おーい、応為のレビュー・感想・評価
全175件中、141~160件目を表示
優しい蟷螂
葛飾北斎の三女にして弟子の葛飾応為こと栄の話。
絵師の夫にダメ出しし、北斎のもとに出戻って始まっていく。
残念ながら葛飾応為という人物のことは知らずに観賞したけれど、北斎のもとに戻ってから、なかなか絵を描くことはなく、ぷらぷら出歩いたり、北斎の弟子と話しをしたり、北斎とぶつかったり。
いよいよ筆を持ち、応為の画号をもらっても、これと言って絵師「葛飾応為」として大活躍する様子をみせるわけでもなく…一応、応為が主人公という体ではあるけれど、晩年の北斎がメインの様な感じ?
しかも山場である筈の北斎が旅から戻って来てからの流れはなんだか冗長気味で、全体を通してみても、つまらなくはないけれどこの主人公で何をみせたいのか良くわからなかった。
「北斎の娘」ではなく、キャリアウーマンの先駆けとしての女性像を、もっと掘り下げてもらいたかった
主人公のお栄(応為)が、夫に罵声を浴びせて家を出る冒頭の描写こそ、彼女の気性の激しさが感じられて印象的なのだが、それ以降は、細切れで断片的なエピソードが淡々と綴られるだけで、一向に話が転がり出さない。
失恋したことを契機として、お栄が絵筆を取るようになっても、絵師としての彼女の活躍に焦点が当たる訳ではなく、火事を美しいものとして捉える感性や、盲目の妹や愛犬の死といった出来事が、お栄の画風にどのように影響したのかが分かるような描写もない。
確かに、お互いに似た者同士で、だからこそ、相手を思いやりながらも、ぶっきらぼうでつっけんどんにしか接することができない、北斎とお栄の不器用な親子関係はよく描かれていると思う。
だが、その一方で、同じ絵師として、師弟であり、ライバルでもあったはずの2人の関係性が、ほとんど認識できなかったことは物足りないし、偉大な父親と比べられるという宿命を受け入れ、絵師という道を選んだお栄の覚悟や、そこから生まれる葛藤のようなものがまったくと言って良いほど描かれなかったことも、残念としか言いようがない。
あるいは、再婚もせず、己の絵の才能だけで身を立てて行くお栄は、キャリアウーマンの先駆けとも言える存在なのだが、その割には、現代の「働く女性」を応援するようなメッセージが感じ取れなかったところも、せっかくの題材を活かしきれていないように思わざるを得なかった。
長澤まさみが、お栄のキャラクターにハマっていただけに、「北斎の娘」としてのお栄だけでなく、1人の独立した芸術家としてのお栄の生き様を、もっと掘り下げてもらいたかったと思えるのである。
長澤まさみさんがメチャクチャ色っぽくて綺麗でカッコいい!
の一言に尽きる作品
想像・期待していたのとは全く違う作品でちょっとガッカリ、あまり公に語られて来ず、知る人ぞ知る葛飾北斎の娘 応為さんの人生が語られると思って楽しみに観たものの、対して彼女の事が深く語られるわけではなく、北斎との“暮らし”が淡々と描かれただけでさっぱり面白くなく、総じて抑揚の無い冗長な演出で正直とても退屈に感じた、
応為さんは父と肩を並べるほどの絵師と言われているけど、その凄みが全く描かれていなかったのが残念、みんなが興味あるのはそこじゃないのかな?
いつも不機嫌そうで、気だるい感じにしていて、キセルを燻らせながら汚い言葉を吐き捨て、時に父親を罵倒する、史実的にそういう人だったかもしれないけど、そういうとこよりも絵を描くくだりをもっと掘り下げて見せてくれると思ったので、そういう意味の“期待外れ”です
全般的に汚い言葉が飛び交う上、セリフが無いキャラクターの動きが止まった微妙な間が続くシーンが多く、さらに意図的と思うが手持ちカメラ撮影みたく画面が揺れまくる前半、等々で総じて落ち着かない、心地の悪さを感じた作品でした
しかも前半は永瀬正敏さん演じる葛飾北斎と長澤さん演じる北斎の娘 応為さんが怒鳴り合うシーンが多く、正直「大丈夫かコレ」と思いながら観始めました
ストーリーもなんかよく分からず受け取れず残念
と、全体的にイマイチなんだけど、長澤まさみさんの大ファンだから眼福だけでもったような作品でプラス0.5点、それだけが救いの作品、もっと応為さんの破天荒で知る人ぞ知る名画の誕生秘話が描かれるジーンと熱い作品を期待していただけに残念な作品でした
長澤さんが凄かったけど、永瀬さんの北斎の怪演も素晴らしかった、「国宝」に続き、素晴らしい存在感のある役者さんの演技に感服しました
神推しする娘の応為
おーい、応為
絵筆の筆致が誰よりもよく観える応為
美しいものが好きで、北斎の弟子の夫や兄弟弟子の流行浮世絵師などを次々と振って父をリスペクトする応為
武家が北斎に襖絵の制作依頼するが、金と権利で絵筆を取るのを北斎は拒否。
武士は本意を抜刀して自分の命と差し違えを訴える。
そんな武士の面前に進み出て、北斎の代わりに命を差し出す応為
これは単なるファザンではない。
ゴッホの弟テオではないか!
