でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
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あり得る話だが…
小学校で長く教員をしていました。実際の学校現場でもあり得る話だと思いながら見ましたが,実話を基にした映画で,実際にああいうことが起こったのですね。背筋が寒くなります。とは言いながらも,初動での管理職の対応,藪下先生の対応は現実的にはあり得るのかとも思います。保護者からクレームが入った場合,映画のように管理職は保護者の言い分を鵜呑みにしてとりあえず認めて謝罪するということはなく,まずは事実関係をしっかり調査するということを約束して,その日は帰ってもらうようにします。その上で,藪下先生の言い分をしっかり聞き,その裏付けを取る形で関係児童,第三者の児童からも事情聴取をし,今回の作品で言えば,藪下先生の体罰は学級内で確認されなかったということを保護者に言うでしょう。藪下先生も管理職に言われるまま体罰を認めて謝罪するということはなく,とことんそのときの状況を詳しく,具体的に話し,反論するはずです。
また,教育委員会は教師の処罰をするだけでなく,教師を守る立場でもあります。校長に対してもきちんと調査の上で報告書を上げさせた上で教員への処分を科すはずです。今回の映画では,管理職と教育委員会の対応は現実にはないかなと思いながら見ていました。
しかしながら,柴咲コウ演じる保護者のような人はどこの学校にもいて,そういう意味では,どうやって自分を守るかということを教員に考えさせるような作品になっていたと思います。光石研,小林薫をはじめとしたサブキャストの存在感があり,重厚な映画となっています。個人的には木村文乃さんが離婚せずに最後まで主人公に寄り添っていたのが救われました。
実際の裁判を傍聴したことがありますが、当時の報道の様子や裁判が忠実...
柴咲コワ
モンスターマザー
マサチューセッツ州のボストン。
発音は「バストン」
ホント???
経歴・学歴詐称
私の母親も東洋英和女学院卒だと長いこと「嘘」ついていました。
元祖エセ港区女子。
キリスト教でもないし。
本当は巣鴨の東洋女子学園らしい。
成り上がりの氷室律子にとって、小学校の担任は発達障害の息子を守る母親を演じるために使われる道具でしかなかった。一番迷惑な代理ミュンヒハウゼン症候群ともいえますな。
PTSDになったのは藪下誠一のほう。
10年後、教育委員会から停職処分取り消し決定通知書が届いた後のエンディング。
民事訴訟といえども不服申立てを続けることはとても大事なことでした。
商店街でみたあの親子の幻。
三池崇史監督は同学年で誕生月も同じ。
オトナになりました。
小林薫と北村一輝
光石研と大倉孝二
安藤玉恵、美村里江の出番をもうちょっと増やして、証言台にあげてもらいたかったですが、同じ列で観てたJKには申し訳ないけど、オトナの映画でしたね。
鵜呑みにしない大事さ
綾野剛劇場
実話をベースにした「でっちあげ事件」の映画化。
“殺人教師”薮下誠一と、“教師に虐めを受けた子の母親”氷室律子、同じ出来事それぞれの視点から描くことで、観るものへ違和感を与え、後半の裁判では傍聴者として見つめさせる。
前半の描き方が、映画「怪物」にそっくりで、どうしてもノイズになり、ちょっと飽きてしまいましたが、後半の裁判での弁論や事実が浮き彫りになっていく様は面白く観ることができました。あの弁護士さんに出会えたことは、薮下さんにとって不幸中の幸いだったのでしょうね…。
終始全くカッコよく見えない綾野剛が良かったです。偏向報道や思考停止で受け止めてしまう世間の人々という、当時よりも更に悪化している昨今に訴えかける作品だと思います。
三池監督ぽさは抑えだな〜と思いつつ、必要以上に鼻血が出てたのには拘りを感じました。笑
キャストの演技合戦がすごい
実話に基づくストーリーなので、週刊誌や思い込みによって、加害者にも被害者にもなり得るので改めて考えさせられた。
