劇場公開日 2025年6月20日

「黒人差別の歴史に、音楽映画と虐殺ホラーが同居するバランスの妙」罪人たち コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5黒人差別の歴史に、音楽映画と虐殺ホラーが同居するバランスの妙

2025年6月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

黒人への差別と搾取に満ちた怒りの塊を、良質な音楽と過激な暴力で包んだエンタメ作品でした。
禁酒法の時代を舞台に、元ギャングだった黒人の双子が故郷で一獲千金を狙って、黒人向けの歌と踊りの酒場(ダンスホール)を作ったところ、次々に襲撃者が!
やってくるのが、夜は吸血鬼(しかもかなりゾンビ寄り)、昼は白人至上主義 のKKKどもで、掃いて捨てるほど湧き出て、いつまでも黒人を殺しに追いかけてくるのは両者とも同質という、痛烈な皮肉。
理不尽な暴力に対抗する手段は、家族や友人との絆であり、自分が死んでも一族の幼い人間を守るという高潔な魂だという姿を描いた、重厚な社会的メッセージを持つアクション・サバイバル・ホラー作品でした。
全編に流れるリズム&ブルースのかっこよい“音楽映画”と、チープな大虐殺ホラーが並行して存在するバランスの妙。
しかも、70mmフィルムカメラによって撮影され、1.43:1と2.76:1 の2つのIMAXが生かされた画面構成の巧みさ。
満足度が高かったです。

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コージィ日本犬
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