「めずらしくド直球」ベートーヴェン捏造 ゾアさんさんの映画レビュー(感想・評価)
めずらしくド直球
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バカリズムの脚本という事で軽妙な会話劇を期待すると肩透かしを食らう。ほぼひねりのないナレーションで展開する話は、とても分かりやすいが退屈。
予告もミスリードで、おかしいのは偏屈親父のベートーベンでなく、彼を狂信する秘書のシンドラーです。
ただし最後の方のシンドラーと音楽ジャーナリストの問答は、山田裕貴の名演もあって熱がある。対話のあとのシンドラーの姿には、偉大な伝説を捏造によって守り切ったという達成感に凄みがあった。
その後現代に戻っての先生と生徒の会話は、シンドラーの捏造は、その方が「面白い」、それによって「利益がある」と思われて守られた、という軽いものにされてしまう。去り際に生徒は、先生から些細な秘密を守ってねと言われ、「言いませんよ、利がないから」と笑っている。
物事の本質は関係ない、面白いか、何か利益があるか、というノリで動いているネット社会を穿つ話、というのは深読みすぎるかな。
生徒は先生に何か思う所があれば、いかようにでも脚色して先生の些細な秘密を広めるだろう。
「デスノート」を、山田裕貴をライトにしてリメイクしたらけっこうイケるのではと思いました。
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