綾野剛さん、柴咲コウさんの演技力が特にすごかったが、他のキャストも素晴らしい方ばかりで最後まで飽きる事なく見応えがあった。
是非色々な方に観て欲しい。映画だと思った。
『怪物』や『それでもぼくはやってない』との近似性
私自身も、『怪物』との類似性を想定していた。だんだんと、『それでもぼくはやってない』に近くなっていった。最終盤で、原告母親の根拠が覆り、それでも弁護士は、依頼人の主張の援護を続けていた。主張の根拠を覆された原告母子の幻影がみられるが、実話において、病的傾向を治すことができたのか気になる。県外の赴任地で起こった虐待事件では、関係者からの情報が疑わしいと考え、被告支援者から証人依頼を受けたことがあるけれども、弁護士との話で証人までの依頼はこなかったことがある。
タイトルなし(ネタバレ)
2003年、ある民事裁判。
小学校教師の薮下誠一(綾野剛)は、児童・氷室拓翔(三浦綺羅)への体罰・自殺強要により拓翔少年をPTSDに追い込んだことで訴えられた。
裁判より以前、マスコミは薮下は「殺人教師」と呼びつらい、言語道断と弾劾していた。
裁判は冒頭、拓翔の母・氷室律子(柴咲コウ)の証言から始まった・・・
といったところからはじまる物語。
巻頭、律子の口から証言される薮下の行為は正視に耐えないほどの凄まじさ。
しかし、薮下が法廷で口にしたのは、「すべて事実無根の・・・」とタイトル『でっちあげ』と映し出される。
このタイトルが出た時点で、この映画は只者ではない、と確信。
周防正行監督『それでもボクはやってない』に匹敵する冤罪映画の力作。
柴咲コウ演じるモンスターペアレント、ややステレオタイプっぽい演技なれど、怖いねぇ。
ほんと、かかわりたくないタイプ。
綾野剛の演技も凄まじい。
アバンタイトルまでの悪魔のごとき人物と、被告の身となっても拓翔少年を気遣う人の好さ、その両方をリアリティをもって演じている。
薮下の弁護を引き受ける弁護士役に小林薫。
深みのあるいい演技だ。
若い頃ならば、彼が薮下の役を演じていたかもしれない。
「殺人教師・薮下」をでっちあげてしまう週刊誌記者役の亀梨和也。
かつてアイドルだったことなど微塵も感じさせない演技だ。
それにしても、当事者でない者が「正義」の言下で偽情報を信じてしまうことの怖さ。
怖い怖い。
いま観るべき映画の1本でしょう。
初期対応が大事
感情を揺さぶられる作品
この話にはね、現実感がないんですよ
この小林薫演じる弁護士の言葉に膝を打った。SNSの洪水に溺れ、まともな感覚が失われがち。
綾野先生、救世主にもっと感動してと画面に呼びかけるも、今回の綾野剛はものすごく気が弱い。校長と教頭の情けなさは誇張されているのだろうが、こういう人は多いのか。世間のバッシングに疲れ果てて反応が薄い。大丈夫?
映画メインビジュアルの綾野剛の表情。これは狂気か、絶望か。どちらともつかない。ネタバレを避けたうまい表情だ。
監督さんの名前から暴力が多いなら嫌だなと思ったが、そうでもなく、途中、腑に落ちてからは安心するとともに現代に生きる難しさに目眩がしそうになった。大人も子どもも病んでいる。
映画レビュー『殺人教師と呼ばれた男』
「教育」と「経営」は一見遠いようで、本質は近い。映画『殺人教師と呼ばれた男』は、学園内の腐敗と向き合った一人の教師の姿を描きながら、組織における“本当のリーダーシップ”とは何かを問いかけてくる異色の社会派ドラマだ。
物語の主人公・桐島は、暴力、いじめ、不正が蔓延る高校に赴任し、「教育は命がけで変えるものだ」と過激な指導を始める。やがて彼はメディアに「殺人教師」と報じられ、世間からは敵視される存在に。しかし、その裏には、生徒一人ひとりの未来を本気で考え抜いた“覚悟”と“責任”があった。
私は経営者として、彼の行動に強い共感を覚えた。結果を出すために嫌われ役を引き受けるリーダーは、時に誤解され、孤独にもなる。だが、長期的な視野で見れば、その厳しさが人を育て、組織を変える。短期的な人気取りに走らない桐島の姿勢は、noteに毎日理念を書き綴る自分自身の姿と重なった。
