劇場公開日 2025年6月27日

カーテンコールの灯のレビュー・感想・評価

全29件中、1~20件目を表示

3.5演劇を通じて浮かび上がる家族の痛みと再生の道

2025年6月28日
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鑑賞方法:試写会

じっくり味わいの沁みる良質なヒューマンドラマである。あらかじめ言っておくと、キャストは無名だし、題材も派手なものとは言い難い。それに序盤は、トラブルメーカーの娘を巡って両親が頭を悩ませる場面から始まり、事情を知らない我々からすると多少の”とっつきにくさ”もほとばしる。だが、メインの父親が地域劇団に足を踏み入れていざ「ロミオとジュリエット」の世界にのめり込み始めると、途端に何か言いようのない魅力の実が育ちはじめる。これまで演劇に縁もゆかりもなかった彼が物語に触れ、輪の中で役柄を見つけ、演技へ情熱を捧げることで、いつしか彼ら3人家族がひたすら辿ってきた大きな悲しみの旅路が浮き彫りになっていく。この脚本と構成の妙。溢れ出る感情。キャストが無名だからこそ先入観なく内面に溶け込むことができる尊さ。幕が上がる。演劇モノ特有の高揚感が物語を席巻していく。世代を選ばず、多くの観客の心に灯をもたらす良作だ。

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牛津厚信

5.0期待値ゼロからの☆5

2025年9月10日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

癒される

全く期待していなかったが、掘り出し物の一作。☆5

冒頭の問題児の娘にドン引きしてしまい、いまいち感が漂い。親父の不可解な言動に、観賞したのは失敗だったかなと思った。
ところが、物語が進むにつれて、家族の抱える問題が浮き彫りになり、彼女や彼の行動の理由が判明してくると、がぜん面白くなる。

さりげない伏線と、それがゆっくりと回収されていく演出は秀逸だと思う。これは間違いなく、掘り出し物の一作である。

昨日、遠い山なみの光をみたが、こちらの作品もいいのだが(☆4.5)、いかんせん、不親切。

分かる人だけわかればいいという鑑賞者に丸投げ作品で、そこの謎解きがいいと思われる人もいるようだが、一回の鑑賞で、そこまで読みきれる人が居るとは思えないのだ。作り手は、何年もかけて準備し入念に考察して作っているはずだからね。

小説ならありだろうが、映画の娯楽性を完全に無視している一人よがりの作品と言われても仕方がないと思う。

それに比べると、本作品は、映画というものをよく理解して、娯楽性とヒューマニズムをバランスよく映像化しておりすばらしいと思う。

久しぶりにいいものを見せていただいと思う。

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うさぎさん

2.5観なくていいかな

2025年8月23日
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鑑賞方法:映画館

悪くないと言う人もいるだろうし、もしかしたら感動する人もいるかも知れません。
しかし、私には響くものではありませんでした。
ということで、
ごめんなさい、ここだけの話、観なくていい映画だと思います。

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ぜん

映画とは直接の関係はないけど恥ずかしい点

2025年8月22日
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鑑賞方法:映画館

 こんな思い、どれだけの人に通じるのか分かりませんが。

 例えば、こじんまりした講演会に参加したとします。お話の途中で講師の方から突然、

 「では、その事について皆さんがどう考えるか、お隣の方と話し合ってみて下さい」

と求められる事があります。僕はこれが無茶苦茶苦手なのです。背景も個性も考えも分らぬ初対面の人と話し合って下さいと急に言われても、そんな事恥ずかしくてできる筈はありません。講師の方もその雰囲気を察して、

 「初めての方とでは緊張するでしょうから、アイスブレイクとして『最近観た映画、読んだ本』でお話を始めて下さい」

と仰います。でも、そのわざとらしさが一層恥ずかしくて堪らず、その場から逃げ出したくなるのでした。誰とでも自然な笑顔を交わす事が出来るアメリカ式の対話スタイルなのかなと想像します。

 そこで本作です。一家に起きた何か只ならぬ出来事をきっかけにバラバラになった家族が、アマチュア演劇のグループに加わる内にその傷が癒され、一家の出来事も明らかになって来るという物語です。穏やかで暖かなお話はとても心に染みるのですが、僕が強く心に残ったのは演劇の稽古場面でした。それがまさしく「おとなりの方と話し合って下さい」型のトレーニングなのです。

