おーい、応為のレビュー・感想・評価
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ひたすら淡々
淡々と月日が流れて行きます。
起承転結と言いますか、盛り上がり所はどこ?と言った感じで、約2時間が長~く感じました。
ハッキリ言うと退屈した、です。
この映画の主旨がよく分かりませんでした。
お栄は、何かを求めて足掻いているのか、自分らしく日々を生きているのか、どちらともとれます。
話のベースになっていると言う、杉浦日向子さんの漫画、百日紅のファンなので期待していましたが、ほぼ一つのエピソードのみ、他にちらほらとはありますが。
地獄絵のエピソードだったら良かったのに。
彼女が実際に地獄絵を描いた事実が無いからでしょうか。
お栄(応為)よりも、北斎が主役っぽいです。
善次郎も初五郎もほんの脇役でした。
長澤まさみさんは好きな女優さんですが、ちょっと合わない感じがしました。
永瀬正敏さんの北斎は凄く良かったです。
偏屈頑固じいさんっぷりが特に。
光、明かりの表現は良かったですね。
時代の空気を感じました。
絵を描いているシーンが思っていたより少なかったです。
ラスト30分位から少し多くなりました。
北斎があの絵の前で、、知っていると北斎がどうなっているか分かるので、驚きは無かったです。
映画館で観なくてもよかったかな、と言うのが正直な感想です。
観賞後はもの悲しい気持ちになりました。
興味を持たれた方には、漫画「百日紅」をお勧めします。
アニメ化もされていますが、絶対に漫画の方が良いです。
何だか、漫画の宣伝みたいになってしまいました。
江戸時代の話で、西暦表記の年号だけクレジットするのは最低でもやめてね。
お栄が出戻ったのが文政三年という設定で、北斎が亡くなった嘉永二年まで40年近く一緒に暮らした父と娘の物語である。(ちなみに嘉永六年にペリーが来航している。そんな時代)
タイトルから。「おーい」と呼ぶから「応為」の雅号になったわけだが、ほとんどの人が間違っていてこのサイトの説明も間違っている。「おーい」と北斎がお栄を呼んでいるのではない。逆にお栄が父親を「おーい」と呼んでいたのである。
原作のひとつ、飯島虚心の「葛飾北斎伝」には、お栄が「オーヰ、親父ドノ」といへる、とある。一方で北斎はお栄のことをその顔の特徴から「アゴ、アゴ」と呼び慣らしていたようだ。「葛飾北斎伝」は明治26年の出版。北斎死後40年以上たっており、直接交流のあった人はほとんど物故者で又聞きではあるものの第一級の史料である。特にお栄についてはこれ以外の史料は存在しない。(本人の手紙とかは残っている)
「おーい」について話を戻すと、北斎とお栄=応為は、父と娘であり、師匠と弟子であり、共同制作者であり、同居者である。密接かつ濃厚で常識はずれな関係を象徴するのが、娘が父を「おーい」と呼び、父は応為という雅号を授ける逸話にある。だから私はこの二人を題材とした作品のタイトルとしては実にふさわしいと思っている。
さて、今、父と娘の密接かつ濃厚な関係と書いたが、この映画作品はそこを中心に父娘の日常を描こうとしたようにみえる、でも失敗している。
原作はもうひとつあり杉浦日向子の「百日紅」である。30の短編で構成される連作漫画。映画ではうち「野分」がほぼそっくり採用されている。この作品にこそ、お栄とその盲人の妹が登場するが、他の「百日紅」の短編には北斎とお栄はあまり主役として登場せず、周辺の者たち、善次郎や初五郎、国直や国芳らが主役となる愛憎や因縁、怪異ばなしなどが語られている。ここでは、北斎とお栄は最初から日常的にしっかりと結びついていて、物語の核となっている。
ところが、映画では、周辺の者たちへの言及はなるべく省いて、北斎とお栄の結びつきをもう一度、一から描こうとしているようにみえる。例えば、応為の作品である「吉原格子先之図」(応為の代表作であり実に魅力的だが不思議な作品)を、北斎が「俺の絵じゃない、お前にしか描けない絵だ」っていうところなんかは原作にはないオリジナルで父と娘のたどり着いた心境をうまく表していると思う。
