でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
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本当の悪は教育委員会にいる
子ども同士のケンカでも、子ども自身によるケガでも、学校の対応が気に入らないと教育委員会に訴えたり、裁判による解決をチラつかせたり、実際にそうしたりする保護者は普通に存在する。氷室母のように、幼少期にネグレクトがなくても、虚言癖がない人間でもだ。また、よく調べもせず、教員に聞き取りをしても、結局は親の言いなりになる教育委員会も存在する。例え匿名であったとしても、「知らない人が呟いているんだよ」という、ACジャパンのCMの決め付けデカのように。訴えられた方が悪いという考えでは、子どもにも、同僚にも満足な指導は出来ない。校長や教頭が事なかれ主義の人のように描かれているが、問題を早期に解決させないと、再任用や校長昇任にも影響する。その評価をするのは教育委員会だからだ。本当にマトモで熱心な教員ほど被害者になり、学校を去っていく構造を、教員委員会が作っている。本作では、氷室親子の訴えを鵜呑みにし、薮下の声をしっかりと聞こうとしなかった教育委員会の責任は重い。トカゲの尻尾切りは、政治や企業のトップだけではない。10年後に停職処分が取り消されるが、教育委員会が守りたいのは、学校や教員、子どもではなく、自分たちの立場だったのではないか。薮下だけでなく、教え子も被害者であることを、教育委員会は分かっていないのではないか。薮下が教育委員会を相手に訴訟をしたら、氷室親子に支払った300万円の10倍は取れるだろう。
この映画は、全国の教育委員会の教育長に見てほしいと思う。
「正義」の名のもとに
作品は裁判のシーンから始まる。原告の意見陳述、そして被告の意見陳述と。当然主張は真っ向から対立するからその内容は相反するもの。その極端に異なるさまを演者が見せてゆくあたりが映画としてうまい。
原告側の主張である「殺人教師」を演じる綾野剛の魚の死んだようなうつろな目から受ける印象はいじめを受けている児童とシンクロするくらいにゾッとさせられる。明らかに児童側が一方的な被害者というイメージを観客に植え付ける。
そして転じて被告側薮下の主張を基にしたエピソードがつづられていく。そこには「殺人教師」とは程遠い善良な教師の姿が。この役どころの演じ分けは役者冥利に尽きるだろうし、観客も綾野剛の演技力を堪能できる。本作はそのショッキングなテーマもさることながらまさに綾野剛の芝居に魅了され続ける二時間と言える作品である。彼の芝居の凄さに思わず涙した。
監督の作品の出来は当たりはずれがあるので心配していたが、序盤から当たりの方だと確信したので安心して鑑賞できた。後は座席に身を任せて役者陣の素晴らしい演技を堪能するのみ。
原作はルポルタージュで読みやすくななめ読みしただけだけど、忠実な映画化だと思う。ただ、映画を盛り上げるためか柴咲コウ演じる律子を殊更に危険な人間として描きすぎ、薮下を善良に描きすぎな気もしないではないが、原作によるとご本人も映画に描かれた通りのかなり生徒思いの先生だったことは間違いないようだ。土砂降りの雨の中に突っ伏すあたりはやりすぎな気もするけど。
本作で描かれた事件は二十年以上前のものだが、まさに今の現代社会で日々起きていることを連想させる。
たとえば本作で描かれた事件を全く知らない状態で新聞やネットで「教師による生徒へのいじめ、自殺強要か」という見出しの記事を目にしたら人はどのような反応を示すだろうか。
私を含めて多くの人がなんてひどい教師がいたものだ。子供がかわいそうだ。こんな教師はすぐさまクビにしろという思いを抱くのではないだろうか。そのセンセーショナルな見出しに気を取られてこれは本当のことなんだろうかと疑問を抱く人は少ないのではないだろうか。それだけこの見出しが人の中にある正義感バイアスを引き出すからなんだろう。
誰もが持つ正義感。それは時としてもろ刃の剣となる。その剣が正しい方向に向けられれば正義は成し遂げられ、間違った方向に向けられれば罪のない人を不幸にもする。本作の教師薮下のように。しかし価値観の多様性が叫ばれる中でこの「正義」というものさえ、いまは相対化されている時代ではある。
人がバイアスを持っているのは進化の過程で身に着けてきたものであり、それが生存には不可欠なものだったからだ。人間の脳内での情報処理には限界があり時には直観に頼る判断が求められる。災害時に過去の経験からその場を離れて九死に一生を得るような感じで人間は生き延びてきた。そんな一見合理的でない直観的判断を人間は生き抜くうえで身に着けてきた。だから人間は生きていくうえでバイアスをけして避けられない。
直観的判断は時には有益な面もあるがそれは弊害ももたらす。確証バイアス、先入観、同調圧力などといったバイアスにより冤罪は生み出されてきた。
本作で薮下を糾弾した報道陣、彼を訴えた弁護団には確証バイアスがかかっていた。また被害者のPTSDの検査をした医師も同様に。
本来守られるべき子供を守るべき教師が虐待していたという許しがたい事実。彼らは皆が正義感に燃えていて、薮下が「殺人教師」であることを信じて疑わなかった。それは先述の記事の見出しを読んで我々が抱いた印象と同じく。
クレーマーの保護者が嘘をついてるとは露ほども思わない。バイアスにより自分たちが信じた事実を反証するような証拠や証言は無意識に排除されてしまう。
これがいかに難しい問題なのか、彼らは自分たちがしていることが正義と疑わない。正義のためならどんなことでもして見せる。550人もの大弁護団結成がその証拠だ。彼らはほとんどが手弁当であり報酬目的ではない。人権派弁護士として社会正義をなすためにここに集まったのだ。それは正義感に燃えて薮下を取材していた記者も同じだった。
