いつつ
シナリオ自体はちゃんと映画らしく
なっていました
60分くらいでもよかったかもね
岡本太郎氏がこの映画を
観たらなんと言うだろうか
ただのオマージュで
創造性がないじゃないかと怒るか
なんだこれは!と喜ぶか
また想像にふけるもよし
よくやり切ったと思います
たまにはこういう映画もよき
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