「綾野剛さんの演技の振り幅に驚愕!」でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男 かもしださんの映画レビュー(感想・評価)
綾野剛さんの演技の振り幅に驚愕!
舞台挨拶で監督のみならず綾野剛さんや亀梨和也さんから「目が怖い」と言われて「全然怖くないよー」と可愛く発言していた柴咲コウさんですが、中々どーして、歪な内面をそのまま瞳に映した様な黒い目は迫力満点でした。
そして、それ以上に裁判での感情が伝わらない無表情の恐ろしさと言ったら…、目の恐ろしさなど軽く超える怖さがありました。
更に、柴咲コウさんの隣で瞬きもせず口を横に結んだ夫を演じる迫田孝也さんの演技と相まってマジで歪んだ人物にしか見えなくなっていきました。
本物の多動症にしか見えない息子の演技も抜群で、「関わりたくない家族No.1」というのが、いやが上にも伝わってきちゃいました。
そんな中、1番感心させられたのが綾野剛さんによる表現力。
演技の振り幅が尋常じゃありません。
綾野さん本人が楽しく観れると言っていた導入直後の体罰教師などは見ていて殺意が湧くレベル。
子供と目も合わさず暴言を吐く演技に背筋が凍り付きました。
にも関わらず、物語が進むに連れて様々な表情を作り出し、こちらの同情を誘う演技へとシフトできちゃう凄さと言ったら、他の共演者、名バイプレイヤーたちが霞んでしまうほどでした。
間違いなく綾野剛さんを代表する作品の一本になったと思います。
向かっ腹の立つ描写や怖くなる様な描写もある作品ですが、それを凌駕するだけの「魅力」が演じる人々から溢れ出している作品。
劇場で観る事ができて心底良かったと思いました。
余談ですが、柴咲コウさん演じる律子の部屋にエドワード・ホッパーの絵画「ナイトホークス」が飾ってありました。
ダリオ・アルジェントの「サスペリア PAPT2」に出てくるBARのモデルとなった絵画なので思わずニンマリしてしまいました。
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