そしてアンケートに答えた生徒たちも薮下による体罰があったと公表された後でそれに答えたために同調圧力や先入観が加わり八割近くもが彼の体罰を肯定した。これらのバイアスが合わさり薮下を追い詰めていった。
思えば陳腐な出来事だ。ただの虚言癖のある主婦による噓が全ての発端なのだから。確かに学校側が毅然とした態度で臨まず、事なかれ主義で薮下に全面的に非を認めさせて安易に事を治めようとしたことも原因の一つだが、その後のマスコミの加熱報道、そして弁護団の圧力による教育委員会の初の教師によるいじめの認定がお墨付きを与えてさらに火に油を注いだ。そして被害児童のPTSDという噓が加わり訴訟へと薮下をさらに苦しめた。
これは今ではSNS上に流されるデマが発端になりネットリンチが行われたり、陰謀論など誤った事実により世論形成がなされる現代社会の姿そのものだ。
この事件は20年以上前の出来事だが薮下の家の前に群がる報道陣や無数に張られた中傷ビラはまさにネットの書き込みそのものを連想させる。
当時から報道被害により人生を奪われる人はいたが、いまではそんな報道の役割をSNSが担っている。マスメディアは噓ばかりでネットにこそ真実があるらしいから。
ネットの情報は匿名で流されるためさらに深刻な事態になっている。報道機関が誤報などした場合は責任の所在がはっきりしてるがネットはその匿名性から誹謗中傷の歯止めが効きづらく誰もが「正義」を気軽に振りかざしやすい。今の時代、日々多くの「殺人教師」が生み出されている。
本作はただの異常なクレーマーにより一人の人間が陥れられた恐怖というだけではなく、そのクレーマーによりなぜここまで被害が拡大したのか。周囲の人間たちがなぜこうも巻き込まれてしまったのか、これは現代社会において普遍的な意味を持った事件と言えるだろう。
近年立て続けに報道される冤罪事件、その実態を知らされてそのあまりのことに驚かされる。本作とは違い刑事事件が主なものだが根底には同じ問題が潜んでいる。
検察は自分たちの思い描いたシナリオ通りに捜査を進める。容疑者を特定してその容疑者が犯人である証拠だけを集め犯人ではないという証拠は無視をする。典型的な確証バイアスだ。裁判手続きにも不備が多く検察側が入手している無実を証明する証拠を弁護側が強制的に開示請求できる法律も存在しないから、無実の証明が困難になる状況にありそれがより冤罪を増やしている。
日本で冤罪が繰り返されてきた原因の一つに冤罪が裁判で確定されてもその事案について再調査されることはないのだという。冤罪を作り出した検察もけしてその事件を振り返ることもなければ、再発防止の措置も取られないのだ。これでは同じことが当然繰り返される。
村木事件、プレサンス事件、大川原化工機事件など相変わらず検察は冤罪を世に生み出し続けている。これではいつ誰が冤罪の被害者になるか。いつ自分が薮下になるかわからないのだ。
さすがに法律家の間で冤罪被害防止のための組織イノセントプロジェクトジャパンが発足されてはいるがこれは民事事件まではカバーしていない。
その取り組みの中ではどんなに優秀な法律家でもバイアスがかかることから、必ず一方的な証言だけを鵜吞みにしない、客観的な事実を集める、思い込みをしてないか常に自分に問うなど、法律家自身がバイアスにかからないように防止策が練られているという。しかし検察側がそのような取り組みをしているということは聞かれない。
本作の事件で大きな役割を果たした報道各社も同様に本来彼らは報道の真実性を担保するためにダブルチェックを怠らなかったはずだが、購買部数やら視聴率競争にさらされて本来の義務を怠った。この経験を生かして猛省されるべきだろう。
この事件に大きくかかわった報道や法律家たちには自浄能力は期待できてもやはり深刻なのはこれからも予想されるSNSによる被害だろう。匿名性やら法規制が及ばないネットの世界では今後も薮下のような被害者が生まれ続ける。法による規制強化が待たれる。
本作はその取り上げたテーマもさることながら、550人の弁護団というもはや強大な権力に匹敵する相手にたった一人の弁護士だけを味方につけた被告が勝利を勝ち取るまでを描いた闘いの記録でもあり、最終的には教育委員会による日本初の不名誉である教師によるいじめ認定が取り消されるまでを描いていてその得られるカタルシスも大きいものである。エンターテインメント作品としてもすぐれた作品だった。
これじゃない感!!
原告のサイコ女への制裁を期待してたけど、まさかの制裁ゼロ!!!
たぶん観客の8割は、あの女ぶち〇したいと思ったんじゃないかな?
保護者へも先生へも配慮した無難な終わり方だったね。
ノンフィクションに拘りすぎか?サイコ女の正体とか結局わからんかったし、勝手に映画内で素性の決めつけはできないってわけか。
ふたつの人格を演じ分けた綾野剛が凄すぎる。
ふたつの人格と言っても、
二重人格でも、ドッペルゲンガーでもありません。
強いて言えば、【一人二役】でしょうか……
★2003年に起こった実話を元に、
福田ますみの「でっちあげ福岡殺人教師と呼ばれた事件の真相」を、
原作としている。
この事件を告発した原告・氷室律子の見た薮下先生。
もう一つは、薮下先生の真実の姿。
氷室律子側、
暴力教師で息子の拓翔を虐待し、更に自殺を強要する男。
薮下の真の姿、
気弱で流されやすく、NOとはっきり言えない性格。
あれよあれよという間に、
自殺を強要したとんでもない教師像が、氷室夫妻と、
取材した週刊誌記者(亀梨和也)や、マスコミに捏造され、
(世間からも思われる事態になる)
当事者になる怖さ、
自分が薮下先生の立場だったら?