彼が生徒たちに配った“note”には、「お前の本音を書け。誰にも見せなくていい」とだけ記されていた。そこから生徒の心が少しずつほどけていく描写は、組織においても「安心して本音を出せる場所」の重要性を感じさせられた。結局、信頼は仕組みではなく、“人”と“想い”でしか築けないのだ。
結末では、彼の行動が数年後の卒業生の進路や価値観に大きな影響を与えていたことが明かされる。たとえその時理解されずとも、正しい信念は時を超えて届く——そのメッセージは、短期成果ばかりを追いがちな現代のリーダーにこそ突き刺さる。
この作品は、ただの学園ドラマではない。理念と信念を問われるすべての経営者にとっての、魂の鏡だ。
三池崇史監督の本領が垣間見えるホラーチック作品
三池崇史という監督は、ホラーチックな作品を撮ると本領を発揮するようだ。これが完全なホラー映画になると、抑制が上手く効かずに目茶苦茶なことを仕出かす傾向があるように思う(時にはそれが魅力にはなるのだが)。
本作は、ホラーチックな作品であり、三池監督の本領がよく発揮されていると言える。
主演の綾野剛さんは、普段の二枚目キャラとは違う、周りの雰囲気に流されて追い込まれる主人公を好演している。
映画は、まず氷室律子から見た事実から始まり、その後に主人公の藪下誠一による事実を描く。いわゆる羅生門スタイルの映画だ。藪下という主人公名もおそらくはこれに由来しているはず。
黒澤明による「羅生門」は芥川龍之介の「羅生門」と「藪の中」を原案とし、誰が真実を言っているのかわからないという話だが、映画の最後では捨てられた赤子を語り手の男がもらい受ける場面を設けて希望を出している(「赤ひげ」もそうだが黒澤明という人は極めてヒューマニストである)。
本作では、教育委員会に児童への暴力を認定され、マスコミから「殺人教師」というレッテルを貼られてても、妻は夫を応援し、子供は父親と同じ教職を目指している。そこに希望めいた光はある。
名探偵コナン君は「真実はひとつ」とは言うが、「事実はひとつ」とは言わない。事実は各人の認識した事柄だが、真実はより客観性のある俯瞰されたものだ。
それだけ、人は容易に真実には到達し得ない。
本作でも真実には到達はしていない。氷室律子とは何者かという疑問は残るし、藪下が失ったものは本当に回復されたのかも分からない。
虚言癖の女と彼女に翻弄された家族はどこかへと消えるが、おそらく彼らは我々の世間の中へと埋没し、何時でも再登場する機会を狙っているのだろう。
それ故に、本作はホラーチックと言える。
令和版「それでもボクはやってない」
よかったです。
綾野剛さんの、憔悴しきった様子や感情的になったときの演技、柴咲コウさんのサイコパスなモンスターペアレントの表情。
監督さんの強い意向からの演技ということもあったとは思いますが、熱演だったと思います。
また、事実に基づいた映画ということで、実際にあったことだと思うと、ゾッとしました。
もちろん、モンスターな親にもゾッとしましたが、社会が一体となってひとりの人間に「悪人」とレッテルを貼って潰していくことが、本当に怖かったです。
今の世の中でいうと、現状や将来に不安を抱えている人たちがSNSで「悪人」を叩くことによって「アイツよりは常識がある」「アイツよりはマシ」と思って、ひとときの「安心」を手に入れる。
「悪人」を叩いたところで、叩いた本人の現状は何も変わらないのに。
そんなことを思いました。
ただ、映画の脚色についてはちょっと気になりました。
昭和のマスコミのような取材、先生を守らない管理職…
先生を守らない管理職なんて、管理職失格です。
保護者の話を一方的に鵜呑みにして、それを事実と決めつけ、無理矢理認めさせ、謝罪させるなんてハラスメント以外の何物でもありません。
映画化するにあたって脚色するのはわかりますが、関西人風に言うと「話を盛った」という印象を受けました。
特に学校現場を映画でリアルに描くのは、なかなか難しいのでしょうね。
脚色については気になりましたが、全体的にはすごくいい映画でした。
まだ観ていない方はぜひ観てみてください。
オススメです!
