でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
全216件中、81~100件目を表示
綾野剛よかった!多くの方に見ていただきたいです。
綾野剛の演技素晴らしい!!最後まで飽きさせない展開、キャスティング良し、エンディングの曲も良い。ずっと見入ってあっという間でした!パンフレットも見応えあり。来週また行きます。細部までしっかり見直したい、と思えた映画です。
文春でっちあげか❔❔
可もなく不可もなく
フィクションとノンフィクションの間という難しさ
綾野剛…柴咲コウ…うまし
柴咲コウの無表情が、怖かった
現在ならもっと酷いことになるかも?
実話を基にしたフィクションなのだけど、本当にこんな事件があったのかと思うと、めちゃめちゃ怖くなってしまいました。
おちおち生きてられないです。
自分もいつはめらるかもしれない。
自分の知らない事で、訴えられるかも知れないと言うことですよね。
恐怖すぎます。
2003年は、まだスマホが出始めた時期です。
現在だとSNSなどで、あっと言う間に拡散されて、炎上してしまうでしょう。
自分の事を全然知らない人から、叩かれて、
罵倒されて、
間違っていても、大勢の考えが正解とされてしまう世の中は、本当に恐怖ですね。
自分の無実を証明するために、ずっとカメラやボイスレコーダーを持ち歩いて、回し続けないといけないなんて、嫌な時代です。
最近は教師の性犯罪で教室にカメラ設置ということが話題に上がっていますが、カメラがあればこの映画のようなことは、起こらなかったのでは?とは思いますが、プライバシーもあり本当に難しい問題です。
出演者はみなさん凄く良かったです。
特に綾野剛はやっぱりカメレオン俳優ですね。優しい教師役も合ってますが、サイコパス教師も目がヤバくて(笑)もっと観たかったかも?
柴咲コウの冷めた表情の狂った頭の母親役も、ある意味素敵でした。
ずっと味方でいてくれた家族の存在は、素晴らしくて、こんな家族になれたらないいなぁと思いましたね
がっかり
三池崇史×綾野剛という組み合わせに期待値MAXで待ち遠しく公開初日に行ってしまったのだが、20年前に「小学教師による児童に対するいじめ」を市教委が全国初認定したという実際にあった冤罪事件をほぼそのまま描いており予告編で想像していたとおりというかあまりにもタイトルのまんまでミステリー的面白さを最初から放棄しており原告の言い分と被告の言い分を順番に見せる構成は児童と教師という設定からも「怪物」をもう一回見せられた感じでがっかり。柴咲コウの怖い演技は確かにすごいが、動機の謎を深追いすることなくちょっと不幸な少女期が作り上げたモンスターマザーで片づけており後味も悪い。綾野剛の演技も学芸会のようで弁護士事務所での小林薫との2ショット長回し、法廷での1ショットズームイン長回しも監督の手抜きとしか見えず辛かった。映画の神様が呼んだ嵐の中での亀梨との対決シーンも(前もって知識を入れていたのが悪かったのだが‥)あざとく感じられああやるせない。
何気なく観た。やっぱり事実が大事なのか。
ある日、クラスの保護者から児童の体罰を疑われ、それに対し謝罪をしてしまった男性教師の訴えを描いた実際に起きた事件がベースになっている今作。
それぞれの立場から描かれるストーリーが対比になっている仕様で、その当事者の話になると相手が明らかに悪く見える。
まるで名作「怪物」を思い出すようなそれぞれの視点で描かれながら事実が明らかになっていく今作は、伝聞やマスコミによるバイアスを疑い、事実を明らかにしてそれを前提に話を進めることの難儀さが描かれていて、重かった。
そんなことを思っている自分もバイアスからは逃れられないんだろうな、と観ながら感じた。
そしてこの世の中には事実を訴えることを諦めた無罪の人たちがきっといて、そうした人をマスコミやニュースの情報から自分もいつのまにか周りと同調して非難しがちになっていたのかも。
事実は声を上げないと分からない。
そしてそれを争う裁判には証拠が必要になる。
いやー厳しいと感じた映画だったけど、結局残るのは子供たちに対する思いやりと家族の支えなのか。
記事をリアリティではないを疑うあの弁護士の眼が印象的でした。
個人的には学びを感じた、いい映画だと思った。
家族は信じて支えてくれる存在
この映画を観て最大の教訓は、自分でやってもいない事(とりわけ対人への暴力や暴言)をその場を収める為に、取り繕うような謝罪を絶対にしてはいけない。と学んだ。
政治家や有名人も一つの失言で退場を余儀なくさせられる事もあるが、聖職である教師の場合、このように民事訴訟を起こされるリスクがある。この映画は実際に福岡で起きた事案だが、子どもの嘘と虚言癖のある親がどんどん事を大きくし、それに乗ったマスコミ(またもや文春砲か?)や正義振りかざす弁護士(500人の弁護団って何?)手にかかると1人の教師など簡単に奈落の底に突き落とされる、。
映画を観ていると主人公の気持ちに入り込むので綾野剛が可哀想だし情け無いし、保身に走る上司や教育委員会も酷いし、マスコミは相変わらず視聴率や購読の為にセンセーショナルに焚き付ける。観てて苦しくなる位だった。救いは妻の木村文乃。あんな状況でもひたすら夫を信頼し支える。泣けてきた。(うちの妻も私が窮地に陥っても信じてくれるかしら?)
