でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
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バッシングという土砂降りの雨にさらされる恐怖
20年前、日本で初めて教師による児童へのいじめが認定された体罰事件という実話に基づいている点が、この作品に計り知れない重みとリアリティを与えている。見ている人間は、この物語が「人ごとではない」普遍的な恐怖を内包していることに気づかされるはずだ。
物語は、小学校教諭・薮下誠一(綾野剛)が、教え子の母親である氷室律子(柴咲コウ)から凄惨な体罰を告発されるところから始まる 。この告発は、週刊春報の記者・鳴海三千彦(亀梨和也)によって「実名報道」され、薮下は瞬く間に「史上最悪の殺人教師」として世間の猛バッシングに晒される。彼の平穏な日常は音を立てて崩壊し、誹謗中傷と裏切りが彼を底なしの絶望へと突き落としていく。
本作を観て痛感させられるのは、「自分の信じたいものしか信じない」という人間の本質だ。劇中で象徴的に描かれる「土砂降りの雨」は、まさに世間の声、特にメディアが作り出すバッシングの嵐を視覚化したものだろう。薮下がどれだけ真実を訴えようとも、その声は土砂降りの騒音にかき消され、届けたい相手には届かない。週刊誌が簡単に「真実」を作り上げ、それを世間が鵜呑みにする構図は、現代社会における情報の危うさを浮き彫りにする。
映画はまた、現代社会における「責任」の所在にも深く切り込む。一度謝ってしまったらそれを認めることになり、悪くなくても悪いと認めてしまったらそれが事実になり、安易な謝罪が真実を歪める危険性を指摘する。
そういった日本人の「空気を読む」曖昧さが、時に悪い方向に働き、不用意な言動が「体罰」として事実化されてしまう恐ろしさを描いている。学校側が責任を恐れるあまり、無意識にクレーマーに加担してしまう構図は、教育現場の難しさと、複雑な世の中において教師への責任が過剰にのしかかっている現状を映し出す。
真実を見極めることの困難さも、本作の重要なテーマだ。藪下の弁護士は自分の足で証拠を集めたり、関係者に聞き取りを行ったりするなど、とにかく行動する。情報を精査する地道な作業をして初めて真実が明らかになる過程は、私たちが安易に情報を鵜呑みにせず、一歩立ち止まって考える勇気の必要性を教えてくれる。
最後の法廷での藪下の主張は、まさに今の教育現場に向けた、作り手からの切実なメッセージだろう。子供を真っ当に育てるのは大人の責任であり、ちゃんと叱る大人がいなければ、ろくでもない人間になってしまう。しかし、その「叱る」という行為が、いかに誤解され、一人の人間の命さえ奪いかねない恐ろしさを秘めているか。この映画は、私たちに「真実と嘘は表裏一体」であることを突きつけ、安易な断罪や、ものを考え続けることを放棄する人間の危うさに警鐘を鳴らす。
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』は、観客の心の奥深くに突き刺さる「衝撃のエンターテインメント」でありながら、同時に私たち自身の社会や価値観、そして情報との向き合い方について深く考えさせる、忘れがたい一本となるだろう。
氷山の一角
虚言癖のある親子と事なかれ主義の教育機関、無責任なマスコミによって人生を潰されかけた教師の話。作中で教師によるいじめという表現が使われたが、この状況は教師へのいじめと言える。
最初に児童母親の主張を映像化したシーンを流す演出は、当時の世間がこの事件の初期の報道に対すて世間がに抱く印象を観客に体験させる優れた演出だと思う。
テーマがテーマなだけに、決して気分が良くなる作品ではない。しかし、視聴後に観て良かったと思える作品だった。
原作のルポルタージュは…
そう言えばこんな事件もあった様なぐらいで原作になったルポルタージュは未読。三池崇史監督だからと観に行った。
三池崇史監督らしいおふざけやダラダラ感もなく被告となった教師と原告側の生徒の家族からの視点で描かれ果たして真実は如何に❓
事実を一つ一つ積み上げマスコミや被害者家族のでっちあげを崩して行く。
法廷劇が大半だけど淡々と描かれ柴咲コウがほとんど瞼を動かさない❗️
世の中には息をする様に嘘をつき嘘を自分で事実と記憶し理不尽さを感じない人間がゴロゴロいる怖さ❗️
柴咲コウの名演技❗️
