罪人たちのレビュー・感想・評価
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ケルトxブルース。民族音楽が備える魔術性、集合的無意識の内なる狂気性、異文化の遭遇・衝突で顕在化する供犠と血の儀式としてのホラー性。
ケルトxブルースの音楽映画。それとホラー映画とがいったいどうしたら結びつくのか? ホラー映画の劇伴が、ゴブリンでもクシュトフ・コメダでもトム・ヨークでも無調でもなく、刺激的な音響効果にもよらない・・民族音楽(フォーク)がそれ自体に備える「魔術性」という本質から迫るホラー映画の画期であり、おそらくは歴史的に最高峰に位置づけられる作品。
音楽映画としても十分に楽しめます。劇中、劇伴20数曲、約60分の名曲鑑賞。中盤でのサミーの「I Lied To You.」・・悪魔の音楽に惹かれて召喚される罪人たち、異空間の様相を呈するバー、時間を超えた「サバト」の出現。ラストの抒情的な対面シーンで重なるサミーによる「Travelin'」・・演出も仕掛けも心憎い。
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以下では本作に関連しての長い追記。
【問】 (一気に)なぜ、差別が生まれるのか?
本作品は、差別を指摘して倫理的に教化しようというありがちな平板な構成では全くない。いわゆるポリコレでも全くない。説教せずにエンターテイメント要素を通じて個々人の内面に働きかけ問いかけます。
【答】 差別が生じるのは、根源的には未知のものに対する「恐怖」から。その恐怖が社会的距離(階級・貧富・・)や文化的距離(宗教・言語・習慣・・)を通じて増幅される時、未知なる対象は「敵」として認識される・・敵対のために距離を作り出すことが差別であると思っています。
民族色を残す、民俗・文化としての「音楽」もまた然りです。それは違うということの直喩的な記号でもあるから。★
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【本作のホラー構造】
・ 多くのホラー作品では、外見上の異質性を強調して、デフォルトでの敵認定を所与に、映像・音響で恐怖感を演出していきます。
・ 本作では、そうした「偏向バイアス」(予断)をリセットして、フォーク(民族音楽)の持つ音楽性≒魔術性を切り口に、ホラーを解体して再構築しています。★
・ そのプロセスを概観的に記すと、①フォーク(民族音楽)の「魔術性」の提示→②個々のフォーク(民族・部族・コミュニティ)の「集合的無意識」、そこに秘められた内なる「狂気性」の提示→③フォークの遭遇・衝突で顕在化する敵意と供犠と「血の儀式」ということになります。(マイ解釈)
・ 本作とよく似た構造を持つホラー作品として、「サスペリア」@2018/ルカ・グァダニーノを挙げることができます。グァダニーノ版サスペリアでは、①歴史的に被差別対象であった魔女の存在→②舞踏団・極左テロ組織・ナチスドイツという閉鎖的な集団の内なる狂気→③舞踏によるフォークの表現と血の儀式、というプロセスを通じて、ホラー作品の1つの頂点であるアルジェント版「サスペリア」@1977を再構築しています。
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【ケルトxブルース、ロバート・ジョンソンの十字路伝説とヴァンパイアの弱点】
・ 本作は、十字路で悪魔と契約したロバート・ジョンソンの伝説を物語のモチーフの1つにしていますが、【小問】ヴァンパイアの弱点は何か? 【小答】 太陽光・十字架・ニンニク・杭などがポピュラーですが、東欧の一部地域での《民間伝承》にあるのが、「復活の恐れがある死者を《十字路》の近くに埋葬して封印する」というものです。(←今の我々がどう考えるかではなく当時の人達がどう考えていたか@井沢元彦です)
・ 本作でのヴァンパイアはアイリッシュ。つまり、「十字路」は、単にブルースの神話ではなく、ケルトxブルースが民間伝承的に交錯している、ということを暗喩しています。★
