「報道を信じる前に問うべきこと――実話に基づく“でっちあげ”の恐怖」でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男 MiMaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0報道を信じる前に問うべきこと――実話に基づく“でっちあげ”の恐怖

2025年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

理不尽な「でっちあげ」によって一人の人間が追い詰められていく様子に、強い怒りとやるせなさを感じました。この作品は単なる冤罪事件の再現ではなく、現代社会が抱える“情報との付き合い方”の問題を突きつけてきます。

福岡市で実際に起きた「教師によるいじめ」事件――私は映画を観終わった後に初めてこれが実話だと知り、背筋が冷たくなりました。実在する事件がここまで重く、リアルに描かれていたことに改めて驚きと恐怖を感じます。

本当に虚言癖のある人はいます。言ってもいないことを言ったことにされ、なかったことが「事実」として一人歩きしてしまう。なぜそんなことをするのか、目的は何なのか分からないけれど、確かに“そういう人間”は存在します。

にもかかわらず、新聞やテレビなどの報道は「裏取りされているはず」と私たちはどこかで信じてしまっている。この映画は、その“信じたくなる心理”に鋭く切り込んできます。

情報が溢れる今の時代だからこそ、「何を信じるか」ではなく「どう確かめるか」が問われているのだと痛感しました。誰にでも起こり得る“報道被害”の恐ろしさと、情報を受け取る側の責任を静かに、しかし確実に訴えかけてくる作品です。

エンタメとしても見ごたえがありながら、社会的なメッセージも強い一本。多くの人に観てもらいたい、そして自分ごととして考えてもらいたい映画です。

MiMa
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