綾野剛は実際、ガーシーから誹謗中傷を受けまくり半ば引退扱いにされていただけに映画と重ねて見てしまいまさに迫真の演技❗️
脇を固める俳優陣、中でも人権弁護士役の小林薫は重苦しいストーリーの光。
またもや名バイプレイヤーの光石研が実に嫌な役。
スリリングさや派手さはなくてもじっくり怖さや社会の理不尽さを観たい方には是非❗️
勿体ない
原作が実話のルポということで、多くの人に見て考えてほしい作品。
出演者の演技も、素晴らしく、上に従っただけなのに責任を押し付けられて蟻地獄に落とされるごくごく普通の人(主人公)、保身しか考えない校長、教頭、教育委員会、頭のおかしいモンスターペアレント、無責任なマスコミ、どれもすごくリアルでした。
それだけに、ゲームの「逆転裁判」かのような裁判シーンの
リアリティの欠如だけが、あまりに勿体ない。
せめて日本の民事裁判制度は調べて脚本書きましょうよ。
三池崇史監督にそこまで求めるのは、求めすぎでしょうか。
ちなみに福岡県教育委員会の教師を守らない保身、無責任体質は、この事件後も変わっていません。
冤罪を覆すのには少数派でも味方が重要
最初のくだりはあまりに綾野剛が嫌なやつで、辟易していて途中から立場が逆転になるも最初のインパクトの方が強すぎてそれを拭い去れないわ。
サスペンスとどんでん返しと法廷劇と面白要素が盛りだくさんなので十分失恋ながら楽しめる。四面楚歌の主人公に唯一、手を差し伸べる弁護士。秘密を知っているものの表に出れない主婦。
まあ、この展開で一番苦しんだのは主人公の子供だろうな。ラストの裁判での大逆転で、北村一輝の表情場読み取れたが、マスコミ亀梨和也の表情って写ったっけ? 見落としたか? 彼の表情もなんとも言えない様相になるわな。
実話だと思うと恐ろしい
誰が本当で誰が嘘か、週刊文春に載っている記事が
どこまで本当でどこまで、嘘か。
人のでっちあげの真実を暴くのって本当に難しいことだと思うし、この事件の実話の元になったニュースを当時報道されてた時に見たことが当方もありましたが、何気なく見ているニュースの情報は、疑うということよりもスッと頭に入ってきて、こんな教師がいるんだ、ひどいな、こわいな、で終えてしまっていました。
実際、犯人にでっちあげられた人が近くにいる人や、知り合いとかじゃない限り、聞いたものをそのままそうなんだと、見る人もたくさんいると思います。
それが冤罪だった時、人生が狂わされた人の気持ちなんて誰にもわからないものだなと思いました。
そして免罪は確実に知らないところでもたくさんあるんだろうなと。
一番最後、全ての罪がなくなった、
でも彼は、親御さんと子供が歩いている幻覚を見て
怯えるような目で、姿を追いかけます。
罪は無くなっても、彼が経験したことは心の奥でトラウマとして残るんだろうなと、あのシーンを見て感じました。
ハッピーエンドではあるけど、苦しい作品です。
諦めない弁護士に出会えたことと、ずっと諦めなかった先生と、全信頼を置いていた家族が素敵でした。
今は先生より親が上から物事を言えてしまうような環境の学校が多いと思います、コンプラや、世間体や、色々抱えてある人が世の中には溢れているんだろうなと思いました。
先生になるキッカケは、育児放棄されて外にいた兄妹に勉強を教えていて、教え方が上手いから先生になったらいいのにと言われて先生になった背景を見て、この人は本当に、先生になるためにたくさん努力して、なりたかった先生になったんだなと思うと、すごく心が締め付けられます。
あんなふうにたくさん大変な目にあった父親を見てたはずの息子が選んだ仕事が、教師でした。
そこにも感動しましたし、奥様は10年後亡くなってしまっていた(?)ようですが、本当にこの人に信じてくれる家族がいてよかったなと思います。
見てよかった作品でした。
綾野剛さんの演技は、同じ映画なのに別人がでできます、
素晴らしいなととても感じました。
裁判は戦争、お互いの正義と正義の戦い。
事実そっちのけ。マスゴミ全盛期のでっち上げ被害者。
今日日のSNS社会、オールドメディアの本質も、人権弁護士団の出自もバレバレなんで、勇気ある支援者は現れるとは思いますが。
それはさておき、三池崇史作品って、評価が割れる印象があります。私は結構好きなんですけどね。
本質おバカ映画に、洒落でキレイなタイトルつけたら「タイトルに違和感」って言われるし。夏休みのお子様映画を撮れば「子供向け」って貶されるし。不遇やなぁw
今回は「劇的な展開に欠ける」ですか?