でも、大部分はうまく行っていない。その理由はたくさんありそうだ。まずは役者が説明的にかつ自己主張強く、大声で常にセリフをいうところに閉口した。そして特にこの「女優」が全く役柄に合わないとも感じた。手足が現代的に長く、常にびっしりメークしたツルンとした顔をして、時代を経た設定ながら年もとらない。画工には見えず、父や母、兄弟子などへの複雑な感情も表現しきれない。貴女は何をしようとしてこの作品に出演したのか?ミスキャストである。
「葛飾北斎伝」には「異相」という表現がある。まあ個性的であるということである。三浦透子さんや若いところでは売出し中の奥山葵さんなんかを起用したら面白かったと思う。
キャスト以外にも撮影にしても美術にしても音楽にしても、江戸情緒というものを基本に考えたとき、駄目すぎるのだけど、長くなってしまうので以上で。
映画はあまりおすすめできません。でも「百日紅」は素晴らしいですよ。
応為から見た北斎映画
江戸時代ロードムービー
葛飾応為の肉筆画が好きなので鑑賞。
江戸時代のロードムービー的ないい意味で抑揚のない映画だった。
長い人生を長い時間をかけてみた感じ、きっと特別な人ではない人の人生はこのくらいのスピード感なんだろうな、と。
浮世絵・江戸風俗好きとしては丁寧に作り込まれた小物や背景が楽しく、物語は動かなくも画面を見ていて楽しかった。
全体的な画面の暗さ(からの光の取り入れ方)、火事と火消しのシーンは、吉原の絵につながることを予感させてよかった。
蚊帳のシーンで、「百日紅(杉浦日向子)」をモチーフに使っているのだなと気づいて嬉しかった。
永瀬正敏さんの北斎がいい、長澤まさみさんはきれいすぎたかな、という印象。
全体的に北斎との親子関係がメインになっていて、それはそれで良かったのだが、個人的には応為にフォーカスした「眩(NHKドラマ?)」の方が好きだった。
女性でも出戻りでも、絵を描く才能が溢れてしまう感じがなかったのが残念。
エピソードが物語的に結実せずに消えていってしまう
長澤まさみが軽快に演じるも、美しすぎるルックス・スタイルが、どうしても当時を生きる女性に感じられない。 抑制のきいたオフビートのアート系の作風だが、応為の半生をエンタメ系に普通に描いてもよかった。
北斎の娘、応為の半生を描く。
絵師としてよりも、自由奔放ながらも特に親子の関係に苦悩する応為を、長澤まさみが演じる。
さばさばとした性格が心地よい中に悩む姿も演じられるが、現代風で長身のスタイルの良さ、ルックスの良さが邪魔をしてか、どうしても当時の女性には見えない。
また、情念やドロドロした部分が感じられないのは、意図したものかもしれない。
北斎ともまた違った、現代のイラストのテイストがうかがわれるような応為の作品は素晴らしい。
今から200年前の庶民の日常生活や風情が、リアルに描かれていて実に面白い。
作品としては抑制が効いた説明しすぎないオフビートのアート系、ミニシアター系の作風と感じる。
しかし、応為が絵師としての成長や、周囲の反応や時代の移り変わりなど、もう少し普通にエンタメ系に描いてもよかったとも思う。
永瀬正敏の北斎が素晴らしい。
啖呵の切符の良さ
私個人としては、「よき邦画を観た」とめっちゃ満足できましたが……
『日日是好日』『MOTHER マザー』でも思ったけど、大森立嗣監督は(役者でもあるし)、かなりの邦画マニアかも。
説明セリフを極限まで減らし、行動や表情で感情を語らせる、 岡本喜八・小津安二郎・木下惠介・黒澤明など古典と化した巨匠の影響があちこちに。
これだけ説明を省くと、昨今の宣伝広告動画に釣られてくる層には、「わからん」ってなるんじゃないかと心配になりました。
原作は北斎の書簡や伝聞をまとめて為人を著した飯島虚心の伝記『葛飾北斎伝』と、杉浦日向子の漫画『百日紅』。
冒頭、離縁シーンから始まるが、元夫の名は出てこない適当な扱い(南沢等明だったかな?)。
原恵一監督のアニメ映画版『百日紅』と同様に、ちゃんと犬を拾って飼います。
犬がめちゃくちゃかわいい。
盲目の妹との『百日紅』で有名なエピソードもありましたが、作劇基本は応為の生き様そのものを描くこと。
