「冤罪は一部のマスメディアによって拡散される」でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男 月光仮面さんの映画レビュー(感想・評価)
冤罪は一部のマスメディアによって拡散される
福岡市で実際に起こった事件がベースの作品。(←ルポルタージュ未読)
この映画を鑑賞して思い出したことがあります。私が小学を卒業したのは、50年以上前ですが、卒業時の担任は女性のビンタ先生でした。我々児童が、悪いことをした時にビンタされましたし、廊下に立たされたりもしました。(←先生の言うことを聞かない、他の児童に迷惑をかける、女子のスカートめくりをするなど、我々児童が悪いのですが😅)それを体罰とは言っていなかった時代ですね。小学6年生にもなると性のこともわかってくるので、「○○先生は、今日はア○ネでイライラだからビンタされないように気をつけよう」といういい加減なことも男子児童間で言っていました。(○○先生ごめんなさい😓)今の時代、先生によるビンタも児童によるスカートめくりも完全にアウトですね😅。
また、モンスターペアレンツも登校拒否児童もいなかったと思います。余談が長くなってしまいました。
柴咲コウの演技が絶妙。無表情さが逆に怖いくらいです。綾野剛の先生役も当たりだと思います。苦悩に満ちた綾野剛の表情、演技がすばらしいかったです。彼を支える妻役の木村文乃も良かったです。光石研のこと無かれ主義の校長先生役もはまり役ですね。どこの組織にもいるでしょうね。綾野剛を弁護する小林薫にも拍手です。
物足りないなかったのは、柴咲コウと夫がモンスターペアレンツになってしまった経緯をもっと詳しく描写して欲しかったですが、実存の人なので配慮したかもしれませんね。映画の中での描写が精一杯だったかもしれません。
あと感じたことは、マスメディアのあり方です。現代はSNSが発達しているので誹謗中傷はもっと酷いでしょう。もうひとつ思い出したのが、松本サリン事件での被害者である河野義行さんに対する当時のマスメディアの報道の酷さ。裏付け確証のない段階での決めつけ報道、センセーショナルな見出しなど、報道のあり方は今もあまり変わってないと思います。また我々自身も誹謗中傷に加担しないように気をつけなければならないと思います。理不尽な誹謗中傷をすることは、人を傷つけるばかりではなく、ある意味冤罪に加担することになるかもしれません。