そう考えたら、
凍りつく怖さでした。
氷室律子は、ひと一人の人生を葬り去るほどの、
ホラーな人でした。
闇を抱えた人物。
幼児期のネグレストや貧困(多分)で、
社会に恨みを持つ攻撃的な性格になったと思われる、
「怪物」のような人物。
幸運にも優秀な弁護士(小林薫)、
ジュンヤ君の母親、
拓翔のPTSD数値に疑問持った精神科の女性医師、
入院180日の内、土日祝日など帰宅して、
実際には108日しか病院に居なかった事も
カルテで立証される。
小林薫も実に頼もしい弁護士でした。
律子の生い立ちや裏の顔がわかり、全て氷室夫妻の「でっちあげ」
と分かり無罪判決が出るが、更に「向井市(多分、架空の市町村」を
訴えて330万の支払いが命じられる。
そしてそれから10年後。
やっと薮下先生の停職6ヶ月が、取り消される。
ラストシーン。
すっかり老け込んだ薮下先生は力無く、
生徒たちに朝の挨拶をする姿に、
私は涙が堪えられませんでした。
【俺の10年を返せ‼️》
こんな事が無かったら、もう少し違う明るい日々を送れたと、
私は思います。
そして薮下があの夏の日に見た幻影。
拓翔を従えてブルーのフレヤーのワンピースで、
颯爽と通り過ぎて行く氷室律子。
薮下にはトラウマが・・・もしかしたら・・・
【”マスコミと世間に作り出された根拠なき推測による人権侵害”今作は原告の能面の如き無表情な母を演じる柴咲コウと、追い詰められて行く無実の教師を演じた綾野剛の物凄い演技に魅入られる恐ろしき作品である。】
ー 今作は、2003年に福岡で起きた全国で初めて”教師による苛め”と認定された体罰事件の真相を書いた福田ますみ氏のルポルタージュを基に描いている。
そして、最も恐ろしいのは、今作は映画的演出は入れているが殆どが現実に起きた事であり、薮下の人生を壊しかけた氷室律子(柴咲コウ)一家は、何の罰も受けずにこの世界の何処かで今も生きているだろうという事実である。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作の構成は、是枝裕和監督の「怪物」に酷似している。最初は氷室律子の証言による薮下の姿が描かれ、次に薮下の証言が映像で映し出されるのである。
そして、今作ではその中で、様々な人たちの”心の中の闇、怪物”が描かれているのである。
・更に言えば、氷室律子の供述による、小学校教師の薮下の氷室タクヤ(三浦綺羅)に対する様々な恐ろしき行為を行う姿を演じる綾野剛の、死んだ目の表情が物凄いのである。
今作は、綾野剛の”氷室律子により創り出された嘘”を演じる姿が、リアリティがあり過ぎるからこそ、成立しているのだと思う。
そして、薮下側から観たシーンでの、ドンドンドンドン、マスコミ、世間に作り出された根拠なき推測による噂により、精神的に追い詰められて行く薮下の姿。停職六か月を教育委員会のお偉いさんと思われる女から告げられた時の表情・・。キツイなあ。
真実の生徒に優しく接する薮下の姿と、氷室律子の嘘の薮下を演じる姿とのギャップが凄いのである。恐るべし、綾野剛である。
最早、現代邦画の代表的俳優と言って良いと思う名演である。
■様々な人たちの”心の中の闇、怪物”
1.薮下の上司の定年まで一年と少しの校長(光石研)と、教頭(大倉考二)の”とりあえず、謝れ!”と言う事なかれ主義の愚かしき姿。
2.その言葉に、戸惑いつつ従ってしまう薮下の姿。彼はその事を後から深く後悔するが、時すでに遅しである。
3.薮下の行為を格好のスクープとして追う、週刊誌記者(亀梨和也)とその上司(高嶋政宏)。何のウラも取らずに、薮下に”殺人教師”と言うレッテルを貼り、執拗に追う姿。今作では当時のマスメディアの在り方も、激しく糾弾しているのである。
4.何といっても、氷室タクヤの母、氷室律子である。
タクヤが学校の屋上から飛び降りようとしたときに突然現れるシーンで、直ぐに彼女の言っている事は嘘だと分かるのだが、柴咲コウの大きな瞬き一つしない目と、無表情が怖すぎるのである。凡庸なホラー映画が裸足で逃げ出す怖さである。
そして、彼女が幼き時にネグレクトの家で育っていた事が分かる過去シーンから、この恐ろしくも哀しき女は、息を吐くように嘘をつきながら生きてきた故に、怪物になってしまったのだろうと推測出来るのである。又、彼女の息子タクヤが”ADHD(多動性障害)だった点も関係しているのだろうな。”とも思うのである。
序でに、日に焼けた父の顔も怖いし、謎の男である。
■物凄く、頼もしく見えた人
1.人権弁護士湯上谷(小林薫)
常に笑顔で、冷静で、頭が切れる。薮下の人生を救った人である。こんな弁護士がいるんだなあ。この観ていてキツイ作品で、実にホッと出来る優しく頼もしい笑顔でありましたよ。
2.薮下の妻(木村文乃)
嫌がらせの電話が山にように掛かってくる中、夫を支える姿。
”貴方の味方だから!”という言葉は、涙が出そうになったよ。この奥さんの存在も、薮下を救ったのだよなあ。
3.氷室タクヤに苛められていたジュンヤの母(安藤玉恵)
大雨の中、”裁判の証言者になってくれ!”と頼む薮下の願いをインターフォン越しに切らずに聞く姿。そして、その後ろから聞こえて来る週刊誌記者の嫌らしい声。彼女は裁判には出ないが、氷室律子の真実の姿を告げたり、教室で無理やり謝罪させられる薮下を庇う、唯一の人である。けれども、それも薮下がキチンとジュンヤに接していたからであるんだよな。
■見応え十二分な法廷シーン
・原告の氷室律子の能面の様な姿と、それに対峙する人権弁護士湯上谷と薮下の姿。そして、湯上谷が次々に原告の氷室律子の嘘を暴いていくシーン。