あとは小林薫だね。あんな人情弁護士が本当にいるのかと思うが綾野剛にすれば地獄に仏だったことでしょう。
柴咲コウは本当にこのような怖い母親役が出来る女優になったし、日焼けした悪徳実業家然とした迫田孝也や光石研、大倉孝二、小澤征悦などの名脇役の皆さんもいい味を出していた。
多くの役者の名演技に支えられた佳作だったと思います。
藪の外にいる私達は、藪の中に何を見たのか?
正義には、2種類あるそうです。科学的根拠に基づく正義と、感情に基づく正義です。どちらを行使するかは、皆様におまかせ…と、言いたいところですが、客観的な正義は、他者に刺さらず、感情まかせの正義に、ヒトの関心領域はあるものです。だから、判決文より、ゴシップ記事に強く惹かれる。もちろん、私もね。第一、それがなければ、私がこの映画を観ることはなかったはず。
怪物、だ~れだ?。
昔観た「怪物」を思い出しました。そう、怪物の正体とは、何なの。
サイコなママ。
サイコママを作り出したママ。
事実確認より、体裁が重視される職場。
都合のいい出来事だけ編集するゴシップ。
ゴシップ好きな私。
この原作、そして、この原作を映像化した製作者の意図は分かりかねます。ただこの映像を造り上げた三池監督は、凄いと思う。凄く刺さるから。
そもそも、映画は、でっち上げです。作り物です。ただ、編集された報道と、興行映画として造られた映像、怪物はどちらに潜んでいる、あるいは、どちらを好むと、皆様は思います?。
それにしても、サイコなママとその家族、今どこにいるんだろう…。この映画観て、裁判起こすかなぁ。
何が起きてもヘンじゃない、そんな時代です。この映画観て、覚悟しましょう。
なぜ、その正義を信じますか?。
大阪王将裁判
とある書き込みが発端となり、飲食チェーン店にフランチャイズ加盟していた法人が、破綻した事案。その後の裁判で、書き込みに誇大な表現が、盛り込まれていたと、裁判で認められたものの、双方の主張、どちらが完全な根拠ある正義なのか、藪の外にいる私には、ちょっと…。
優しさが勝つ社会であってほしい
一つの出来事を複数人の視点で語らせる手法かと思った。あぁ、これねと。でも、全然違う。立場や視点が変わればってどころの違いじゃない。あぁ、あれは実はこんなことだったのか…なんてこともほぼない。完全にどちらかが嘘をついているってこと。そういう意味で法廷劇にふさわしい。完全な負け裁判に思える中、どうやって挽回していくのかが見どころだ。ただし、法廷劇というくくりだけにとどまらないテーマの深さを感じる。
校長と教頭の態度、正義は我にあり!とばかりに自宅に押しかけるマスコミたち。声の大きな親に対する教育現場の弱さや、事なかれ主義でとりあえず謝罪させようとする学校側の態度は、どれも本当にありそうなシチュエーションと展開だ(そもそも実話を元にしているし)。
序盤での薮下先生の判断はことごとく悪手だ。相手がどれだけ怒っていても違うことは違うと毅然と言い返さないと泥沼にはまっていくんだよな。薮下先生の協調性や優しさ、子どもへの思いやりが逆に悪い方向に進んでいく。本当にこんなことが起こりそうだから怖い。自分は悪くないと最後まで言い切れる氷室夫妻のメンタルの強さとあまりにも対照的だった。考えさせられることの多い映画だ。
薮下先生は、事件当時何歳の設定なんだろう。ラストで10年後の姿が出てくるが、あまりにも老けすぎていないか。話し方とか佇まいが定年間近(いや、なんならもっと年取ったかのような見た目)に見えるのはちょっと違和感があった。
表面的な情報に踊らされる社会の怖さ
予告を観たときは、「どちらが真実?」と観るものに問うような展開を想像したが、そうではなかった。冒頭に「事実に基づく・・・」と掲げられたので鑑賞後に調べたら、福岡で起きた実在の事件に基づくものらしい。20年以上前の事件で、基本的には既に白黒はっきりしているので、曖昧な終わり方はしないので、ご安心を。