 「えっ?お芝居と直接的関係は無い様に見えるけど、こんな事もしなくちゃならないの?」

と僕は客席で身を捩ってしまいます。例えば、人前で衣服を脱いで裸になるなんて事はお芝居ならば僕は別に恥ずかしくはありませんが、心を裸というこのトレーニングは耐えられそうにないなぁ。

 ちなみに、映画自体は大変よい作品でした。

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La Strada

4.0オーボエによるオーケストラのチューニングで幕を開ける

2025年8月18日
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鑑賞方法:映画館

なぜ、オーボエによるチューニングが選ばれたのかは、劇中で明らかにされる。
大きな悲劇を経験し、それと向き合うことができないでいた家族。父親の(転職を余儀なくされたらしい)迷える道路作業員ダン(キース・カプフェラー)が素人劇団に参加することにより、一筋の光明がさしてくる物語(原題はGhostlight-舞台にさす一筋の光)。ダンを演じたキース・カプフェラーも、あくまで素人として劇に参加することもあり、一貫してOld School(古い人間)として振る舞った。
前半、一番目立ったのは、ダンを劇団に誘ってくれた小柄のプロ俳優リタ。演じているドリー・デ・レオンは、フィリピン系らしい。ダンの妻シャロン(実の奥さんタラ・マレン)や娘デイジー(本当の娘キャサリン・マレン・カプフェラー)が劇に関与するようになると、目立たなくなったことにも、好感が持てた。
後半は、デイジーがよかった。それまで、16−7歳なのに、タバコや酒を飲み散らし、学校でもブーたれているだけだったのが、演劇、ミュージカルが出てきた途端、生き生きする。
劇の途中、建物の外で雨が降ってきた時、なぜか、あのオーボエの音が思い出された。
ただ、それだけの映画なのだけれど、郊外の平屋の家、運転台の後ろが網目のトラック、奥さんのシャロンが教員だったらしいことなど、リアリティがあった。
夏の夕暮れにぴったりの映画として、おすすめ!

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詠み人知らず

4.5地味だけど、終盤は胸に響く作品

2025年8月17日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

単純

賛否が話題の雪風は回避してカーテンコールの灯を観たが大正解。よくある悲劇からの家族の再生と絆がテーマだが、建設作業員の父ダンが知らない女性からの誘いでアマチュア劇団に参加。ロミオとジュリエットに出演しロミオ役に。紆余曲折ありながらもダンは居場所を見つけ、ロミオとジュリエットのロミオ役をダンがよくこなした。居場所を見つけると人は輝くとこの作品を観て再認識。素晴らしかった。

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ナベさん

4.0こういう映画 いつでも上映していてほしい

2025年8月13日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

斬新

ドキドキ

親子2人の演技が本当に素晴らしいアカデミー賞 映画 普通の人々 を思い返した
まあ 英語がとても分かりやすい

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kubonbich

3.0「ロミオとジュリエット」を見たくなった。

Mさん
2025年8月12日
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なかなか、失ったものを取り戻すのは難しい。

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M

3.0レビューの少なさは、やはり映画の出来を表すバロメーター

2025年8月7日
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鑑賞方法:映画館

この製作チームの前作「セイント・フランシス」がたいへんに良くって、この度も映画館へと足を運んだ僕。

しかし特に前半、
上手く流れを作っていない散らかったエピソードの数々。その羅列でちょっと残念でした。
脇役が多過ぎたのです。

「そこに花を植えるな!触るな!」と怒り狂う父親の痛みはひしひしと伝わります。なぜならその木の根元は息子が死んだ場所だからですね。
僕も「蘇生」をやった事があります。10年、くびつりということばは言えなかったから。

仕事にも、家庭でも、そして演劇の練習においても、PTSDのゆえに足が地に着かない。ふわふわして心ここにあらずのあのお父さんでした。

でもせめて、芝居の発表会の日には、カタルシスが解けて大声や大泣きがあっても良かったと思うのは僕だけだろうか。

妻と娘に肩を抱かれての、帰宅のシーンで終わりです。
微妙なハーフトーンと、地味で隠れた心のひだを表現したかったのだろうけれど、テーマの大きさを消化出来ずに制作陣まで試行錯誤をしてはならない、という
これは失敗作かなぁ。