まさに、火事で家を捨てて富嶽百景の写生の旅に出て、北斎が応為の自立と別離を勧めた応答が応為おーいでした
天才絵師が父であろうと、その人は神に等しく感じるのは致し方ない。
それが神推しなんだ。
レビュー30
( ̄∇ ̄)
おーい、応為
江戸時代を代表する浮世絵師・葛飾北斎の弟子であり娘でもあった葛飾応為の人生を、長澤まさみ主演で描く。
飯島虚心の 「葛飾北斎伝」(岩波文庫刊)と杉浦日向子 の「百日紅」(筑摩書房刊)を原作に、
「日日是好日」「星の子」の大森立嗣が監督・脚本を務めた。
浮世絵師・葛飾北斎の娘であるお栄は、ある絵師に嫁ぐが、かっこばかりの夫の絵を見下したことで離縁される。
北斎のもとに戻ったお栄は、父娘として、そして師弟として、北斎と生涯をともにすることになる。
2人が暮らす貧乏長屋は画材や絵で散らかり放題で、茶も入れられず針仕事もできないお栄だが、絵の才能だけは父親譲り。
北斎から「おーい、筆!」「おーい、飯!」と何かと頼まれることから、「応為(おうい)」という号を授かったお栄は、当時としては珍しい女性の浮世絵師として、絵を描くことに生涯を捧げる。
北斎の娘であり右腕であり、やがて類まれな絵の才能を開花させていく主人公・お栄/葛飾応為を、「MOTHER マザー」以来の大森監督とのタッグとなる長澤が演じた。
北斎役を永瀬正敏、応為の良き理解者となる浮世絵師・渓斎英泉を「King & Prince」の髙橋海人が務めた。
おーい、応為
2025/日本
( ^ω^ )
ちょと気になるBGMは、こんな人達かな?
大友良英スペシャルビッグバンド(OTOMO YOSHIHIDE SPECIAL BIG BAND)は、即興音楽の巨匠・大友良英がリーダーとして率いる大編成のアンサンブルです。
ジャズ、ロック、即興演奏、ノイズ、伝統音楽(盆踊りなど)を融合させた自由奔放なスタイルが特徴で、固定のバンドというより、プロジェクトベースのコラボレーション集団として活動しています。
メンバーはクラシックからポップス、フリージャズまで多様なジャンルのミュージシャンで構成され、総勢18名前後のフルメンバーで演奏します。
時代劇は好きだけど好みからは外れる
感想らしい感想を語ることができない、というのが私の抱いた印象。葛飾北斎について日本とわず海外でも有名な絵師ということは知っているけど、他のことはあまり知らないので、娘の応為を通して知れるのかなぁと思って鑑賞しました。けれど今一彼のことが理解できないままになってしまいました。浮世絵は素晴らしいし、犬の足跡を利用した桜の作品も感動しました。あとそれ以外は二人の親子生活を淡々と覗き見してる感じ。画面は揺れてるし(カメラワークのせい?)、長い無言の間、物語に起伏もなく、商人や庶民などいわゆるファンたちとの交流もない。物語の芯は親子の絆なのでしょうか?と疑問符をつけてしまいます。残念な感想になってしまって申し訳ありません。時代劇は好きだけど、好みから外れてしまいました。
おーい、飯 おーい、筆
お~いと呼ぶから応為
北斎の娘であり弟子、応為の半生を長澤まさみが見事に演じきる
冒頭から応為=長澤まさみの勢いある演技に圧倒され、
激しくもあり、おかしくもあり、実に破天荒な人物として描かれている。
絵を描くことに目覚めた応為が、父親である北斎(永瀬正敏)の言うことに
「はい」と素直に返事をするシーンは、これまでの破天荒さとのギャップもあり
グッときた。応為の本気度がうかがえるのだ。
応為が拾ってきた犬さくらに懐かれている北斎も実に微笑ましい。
やはり似た父娘であることをさくらもわかっているのだな。
初五郎(大谷亮平)に恋する応為が、初五郎から「妹みたいに思っている」と
言われてその場を去るシーンがせつない。
一方、善次郎(髙橋海斗)から強引に迫られるシーンで、引いてしまう応為の
反応も彼女の人となりがわかる。
実際に吉原に取材に行き、『吉原格子先之図』を描き始めるところもグッとくる。
ただ、絵描きとしてフォーカスはさほどしておらず、
父娘の関係を軸に描いた映画であることから、
実に淡々と進んでいく。
この淡々さが心地良くもあり、人によっては退屈してしまうのではないか。
