「歴史を創作したヒーロー映画」ハルビン から騒ぎさんの映画レビュー(感想・評価)
歴史を創作したヒーロー映画
相変わらず歴史を創作したヒーロー映画で中身が無い。韓国映画は一度くらい本当の歴史を韓国人に知らしめて欲しい。
映画では伊藤博文が安重根を警戒するが、
安重根は無名の義兵の一人にすぎず、日本の警察・特務機関も「危険人物リスト」に入れておらず、伊藤博文が安重根を認識していたり警戒していた形跡は一切なく、ハルビンでの警護も少数で暗殺を全く予期していなかった。
狙撃された伊藤博文は、「3発当たった。相手は誰だ。」と叫び、亡くなるまでの間に、自分を撃ったのが朝鮮人だとわかると「俺を撃ったりして、馬鹿な奴だ」と言った。
伊藤博文は、大韓帝国を保護国にして国力が整うまで支援・監督する形が望ましいとして日韓併合には反対だったが、安重根が暗殺して、山縣有朋や寺内正毅(韓国統監・陸軍大将)ら強硬派による日韓併合が早まり、朝鮮は武断統治された。朝鮮人に温情もあった伊藤博文がいた方が穏健な統治をしただろう。安重根は朝鮮人を不幸にしただけ。
伊藤博文に随行した外交官・室田義文が暗殺事件後に刊行した『室田義文翁譚』 には、伊藤博文の肉身に埋まっていた弾丸が、安重根のブローニング拳銃用のものではなくフランス製カービン銃の弾で、駅の二階の食堂から発砲されたと書かれ、彼は狙撃手は少なくとも2名であったと主張したが、ロシアは暗殺に関与したと疑われることを恐れ、日本も日露関係の悪化を恐れて真犯人探しは封殺された。安重根は事件の真相を闇に葬るための人身御供になり、日本も彼を犯人にして幕引きした。
安重根の高潔な人格を描くなら、監獄中で書いた「東洋平和論」(日清韓の協力による東アジアの平和を構想)の思想や、伊藤博文を暗殺する意図を語らせるべき。
安重根は、明治天皇を正義や道徳を尊ぶ高潔な君主として尊敬し、伊藤博文が朝鮮統治に関する実情や問題を明治天皇に正しく報告せず、天皇を欺いていると考えていた。
東洋平和論の記述:「私は日本国皇帝(明治天皇)を尊敬している。しかし、伊藤博文のような奸臣が皇帝の耳目を遮り、東洋の平和を乱している。」
日本側の取り調べに対する安重根の供述:「私は日本の天皇を害する意図などなかった。むしろ伊藤のような者が、天皇を欺いて韓国を不当に支配していることに憤りを感じた」
安重根は、日本と韓国が平和的な連携を持つ「東洋の連合」に希望を持ち、その障害となっていたのが伊藤博文だと考えて暗殺しようとした。
もっとも、安重根の思想は新しくは無い。李氏朝鮮末期に開花派で朝鮮独立党の指導者・金玉均が慶應義塾に留学して福澤諭吉の支援を受け、日本のアジア主義思想を東アジアに特化した三和主義(日本・朝鮮・清国の三国が協力して欧米列強の侵略を防ぎ、アジアの独立と発展を目指す)を唱え、閔氏政権打倒のクーデター(1884年12月4日、甲申事変)を起こしたが清の介入で失敗し、日本に亡命した金玉均は上海で閔妃の刺客に暗殺され、遺体は残忍な凌遅刑で晒し者にされた。李氏朝鮮は甲申政変後に開化派の三親等の一族を処刑して遺体を晒し者にし、朝鮮の近代化の芽は摘まれた。福澤諭吉は憤り絶望して"脱亜論"を書いた。
しかし、大韓帝国末期に親日派政治団体の一進会が急速に勢力を増し、朝鮮が自力での近代化は困難だと判断し、既に近代化に成功していた日本の支援・統治を受けることで朝鮮社会の改革や近代化が進むと考え、1909年に日本に対して「韓日合邦を希望する」旨の合邦建議書(嘆願書)を提出した。(大韓民国初代大統領になる李承晩も当時は一進会の一員) 朝鮮半島はロシア・清・日本・欧米列強の勢力争いの場で、このままでは列強の植民地になると恐れ、「信頼できる国に保護してもらうなら日本だ」と判断した。
朝鮮半島は日本の安全保障にとって極めて重要な戦略的位置にあり、日清戦争や日露戦争を通じて、朝鮮半島が清やロシアの影響下に置かれることは日本にとって脅威となるという判断が強まり、「韓国の独立は常に外国の干渉を招き、日本の安寧を脅かす原因であった」という見解が政府・軍部内で共有された。1905年に韓国を保護国とした後も内政改革はうまく進まず、韓国内の政治的混乱や抗日運動(義兵闘争)が続き、大韓帝国皇帝・高宗は親露政策を取り国際情勢に反する行動をしたため英米の不信を招き、桂太郎首相は「韓国をこのまま放置すれば内政混乱が続き、列国との摩擦を再燃させる恐れがある。これを根本的に解決するには併合しかない」という立場を取るようになった。
ここに至って、日韓併合は必然だっただろう。大韓帝国政府は統治力がなく財政は破綻。清は列強の半植民地状態で、孫文の辛亥革命前夜。日本は満州から朝鮮半島を狙うロシア恐怖症。日韓併合は欧米列強も同意しており不法とは言えないと、世界の歴史学者も認めている。
もちろん、日本人は日韓併合など馬鹿なことしたと後悔している。国家予算の2割も朝鮮半島に投じて開発したが、植民地経営としては終始赤字で、その予算を東北など貧しい地方に投じて豊かにしていたら、世界恐慌後の5.15事件や2.26事件も無かったかも知れない。
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