まぁ、実話に基づき過剰演出無し、原作を尊重した脚本に基づいて撮れば、そうなるのは当たり前ですけどね。
逆に言えばですよ。
巷の法廷サスペンスの様な、隠された真実暴露で大逆転、であるとか。今作でも、そんな建て付けにしようと思えば出来なくは無いのですが、それをやらないところが好き。
管理責任者の場当たり的対応と無責任。モンスターペアレント。報道の暴力。民意を扇動することで稼いでいるワイドショー。家族愛。弁護士の本来のあるべき姿。人権弁護士達(日弁連)の本質。などなど。
結構ぶっ込んでますが、過剰演出に走らず。持ち前の画力の高さ、無駄の無い展開、役者さんの芝居を大切にする造り、で上手く尺もまとめる。
ちなみに撮影は、山本英夫さんで、卒がないです。キャストも良いし、凄くちゃんとした映画だったとおもいます。
難癖つけるとしたらですよ。
10年で、そんなに老けますか???
何れにしても。
良かった。
結構。
思い込みはいけない
2003年にあった事件。
根拠がないまま、片方の言い分だけで、どんどん追い詰められる教師。引き受けてくれる弁護士が現れるまで観ていて辛かった。
関係もないのに容赦なく攻撃する人々。現代なら、SNSでの嫌がらせもすごいに違いない。
保身だけで、謝罪を強要する管理職。
裏どりしない週刊誌記者。
怒りが湧く。
そういう中、夫を信じて支える妻にグッときた。大変な仕事だと言っていた息子が教師になったくだりは驚いた。綾野剛と柴咲コウの目の演技が凄かった。
ただ、何故、あの家族は、あそこまで攻撃的だったのか腑に落ちなかった。また、あの男の子の行く末が心配。親と学校が協力し合わないと。
人生をめちゃくちゃにされたのだから、教師側から、親や間違った判断をした教育委員会を訴えたいくらいでした。
何だったんだろう
綾野剛演じる 薮下先生がサイコキラーな話を期待してたんですが、違いました。
監督が三池崇史だったのに普通ちゃ普通、抑えたテンションの作品。
柴咲コウのモンスターペアレントがとても怖かった。
見える子ちゃんの 善くんのお母さんのよう(笑)
なんでもそうだが裁判沙汰になりそうなことは自分に非がないと思ってたら迂闊に謝罪してはいけないて言うことなんですけど、その場を上手くやり過ごすならと気安く認めてしまうと相手によってはね。て事か。
学校って大変なとこやね、とても職業には選べません。
裁判では相手側の請求が棄却され、薮下先生に賠償請求はされませんでしたが体罰はやったことにされ、その冤罪がはれるまで10年の月日を要したとはね。
その時、木村文乃扮する奥さんはどうもお亡くなりになられてたみたいでやるせ無いです。
演者は豪華絢爛、誰もが知る人ばかりが出演してますけど、なんだか無駄遣いな気もしないではないです。(笑)
こんな世界
悪徳教師が追い詰められていく典型的な勧善懲悪モノだつたら、スカッとしたんだろうなと思う。
でも、そうはならない。
完全なフィクションではなく、ほぼ実話に沿った話だから。
上役に強いられ謝ってしまう冤罪の教師も、母親の縛りのなかで教師のせいにして難を逃れようとする子供も、事なかれ的に教員に謝罪させて保護者の機嫌を取ろうとする校長や教頭も、記事が盛り上がる方向に話が進むことを望み煽るマスコミも、報復が怖くて証言できない者たちも、理解できなくはない。
ネグレクト環境で育った母親が妄想と現実を取り違えるのもあり得ることだと思う。
安易な推測に走る者もーー実際、私も映画の序盤では教師に憤ったことは否めない。
視覚的に子供が被害に遭うシーンを観せられた影響は大きいが、仮に雑誌やニュース報道だけだったとしても、公平な立ち位置を取れたとは思えない。
ただ、現実はこんなもので、こんな世界に生きているんだなと認識させられる。
玉ちゃんお願い!薫さん頼む!!