・ アメリカの教育番組「セサミ・ストリート」には、ヴァンパイアの「カウント伯爵」がレギュラー出演していましたが、【小問】ヴァンパイアの弱点は何か? 【小答】計算好きであることです。同じく東欧の一部地域にあるのが、「死者にヴァンパイアを近づけないためにたくさんケシの実を入れておく」というものです。夢中に数えていたら夜が明けるだろうから。弱点として数えてしまう、だからカウント伯爵。これも民間伝承です。
【ケルトの魔法の世界〜ハリー・ポッター】
・ケルト民族はローマ帝国の時代には「ガリア人」として記述され、今の欧州大陸中央〜スイス・南ドイツ・北フランス〜に居住していましたが、5世紀の北方ゲルマン人(フランク)の南下により、それと同化するかドーバー海峡を渡っての脱出(エクソダス)。結果として、今の英国スコットランドやアイルランドにケルト文化が色濃く残るという1500年史の概略。
・それらをケルト地域と仮称すると、宗教的にはカトリックあるいはプロテスタントであっても、根っこの部分、文化的ベースとしてのフォーク(民族)が残ります。(←日本での神道と仏教が習合している姿に近い。)
・であるから、異教・異端の排除が徹底された欧州大陸との比較において、異教的≒魔術的なものが残存していて、だから、小説/映画「ハリー・ポッター」で、ホグワーツ魔法魔術学校がスコットランドの北部「ハイランド」(←ケルトの中心の1つ)に設定され、劇中では魔法が駆使される。頭の中だけの無根拠な単なる空想とは違っています。
・ 映画「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」@2000/J・K・ローリングの本編開始早々、ワールドカップ会場で華やかに奏でられている「The Quddich World Cup」はど真ん中のケルト音楽です。
【ケルトxブルースと酒場ジューク・ジョイント】
・ 酒場で「ブルースを歌い踊り、酒を呑み、夜更かしする」と、それで《罪人》です。自分は十分に罪人の1人です(笑
・ 【小問】本作中の酒場「ジューク・ジョイント」で提供されるお酒はなんだろう? 【小答】自分は特定できていませんが、施行されている禁酒法はザル法で、国内でのアルコール製造を禁じていたけど、販売には監視が実務的に行き届くはずもなく、国外から特に隣接する地域からの輸入が穴だったので、カナダからのウィスキー、メキシコからのテキーラ、カリブからのラム辺り、或いは国内密造のバーボン。
・ 今でこそウィスキーと言えばスコッチですが、当時はウィスキーと言えば生産シェア5割を誇ったアイリッシュで、その主な輸出仕向け先/消費地がアメリカ。当局に目をつけられたアイリッシュは禁酒法で大きなダメージを受けることに。つまり、本作中の酒を切らしたアイリッシュ・ヴァンパイアがウィスキー目当てにジューク・ジョイントに押しかけるのは必然。サミーの魔術的な音楽だけに惹かれただけとは思えません(笑
・ 禁酒法施行の目的は、ざっくり「禁酒にすると犯罪者が無くなり刑務所がいらなくなる」ですが、施行前からバーで呑んでいると多人数に取り囲まれ店の外に連れ出されて乱暴されるようだったので(←人種を超えた差別)・・行き過ぎた理想とそれによる無謀な社会実験に怖さを感じてしまう。(←今の時代、いつの時代にも言えそう。)
【その後の罪人たち〜ケルトxジャズ≒ロック】
・罪人たちから20〜30年を経て、ケルトxジャズ≒ロックの「フォーク・リバイバル」。(←カウンター・カルチャー、ニューエイジの時代)
・音楽そのものの供給と消費が激しくなり、そのルーツを遡る余裕が無くなってきていますが、本作は音楽映画として、ブルースやジャズ、カントリーが未分化だった時代への貴重な時間旅行を体験させてくれます。★
・音楽的にはブルースが主体となる本作ですが、作中でのケルト音楽としてヴァンパイアの野外の饗宴で奏でられる「Rocky Road to Dublin」が彼らを体現するフォークとしてとても印象的でした。(もしも舞台が野外でなくヴァンパイアが営む酒場であったなら、ビートルズの「Yesterday」、サイモン&ガーファンクルの「スカボロー・フェア」、Enyaの「Orinoco Flow」、ジョン・ウィリアムズの「ハリー・ポッター」など、いろいろなケルトが重なり合ってきそう。)
気になってて劇場で観たかったけど、怖そうで観れなかった映画、配信で...