【物語】
薮下誠一(綾野剛)は小学校教諭。2003年のある日、クラスの生徒氷室拓翔(三浦綺羅)の母親律子(紫咲コウ)が学校を訪れ、薮下が拓翔にいじめ同然の体罰や差別的発言を行ったとして校長・教頭に詰め寄る。苦情を受けた校長と教頭は薮下に「面倒なこと起こしやがって」と言わんばかりの態度で、ろくに事実を確認しようともせず、ただただ騒ぎを丸く収めることだけしか考えない。 薮下には「親のいうことに反論するな。ただ謝れ」と迫る。言うことを聞かなければ担任を外すとまで言われた薮下は不服ながらも言われたとおりにする。
しかし、校長・教頭の意図に反して騒ぎは拡大。週刊誌が実名報道したため薮下は世間から猛烈なバッシングを受ける。騒動の収拾に終始する県教育委員会から停職処分を受け、さらには律子が民事訴訟を起こし、5800万円の賠償請求を受ける。世論の風を受けて律子には550人もの大弁護団が結成されるのに対し、弁護を引き受けてくれる弁護士が見つからない。
身に覚えの無いことで一方的に責め立てられ、学校・世間からも見放された薮下は絶望の淵に突き落とされる。
【感想】
法廷ものを観ると、いつも真実の追求の難しさを感じる。
今作の場合、客観的に見れば律子側には小学生の息子の証言以外に根拠はなく、明らかに主張はお粗末なのなのだが、その場を収めるためだけの謝罪や処分が根拠になってしまうという恐ろしさ。やはり声の大きい奴が勝つのかという絶望感、はたまたすぐ安易に盛り上がってしまう世間の無責任で野次馬的非難が、もう真実を主張することさえ封じ込めてしまいそうになるのが怖い。 今だったら、週刊誌が取り上げなくてもSNSの存在でより容易に炎上してしまうだろう。
そんな情報の怖さを考えさせられる。様々な情報が溢れかえる現代に生きている我々は、いつも「この情報は正しいのか?」と慎重な考えを常に持つことが必要なのだろう。 匿名ネット情報はもちろんだが、テレビ・新聞の情報だって慎重に扱うべきなのだと思う。実際この事件ではTVのワイドショーはこぞって「教師のいじめ」を報道したらしい。人間は誰しも個人の経験・願望・都合等で物事を観てしまう生き物だから、意識して多面的な情報を集めることが必要なのだと思う。
そういう意味で不満だったのは、理不尽に思える言動を続けた母親側の深堀が無かったこと。母親がなぜここまで一方的に薮下を責めたのか、息子の言葉を妄信したのか。何か理由があったのでは? 「そう思い込むのも分かる」と思える何かが。原作がそこまで書いていなかったということかも知れないが、藪下側の「謝罪してしまった」の裏側が十分描かれているのに対して、律子側は表面的な主張しか描かれていないのは残念。
役者では、ちょっと情けない薮下の戸惑い、焦り、絶望、憔悴をリアルに演じた綾野剛はさすが。柴咲コウは可愛さを完全に封印して、薮下を常に冷たい視線で責め立てる怖い女を好演している。 その他の役者の好演もあり、社会の怖さを垣間見ることができる本作は一見の価値があると思う。
原作のルポタージュを三池監督がアレンジすると、居並ぶ主役級俳優が重いテーマと真っ向勝負しさせ見応え十分の作品となりました。スリリングな演出もさすがです。
2003年に福岡市で起きた、日本で初めて教師による児童へのいじめが認定された体罰事件を題材にした福田ますみのルポタージュ「でっちあげ 福岡『殺人教師』事件の真相」を三池崇史監督が綾野剛を主演に迎え、映画化した作品です。
福岡市の市立小学校の男性教諭が、アメリカ人を先祖にもつとされる児童(事実は未認定)に対して、人種差別に基づくいじめを行ったとされて教師が処分されたものの、裁判後、いじめの事実が認定されないとして処分が取り消された事件。福岡市教育委員会が全国の教育委員会で初めて「教師によるいじめ」を認め、教諭を懲戒処分としたことで、マスメディアでも大きく取り上げられました。しかしその後、報道は収束。児童の両親側の主張のみを鵜のみにし煽情的に報じたメディア報道のあり方も問われたのです。
