「センセーショナルな言いがかりの恐ろしさ」でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男 鈴木達哉さんの映画レビュー(感想・評価)
センセーショナルな言いがかりの恐ろしさ
本作品は実際にあった事件のドキュメンタリーということで、とても生々しさを感じながら鑑賞しました。
発端は些細な言いがかりだったけれど、上司の圧に屈して安易に謝罪し言質を取られたことでどんどん事態が悪い方に向かっていくさまはこのSNS全盛期をよく表していて、とても20年前の出来事とは思えませんでした。
教師自身の対応はともかく、発端となる出来事のレベルは誰にでも起きえることで、自分事になった時どのように対処すればいいのか考えさせられました。
たまたま両親の言い分がガバガバだったから助かっただけで、もっと巧妙だったなら殺人教師の汚名は晴れてなかったと考えると、トラブルにおける序盤時点での立ち回りをもっと学ぼうという気になりました。
同じシーンを母親側と教師側から表現する場面があったのですが、語り手によってここまで違ってしまうのかと震えました。事実はひとつ、解釈は無数とはよく言ったものです。
最終的には教師を信じた家族や弁護士に支えられて無実が証明されるわけですが、それに10年もかかったことや教師自身が失ったものなど、いろいろ考えさせられる作品だったと思います。
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