気になってて劇場で観たかったけど、怖そうで観れなかった映画、配信で鑑賞。
前半は映画館で観たかった…!でも、後半は刺激が強すぎて映画館では無理だったかも🩸
音楽がまず、とにかくすごくて、綿花の風景とかの絵も非常に綺麗だった。
事前知識無し、置いてけぼり。
期待度◎鑑賞後の満足度◎ こんなケッタイな映画を観たのは久しぶり。でもそのケッタイさ故に映画の新しい匂いがする。まさかこんな展開になるとは…予測不能のごちゃ混ぜエンタメ!
(事前知識無しで鑑賞。で、結果的にそれが良かったと思う。)
①USAで評価が高いらしいこと、監督と主役とがアフリカ系アメリカ人であること、原題が『SINNERS (普通は「罪人たち」「罪深い者たち」という意味だがもっと色んな含意があるみたい)』であること、からの予想・連想を全く裏切られてしまった。
②1930年代のディープサウス(ミシシッピ州)が舞台で、黒人(字数を考えて此処からは”黒人“と書かせて貰います)が主役なので、また別の視点からの新しい黒人差別哀史(令和版『サウンダー』?「Sounder」と「Sinners 」と綴りが似ている?ので余計そう思ってしまった)と思いきや…
③そこに宗教(キリスト教)が絡んでくる。厳格そうな牧師と、牧師が罪・堕落と見なしている大衆音楽に入れ込む息子との相剋と和解の物語となるかと思いきや…
2組の兄弟、①牧師とその兄、②スモークとスタック、は「カインとアベル」を連想させるし、他にもスモークとスタックとが隠していた荷車に蛇(アダムとイヴとを堕落させた)が潜んでいたりとか、聖書的なモチーフが散りばめられているし…
➃
ブルースvsカントリー
前半と後半で全く違う映画。
最近流行りなのだろうか?
この手法、監督のやりたい放題に見えるが、
両方のプロットがよく出来てないとつまらないし、
全く違うと言っても繋がってないといけないわけで
なかなか難しいと思う。
そして、前半の仲間を集めて店が開店するまでも
面白かったし、後半の吸血鬼も見応えがありました。
戦う前の黒人のブルースと白人のカントリーを
長く見せる演出は、これから壮絶なな戦いがはじまる
法螺貝のようで面白かった。
クーグラー監督の演出が好きだ。
分かりやすさと思わせぶりが同居してて
グイグイ引き込まれてしまう。
一瞬しか出てこなかった先住民もずっと頭の片隅に
あって、黒人と白人の戦いが滑稽にも見えました。
ただの大味じゃなくて、
KKKが絡んだり兄弟愛に痺れたり
満足の一本でした。
【30年代のアメリカ南部の田舎町。双子の黒人兄弟がダンスホールを開くが宵闇に紛れ異形のモノがやって来た。今作はタラちゃんが”俺の作品の真似すんな!”と笑いながら言った社会派ホラー作品である。】
■30年代のアメリカ南部の田舎町。双子の兄弟・スモーク(マイケル・B・ジョーダン)とスタック(マイケル・B・ジョーダン:二役)は故郷で一獲千金の夢を賭け、禁じられていた酒や音楽を振る舞うダンスホールをオープンする。オープン初日の夜、多くの客たちが宴に熱狂する中、招かれざる者たちが現れる。
◆感想
・今作はどう見ても、クエンティン・タランティーノ監督の怪作『フロム・ダスク・ティル・ドーン』から、着想を得ている。
だが、作品の作りとして、序盤は成功した双子の兄弟・スモークとスタックが、当時禁じられていた酒や音楽を振る舞うダンスホールをオープンするまでは、黒人解放のトーンで描かれている。当然、音楽はブルースである。
そしてこのシーンでは、黒人たちが司祭の息子であるサミーが奏でるギターに合わせて、謡い踊るのである。
・だが、闇に塗れアイリッシュ吸血鬼のレミックと彼に噛まれたバート、ジュンがアイリッシュ・フォークソングーを奏でながら現れ、村人たちを襲い次々に仲間にしていくシーンの急展開振りが、ナカナカである。
そして、彼らが朝陽が登った時に、炎に包まれていった後に、ノコノコと現れる古臭い思想の老人KKK達が現れるのだが、彼らはアッサリとスモークに撃ち殺されるのである。彼らは吸血鬼のように仲間を作る訳でもなく、只の死骸として地べたに転がるのである。実にシニカルである。
・そして、生き残ったサミーが血だらけで教会に現れる冒頭のシーンが再び描かれるのである。
・更には1992年のシカゴで、老いたサミーの下に、年が変わらないスタックとメアリーがやって来るのである。スタックは、サミーの身体に鼻を近づけて”もう、長くはないぞ。俺たちのようにならないか。”と言うのだが、サミーはやんわりと断り、”太陽が暮れるまでの時間が、人生で一番良かったよ。”と言い、スタックも笑顔で同意するのである。
<今作は、クエンティン・タランティーノ監督が”俺の作品の真似すんな!”と笑いながら言った社会派ホラー作品である。良く出来てんな!>
格調高いフロムダスクティルドーン
ホラーなのにノスタルジー感じたぜぇ🥹
アカデミー賞🏆16部門もノミネートって凄いですね(なのに配信とかで観た人の感想とか増えて無いしなんやろな🤯)
お世話抜きでスタンドバイミーやショーシャンクの空を観た時みたいな味わい深さで☕︎名作映画を鑑賞したかのごとく余韻を味わうとか全く想定して無くてめちゃくちゃビックリしましたよ😱‼️(というか名作です🥹)
人間ドラマがしっかりしてるから前半で全く〇〇が出て来ないのに全く飽きずに観れましたからね!