ってずっと思いながら観てた。
2003年福岡市の小学校教師が、担任児童に
「自殺強要」や「凄惨な暴力」でPTSDによる長期入院に追い込んだとされ、マスコミに実名を晒され「殺人教師」と報じられた事件。
ノンフィクション作家の福田ますみ氏が、
現地で取材を重ね、この一連の事実は児童両親による「でっちあげ」だった事を明かした著書『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』を元にした、実話が原作という、衝撃的な真実を知ったのは、実は鑑賞後でした。
事件自体も知りませんでした。
(アタシ何してたん??)
正に「真実は小説より奇なり」
とりあえず、、、
何が何だかわからんのです。
え?え?どう言う事ですか?!
どーしてこんな事に?!
薮下先生同様に、状況が掴めないままどんどんと、恐ろしい渦に呑み込まれていきました。
薮下誠一という、いち教師が、アタオカ律子夫婦の"何らかの"ターゲットにされてしまった事が地獄の始まりではあるが、学校も教育委員会もまるで機能していない事に唖然とした。
いくら保護者の声の方が強いと言ったって、あんなにショッキングな申し出に対し、学校側が何の調査もしない事なんてあるのかと信じられなかった。
否定する薮下先生の主張を鵜呑みにせず、
疑問を持つ事は大事だと思うけど、それならば、生徒や副担任(?)の証言なんて早急に取れたはずだし、何でそこを怠ったのか理解出来なかった。
謝罪するって事の意味。。
わかってますか(°▽°)
20年以上も前の事ですが、、、
学校も教育委員会もそんなに無能なんですか??今も?!?!
オソロシスギテ_:(´ཀ`)
そして。。
事実に基づく事件だし、薮下先生は正に
「でっちあげ」られた被害者でもあるので申し上げにくいのですが。。
自分から時間の変更をしたにも関わらず、
しらばっくれてる律子の言うがままに、あんな遅い時間に家庭訪問に行くなんて軽率過ぎて。。
だから何でも言う事を聞く教師ってロックオンされちゃったんじゃないのかね(°▽°)
やっていない事は断固として否定しなければいけないし、毅然とした態度で立ち向かって欲しかった。
流されてしまう薮下先生の姿を見るのは辛かった。
"患者の利益になる事が大事"だなんて、それっぽい事を言っていたが、適当にPTSDの診断を下した医者にも怒り心頭だし、マスコミもやっぱりマスゴミで。。
TVから垂れ流される情報を鵜呑みにして騒ぎ立てる世間にもうんざりだった。
それにしてもここまで孤立してしまう薮下先生が不憫すぎた。
家族以外で声をあげてくれる人はいなかったのでしょうか。。
(子供想いの良い先生に見えましたけど。。)
薮下先生の代理人が中々見つからなかったのも事実なのか。。
こ〜ゆう時にこそ!な仕事ではないのか?!
そんな弁護士は弁護士を辞めてしまえ!と思ったし(フロントラインだ)
500人越えの弁護士チームって何なの?!