父との別れのシーンはじんわり胸に沁み入る素晴らしい演技であった。
長澤まさみは圧倒的だが、永瀬正敏の北斎への憑依っぷりが凄まじい。
後半どんどん年老いていくが、もはや永瀬であることがわからないくらいだ。
このふたりの演技だけでも見応えがあるが、
ドラマチックでもないし、エンターテインはしていない
アーティーな映画だと思うのでヒットはしないと思う。
とはいえ、長澤まさみの応為を是非堪能いただきたい。
葛飾北斎の娘は強くて画才が有った
江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の娘であるお栄は、ある絵師に嫁いだが、かっこばかりの夫の絵を見下したことで離縁され、北斎のもとに戻ってきた。そして、弟子として北斎と生活をともにすることになった。お栄は料理も出来ず針仕事もできないが、絵の才能だけは父親譲りだった。お栄は、北斎から、おーい、筆!、おーい、飯!と何かと頼まれたため、葛飾応為(おうい)という号を授かった。お栄は、当時としては珍しい女性の浮世絵師として、絵を描くことに生涯を捧げ・・・そんな話。
北斎の娘に絵の才能を持ち合わせたお栄/葛飾応為という娘が居たことはわかった。なかなかの男っぷりというか、強い女性だったみたい。
その応為を長澤まさみがカッコよくて演じてた。また、北斎役の永瀬正敏もハゲのヨボヨボまで演じて素晴らしかった。
ただ、あまり見せ場もなく、それだけ?って感じだった。
砂糖と塩を描き分けろ!
意外と長澤まさみが応為役にハマるのではないかと自家アンテナが判断して観たが、美人は美人でも顔が濃くて江戸情緒にはそぐわなかった。物憂げな表情で汚部屋に居るのもしっくりこない。ただ、面相筆を立てて描く指使いは綺麗で、気風がよく、啖呵を切る姿は想像通りだった。
疑問なのは、父娘の絵を褒める人間がひとりも出てこないと言うこと。二人を称賛した“世間側”が全く描かれず、カメラが追うのは小汚い部屋で『描く、食う、寝る』だけ。父の弟子であっても、懇切丁寧に技を伝授されることなく、同じ空間に居るだけだから、見習いの料理人のように味を盗むしかなく、もし応為に天賦の才が無かったらパシリで終わってしまっただろう。
私自身の仕事柄、“親子共に画家”であるお宅に伺う機会があるが、よく見聞きするのは、尊敬し合う親子関係ではなく、えげつない妬心や辛辣な批評である。だから、映画の父娘が本音をぶつけ合う会話が愉しくて仕方がない。隣家の火事シーンで類焼が避けられないと悟ったふたりが『要らねえな』と言い合い、アッサリ家を捨ててしまう場面は特に興味深かかった。
また、応為が北斎のゴーストライターであるとする話が在るが、敢えてそれは無粋であると言いたい。父娘分業、共同作業でよいではないか。芭蕉にしてもその著作は殆ど弟子によるものなのだから。
ストーリーに起伏は無く、俗衆の中に埋もれている世捨て人父娘の日常が淡々とつづられる。飼い犬の死、妹お猶の死、弟子善次郎の死、行き倒れの屍を尻目にフラフラになりながら行き交う過酷な富士山詣でが描かれたりする。そして昇天する黒い龍を描き終え、うっ伏したまま絶命した北斎のコロリ往生。
まったく動揺すること無く、こざっぱりとした着物姿で劇中初めて“正座”する姿を見せる応為。その凛とした佇まいは美しいが、心には“無常観”しか宿っていないかのごとく眼差しは虚ろなままだ。
表題の『砂糖と塩』画家を志す者に対する象徴的な命題。美大の受験科目によく出るヤツです。
追記
隠棲している父娘のやり取りをいったい誰が記録したのか?  多くは弟子達の口伝なのだろうが、あやしいエピソードがいっぱいある。応為の、吉原取材などは後付けだろう。“中で働く”ならともかく、女子が大門をくぐって見学する自由はないはず。また、北斎絶命のシーンも出来過ぎだ。水に映った月を掬おうとして溺れたと伝わる詩人の李白の例もしかり。まあ、そのような噺はあまた存在するのだが……
良い感じ
父と娘の
北斎の晩年
全くピンと来ない映画