なんで北斎の元にいたのか、絵師として何を求めていたのか、というのが主軸。
観終わって、「親子揃って『クリエーター』って素直じゃなくてめんどくせぇ」ってのと、応為がいわゆる女らしさは持っておらず「豪快でハンサムな絵師」であったということか。
性別を超えた「啖呵の切符の良さ」を考えたら、この配役は納得。
ただ、設定年齢相応の老けメイクをしていく北斎役の永瀬正敏に対して、かなり後年にやっと白髪が入る程度で加齢を感じさせない長澤まさみは、不老の妖怪か仙人。
おかげで年号表示は出るが、「出戻っていま何年経つ?」というのが、混乱してわからなくなってしまうというバグを、長澤に仕掛けられたように感じました。
北斎の家事で才能を浪費した人、になっちゃってて魅力激減
葛飾応為こと、北斎の娘お栄については、詳しいことは分かっていない。
だからどんなお栄を描くかは、表現者の自由。
ワタクシが今まで読んだ(観た)のは
杉浦日向子著「百日紅(さるすべり)」(1983〜88連載)
とそのアニメーション(2015)。
「嫁入り前」のお栄を描いている。
朝井まかて著「眩(くらら。2013)」はお栄の一生を、
とくに「嫁入り後」を中心に描いている。
どちらも、いろいろ違いはあるものの、お栄を、
北斎の代筆も務めるほどの実力者と認められていたにもかかわらず
表に出ようとはしなかった存在
としていた点は共通。
というのも、第一人者久保田一洋さんらによる最近の研究では、
北斎作とされているものの中に
少なからぬ応為作品が含まれている可能性が大きいというのである。
  *  *  *
映画「おーい、応為」では、残念ながらお栄の人間像は、
「好きな絵は(なんやかんやの末)描くようになったけれど、北斎の家事で才能を浪費した人」
とされていた。
(「眩」では、嫁に行こうが出戻ろうが、描くことはずっとやめない)
北斎の代作の話など、
つゆほども出てこない。
だから前記2作品と、ベクトルが180度異なっている。
これがワタクシには、受け入れられない。
魅力激減。
最後まで観るのに忍耐を要した。
そういう本筋に加え、
個々の場面の台詞と演出も、不出来と言わざるを得ない。
とくに善次郎は、惨憺たるものだった。
「百日紅」から借用した場面も、
とってつけたような感を否めない。
結局、監督(と脚本家)は、
何がしたかったのだろう。
  *  *  *
応為つまりお栄の作であることが確実な傑作
(であることが後世わかった)
「夜桜美人図」と「妓楼格子先図」は、映画でも描かれた。
それがまあ、救い。
長澤まさみさんの
主人公は北斎?
応為がファッションモデル?
長澤まさみに遠慮したのか、もっと汚れの応為を期待してた。セリフの少さに心情を役者の間で表現させようと意図したのかも、でも周りの役者と絡まっていない。
カメラワークも下手。
NHKで宮崎あおいが演じた応為が全然良かった。
残念。
応為の、ではなく応為と北斎の物語
長澤まさみさんは何をどうとっても絵になりますね。
着崩した着流しも、無造作に纏めた髪も、それだけで格好良く見えるというのはさすがとしか言いようがないです。
話の方は応為の半生を描くという建前ですが、出戻ってからずっと北斎と一緒にいるので、実際のところ親子2人のストーリーという感じです。
ただ、あくまでもメインは応為なので、北斎にフォーカスするシーンはありません。
・気になった点
どこかしら連ドラ総集編を観ているような感じがしたのは、シーン転換が多かったからですかね。
まあ、長い期間を描くんでエピソード毎に切り替えがあるのは仕方ないんですが、ストーリー的な繋ぎがなくポーンと話が切り替わるので、特に前半〜中盤は少し気になりました。
・良かった点
寺島しのぶさん演じる母親に「赤を身につけると女は優しくなる」と言われた以降、応為が美人画を描くシーンでは袖口を赤く塗っているカットがあります。
自分はそういった着方はしないのに、女性を描く時はいわゆる"らしさ"に気をはらうんだなぁと、個人的に気に入った描写です。
・総評
主演の長澤まさみさんを観るための映画って感じですね。