●ストーリー
2003年。小学校教諭の薮下誠一(綾野剛)は、教え子の氷室拓翔(三浦綺羅)への体罰を保護者の氷室律子(柴咲コウ)から告発されます。その内容は「死に方教えてやろうか」と恫喝するなど、体罰という言葉では収まらないほど凄惨なもので、市の教育委員会は日本で初めて「教師による生徒へのいじめ」と認定したほどだったのです。
それを嗅ぎつけた週刊春報の記者・鳴海三千彦(亀梨和也)は薮下の実名報道に踏み切り、「史上最悪の殺人教師」など過激な言葉で飾られた記事は世間を震撼させます。たちまちほかのマスコミにもセンセーショナルに報道され、マスコミの標的となった薮下は
世論に猛バッシングを受け、停職処分となり、絶望の底へ突き落とされていきます。
世間でも律子を擁護する声は多く、550人もの大弁護団が結成され前代未聞の民事訴訟に発展。誰もが律子側の勝利を確信するなか、初公判に立った薮下は「すべて事実無根のでっちあげ」だと完全否認するのでした。
●解説
ルポタージュを原作としている本作は、ほとんど実際に起こった事件に即して描かれていることが恐ろしく感じられることでしょう。というのも描かれている内容が、誰の身に起こってもおかしくないえん罪だからです。痴漢冤罪事件と同様に、どんなに当人が身の潔白を主張しても、周囲が騒ぎ立てて、マスコミが追随して報道してしまうと、やってもないことなのに犯罪者に仕立て上げらよれてしまう恐ろしさが、本作で克明に描かれたのです。まして2003年当時台頭していたのがモンスターピアレンツでした。こうした口やかましい保護者に対して、学校サイドはとにかく頭を下げてやり過ごすという安易な逃げ方が横行していたのです。なんでも保護者のいいなりにしてしまうという空気の支配が、本件をこじらせ、無実の教師を追い込んでいったのです。
それを名匠三池監督がアレンジすると、居並ぶ主役級俳優が重いテーマと真っ向勝負しさせ見応え十分の作品となりました。スリリングな演出もさすがです。
特に冒頭のいじめを受けたと主張する教え子の氷室拓翔の視点から描かれるサデステックな担任の薮下と『でっちあげ』のタイトルを挟んで描かれる実際の気弱でお人好しな教師の薮下の実像の二つのシークエンスの対比が真逆に描かれることで、一気に観客を一体どっちが本当なんだろうと物語にぐいぐい引き込んでいくのです。『でっちあげ』のタイトル以降、ストーリーの流れが急流に変わる時、観客はジェットコースターに乗ったような興奮を感じながら結末に向かって疾走することになるのです。
まぁとにかく本作での綾野剛の演技がすごすぎます。冒頭登場する薮下の教え子へのいじめる方は強烈です、見ていてこんなやつが、生きていていいのか?と胸糞が悪くなるくらいの嫌悪感を綾野剛演じる薮下に抱きました。その演技はもはや「演じる」なんて言葉では足りないのです。人として壊れているのではという狂気に包まれていました。
ところがシークエンスが変わって、薮下本人の視点で描かれだすと綾野剛演じる薮下は一転します。まるで同一人物とは思えないほど、腰が低くなり、校長や教頭の求められるまま言いなりになって、いじめを渋々認めてしまう気弱な人物にからりと変わってしまうのです。この薮下の落差の激しい演じ方の違いが本作の大きなポイントとなりました。
これまでの綾野剛出演作品に驚いてきた人でも、きっと本作でさらにガーンと大きく衝撃を受けることでしょう。
しかし本作は綾野剛だけの作品ではありませんでした。
本作でモンスターピアレンツを演じている柴咲コウもなかなかヤバいのです。我が子を案じる心配そうな眼差し。でもなんかヘンなのです。ときに見せる目つきの強烈さはどう見ても異常に見えます。彼女のまばたきもせず、こちらをずっと凝視する面立ちは、早い話いっちゃっているです。この演技だけで演じている氷室律子がどんなに息子を溺愛し。パラノイアに陥っているのか説得力を持って訴えかけてきたのです。