結局何も機能してないじゃん。
あの!!殺人教師の被害者の弁護を担当したんだよ!って言いたいだけのヒトビト??
(せっかくの北村さんもアレじゃただの
500分の1)
律子の過去には同情するが、彼女も旦那もモンペなんてもんじゃないサイコ野郎で、、、
そんな親に育てられた拓翔もある意味被害者。
親ガチャって言葉が重くのし掛かります。
律子は一体何がしたかったの??
裕福そうだったけど?
お金目的なの??
分からんデス(°▽°)
で、今ものうのうと何処かで暮らしているんでしょう??
何なの_:(´ཀ`) わからんデス。。
この事件を知らなかったので、律子、薮下、
2人共が、信じられない語り部なのかと身構えたが「事実を基にした作品」と言う事が引っかかり、ここは真実か?脚色か?どっちなんだい!!って、筋肉に聞きたい位、そんな事ばかり気になった。
(私からしたら全部が全部アリエンティ)
実際に、衝撃的な内容と綾野柴咲の怪演で目が離せなかったのは事実だし、薮下先生の恐怖を追体験出来ましたけど。。
主軸が強烈なんで、起きた事をシンプルに伝える作品でしたが、知りたかったのは全てにおいて「何で?!」だったの。
結局分からずじまいって事なんですかね。。
これだと「こんな事件がありました」って事以外、外枠は新鮮味のない描かれ方だったので、何処かで見たよ〜な。。って思ってしまいました(°▽°)
いつもの三池監督の派手な空振りを期待していた所もありましたが、三池監督なのに抑えた演出で意外でしたし、いつもの感じより好きかもでした。
法廷内で「子供にこんな事させて!」と怒りが溢れ出てしまう姿や、拓翔がPTSDで苦しんでいなくて良かったと安堵する姿は、薮下先生という人物の本質が表現されていて、何とも言えない気持ちになった。
あそこでも、ここでも!
軌道修正出来る場面が何度もあったはずなのに、ど〜してこんな事になってしまったのか。。
悔しかったです。
そしてこうやって、冤罪って、生み出されてしまうのだと知ると、誰にでも起こり得る可能性もあるのだなと、人ごとじゃないなと、考えさせられました。
ただ。。
昨日観た「脱走」の方が喰らったカモ。
迫田さんが黒すぎて黒すぎたのと、
「フロントライン」に続き、アイラブみつけんさんが又またこんな役で辛たん_:(´ཀ`)
よく笑顔で退職出来んな!(°▽°)
薫さんは大好きなので見れて嬉しい♡
とりあえず、柴咲コウの
"答えたくありません"と
"バストン"が、もっかい聞きたいw
あ〜又ふざけちゃったよ皆さんの眉間に皺が寄るのが見えてきますごめんなさいでもちゃんと感じましたよ。
明日はF1!!
他人事では済まされない、身近な恐怖
普段は日常に埋もれて静かに眠っている狂気があることをきっかけに目覚め、瞬く間に取り返しのつかないレベルに達してしまう
集団心理と同調圧力の国・日本に起こりがちな事件であり、誰しも巻き込まれる可能性を持っている
実は自分も前職で似たようなことがあった
事の重大さは比較するのが恥ずかしいほど小さいものの、自分に非は全くないのに周囲から責められ続け、人間不信に陥りそうになった(他にも色々あって一年半ほどで辞めてやったぜ!w)
そんなわけで共感しながら観ていたけど、この映画が凄いな~と思ったのは結審の瞬間まで心のどこかで疑ってしまうところ
(※このレビューは「ネタバレ」にしているので読んで頂いている方は観賞後だとは思いますが、もしこれから観る方がいらっしゃればギリギリまで双方を疑うことをオススメします)
ストーリーは法廷内か回想シーンが多く、過剰な演出などもなく淡々と話が進み、じっくり考えながら観ることができてとてもよかった
欲を言うと氷室家内の描写はもう少しほしかったかな
ただ、律子が学生時代を思い出しながら答弁するシーンに彼女の事情が凝縮されているのかな、とは感じた
キャストは、これ以上ないくらいの好配役!