嘘つきはモンスターの始まり。
ある小学校で起こった教師による体罰事件。我が子の為に戦う母親に対し教師は全てでっちあげだと反論。どちらが嘘をついているのか。全ては法定で明かされる。
誘導されるがままにテレビやマスコミを信じてしまう世間。そして一人の教師が自分の存在全てを否定されその流れの中に引きずり込まれてゆく様がテンポ良く描かれている。他の人物からの視点があっても良かったかなと思うけど、実話ベースということであくまで教師と母親の視点が軸になっている。その分ドラマ性は少し物足りなく感じたけど、それでも十分見応えのある内容だった。
薮下先生の10年後の姿がとても印象的で、50代という設定にしてはなんとも弱々しく老け込んでいる。たとえ主張が認められたとしても1度貼られたレッテルは一生付いて回る。その重荷は一体誰が背負ってくれるのだろうか。
何でこんな凡庸な嘘がバレなかったの?
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アメリカ嫌いの小学校教師・綾野は混血の生徒を虐めてた。
怪我をさせるレベルの体罰を日常的に与えてたうえに、
最後には自殺を勧める。生徒は自殺未遂しPTSDになる。
生徒の母コウが学校に怒鳴り込んで上記を主張。
でも上記はコウの捏造で、綾野は無実だった。
むしろその生徒が問題児で、綾野は正しく指導してた。
ことなかれ主義の校長は綾野に保護者会での謝罪を指示。
こうして仕方なく謝罪、これがマスコミに漏れ大騒ぎ。
さらにコウが綾野を起訴、裁判が始まる。
綾野は世間から悪人扱いされ、叩かれまくる地獄の日々。
もはや何を言っても、誰も耳を貸そうとしない状態。
そんな中で弁護士の薫が弁護を引き受けてくれる。
綾野が本当はいい先生だったこともあり、
生徒の保護者が陰ながら力になってくれたりもした。
それによりコウの嘘が暴かれて行くことになる。
そもそもコウも少年も、全く混血ではなかった。
コウがアメリカの学校を出たというのも嘘だった。
それに綾野が体罰してる場面を誰も目撃してない。
さらに生徒がPTSDというのもコウの嘘だった。
アホ医者がコウの話を鵜呑みにしてそう診断してた。
ということで綾野はついに無罪を勝ち取った。
ただ学校が一度認めたため、体罰はあったとされた。
それが10年後、ついになかったと認められ終了。
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何の恥じることもしてないのに、
悪意を持つ人間のせいでどん底まで落ちる男の話。
綾野にすっごい共感したし、心から応援したくなった。
やってもない罪を認めろという校長が最悪。
綾野もそんなの認めちゃアカン。自分に正直でいないと。
とは言え、校長に歯向かえない気持ちもよく分かる。
まだ若いし、職を失うのが何より怖いんやろうしね。
おれも同じ年齢で同じ立場なら、同じ選択をしてそう。
やっぱり人の下で働くのは向いてないわおれはw
話としてはめっちゃ面白かったのやが、
これってホンマに実話ベースなの?とも思った。
だってコウの凡庸な嘘が何で裁判までバレてないの?