本当の親子が主人公を演じたのも、撮影現場の甘えや “なあなあ感”を生じさせるのですね。鋭さが無い。

ふだんは観たことを後悔するレビューは書かないのだけれど、鑑賞メモとして。

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きりん

3.0素人が初めて劇で演じるという役を演じて

2025年8月7日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

癒される

中々良い映画だと思いました。

娘役のキャサリン・マレン・カプフェラーが魅力的で凄く良かったです。
父役で主演のキース・カプフェラーがお父さん。妻役のタラ・マレンがお母さん。
家族3人で出演という変な映画だったことを後から知って驚きました。

キース・カプフェラーは、素人が初めて劇で演じるという役を演じており、とても難しい演技だったと思いました。

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ねこたま

4.0カーテンコールの灯

2025年8月3日
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鑑賞方法:映画館

爽快な映画で興奮する、スッキリする。
悲しいストーリーに泣ける。
社会派の重厚な作品に考えさせられる。
映画は千変万化、多種多様。
それが素晴らしい。
鑑賞後に何を思うか。
それが楽しみの核かと、勝手に思ってます。
さて、本作。
金かかってません。
ハッキリ言って、良い意味で小品です。
ですが、エンディングでスクリーンが暗転した時、涙が流れそうになりました。
悲しいわけじゃない、嬉し涙でもない。
未だに消化してませんが、おそらくは安堵したんだと思います。
上映館も期間も少ないかとは思いますが、機会があったら、お勧めです。
★マイナス1は、原題を邦題に変えたセンスの無さです。
これを掛けてくれたフォーラムさん、いつもありがとう。

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映画館難民

4.5カーテンコールの灯を絶やさない — 経営者としての決意と大阪の熱

2025年7月21日
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舞台の最後、すべてが終わったその瞬間、観客が総立ちになるカーテンコール。その灯は、ただの拍手ではない。演者の努力、裏方の献身、そして観る者の心がひとつになる“結晶”だ。経営の世界にも、あの灯と同じものがある。日々の決断、仲間の挑戦、顧客の満足、それらが積み重なった先に、初めて“拍手”が鳴る瞬間がある。

私が起業を志したのは、大阪という熱気と人情が交差する街で、人との縁に背中を押されたからだ。人が集まり、笑い、泣き、支え合うこの街で、ただ数字を追うだけのビジネスではなく、誰かの心に火を灯すような事業をしたいと思った。飲食店も、キッチンカーも、コンサル事業も、全てはその延長線上だ。

カーテンコールの灯は、決して一人では灯せない。チーム、顧客、地域があってこそ。大阪という舞台で、経営者として、今日もまた誰かの心に届く“演目”を届けていきたい。拍手は最後に。今はまだ、幕が下りるその瞬間まで、全力で挑み続ける。

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林文臣

3.5ドラマはそこにある

2025年7月21日
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一見すると素行の悪い娘を持った中流未満のパッとしない家族。かもしれないけれど彼らの日々には人知れず激動のドラマが展開していて一人一人がそのドラマの主人公にもなりうる。悲劇にしろ喜劇にしろ。
題材が地味なこともありあまり期待せずに観にいったけど不覚にも目頭が熱くなってました。自分や身の回りの人たちになぞらえたりしながら。なんだか少しやさしい気持ちになれる作品でした。

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おまつ

4.0今期ここまで最も観にきてよかった映画だな

2025年7月20日
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鑑賞方法:映画館

エンディングにそっとGhostlightの文字が出てきた時、原題を知らずに見ていたのでタイミング含め、なるほど、と思った。それ含めての全体設計がうまかった。
冒頭からしばらくはイカれた娘の素行がかわいらしいアメリカのインディペンデントコメディのようにも見えるが話が進むとまさかの展開。おっさんの仕事の工事現場と街の素人演劇の練習場が近いところからはじまる心の傷を持ったおやじとシェイクスピア劇のケミストリー。それが日本っぽい(大泉洋がでてきそうな)泣けますよ、的なわざとらしい大芝居ではなく、ささやかに、丁寧に設計されていてとてもいい。とにかくキャスティングと芝居の生な感じがとてもいい。お父さんのグッと堪える感じもいいし、奥さんの衣装や髪型、リアルな佇まいもすばらしい。最初ボーッとみていた花壇の喧嘩のシーンも後で(ラストで映る)見えた時にはそういうことだったのか、と胸が締め付けられる。中盤の「演劇やってる」のがバレるところがコメディ的にも面白いが、その直後の娘のカラオケのシーンがほんといい。途中、一瞬「ありがとうトニエルドマン」を思い出したりもしたが、あれもカラオケのシーンがほんとよかった。カラオケのシーンがいい映画は傑作になりがち。で、この映画もそう。クライマックスではさもない街の市民演劇のおっさんとおばさんの『ロミオとジュリエット』の公演が高校を借りて行われるだけなのだが、稲光はするは、静謐感もただ事ではない。高校での上演らしいトイレ休憩の様もいいが、これだけ深みのある『ロミオとジュリエット』があるだろうか、というくらいに手を握って成功を願わずにはいられない。そしてラストの夜明けにこの原題の意味が、本当に灯がともるように浮かび上がる。素晴らしい映画だった。