1)愚かしき医者(小澤征悦)が、タクヤのPTSDの検査数値を113と告げた時、顔を伏せた女医の姿を見て直ぐに動き、タクヤの数値が氷室律子の証言により作られていた事を告げるシーン及び、実際の数値がほぼ常人と同じ事を示すシーン。
2)入院100日を超えるとの氷室律子の証言に対し、週末は家に居て近くの公園で元気に遊んでいた姿を見たという証言を取り、原告側弁護士(北村一輝)に反駁する姿。
だが、氷室律子の能面の様な表情は変わらないのである。
■法廷での白眉シーン
・薮下が最終弁論を行うシーンでの、彼の台詞が実に沁みるのである。
”子供は嘘をつきます。それは仕方がない・・。けれども、誰かがその嘘を叱らなければいけない・・。”
氷室律子が、ADHD(多動性障害)である息子タクヤを叱るシーンは今作では一度も映されない。それよりも、氷室律子がタクヤの薮下から行われた指導の事を聞いた時の、”獲物を見つけたような目”を思い出すのである。
そして、裁判官は原告の主張を棄却するのであるが、氷室夫婦は今度は市を相手に訴訟を起こし、賠償金330万円を得るのである。
<そして、10年後。
薮下を護った妻は最早この世にはいないが、彼に懲戒処分を全て取り消す裁決が下るのである。10年掛かってである・・。
薮下の息子は教育実習生として父と同じ道を歩み始め、薮下は湯上谷と路上で会い、お互いに年を取りましたね、と穏やかに会話を交わすのである。
今作は原告の能面の様な無表情な母を演じる柴咲コウと、追い詰められて行く無実の教師を演じた綾野剛の物凄い演技に魅入られる恐ろしすぎる作品なのである。>
■重ねて書くが、薮下の人生を壊しかけた氷室律子一家は、何の罰も受けずにこの世界の何処かで今も生きているだろうという事実が、実に恐ろしいのである。
裁判劇としてのカタルシスはないものの、現代社会の問題点は伝わってくる
序盤に、裁判での原告の証言として描かれる「殺人教師」の言動は、まさに教師による生徒に対するいじめでしかなく、「これは酷い」と思わせる。
ただ、その後に、被告の証言を引き継ぐ形で、無音で映し出される「でっちあげ」という印象的なタイトルによって、それまでのショッキングな映像が「嘘」だったということの察しがついてしまう。
これ以降は、被告の証言に基づいて同じ出来事が描かれるという「羅生門」的な展開となるのだが、すでに、こちらの映像の方が「真実」であろうと分かっているので、証言の真偽よりも、どうしてこんな冤罪が生み出されたのかということが興味の焦点になっていく。
その点、最大の問題は、教師を守ることよりも、父兄の顔色をうかがうことを優先し、原告に謝罪を強要した校長や教頭の対応にあったということが分かるのだが、我々の社会には、その場を穏便に収めるためだとか、ことを荒立てないためだとかで、とにかく謝罪した方が良いと考える風潮が確かにあると思われて、何だか身につまされてしまった。
その一方で、もう一つの問題点であるマスコミの報道については、事実の信憑性について何の裏取りもせず、一方の当事者の言い分だけを鵜呑みにして、しかも加害者と疑われる人物を実名で記事にするなど、雑誌やテレビの対応がお粗末すぎて、かえってリアリティが感じられなかった。これが本当なら、もってのほかとしか言いようがないのだが、せめて、オールドメディアは匿名で報道し、SNS上でプライバシーが暴かれたり、誹謗中傷が過熱したりといった流れにした方が、現在のマスコミの実態が浮き彫りになったのではないだろうか?
同様に、PTSDの鑑定をした心理学者の対応も杜撰すぎて、すんなりとは納得できないし、原告にいじめられていた子供の母親が、裁判での証言を固辞する理由もよく分からなかったので、ここは、原告の夫婦による買収や脅迫が明らかになるといった展開にした方が、物語に説得力が増したのではないかと思われる。
ラストは、予想したとおり、被告を無罪とする判決が下されるのだが、裁判劇としての一発逆転のカタルシスが無かったことには、物足りなさを感じざるを得ない。
あえて言えば、原告がアメリカ人の血を引いているという嘘がバレるところが、形勢逆転の契機となるのだが、それでも、どうして、あんな「でっちあげ」を仕組んだのか、その動機が分からないままなので、ここでは、原告の精神的な異常さが、もう少し強調されても良かったのではないかと思えてならない。
また、被告がいじめをしていたという嫌疑が、10年という月日を経て晴らされるという結末は良いにしても、被告を陥れた原告の親子にしても、無責任な報道をした雑誌記者にしても、ことなかれ主義で事態を悪化させた校長や教頭にしても、「悪い奴ら」が「痛い目にあっていない」ところには、どこか釈然としないモヤモヤとした感覚が残った。
その一方で、裁判のクライマックスで原告が陳述した「厳しく叱ることも愛情」という言葉には、ハラスメントを恐れるあまり、しつけや指導を行うことに萎縮してしまいがちな現代社会の問題点が感じられて、心に響くものがあった。
原作に忠実、柴咲コウの怪演っぷりが凄い
映画の前に原作を読みました。
恐ろしくて恐ろしくて震えました。
これを実写化、監督が三池崇史とくれば
大人から子供への容赦ないイジメ描写を
期待していましたが、
綾野剛を嫌いになりそうなくらい
見事に映像化されていました。
子役の男の子(三浦綺羅)のケアがしっかり
行き届いているのか心配になるくらいです。
ふー、とてもしんどいところです。
マスコミの世間を煽り楽しむかのような
扇情的な報道の数々や