つうかホラー部分の必要性を全く感じ無かったですよ(名作映画のストーリーの中にたまたま吸血鬼が居たって部分を入れたって感じですからね👍)ラスト10分くらいからが最高でエンドクレジットからのあのシーンはウルトラ激エモ🖤で余韻がパネェやんけ(最後のチョイ足しがマジパネェから🥹👍💯)
鬼滅の刃みたいに(お前も吸血鬼🧛になれよ)って誘うのも良かったなあ🥳
自分は一人二役だって知らなかったから🥹やたら兄弟👬役の二人似てるよなあとか思ってましたよ🤣
つうかホラーでこの方向性で作るって普通は考えつかなくね(ホラー映画は大抵内容ゼロ0️⃣で音響🔈でビビらせてCGバリバリのバケモノ👹だして👻😟お前らをビビらせてやったぜ🤓ってイキリ散らかしてる知能の低いバカ監督のしょうもない作品が多いですからね🤬)
あとキャラ立ちしてる人だらけでみんな魅力的だったっす🫡
久しぶりに劇場に(しかもIMAXやってたのに🤮)行かなかった自分をブン殴り✊たくなるくらい後悔してます!
単純に映画って本当に素晴らしいですね👍って心の底から思える内容なんだよねぇ😘✨
去年観てたら自分ランキングで間違い無く上位の質の高い良作品です!(音楽🎵も最高だったなあ🕺🔥)
この作品は評論家がベスト10に入れてる人が多いのも納得よ👍(去年のホラー映画では超ダントツの1位🥇🏆👻だぜ👋というか近年のホラー作品でもダントツのクオリティですね🥰✨)
この作品劇場公開した時は話題ゼロだったしホラーだって知らない人もかなり居たと思いますよ🤮(更に言うとアカデミー賞ノミネートされたけどホラーって理解して無い人が大量にいますよね絶対に)
ワンチャン🐶アカデミー賞最多受賞とかになれば🏆公開当時に1ミリも話題じゃなかったけど🥹アカデミー賞最多作品を再公開ってパターンあると思います(一週間でいいからIMAXで再公開してえええぇぇ😭)
今年の4月に公開とかだったらタイミングが完璧だったのに🥹
悪魔とブルース
ホラーテイストの気分爽快後味よし音楽映画
ホラー版クロスロード
筋が豊富なので~と~と~を足して三で割った感じという言い方で言い表したいのだがそれを言うには博覧でないといけなくて、しかもただ映画を沢山見たことがあるだけじゃなく、しっかり覚えてもいないと~と~と~を足して三で割ったで言い表すことができない。たとえできたとしても自分の見知っている範囲内でやると偏向がでてしまう。
だから不足のところはそれぞれのイメージにまかせるがまずクロスロードをベースとする。そこへプレイスインザハートみたいな綿花と黒人が絡む啓発映画を加えて、そこへ籠城型のゾンビもの(ヴァンパイアだけど)を加えて三で割った、感じの映画。
ブルースとアイリッシュの音楽映画であり公民権映画でもあり噛まれたらいち抜けるゾンビ系ホラーでもある。時間も歪んで現代と過去を行き来もする。
ただし黒人映画を撮ってきた黒人監督なので白人が悪で黒人が善のブラックスプロイテーションな構図はつきまとう。それによりアイリッシュは悪人の音楽で、ブルースが善人の音楽になっているきらいもある。が、ホラーとしても音楽映画としてもいける上に公民権テーマもぼやけてなかった。詰め込み過ぎな印象もなく、複層の筋をまとめている。
ホラー部はドクタースリープや30Days of Nightを思わせ公民権部はグリーンブックやミシシッピーバーニングとか黒人差別問題を看板標榜はしないながらも内に秘めたメッセージ性をもたせた。
音楽部およびサウンドトラックはクーグラー映画でコンビを組んできたルートヴィヒヨーランソンが担当しブルースギター神話的命題をストーリーに絡ませており、これをクロスロード的と喩えたのは、間違っていないと思う。そんなことを言っている批評家はいないがホラー版クロスロードと言ってもいい。
