「何故かしらどこかしら新しい。」突然、君がいなくなって sokenbiteaさんの映画レビュー(感想・評価)
何故かしらどこかしら新しい。
21世紀も既に四半世紀を過ぎた、今の映画だなーという気がすごくしました。(本国での公開は2024年?)
もちろんスマホだのAIだのテクノロジーだの、そんな上辺の話ではなくて。
描こうとしている対象や描き方が、どこか新しい。
これはまあ感覚的な話で、残念ながら具体的な説明は何一つできないので、自分の気のせいと言われれば何も反論はできないのですが(笑)。
ただ少なくとも自分は、見たことのないものを見ることができているという新鮮な楽しさをずっと感じながら見ていました。
そもそも映画ってのは、、というかドラマとかフィクション作品全般、、もっと言っちゃうと芸術なんてものは、ある人があるシチュエーションで感じたことを、真似事でないその作品としての切り口で切り取ることによって成立してるものなんじゃないかと思います。
ただそれはその人の心で、魂で、本当に感じたことでなくてはいけないから、そんなに簡単ではないのですが。
何言ってるかわからないかもですが(汗)、要はテクノロジーや機材とかでなく(もちろんそれを使ったっていいけど)新しい領域を拓く可能性が映画にはいつでもあって、この映画が描いてるものに自分はそれを感じたということです。
そういう新しいものだけが持つ瑞々しいい力を確かに持っている映画だと思います。
これだけじゃ何のこっちゃなのでもう少し具体的なこと書いた方がいいですね(笑) 、、
とにかく映像は美しいです。
これを否定する人はいないと思います。
自分はカメラワークだのなんだの詳しいことはわかりませんが、素人目にも凝った撮り方をしてるのがわかる箇所がいくつもあり、印象的かつ効果的に使われていたと思います。
俳優たちの演技は申し分なく、脚本も嘘臭さゼロで(何気にリアルに描くの難しい題材だと思うけど)、音楽の使い方も絶妙です。
総じて映画としての完成度は高く、高品質な作品だと思います。
いわゆるアート系の、つかみどころのない作品に見えるかもしれないですが、主人公は意外と感情がストレートに表に出るし、周囲の人間関係も過不足なく自然と説明されているので、いい意味でわかりやすいです。
ただその感情や人間関係の描き方の正確さが、普通じゃない。
セリフ、表情、仕草や行動、周りの情景までもが絡み合いながら、登場人物の複雑に揺れ動く感情の、今その瞬間にしかない形を、見事に捉えていたと思います。
その正確さ、解像度の高さ故に、一つ一つが見たことのない新鮮な場面に見えるということなのかも・・・。
まあぶっちゃけ地味な映画ではあります。
目を引くようなイケメンや美人は出てきません。
自分は基本的に、映画にのメインキャラクターは見た目的にスクリーンに映される資格のある人であって欲しいと思う方なので、予告編見た時点では、主人公ヘンテコな髪型してるし、彼氏の今カノもなんかボヨーンて感じなので(笑)、正直どうかなーと思ってたとこもあったのですが、本編見てる間はそんなこと思い出しもしませんでした。
そんなことが気になるレベルの映画ではないので、もし見た目のパッとしなさに躊躇している人がいたら、そこは気にせずに見に行くことをおすすめします。
あとあれですね、映画の中のあれ、いつか現地に行ってやってみたい!っていうランキングの、かなり上位に来ますね。
見た人はすぐわかると思いますが、、あの教会の前のあれです!