本来、平等な立場であるべき弁護士が
よく調べもせず片方の言い分だけを真に受けた
550名もの大弁護団の無能っぷり。
自分の名前を広めるためにこの事件に
乗っかったかのような医師
これらがすべて真実と言う恐ろしい現実
10年もの長い時をかけて不服申立てが
やっと認められた事がせめてもの救い。
柴咲コウの怪演っぷりがすごいです。
怖いです、震えますまじで見事です。
綾野剛の演じ分けも圧巻でした。
優柔不断な気弱さを感じさせる教師
絶望する姿、怯える姿、いやぁ見応えあります。
こんな恐ろしい事件が本当にあったのだと
もっと詳しく知りたい方はぜひ原作も
読んでみてほしいです。胸糞悪さ半端ありませんから。
小林薫さんいてくれてありがとう
怖いエンターテイメント系映画、と軽い気持ちで鑑賞、間違いでした、重い社会派ドラマでした。
そんなことある?と冒頭数十分はデフォルメしすぎだろう、と思っていたのですが、これがあとで効いてくる。認知の違いの世界を大きなスクリーンで見せつけられると、背筋が凍ります。
嘘、ではあるけれど、柴咲コウさん演じる母にはこういうふうに認知されてるんですよね。彼女には現実、作られたものだけど、体感は現実。だからあれほど貫けるし、恐ろしい。
歪みは周りも、自分の子も傷つけるでしょう。
わたし自身はこれほどには歪んでないつもりですが、他の人から見たらどこかしら歪んでいるかもしれない。違うふうに認識しているかもしれない。気づかないうちに誰かを、自分の子を傷つけているかもしれない、とこわくなりました。
綾野剛さんについては皆さんがおっしゃっている通り、身を削る熱演ですし、報道のこわさも、信じたいものを信じる無責任なうねりの迫力を突きつけられる。三池崇史監督には新しい手法の恐怖演出だなと思いました。
楽園、とかその同時期の綾野さんにぞっとした記憶があります。反対にテレビドラマでは最高の離婚が印象的で、つかみどころのないフワーッとした感じが素なのか演技なのか微妙な後味を残す役者さんだなと。
そのうちいい人の役もたくさんされてて、少しホッとしたところにまた狂気を放り込んでくる…怖い!勘弁して!笑
関係ないけど迫田さんのゴルフ灼けとBostonの発音のとこはちょっと笑っちゃいました。
あと小林薫さんの好感度が凄すぎです、胸糞悪い人ばかりで辛かったので後光がさして見えました…
第一報の地方紙と実名報道した週刊誌記者が、どちらもファクトチェックを怠ったことが問題だと思った。
そもそも択翔がウソをついたのが悪い。そして、やはりウソをついた律子も悪い。
校長と教頭は、取り敢えず謝ってその場を取り繕えば事態は収まるだろうという事なかれ主義だ。教育委員会もきちんと調べていない。それと主人公の口下手というか押しが弱いことが相まって事態は裁判になだれ込む。
地方紙の記者と会社が事実確認を怠ったのも凄~く良くない。
だけど、僕が一番頭に来たのは実名を報道して全国区にした週刊誌記者だ。民間人をファクトチェックもせずに悪玉にして実名で吊し上げるとは言語道断だ。
事実誤認が甚だしかったにも関わらず、映画では社会的に何のおとがめもないままだ。現在どうなってるかは各自でネット検索してくれ。
その他、文春砲の悪口や、芸能人と政治家の不倫で騒ぐなとか、もっと色々言いたいけど、映画には直接関係無いからオシマイ (^^)。
豪華俳優陣
冒頭の綾野剛さんがこの映画の全てと思っていたので騙された。
いや、騙されて良かったのだけど。
校長、教頭が嫌な感じだったなー。
いい人じゃない光石研さんを久しぶりに観た。
亀梨クンとの土砂降りの揉み合いシーン、あれ本当の雨だったらしいですよね。
でもここまですごいの?と思いながら見ていました。
北村一輝さんの裁判でなんだこれ、負けたじゃんと思った?ときの表情。
柴咲コウさんの終始能面表情。
素晴らしいですね〜。ガリレオコンビ。
迫田さんクロすぎじゃない?顔も。
個人的には小林薫さんが好きなので出演してるの知らずに観たので良かったです。役も良かった!
唯一涙したの離婚しようと言った主人公に木村文乃さんが、味方だよと言ったシーン。
家族がずっと味方だったのは救いでした。
でも最後亡くなった設定??
綾野剛の熱演が凄かった裁判劇
原作は未読ですが、事実を元にした物語だったんですね。
どうしても世間は、体罰や差別だと小学生よりも教師が悪いとイメージしてしまいます。誠一(綾野剛)が最初に加害を認めてしまうと、どんどん律子(柴咲コウ)につけこまれてしまうという感じでした。あの校長や教頭も誠一が悪いと決めつけてしまう圧力がやばかったです。
綾野剛さんのいろいろな表情が楽しめて良かったと思います。
民衆の波の恐さ。
2003年5月、小学生の生徒にイジメと体罰で告発された教師・薮下誠一と、告発した親・氷室律子の裁判劇。(実話に基づく)
遅くなってしまった家庭訪問で出た“混血話”と校内で起きた体罰、自殺強要、教師・薮下視点と、拓翔母視点で見せてく。
薮下視点、母視点で見せる家庭訪問のやり取りで過る数年前の作品「怪物」を思い出す…、視点の違い、人の性格、その時の気分で変わる言葉の受け取り方、…の違いで双方の意見こんなに変わる?!と思うものの。
ストーリー進めば拓翔母の二重人格的な?と思えば、放ったらかしで親からの愛情を受けなかった子供の頃の氷室律子、そんな親の姿を見て育ったから自分の子供への間違った愛情、ズレって感じなんですかね。
作品鑑賞中は胸クソ悪いけれど映画作品としては面白い!綾野剛君演じたダメな薮下先生の姿は何かハマってたな~、湯上谷弁護士演じた小林薫さん渋くて好き!
