「どこにでもあるかも知れないお話」突然、君がいなくなって La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
どこにでもあるかも知れないお話
美大に通う女性・ウナ。彼女が秘かに付き合っている恋人には、長年付き合って来た遠距離交際の女性・クララが居る。「クララには別れを告げて来る」と言って彼は故郷に帰った。その言葉に嘘は無かっただろう。しかし、その道中で彼は事故で亡くなってしまう。事情を知らない周囲は、悲嘆に暮れるクララに強い同情を寄せるのだが、真実を告げられないウナの深い悲しみは何処へやればいいのだろう。と言うお話。
日本映画だったらズルズルコッテリの愛憎劇になりそうですが、北欧(アイスランド)映画らしく冷めた色合いで静かに戸惑いと哀しみを描きます。それが却って観る者にジンワリ沁みて来るのです。何処にでもあり得る話なのかも知れないという思いが、その浸透性を一層強めます。よくこんなお話を映画にしたな、と感心。
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