ストーリーはあっけないほどワンイシューで、シカゴでぶいぶい言わせてきた兄弟が地元に帰ってきて一晩酒場をやる、だけの話。だけど酒場のシーンが圧巻で禁酒法下にDJやヒップホップなど時代を超越したミュージシャンが集まって踊り狂った。
クーグラー監督当人はこれを主にロバートロドリゲスのフロムダスクティルドーンおよびTheFacultyからインスピレーションを得たと語っていた。興行も批評家評も成功しアワードもいっぱい獲っている。
imdb7.6、RottenTomatoes97%と96%。
しかしなんかな。クーグラー映画にはスパイクリーやピールにあるようなブラックライブズマター気配がリーやピールよりも更に色濃く出る。それがもたれる。いやもちろんKKKはぶっこ○していいけど、全般に黒人を善に見せすぎ、られると時代的には疲れるような気がした。
金貨では太れない
英題は「Sinners」です。この場合、邦題の「罪人たち」というのは宗教的な意味合いを持ち、つまり異教徒です。黒人もアイリッシュもいずれも「Sinners」であって、それは彼らの文化の根源がキリストに根ざしていないことを意味します。アイリッシュ民謡を歌うバンパイアたちは十字架を恐れません。その二つの異なる音楽文化が互いを拒絶しながら混淆していきます。
ところが、私は音楽にも宗教にも疎いので「そういうことなんだろうなあ」と推察するばかりなんですが、この映画はおそらくオスカーを狙って作っていて、そういう場合は宗教、文化をよく知らない観客のために、理解しやすく歩きやすい迂回路が用意されています。
なので鑑賞中、お金に着目しました。誰もが直感的に理解できるアイテムです。作中4つのお金が出てきます。
1.主人公の兄弟がシカゴでだまし取ってきたドル -> 白人の地主から建物を買う
2.ヴァンパイアが持っている金貨 -> 新たな仲間の勧誘に使う
3.バーで客が払うドル -> バーの売上
4.バーで客が払う農園通貨 -> 主人公は使用を拒否する
地主から買った建物は翌日その地主に襲撃されます。主人公を殺して奪い返そうという考えです。ひどい話ですが、手に入れた経緯を考えると因果応報だとも思えます。
主人公はヴァンパイアの金貨を受け取りません。代わりに彼らはそれを使ってバーから人をおびき出し仲間にします。私が重要だと考えるのは、仮に主人公がこの金貨を持っていたとしても使うことはできないということです。この金貨を担保にドルを調達しなければなりません。当時の黒人にそのような手続きが許されていたとは考えにくいです。
農園通貨でひと悶着置きます。弟と妻は客が使うのを許そうとしますが兄は認めようとしません。結果として店の損益見込は赤字になり、それを知ったメアリーはヴァンパイアの金貨におびき寄せられ彼らの仲間になり、弟を襲ってヴァンパイアに惹き込みます。
まともなお金は「3」の客が払うドル通貨だけです。そしてそれだけでは当然足りません。彼らにはドルにアクセスする経路がなく、合法的にそれを手にすることの困難さが理解できます。主人公は元軍人です。おそらく時代を考慮するとアメリカ南部はかなり不安定だった時期だと考えられます。その中で命をかけて国に奉仕したあと、マフィアの手下になりそして故郷で持金をすべて奪われる虚しさは相当なものだろうと思います。
そんなことを考えながら鑑賞するんですが、大恐慌の中で仕事もせずに怪しい占い店を営む妻のまるまると太った姿態を見せられると、全然飯食えてるじゃんって安心します。
綿花畑の一本道。宵越しの金を散財する《狂った宴》
なんか凄いモノを見せられたような感じはする。