殺人教師と思い込んだ人たち
曖昧な情報と学校圧力の中でやってもいない体罰を認めさせられ、認めたことにより訴訟裁判へと繋がり、あっという間に報道により殺人教師の社会イメージが構築されていく。
恐ろしい。
事実でないことが事実であるように一瞬にして日本中の人に認知されていく様子は、インターネットやSNSが日常に浸透した今やもはや当たり前の風景となっているけれど、ネットがない時代でもマスメディアによって全く同じ現象が起きている。
映画ではもちろんエンタメ性をもたせる為の演出はあれど、観客は180度違う事実を見せられ、困惑する。いったいどっちが本当なんだと。
序盤とそれ以降では、物語の見え方が全く異なっていて、その見せ方が非常にうまい。事実とは違う歪んだものの見方をそのまま映像化し、観客に体験させる。それはまるで、一部の本当かどうか分からない情報によって湾曲された見方をしているあなた方の視点ですよと言われているようだった。
間違った情報であっても、それを本当と思い込み、SNSで拡散し、誹謗中傷が飛び交う今の時代にこそ観てほしい映画。
個人的には、パンフレットの背表紙やクリアファイルが劇中に登場する週刊誌の表紙デザインと同一となっていて、ここに痛烈な皮肉を感じた。
そして何より、綾野剛の極悪教師と純粋教師の演じ分けが素晴らし過ぎる!スゴイを通り越してコワイくらい…!
俳優の演技に脱帽
出演している俳優さんの演技がみな凄く、特に柴咲コウさんに関しては演技ですが怒りすら覚えるくらいの素晴らしい演技でした。
この話は実話に基づいて作られておいたことに驚きました。
こんな馬鹿げた事が起こっていた事、それによって壊れた人生を送った人がいる事実を映画にした三池監督にも凄いと思いました
現代の起こりえる狂気
綾野剛好きの友達を誘って試写会へ。
原作を漫画で少し読んだだけだったのですが、冒頭から引き込まれ、飲み物をラックに置くことなく気づけば30分以上経ってました(友達も)。
立ち位置を変えるだけでこんなにも表現が違うのか
同じことを言ってるのに、受け取り方でこうも書き換えられるのか
綾野剛の悪意を込めた演技も素晴らしいし、被害者となった演技もまた秀逸。
柴崎コウも、ウソが露見して感情が「スンッ」と消えた演技がうますぎる。
たくともまた現代の毒親、モンペの被害者だなと思わされる。
周りから囲い込むようなでっち上げの話に、最後までひきこまれました。
冤罪というものがどれだけ疲弊するのか
自分が損をしないために嘘に嘘を重ねて、どれが真実かどれが噓か本人も分からなくなってきてしまう。
小林薫の演技も素晴らしい。
小料理屋でなんでも作ってるだけじゃないですね(笑)
薮下先生がPTSDで訴えてもおかしくない案件なのに、性格の優しさもありもうこの件に関わりたくないと思ってきたのか…
法定のシーンがリアリティあるかないかなんてどうでもいいんです。
それ言うなら、新年度最初の教室の後ろに既に掲示物があるのも疑問になってくるし。
見て欲しい、感じて欲しいのは、真実は少数派だと本当に届きにくい
冤罪はいろんな人が作り上げてしまっている罪だなと
とにかく、いろんな人に見てもらいたい作品だと思いました。
怖い話
悪意ある嘘(でっちあげ)が一人の(いや、家族もか)人生を狂わせる これが事実だなんて恐ろしすぎです 穏便に済ませようとろくに話も聞かず体罰を認めた学校や教育委員会 児童の親の話のみ鵜呑みにした記事やマスコミ報道 今後何を見聞きして或いはそれを信じてもいいのか?考えさせられる映画でした そして二役を演じているかのような綾野剛、柴咲コウ、児童役の子の演技、素晴らしかったです
全然爽やかじゃない律子さん
2025年映画館鑑賞66作品目
6月28日(土)イオンシネマ新利府
6ミタ0円
監督は『劇場版 ひみつ×戦士 ファントミラージュ! 映画になってちょーだいします』『劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ! 怪盗からの挑戦!ラブでパパッとタイホせよ!』『妖怪大戦争 ガーディアンズ』『土竜の唄 FINAL』『怪物の木こり』の三池崇史
脚本は『神様はバリにいる』『内村さまぁ~ず THE MOVIE エンジェル』『田沼旅館の奇跡』『雨を告げる漂流団地』『SAND LAND』は森ハヤシ
今世紀初め頃に福岡県で実際にあった騒動を元にしている
とはいえタイトルからしてネタバレで展開が読める
氷室律子などによって嵌められた悲劇の小学校教師薮下誠一の物語
刑事ではなく民事と言うのがミソ
精神異常者の氷室律子もなかなか強かだ
柴咲コウのハマり役
セカチュウを泣きながら読むよりこういう狂気な悪役がよく似合う
ヒスを起こし当時付き合っていた彼氏のガラケーをへし折ったり彼氏に会えないから『Dr.コトー診療所』の長期ロケに文句タラタラとか嘘か本当かわからないエピソードも相まって
息子役の三浦綺羅も良い
特に律子の妄想薮下誠一にデコピンされた時の「グワ!」というリアクションが最高
湯上谷とかホークスの内野手しか思いつかない
その湯上谷弁護士に法廷で追及されしどろもどろになる段田校長演じる光石研さすがベテラン名脇役うますぎる芸が細かい