中でも特筆すべきは綾野剛さんと柴咲コウさんの名演!
薮下先生役は綾野剛さんじゃないと成り立たないんじゃないかな、とさえ思った
自分の大好きな悪役No.1の小澤さんも、出番は少ないけど期待に違わぬ存在感で満足(笑)
最後に
この話は目に耳にしていたかもしれないのに全く記憶になかった
そして、もしかすると自分もその当時「ひどい教師だな」と感じていたかもしれない
そう思うと、情報というものはできるだけ多方面の角度から見ないといけないものだと改めて考えさせられた作品だった
【追記1】
観賞後数日経ち、当時の事件の検索などもしていたら記憶が甦りました(遅すぎ…)
やはり自分は当時「ひどい教師」だと感じていたこと、その後の展開に違和感を覚えたことも思い出しました
そして、『モンスターペアレント』と言うワードが世間に流布するようになったきっかけの一つがこの事件だったように記憶しています
一つ気になるのは、その時の違和感の原因は何だったのか…これから時間をかけて自分に問いたいと思います
【追記2】
どうでもいいことなのでレビュー本文には書かなかったけど、着ていった服が拓翔くん登場時のものと若干被ってしまい、ちょっと恥ずかしくて終演後最後まで席立てなかったチキンヤローなのでしたw
綾野剛と柴咲コウのバケモノ演技力タイマン勝負
…とは言いながら、バイプレイヤー陣も充実。個人的に最高だったのは、クライマックスで原告の主張が瓦解した瞬間からの原告代理の表情。いかにも有能そうなイケメンなだけに、混乱を抑え込んで(多分自分でも敗北を承知している)無理筋な主張で、職務を全うしようとする様は感動的でさえある。虚実も時間軸も複雑に往還する構成は少し分かりにくい部分もあったが、動きの少ない法廷物を飽きさせない工夫か。監督得意の暴力要素は抑えられているが、その分、マスコミや「空気」による支配の重苦しさは全編を通して伝わってくる。10年後の主人公の老け込みようは、とても勝訴した姿とは思えない…。そんな彼の前を横切る10年前と変わらぬ「2人」の姿の鮮烈さ!実話由来ゆえにすっきりしない結末を見事にぶった切るヴィジョンだった。
みんな主観で生きている
昨日観た作品ですが
今この時間になってもずっと心に重く残る作品でした。
パラレルワールドではない。同じ世界線で生きている人達なのに、視点が変わると全く別の物語になっている。
なのに、どの人物にも矛盾した行動や言動は一切ない。
自分の裁判の有利不利よりも、
PTSDの疑いが晴れた児童の身を案じて胸を撫で下ろせる
教師が、「殺人教師」と言われ恐れられ、迫害される。
子供を自分の命よりも大切にしている献身的な母であることで己を保てている母親は、子供にプレッシャーを与え、うそをつかざるを得ない状況に追い詰めている。
誰のことも責められないし、だれのことも迫害できない。
人の数だけ悪者もいい人も存在する。
そして、いったいどこからどこまで、
でっちあげたという自覚が母親にあったのか……。
この映画をみた私にとっては、
みんながみんな、保身のために動かざるを得なかった被害者であると感じました。
当事者でもないのに、家の壁にイタズラ書きをしたり、雑誌の情報を鵜呑みにして罵詈雑言を浴びせる観衆が、1番悪者だったとも。
罪のない者ならば意思を投げよ
鑑賞直前になって原作がルポタージュだと知ったが、あえて経緯も判決も真実も確認していない。
言ってみれば『怪物』の保利を突き詰めたような話なのだが、観ていて非常に苦しかった。
裁判までいかずとも、友人との諍いやクレーム対応などで似たような思いをした人は少なくないと思う。
“信じてもらえない”というのは事実以上に辛いのです。
とはいえ自分は常に薮下のことも疑いながら鑑賞しており、事実を調べなかったのもそのためだ。
十分な確証が得られるまで断定して断罪すべきではないし、だから鑑賞後も疑念の欠片は捨てていない。
