主人公

劇場公開日:2025年7月25日

解説・あらすじ

インドの名匠サタジット・レイが監督・脚本・音楽を手がけ、ひとりの映画スターの危機や内省を通して、ベンガル映画業界が抱える問題を巧みに批判したドラマ。

ベンガル映画界の人気俳優アリンダムは、デリーで行われる映画賞の授賞式に出席することになるが、航空券を確保できず寝台列車で現地へ向かう。列車内ではアリンダムの飲酒習慣をとがめる偏屈な老人やファンだという母娘など、乗客の誰もが彼のことを知っていた。そんな中、偶然乗り合わせた女性記者アディティからインタビューを受けることになったアリンダムは、彼女との会話を通じて自身の半生を見つめ直し、華やかな成功の裏に隠された孤独や葛藤に向き合っていく。

実際に当時のベンガル映画界で活躍していた人気俳優ウットム・クマルがアリンダム役で主演を務め、「大樹のうた」のシャルミラ・タゴールが記者アディティを演じた。日本では、レイ監督のデビュー70周年を記念した特集上映「サタジット・レイ レトロスペクティブ 2025」にて、25年7月に劇場初公開。

1966年製作/117分/G/インド
原題または英題:Nayak
配給:グッチーズ・フリースクール
劇場公開日:2025年7月25日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0 見知られた乗客

2025年8月16日
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鑑賞方法:映画館

とある男優が映画賞の授賞式に出席するためにデリーまで向かう寝台車の車内のみで映画は展開する。その間に俳優の過去の回想や見た夢、他の乗客の人間模様を織り交ぜていく。「リスボン特急」や「カナディアン・エクスプレス」だともっとサスペンスやらアクションがあるのだが、そこまで派手な演出はない。主人公が酔っ払ってレールを見ているシーンが一番冷や冷やした。
インド映画は超絶美人がわんさか出てくるので、誰が誰なのか混乱してくる時がある。セングプタを演じた女優は文豪タゴールの親戚らしい。
劇中で言及される内容から推察すると、主人公が映画で演じているキャラクターは、何でもできる万能の(加山雄三が若大将シリーズで演じたような)スーパースターらしい。労働争議に関与するのを避けたり、女性スキャンダルを恐れたり、パブリック・イメージをやたら気にするのも、さもありなんという感じ。
体調が悪いとのことでずっと二段ベッドの上から見ている少女は、「甘い生活」のラストでマルチェロ・マストロヤンニに何かを伝えようとする少女を思い起こさせた。

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梨剥く侍