そもそもこれって完全に刑事事件やと思う。
思いっきり傷害事件やし自殺教唆なんやから。
もし警察や検察が調べればすぐに解明してるはず。
なのに何で民事のみで争われてたのかが不思議。
薫弁護士が特段優れてたとも思えない、
こんなのどんな弁護士でも勝訴してそう。
あと驚くのが、研演じる校長と亀梨演じる記者。
どちらも最後は綾野の味方になるんやと思ってた。
いやまあ単に、演じてる俳優的にやけど。
ところがどちらも最後まで糞野郎なんで驚いたわ。
最後まで自分の都合しか考えてやがらんw
何故…
こんなことになってしまったのか
…はじまりは
その生徒の母親が体罰だと言って
学校に乗り込んでくる
どこか"怪物"を彷彿される
一方的に見ると先生が虐待している
様に見える演出
どうして教師がターゲットに
なってしまったのか
…校長が冷静に教師の話を聞き
子供たちの聞き取り調査を
しっかり取っていたら
教師の人生を狂わすことに
なってなかったと思ったりする
そこにマスコミが一方的に
煽るから裁判まで…
思ってもいない方向に進んで
やっていない事に謝罪したことが
悔やまれる
知らないうちに巻き込まれていく様は
…本当に怖い
マスコミは現在も何ら変わらない
週刊誌も一方からの取材で
真実かどうかわからない
売れる記事だったら
相手が傷づくことも厭わない
ネット社会で生きる私たち
考えさせられる作品です
リラルホラー
今までにも「冤罪」をテーマにした映画はいくつもありましたが、またひとつ、心を震わせる作品に出会いました。
ポイント:
◯ 原告と被告、それぞれの供述に基づく主観の違い描写から始まります。特に自分は、最初これが実話だと知らずミステリー作品だと思って観に行ったので、視点の違いに驚かされ、最初はどちらが本当なのか分かりませんでした。その両面性を見事に演じ分けたキャストの演技、特に主人公が大変素晴らしかったです。
◯ 勝訴しても素直に喜べない、そのリアルさ。弁護士との会話や家族とのやりとりの中にも心に刺さる瞬間が多くありましたが、映画は観客の涙を過剰に誘う演出がなく、ただそのまま物事を語る姿勢が好印象でした。想像を絶する体験を経た人間が、簡単に立ち直れないのは当たり前です。爽快な逆転劇もなく、心の傷も簡単には治れません。ただ、支えてくれる人がそばにいれば、少しずつ前へ進むことができる、ただそれだけです。
◯ 裁判後にも物語が続きがあった。「冤罪」を扱う映画では、被告がその後どうやって社会復帰するかの描写が省かれがちですが、本作では少しとはいえ、その様子が描かれていて良かったです。個人的には、処罰の取り下げで終わっていれば完璧だったとも思いますが、あのラストを加えたことで、さらに考えさせられることがありました。
一応これは民事事件なので、厳密には「冤罪」という言葉は適用されませんが、世論やメディア、さらには虚偽の主張をした保護者団体によって理不尽な断罪を受けたという意味では、まさに「冤罪」と言っても差し支えないでしょう。こうした事件が起きるたびに思うのは、なぜ人間は事実無根の情報に対してこれほどまでに過激に反応してしまうのか。映画には描かれていないが、その教師の奥さんや息子、またほか関係者の方々もきっと大変バッシングを受けたことでしょう。たとえ事実だとしても、他人を攻撃したり、感情的に断罪したりする理由にはなりません。そして、もしまだ事実が明らかでない段階であれば、なおさら冷静さを失わければならないことです。
前半のホラーに震える
同じく教育という場で働く者の端くれとして、前半のホラー味あふれる展開は、ホントにあと少しで退席するかってくらい、気分が悪かった(良い意味で)。
なんとか踏ん張って後半に入ると、ミステリー風の法廷劇に入って、ここからはワクワクしながら見終えることができた。
作中、この事件に至るいろいろな要素が散りばめられて登場するが、それが最終的に全てのウラを明かす方向に繋がっていくワケではなく、違和感のまま終わるのもまたいい味になっているし、これが現実にあった事件をモチーフにしている以上、その方が自然だろうとも思う。
ただ、冒頭柴咲コウ演じる氷室律子の証言のクダリを終えると、そこからは悪役がいかにも悪役然として登場し、最後までやっぱり悪役というのは、観ていてもうひと展開あるかな、と期待してしまった。
所々で是枝監督の「怪物」的な箇所もあったが、ホラーとしては圧倒的にこっちのほうがゾワゾワするし、メリハリが効いていて分かりやすいのも魅力。
後は役者たちが良い。
綾野剛、柴咲コウをはじめ、周りにも実力者が揃ってるし、小林薫の安心感ったら…。
ああいう保護者との対応で苦労した経験のある方には、ホントに胸に来る映画なので、作品自体の印象としては★4.0だが、私の評価は★4.5とさせて頂いた。
全415件中、81~100件目を表示