「胸のすくようなドラマじゃないけど」でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男 ROKUxさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0胸のすくようなドラマじゃないけど

2025年7月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

法廷ものが大好きである。
地道に集めた証拠の積み重ねで相手方の論理の隙をついたり、あるいはたまたま発見された証拠が状況を大逆転したりするのが心地よいからだ。フィクションであれノンフィクションであれ、そこにはドラマがある。
しかしこの作品は胸のすくような結末にはなっていない。事実に基づいているからでもあるが、制作の意図が観客をスカッとさせることに重点を置いていないからだろうと思うのである。
三池監督が本当に描きたかったのは、報道のあり方や学校制度のあり方への疑問ではなかったかと思う。さらに言えば、虚言が簡単に事実としてまかりとおってしまう世の中を指弾すること。嘘を発することは容易いのに、嘘を嘘と証明するのは時間がかかる。要するに「言ったもん勝ち」の世の中。その陥穽に嵌まらないために、私たちはどう身を守ればよいのか、考えさせられる作品だった。

あと、この作品を観ようと思ったのは、
「湯上谷弁護士を演じた小林薫が父さんにしか見えなかった」と、息子からLINEが来たからである。確かに最初の登場シーンは私の外見や動作に似ているかも知れない笑。

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