「殺人教師と思い込んだ人たち」でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男 ヨークさんの映画レビュー(感想・評価)
殺人教師と思い込んだ人たち
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曖昧な情報と学校圧力の中でやってもいない体罰を認めさせられ、認めたことにより訴訟裁判へと繋がり、あっという間に報道により殺人教師の社会イメージが構築されていく。
恐ろしい。
事実でないことが事実であるように一瞬にして日本中の人に認知されていく様子は、インターネットやSNSが日常に浸透した今やもはや当たり前の風景となっているけれど、ネットがない時代でもマスメディアによって全く同じ現象が起きている。
映画ではもちろんエンタメ性をもたせる為の演出はあれど、観客は180度違う事実を見せられ、困惑する。いったいどっちが本当なんだと。
序盤とそれ以降では、物語の見え方が全く異なっていて、その見せ方が非常にうまい。事実とは違う歪んだものの見方をそのまま映像化し、観客に体験させる。それはまるで、一部の本当かどうか分からない情報によって湾曲された見方をしているあなた方の視点ですよと言われているようだった。
間違った情報であっても、それを本当と思い込み、SNSで拡散し、誹謗中傷が飛び交う今の時代にこそ観てほしい映画。
個人的には、パンフレットの背表紙やクリアファイルが劇中に登場する週刊誌の表紙デザインと同一となっていて、ここに痛烈な皮肉を感じた。
そして何より、綾野剛の極悪教師と純粋教師の演じ分けが素晴らし過ぎる!スゴイを通り越してコワイくらい…!
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