臆病者

劇場公開日:2025年7月25日

解説・あらすじ

インドの名匠サタジット・レイが、作家プレメンドロ・ミットロの短編小説を原作に、伝統と近代化の岐路に立つインド社会における、新しい価値観の衝突を描いたドラマ。

コルカタで暮らす脚本家アミは地方での取材中に車が故障し、偶然知り合った茶園経営者ビマールの家に泊めてもらうことになる。そこで彼が再会したのは、かつて愛しながらも自身の臆病さゆえに別れ、現在はビマールの妻となったコルナだった。アミは過去を償おうとするが、コルナは冷静な表情を浮かべ本心が見えない。出発を前に、まだ自分を愛しているなら駅に来てほしいとコルナに伝えるアミだったが……。

レイ監督作の常連俳優ショウミットロ・チャタルジがアミ役で主演を務め、レイ監督の前作「チャルラータ」でもチャタルジと共演したマドビ・ムカージーがコルナを演じた。本国インドでは同じくレイ監督による「聖者」との2本立てで劇場公開。日本では、レイ監督のデビュー70周年を記念した特集上映「サタジット・レイ レトロスペクティブ 2025」にて、25年7月に劇場初公開。

1965年製作/70分/G/インド
原題または英題:Kapurush
配給:グッチーズ・フリースクール
劇場公開日:2025年7月25日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5

COPYRIGHT 1966 /ALL RIGHTS RESERVED KAMAL BANSAL

映画レビュー

5.0 とびらは常に開いている。

2025年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1965年。サタジット・レイ監督。主人公が旅行中にタクシーが故障して困っていると、地元で茶畑を経営する男が泊めてくれるという。行ってみると、その男の妻は学生時代に別れた恋人だった、、、という話。
あと一歩の勇気を出せなかったばかりに最愛の人と別れる羽目になった男が、偶然再会した女性に愛を告白するが、未練ばかりの男に対して、女性はすでに新しい生活を順調に送っている。うまくいくわけがないのだが、それだけでなく、最後に駅にやってくる女性が睡眠薬を取り戻す場面で女性にもいろいろあることがほのめかされて、なんとも切ない。
男と女性が一つの部屋にいるとき、ドアが半開きだったり、窓が半開きだったりしている。行き詰まっているのは男だけで、女性には別の道が開かれているように見える。
「チャルラータ」「ビッグ・シティ」と一緒に見ると、3作に主演しているマドビ・ムカージーの怒りの表情(ぎゅっと眉毛を寄せる)がすばらしい。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
文字読み