校長教頭教育長ならびに頭狂マスゴミに対しなんら制裁がないのは不満に残る
スカッとしない
世の中そういうものだろう
『それでもボクはやってない』の悲しいラストに比べたらだいぶマシ
原作は新潮社の出版物なのだから週刊新潮のもじりでもいいのに春報はあきらかに文春のそれ
よっぽど週刊文春が憎いんだろう
俺もその一人
実際のところ自分は東京のマスコミを全く支持していないし信用していない
尊敬なんかするわけないしむしろ軽蔑している
朝日新聞もTBSも週刊文春もろくでもない
朝日の記者を誹謗中傷するなとかまったく無理な話だ
『かくかくしかじか』のレビューが1ヶ月後に削除されたが気づいた文春の関係者が削除依頼したんだろう
文春で反論せず中共なみに削除を求めるとか言論の自由の担い手として恥を知れ
訳ありだろうけど顔を隠してヘラヘラするんじゃないよ
削除に応じる映画.comもどうかしてる
5年前に投稿したアニメの白雪姫のレビューを今更無断で下書きにしてしまうし
日活ロマンポルノの大奥ではどの場面でヌードが登場するか書いただけで10回以上削除する狂気ぶりは氷室律子以上
監督名は別人だし公開日は出鱈目だし誤字脱字は目立つしレビューを監視するより自分の仕事を見つめ直せ
神様になったつもりか
株主なら解雇を要求するよ
配役
濡れ衣を着せられ停職処分にされた挙句に体罰で告発された小学校教師の薮下誠一に綾野剛
夫を信じ健気に支え続ける誠一の妻の薮下希美に木村文乃
誠一の中学生の息子でのちに父親と同様に教師になる薮下勇気に浅井陽人
拓翔の母で誠一を告発する虚言癖の氷室律子に柴咲コウ
育児放棄の母のせいで悲しい時代を過ごす律子の小中学時代に照井野々花
体罰を受けて自殺未遂をしたとされる粗暴な性格の児童の氷室拓翔に三浦綺羅
拓翔の父で妻と共に誠一を告発するゴルフ焼け?の氷室拓馬に迫田孝也
裏も取らず嘘つき律子を鵜呑みにし民事なのに実名報道してしまう間違った正義感を振りかざす頭狂マスゴミの典型の「週刊春報」無責任人間失格最低記者の鳴海三千彦に亀梨和也
民事の実名報道には慎重だったが鳴海に押し切られてしまう鳴海の上司の堂前に高嶋政宏
嘘つき律子の抗議を鵜呑みにし誠一の弁明は全く信じることはなく保身のため嘘で塗り固め誠一を追い詰め無事定年を迎えた小学校の校長の段田重春に光石研
小学校の教頭で段田校長の腰巾着の都築敏明に大倉孝二
教室で監視役を命じられる教師で特に問題は見当たらず誠一には好意的だが定年退職する段田校長には怪訝な表情を浮かべる戸川に東野絢香
よく調べもせず嘘つき律子の証言だけを取り上げPTSDの診断を下す患者の利益を追求することを名目に誠実さのかけらもない精神科の教授の前村義文に小澤征悦
前村教授のPTSD診断に疑問を持つ誠実な精神科医の箱崎祥子に美村里江
薮下の受け持ちクラスの生徒の母親で純也が拓翔に意地悪されてところを救ってくれた誠一が体罰なんてあり得ないと集会で発言したことから嘘つき律子に脅される山添夏美に安藤玉恵
夏美の息子でクラスメイトの拓翔にたびたび嫌がらせを受ける眼鏡の山添純也に岡田伸晃
嘘つき律子や頭狂マスゴミを鵜呑みにしてろくな調査もせず誠一の弁明は一切受け入れず停職6ヶ月という誤った処分を下してしまう教育委員会の委員長の藤野公代に峯村リエ
ほぼ正当な判決を下す裁判長の橋本に飯田基祐
大袈裟にも500人もの仲間を引き連れて間抜けにも事実上敗北する氷室側の人権(笑)弁護士(笑)の大和紀夫に北村一輝
圧倒的に不利な誠一の弁護を引き受け嘘つき律子の正体を法廷で暴いた模範的弁護士だが事務所のお茶を切らし相談に来た誠一に白湯を出す湯上谷年雄に小林薫
家庭訪問先の父親に出合正幸
誠一の頼みを断る弁護士の岩瀬亮
親に恵まれずお腹を空かした路上の少女の海に吉本実由
律子のクラスメイトで帰国子女の中学生に平野莉亜菜
ワイドショーのコメンテーターに中田春介
記者に川並淳一
リポーターに宮原尚之
音楽の先生に川瀬絵梨
アナウンサーに川井淳史
アナウンサーに松田朋子
舞台挨拶付き上映で、鑑賞したのだが、とにかく演者が何言っているのか意味がわかんない。ジェーン・スーのコラムと、はあちゅうのブログくらい意味がわかんない。
演者や監督は、映画の内容や演技には極力触れずに、語ること30分。
舞台挨拶としてはかなり長い方だが、見ても何も得る事が無い、空虚な30分だった。
さて、映画本編が始まるのだが、先生が特定の生徒に対して、在らん限りの暴力を振るう事、15分くらいだろうか。あまりにも、酷すぎてPTSDになってしまいかねない虐待映像が続く。
家庭訪問で、母親に向かって、お宅の息子は純粋な日本人じゃないアメリカ人とのあいのこで、アメリカが日本に原爆やら、東京空襲で日本人を虐殺したから、あいのこは嫌いとか、
授業中に、ランドセルを早く片付けるごっこをやって、主人公のADHDっぽい男の子が片付けられなかったら、そのランドセルをゴミ箱に捨てたり、
うさぎごっこ
と、称して、ウサギを持つ時に両耳を掴んで、地面から足が離れるくらいまで、持ち上げて、男の子の耳を千切れる寸前まで、もて遊ぶし、
身体が吹っ飛ぶくらいのデコピンをするし、
挙げ句の果てに、
お前、自殺しろよ?自殺のやり方、教えてやるからさ?