さらにその他の共演者の“クセの強さ”も特筆ものでした。
その中で際立つのは週刊春報の記者の鳴海三千彦のいい加減な取材態度でした。演じているのは亀梨和也です。この記者の実際の名前は西岡研介といい週刊文春の記者でした。 当事者から話を聞くのは取材の基本であるのに、西岡が教諭に対する聞き取りを全く行なわず『殺人教師』というレッテルをかぶせたのでした。そういう実際の記者のでたらめな取材を色濃く反映した演技でした。
余談ですが、西岡にも取材した原作者の福田は、裁判の経過を福田が伝えても西岡は聞こうとしなかったそうです、『週刊文春』に記事を書いた後は、この事件についての関心を失ったのだろうと福田は評しました。事件記者にとって、取材対象は“消費”していくだけの存在なのかもしれません。残された被告の薮下がどんなに苦しむとも、野となれ山となれと投げ捨てるだけのものでしょうか。
冤罪はあってはならない
最初の冒頭からイジメがえぐかった。
観ていて目を閉じてしまった…
言った言わないの証言で殺人扱い。
何ひとつ証拠もなく、何故ここまで律子さんは教師をはがイジメするのか理解できなかったですね。また法廷での律子さんの子供はの愛情は薄い気がします。涙ひとつも見せませんでしたしね。一体何がしたかったのか…
また民衆も職場も味方をしてくれない世の中。
他人事とは思えない…考えさせられました。
この映画が話題となった現代、文春いやこの母、いまは27歳になるというこの息子は何を思うんだろうか
冒頭からの『氷室律子の供述』シーンの映画としての掴みは強烈で綾野剛さんの演技力から目を背けたくなるシーンから始まる。
結論いえば『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』というルポタージュ。
2003年当時福岡市立小学4年生の母によるあまりにも酷すぎる『でっちあげ』と判決が出た事件。
当時46歳の男性教師の一生を『週刊文春』という現代のスナイパーによって葬ったこの事件。
自分も連日の『殺人教師』過熱報道を信じこんでいたはず。
そして報道が雲散霧消になった後、完全にシロの認定されたのは10年後という。
実名公開、写真掲載までした週刊文春は未だ謝罪記事も訂正記事すらも出しておらず、この『母』は雲隠れ。
いまこの映画が話題となった現代、文春いやこの母、いまは27歳になるというこの息子は何を思うんだろうか。
リアリティ 多数派を疑う勇気
真実を元にした物語ではあるが、そのリアリティを失わないために
単純な結論を避けるように強く意識された構成になっていると感じた。
保護者の律子(柴咲コウさん)の過去と現在の因果関係についてとか、
誤った偏向報道に対するマスコミや加担者たる大衆の責任とか、
裁判の最終的な行く末、判決についてなど、
ラストの主人公の気持ちと同様にモヤっと残る部分が多く残るが、
それこそが甘くない複雑な現実世界を表現している本作の一番の魅力だと思う。
登場人物では、柴咲コウさんの能面モンスターペアレントも怖いが、
なんといっても先生役の綾野剛さんの(でっちあげられた)悪人面から、
怒り、悔しさ、悲しさ、虚しさなど、様々な感情が複雑に入り混じった表情や
細やかな手足の所作の感じもすばらしく、最後まで画面にくぎ付けになった。
小林薫さんの弁護士は、
不要に正義感や信念の強い熱いキャラクターではないのがリアルだし、
ちょっとした違和感、直観から多数派を疑い、
極少数派でも主人公を信じるという態度は、
相当な意志の強さは必要だけれど
情報社会への我々の向き合い方に対するヒントになっていると感じた。
全216件中、81~100件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。