葛飾北斎は2度結婚しており、それぞれの妻との間に一男二女をもうけている。お栄は三女で、兄妹の中で唯一父と同じ画業に進み、一度は嫁ぎながら出戻って、北斎の晩年の 20 年ほどを一緒に暮らしている。お栄を主人公にしながら、この映画はほぼ北斎の晩年に焦点を当ててあり、史実をなぞるような描き方をしているが、かなりのフィクションを盛り込んでいる。
北斎は生前から高名な絵師で、あちこちの大名や豪商の招きを受けて旅先で大作を残しており、謝礼もかなり高額だったが、金銭に無頓着だったため、貧しい生活をしていたとされている。北斎もお栄も食事の支度を一切せず、出前で食事をして済ませていたらしい。転居癖もあって、火事の多い江戸に住みながらずっと家が焼けることはなかったが、遂に大火に巻き込まれて焼け出されてしまったようだ。
お栄が離縁されて出戻るところから物語は始まるが、相手の素性や出戻った時の北斎の暮らしぶりなどは何の説明もなく、かなり唐突に物語の世界に連れて行かれる。音楽がジャズ風なのが非常に違和感を覚えた。いくら貧乏暮らしといっても、寝起きするにも窮屈そうな狭い家では、マトモに絵など描く仕事場には使えそうにない。まず、その辺から釈然としない想いに駆られた。
お栄の容姿について、北斎は自分に似て顎が飛び出てエラが張っていると書いているので、決して美人ではなかったと思われるが、長澤まさみはその点ミスキャストではなかったかと思う。お栄は多くの美人画を残しており、北斎も美人画はお栄に負けてると書いているので、コンプレックスの裏返しではなかったかと思うのだが、長澤まさみではそのモチベーションは出せないはずである。
それにしても、お栄は北斎の描く春画の色塗りまで手伝っていたというのだから、想像を絶する親子関係だったのではと興味は尽きないが、この映画ではあまり深掘りはしていない。北斎はやたらお栄を邪険に扱うが、他人には感謝していると伝えているようである。これは古来の日本の男の悪癖で、当人に向かってちゃんと感謝が言えないという悪しき伝統である。
物語は淡々と進められ、ほとんど起伏がない。盲目の弟というフィクションを加えたため、会いにも行かない北斎は非常に冷酷な人間という誤解を与えている。北斎の凄さは時々その絵画を見せて示しているが、絵が上手くなるためには何だってするというハングリーさを描けていなかったように感じた。せめて、火事で折角の作品が燃えてしまうシーンがあればとも思った。
2021 年の映画「HOKUSAI」も同様で、一体何が描きたかったのかと戸惑わせられたが、払拭してくれるかと期待した本作も、残念な出来だった。手持ちのカメラで撮影したために揺れ続けるシーンの意味が分からなかったし、逆光のシーンは黒が薄くて素人臭かったし、音楽だけがやたら現代的だったのにはどんな意味があったのだろう?肩透かしを食らった映画だった。
(映像3+脚本2+役者3+音楽1+演出2)×4= 44 点。
正直、長かったなー。途中で「まだ終わらないのかな」と思ってしまうく...
正直、長かったなー。途中で「まだ終わらないのかな」と思ってしまうくらい。演技の見応えも話の展開も単調で、ずっと同じ調子が続いていた感じだった。
長澤まさみは、うまい下手というより“現代っぽさ”が抜けきれていないというか、風景や時代の空気に溶け込んでいなかった。
なんだか彼女だけ違う場所に立っているようで、物語の中に入り込めなかった。感情の起伏もうまく伝わってこなくて、少し上滑りしているように見えた。
その一方で、寺島しのぶは出番こそ少なかったけど、短い時間でも心に残る演技だった。自然に引き込まれる感じで、やっぱりうまいなーと思った。
応為の物語として見ると物足りなさが残るけど、北斎の話として見れば、それなりに楽しめた気もする。予告編の印象そのままで、特別良くも悪くもなく、「予告以上でも以下でもない」って感じだった。
長澤まさみだからあまり期待していなかったけど、そのままの結果だった、というのが正直なところ。
師弟の絆、父娘の絆、絵師の絆が深く描かれる
プロデュース失敗?
観たあと、絵が恋しくなる映画
全175件中、141~160件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。

 
  










