「真実を見る目を持っていますか?-20年前の事件が問いかける現代の問題」でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男 Tofuさんの映画レビュー(感想・評価)
真実を見る目を持っていますか?-20年前の事件が問いかける現代の問題
舞台は2003年の地方都市。小学校教諭の薮下は、保護者の律子に息子の体罰で告発され、それを聞きつけた週刊誌記者の鳴海が実名報道をしたために、世間の格好の標的になる。そして、律子が薮下を訴えた民事裁判の場では両者の主張は真っ向から対し……。
教師でも芸能人でもスポーツ選手でも、とにかくコイツは叩いてもいいんだという標的を見つけたらメディアが作り上げる「真実」に乗っかってとにかく叩き放題叩く時代。人の尻馬に乗っていれば安全だと錯覚しているのかもしれないが、その批判の刃はいつ自分に向かってくるのかわからない。
本作は、福岡で起きた実話をもとに書かれた原作を映像化したもの。ここでは教員が対象となっていたが、おそらくどんな職業に就いている人の身の上にも起きうる可能性が十分にあることが恐ろしい。
予告編だけでも相当キツそうだなと思いつつも、目を逸らすわけにはいかない現代の問題だよな、と思って行ってきたのだが、さすがは三池崇史監督。メディアリテラシー、教育、司法、さらには医療の在り方までを問う作品に仕上がっている。
キャスト陣も素晴らしい役者が顔を並べているが、今回は改めて綾野剛の演技力に気付かされた。
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