史実では、北斎作とされているものの中に、かなり応為作があるという説もあったり。
劇中は応為が絵で評価を受けている様子が薄かったので、ストーリー的にそのへんも織り交ぜていけばよかったのになーと思いました。
永瀬さんは熱演ではあるんですが、演出が少し過剰かなーと。
この辺は大森監督がお好きな方は気にならないかもですが…
やり直しが、効かないので
 例えば、ハラミちゃん。音大を出た後、一般企業に入社したのですが、どうにも落ち着かず、知り合いの勧めで、ストリートピアノに、向かい合うことにしたそうです。突出する何かを持つ方は、突出する世界に納まるみたい。
 そうではない私には、突出する世界の苦労は、分かりません。たださ、生涯を掛けて描く私達の生き方も、過去に戻って、やり直しが効かないのは、同じかなぁ、と。
 今日の仕事の出来は、ひどい有り様でした。自営業なら、収支がマイナス状態。それでも、映画を観てきました。今日、見逃すと、やり直しが効かない気がしたからです。
 そこまでして私が探しているものって、何だろう。私の生涯を通じて、手に入れたいものって、何だろう。スクリーンを通して、よそ様の人生の、何を知りたいのだろう。その何かを探すのが、私の生涯かもね。
 二つの原作を、一つにまとめた映画だとか。珍しいですね。「百日紅」は、杏さまが、応為姐さんの声を担当した映画版がありますね。観比べると、鉄蔵爺さんの描き方が、ちょっと違うので面白いですよ。
 この映画ですが、光の使い方が好き。水木しげる御大が遺していますけど、電気のない時代、今以上に夜が暗かったそうです。だからこそ、妖怪も、大勢いました。当然、家の中は昼でも暗い。そんな仄暗い世界を、覗き見した気分です。
 ごめんなさい。やっぱり私、北斎より、歌麿や、鈴木春信が好き。ただ、この映画を観て、何故、鉄蔵爺さんが富士の山に取り憑かれたのか、ちょっと共感できるようになりました。それだけで、レベルアップした気分。私も、富士山を間近で見たら、富岳三十六景の続編、描けるかしら。応為姐さんの生き方、真似できるかしら。もっとも、今の私は、応為姐さんに罵倒される旦那レベルの人生かなぁ。ま、それでも、いいや。私の生き方は、私だけのものだし。映画館で、自分の生き方と、他者の生き方を比べる日々を、止めるつもりもないし。それが私の、やり直しが効かない生涯かもね。
 次は歌麿さん、映画にならないかなぁ。因みに、歌麿さん、春画を描いたのがバレて、手鎖で拘束、自宅軟禁の刑にされたことあるそうです。そんな歌麿さんから見たこの世界は、どのように映ったんですかね。それに、歌麿さんの元絵を、浮世絵として世に広めた彫師と刷絵師の苦労話も、見てみたいものです。
美術史を学ぶ
豆知識を必要とする映画ですね。事前に美術展ナビの記事を読んで鑑賞しました。この分野の専門家が観るとThemeのひとつは光と闇だそうです。確かに冒険活劇の様な明快な色調に比べ何か落ち着いていて陰影に富んでいた。🤔その様な感覚を自分は憶えます。この作品に登場する葛飾応為は家父長制の中にあって破天荒であるけれどもそれは型破りなだけで決して形無しではない🤔🧐彼女の内面を概念的暗喩として火若しくは炎で現している。そして物語のClimaxである《吉原格子先之図》を連想させる場面では「張見世」を応為が眺めているのだが演出だと理解しつつも終始 無表情なところが印象に残ります。映画は面白く愉しめたが如何せん生産性を求められる現代を生きている者にとっては最初はこの時間軸に合わせるのに少々戸惑いました。🤣大森立嗣氏が『日日是好日』と同様に本作も監督を務めました。樹木希林さん曰く所作を最初から学ぶ その効果は必ず画面に表れる。『おーい、応為』では東京藝術大学出身の専門家が指導・監修を担っています。長澤まさみさんの長い筆を持つ手が美しい 永瀬正敏さんの絵と向き合っている佇まいも素敵です。 あと2回は観るかも🥰😆🤗
天才の娘の焦燥
全175件中、61~80件目を表示
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