100%の真実など当事者の中にすら無いと思うから。
学校側の保守的かつ保身的な対応は杜撰ではあるが、いかにもありそう。
記者が面白半分や数字目当てではなくあくまで(少なくとも作中描写では)正義感という演出は少し意外。
このあたりは結構リアルだったが、原告側の弁護士があまりにガバガバだったのは少し気になった。
事実と言われたらそれまでなのだけど、学校側と違いプロなのに事実確認してなさすぎだろ。
550人の弁護団、仕事しなさい。
拓翔が嘘を吐いた理由は分かったが、律子があそこまでした動機は分からず終い。
すぐ隣にいたのだから副担任は証言してやれよ。
最後の奥さんが亡くなっている描写は、事実であっても(誠一が墓前に報告するなどないなら)不要では。
2視点での演じ分けは、綾野剛や柴咲コウのみならず拓翔役の三浦綺羅くんも非常に見事だった。
他の配役も的確で、バランス含めて演技は文句ナシ。
意見陳述での綾野剛による、感情的にならずに感情を滲ませる訴えは静かなクライマックスに相応しい。
勧善懲悪的にも感動的にもしない、苦味のある後味も含めて、テーマに寄り添った真摯な作品でした。
エンディングで流れる曲がなんか違和感
予告を見た時に、子どもが可哀想な目に遭うシーンがあって
それがずっと続くと嫌だなぁ、と思ってましたが
かなり序盤だけで終わり、ホッ。
どこまで事実に基づいているか分からないのだけど
親が分かりやすい嘘をついていなかったら
本当に殺人教師として葬られてただろう。
このニュース、連日報道されていたなら知ってるはずで
覚えていてもいいようなもんだけど
全く記憶にない。
でも、当人にとっては人生を左右する大きな事件だ。
結局、当事者以外はエンタメとして消費されてしまう事を分かりながら
週刊誌やテレビ、いわゆるオールドメディアは
今も連日、なんの責任も負わず誰かのスキャンダルを嗅ぎ回っていて
数字さえとれればいいかのよう。
人を呪わば穴二つと言うけども
その覚悟も無く
簡単に人を陥れるような事が
繰り返されているのが現実で
それがいつ自分に降りかかってくるかも知れないのが恐ろしい。
謂わゆる毒親を演じた柴咲コウはかなりハマり役で
過去に何かあったんだろうなと思わせるのと
この人に歯向かうと余計な事にならん……感がひしひしと伝わってきました笑
やけに色黒な迫田さんも不気味すぎる笑
キタニタツヤエンディング
ちょっと作品のテイスト、終わりの余韻的に違うよーな。
そこが気になりました。
最後まで目が離せませんでした
観る前の印象ではあり得ないくらいひどい叱責、体罰をしても要領良く立ち回る嫌な先生かなって思ってましたが、鑑賞してみると最初は予想通りのひどい先生で嘘ばかり言ってるかと思わされました、でも本当の嘘つきは児童、母親でした、でもマスコミは殺人教師として面白がり報道してしまい先生は職を失い家族もバラバラになりかけました、先生役の綾野剛さん、母親役の柴咲コウさん、監督と素晴らしい仕事されました、こういう映画をみるたびにマスコミに人生を壊されるストーリーはよく耳にしますが無責任な報道して冤罪でもマスコミが慰謝料払ったとかあまり聞いた事ありません、私が知らないだけでしょうかね?
事実を基にしている
これがフィクションなら良かったと思う。
事実を基にしている、と初めに出た為に、何だかずっともやもやしていた。
ドラマとして、過剰過ぎる気がする。
フェアでもない気もする。
最後も、子供はどうなった?とか、学校側や教育委員会の責任は?味方ぽかった見張りの先生は?クラスの生徒たちは?マスコミの責任は?特に週刊誌の記者!?
等など、気になって仕方ない。
勿論、基にしたドラマなのは分かる。
けど、もう少し配慮が必要なのではないか?
ドラマとして楽しめなかった。
#でっちあげ
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