と、言い放ち、男の子は自殺寸前で母親に止められて、原因が担任教師の虐めだと言う事がわかり、学校や、マスコミやらに告発する事になり、弁護団50人体勢の裁判が始まる。
そこで、担任はこう訴えかける。
僕は冤罪です。全ては、あの被害者母子による、でっちあげです!
と、言い放ち、
でっちあげ
という、タイトルが表示される。そこからが、教師の虐待が、子猫ちゃんが戯れている程度の事しか、やっていないと言うのだ。
じゃあ、それが本当なら、あのスナッフィルムなみの虐待映像は何だよ?意味ないじゃん?
年端も行かない、芸能事務所に、高い入会費と高い月謝を払って、役を奪い合って、やっと掴んだ役が、こんなに痛ぶられるだけの役ってさ?あまりにも不幸じゃね?
こんな、スナッフィルムもどきの映画を見て、誰が面白いと、言いー、ますー、かぁー?
この教師は、虐待野郎の分際で、弁護士をつけて、自分は無罪であると主張していく法廷劇であるのだが、こんなにムカつく奴を弁護する弁護士にもムカつく。
全く、見る価値が無い映画。
スナッフィルムや、子どもを虐待するのが好きで、好きで、堪らない鬼畜にだけお勧めの映画。俺はこんな映画、存在する事じたいが許せない。
頼む!見ないでください!こんな、映画に金を落とさないでください。
さて、今回は最後に俺の体験談の話しをしよう。
俺が、勤めた施設は社会福祉法人✖️✖️✖️会 サ✖️✖️✖️✖️✖️という、ある障害者保護施設の夜勤をやっていた。
夜勤で勤務していたので、入居者の顔を覚える為に二週間勤務していたが、昼間の勤務者が、入居者に対して、ありとあらゆる暴言を吐いていた。
入居者が薬を飲まなかったら、
わい!何で、薬ば飲まんとか?!馬鹿か?!
と、怒鳴ったり、
車椅子でしか、動けないご老人が、歯磨きを車椅子に乗ったまま、歯磨きをしていたら、
ワイは、立てるやろが!?立って、歯ば磨け?
と、言った部長は、車椅子のお爺さんを無理やり、立たせて、歯を磨かせた。
風呂から上がった、入居者で、着替えるべき服を間違えて着替えた老人に向かって、
ワイ?何ば、着とっとや?着替えろ?馬鹿か?ワイは?
しぶしぶと着替えた老人に向かって、
何や、悔しかとか?文句、言えんやろ?馬鹿!バーカ!!
と、なじるが、周りの皆は誰も注意をしない。
何だ?この施設は?
と、思い、夜勤の勤務に入ったら、その夜勤の指導者二人がまた曲者で、
介護施設なのに、汚物の掃除を嫌がるタイプで、入居者が粗相をすると、
こん、ハゲが?!何で、ワイはしかぶるとか?!
と、罵倒する。もう一人の指導者も同じ。ひでー話しだが、俺が仕事を退職した原因になった事件があった。
兄弟で、入居している兄弟の兄が、
弟が、ずっと、お腹が痛いと言っている。どうにかしてくれ?
と、訴えかけてきたので、夜勤の責任者はこう言い放った。
うるさか!?黙れ!?
と言い放ち、一晩中、放置したのだ。助けを求める入居者に何もする事が出来ず、他の入居者の世話もあるので、その方には待ってもらっていた。
しばらくすると、その入居者は廊下に粗相をしていたので、お腹の痛みは糞詰まりだという事で事なきを得たが、これが、腸閉塞や、盲腸だったら、入居者の命に関わる事なので、翌朝、施設長に報告をした。
どうなったと思いますか?
俺は、試用期間なので、クビになった。理由は、汚物を率先して片づけていない事と、入居者の顔を覚えない事が理由。
あれー?俺、葬儀屋出身だから、汚物処理は平気の平左だし、入居者には顔を覚えられて、どんなに問題がある多動の子でも、向こうから握手して離してくれなかったり、
奇声をあげながら疾走していた人から毎朝、ハグされたり、出勤、退勤、する時も、入居者から手を振られるくらい好かれていたのに、入居者の顔を覚えていない?
施設長様が見ているモノと、私が見ているモノって、同じモノですか?まぁ、クビは別に構わねーよ?
職員全員が、障害者を差別するナチス共と一緒に仕事したくねーから?!
この映画にからめて言うが、
私の言う事は間違っていますか?私が、わざわざ、こんな作り話をする意味はありますか?
N崎警察署に行きました。事件性が無いから対処できないと言われました。タカとユージはいないんですか?警察署には正義の味方はいないんですか?
このまま、放っておけば、ずっと、入居者は虐められるし、いつか事故が起きます。その時は、誰が責任をとるんですか?
中々、言う事を聞かない入居者を、
コイツら、馬鹿だから、きつく言わないと、舐められて言う事、聞かなくなるよ?
と、言う奴がのさばっている施設ですよ?
俺の言う事を信じますか?
奴等の言う事を信じますか?
俺は、生涯をかけて、この入居者達を救いたいです。
誰か、協力者になってくる人を知っている人はいませんか?どうか、教えてください。お願いします。
# でっちあげ
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