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ONI

4.0良く出来た解り安い映画です

2025年7月15日
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楽しい

癒される

崩壊直前の家族に訪れた救世主は親父がはまった劇団
内容は見れば解りますが、人に必要なのは考えるよりも
行動し友を作り前え進み、解決策を考えたり教わったり
するのが大切ですという事。 長いレビューは愚作が多い
この辺で失礼

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hayato

4.5良作

2025年7月15日
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あらすじから受けていた印象と違ってめちゃくちゃ繊細な家族の感情の機微を丁寧に描く良作だった。
主人公ダンの感情や戸惑いや家族との関係が、「ロミオとジュリエット」に同期して伝わってくるあたり、魔法のようにすべてが解決する訳じゃないけど救いがちゃんと見えてくるあたり、脚本の上手さが際立つね。
ダンの家族の演者さんたちが本当に家族だというのは驚き。皆さん素晴らしい演技だったので。
エンドロール内の英語のメッセージだけでなく日本語のメッセージを最後に加えてるのも素晴らしい。日本の配給チームにも賛辞を。

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ぱんちょ

4.5何か向き合うものがあるのは良い

2025年7月13日
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中盤くらいまで、ダンたち家族が3人とも怒りっぽかったり、デイジーは言葉使いも良くないから、あまり好感が持てない。
なにかあるのは察しがつくけど、その原因がはっきりしないまま、それぞれが負の感情を押しつけ合うから、少ししんどい。
本当に壊れた家族ではないのは救い。
理由が分かった後でも、なかなか自分を納得させられないのは理解できる。

演劇にきちんと向き合うようになってからはダンも柔らかくなっていって、途中から役者交代したかと思うくらい表情が違う。
『ロミオとジュリエット』とリンクしていて、ロミオを理解して演じることによって乗り越えていく。心の再生という言葉は、安直な気がしてあまり好きではないけれど、まさにそういうことなんだろうな。

途中で辞めた若い役者が、ジュリエットが歳とりすぎだの、インティマシーコーディネーターつけろだの言ってたのはちょっと面白かった。町のコミュニティ劇団で何言ってんだ。
歌舞伎では、70過ぎても吹輪に花かんざしで姫君演ってる方いますよ。
映画やテレビドラマでは、あまり実年齢との開きは少ないけどその点、演劇は自由なのが面白い。

ざっくりとしか知らないから、『ロミオとジュリエット』も観てみよう。

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コビトカバ

3.5伏線と重なると 納得の仕上がりに。

2025年7月10日
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大切なのは 人との関わり合い かもね。
良くできた物語でした。
トラウマその他 人には悩み事多し
解決の糸口が 見つかって 良かったです。

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Hammer69

3.5普通にいい映画で、普通に感動する

2025年7月10日
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鑑賞方法:映画館

ある重大な問題に苦しむ家族の物語。
偶然、出会った演劇。
しかも題材はロミオとジュリエット。
奇をてらう訳でなく、あまりにも実直に、
役者の演技や丁寧な描写の積み重ねで、育まれていく、そんな映画。
人生における2時間前後の時間を、こういう作品で優雅にゆったり過ごすことは贅沢なことかも知れない。

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ケージ

5.0演劇セラピー

2025年7月8日
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お父さん役の俳優の演技が素晴らしく、中盤から涙が止まらなかった

後でわかったことだが、妻と娘役は実の家族だとか

演じることになった「ロミオとジュリエット」と家族の悲劇がシンクロしてクライマックスへ

基本コメディなので飽きずに楽しめる作品

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たれぞう