「偶像の守り人」ベートーヴェン捏造 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
偶像の守り人
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ベートーヴェンにもクラシックにも暗いため史実との比較は出来ないが、面白かった。
導入は現代の学校から、古田新太や生瀬勝久をカメオ出演的にチラ見せ。
音楽教師が生徒に語る形で、シンドラー目線のストーリーが展開されていく。
テンポもよく、構成に無駄がなく入りやすい。
豪華俳優陣が素通りするような贅沢な使い方だが、そのお陰でキャラ渋滞による混乱もナシ。
演技は全編に渡り申し分ないのだが、やはり山田裕貴が素晴らしい。
音楽教師とシンドラーの演じ分けは勿論、終盤は老けメイクの微妙さをカバーする好演を見せる。
声優も上手いだけに、ナレーションも聞き易い。
染谷将太も絶妙で、抑えた芝居と一瞬の激昂、その後の気圧される様子がそれぞれを引き立てていた。
背景はCGどころかモロに“絵”という場面もあったが、時代の雰囲気との相性で悪くない。
衣装とか書籍とか、時代考証的におかしなところもありそうだが、そこをツツく作風でもないし。
そのあたり、かなり自覚的にやってる印象。
バランスコントロールの巧みさは、最終的なクオリティに直結すると改めて感じる。
正直、思ったほどベートーヴェンがぶっ飛んでないし、笑いどころも多くない。
原作があるようなので、バカリズム色を期待していくと肩透かしを喰らうと思う。
この辺はプロモーションの弊害か。
自分もそのクチではあったが、単純に作品として見れば完成度は高かった。
締め方にキレが無かったのが非常に惜しい。
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