監督陣の熱量は半端ない。
が、感情移入は難しい。
黒人のルーツ、
アフリカから奴隷船に乗せられて労働力として働く合間に歌う《ブルース》
一方では信心深い彼らが黒人牧師と歌う《黒人霊歌=ゴスペル》
そしてルイジアナ州ニューオリンズで発祥したJAZZ。
黒人のブルースをパクって歌って有名になったと言うレッド・ツェペリン。
今やスタンダードと言えるヒップホップ(ラップ)
虐げてられて来た黒人は音楽シーンでは、常に中心にいる。
1930年。アル・カポネの手下でイカサマ賭博で大儲けした
スモーク&スタックの双子のギャング。
ブルース歌い手でギターの名手で従兄弟のサミーを誘って、
あぶく銭をパァーッと散財して一夜のキャバレーを開く。
禁酒法時代なのにビールもバーボン(コーン・ウイスキーって言ってる)
ワインがほぼ飲み放題。
聞きつけた訳ではあるまいが、白人が3人、“仲間に入れてくれ“と現れる。
ところが彼らは【バンパイア‼️】だったと言う話し。
配信なので双子のギャングを演じるマイケル・B・ジョーダンの
カッコいいお顔もよく見えない。
まぁ、アップの少ない映画ではある。
要するに【故郷に錦を飾る】
それが彼らの目的だったのでしょう。
幼馴染や妻や昔のガールフレンドに、ただ酒を振舞って
大いに飲み食い歌う・・・
それがバンパイアの乱入でとんでも無い殺し合いに発展してしまう。
夜の酒場、
綿花畑の一本道を走るオールド・^ ^オープンカーから見える
底抜けの青空。
この対比が素晴らしかった。
何が言いたかったの良く分からないけれど、
ユニークでタランティーノ監督の「フロムダスクティルドーン」を
彷彿させる映画。
あの映画もあんまり乗れなかったなあ・・・。
Film - 原初の喜び
「フロム・ダスク・ティル・ドーン」×「ブルース・ブラザーズ」
全米で大ヒットホラー映画らしいけど、予告を見てもよくわからん、という印象だった。
マイケル・B・ジョーダンが一人二役を演じた双子の兄弟。
慇懃無礼な態度の白人を、兄が前、弟が後ろから牽制する
トラックに入り込んだヘビを、兄がナイフを渡して弟が退治するという連携プレーぶり。
トラックの盗人を容赦なく撃ち、とにかく常に余裕で羽振りがいい元ギャングを好演。
他のキャストは、久々に大作で見かけたデルロイ・リンドー、すっかり美人に成長したヘイリー・スタンフィルドが良かった。
演出は、
後ろから何者かが飛ぶ→女性歌手がステージ上がる、
門番がトイレ中に何かに襲われる→揉め事があった部屋に入る、
イカサマ男を踏みつける→ダンスフロアでリズムを取って地面を蹴り付けるという、演出が良かった。
他には、
暗い家の中、家族を読んでも返事がない。時すでに遅し…や、
トイレで持ち場を離れたから…など、
トリッキーの映画に思えて、意外とベタなホラー演出が多いのも良かった。
そしてなんといっても、レターボックスサイズからフルサイズ画面になった時の決戦だ!感が最高だった。
ちなみに製作費は、9000万ドルと、ホラー映画にしては意外と高予算な映画。
タイトルなし(ネタバレ)
最後、老いたサミーとスタックの「今でもあの夜の恐怖で週に一度は起き上がれない、けどあの日は人生で最高の日だった」「人生最後の太陽」「自由だった」って会話はめちゃくちゃグッときた。結果が最悪だと幸せだった時間をむしろ恨んだりするからね、そう思えるのは本当にかけがえのないどんなことが起きても価値が変わらない瞬間があったんだなと。
ブルースで琵琶法師が後世に伝承する平家物語を彷彿
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