ブルーボーイ事件のレビュー・感想・評価
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昭和の重くて閉鎖的な雰囲気を味わえました
知り合いがお勧め映画で紹介していたので観に行ぃました。昭和の高度成長期、これから経済も上向きになり皆が希望溢れ、希望や光がある反面、偏見や差別が『普通』の闇深い時代でもあり、その部分が上手く表現されていました。
正直、重く観ていて辛くなる、嫌な気持ちになるシーンも多かったです。それでも、サチ役の中川未悠さんが清楚で可愛らしく、凛とした演技をされていたので、最後まで観ることが出来ました。
後、サチさんの最後の言葉は考えされられました。
トランスジェンダーで無くても、職場や家庭で何かの役割を演じている所もあり、枠にとらわれすぎて苦しくなるって部分ある気がします。本当に、私は私、それだけなのですが、それが難しい。
腰の据わった語り口
この監督の長編はずっと見てきて、確か最初はbunkamuraで上映された。それ自体が日本映画の新人では珍しいのでどんなもんじゃと思ってみると腰の据わった語り口がグッド。そこからずっと追いかけてるが、ホップ・ステップ・ジャンプのジャンプにあたるこの作品。製作もkddiと日活なのでメジャーとしてはバッチリ。しかも歴史を取り扱うと聞いて野心を受け取りました。結果、腰の据わり方はそのままに重厚な人の層を描くのに成功している。これと少し似て大作で社会課題を描いたのが宝島だが、宝島よりも説教成分は薄いのにちゃんと地に足ついている。当事者キャスティングもちゃんとハマって分厚い魅力になっている。アイデンティティを問い直す映画の中では、日本で一番いいかもしれない。当事者と歴史を完全に味方につけて、ちゃんとベタな上手い演出をしている。場内ではすすり泣く声も聞こえた。ガッツリしたオネエ言葉がどこか気持ちよく、今どきなかなか聞けない。小道具の歴史考証もとてもうまくいっている。
私はわたし
素晴らしい
知らない俳優さん?ばかりだったが、特にサチさんの落ち着いた雰囲気、台詞回し、素晴らしかった。
まだまだ男性優位、女性の立場なんて低いあの時代。
手術を受けても女性になりたい気持ちは理解されなかっただろう。
彼の田舎のお母さんが頭を下げるシーン。
切なかったな。
最後の「私は私」。
きっぱりと言い切ったシーンは泣けた。
そして、最後の最後のシーン。
よかったよ〜泣
心から安堵した。
ブルーボーイ事件。
全く知らなかったが、観て良かったと思える作品だった。
劇と「青年の主張」の中間
中川未悠 中村中
わたしはわたし
映画の情報サイトを見て、気になって見に行きました。
自分の両親ですら子供の頃のお話で、LGBTQなんて言葉ももちろん無い時代。
トランスジェンダーの方が生きていくのは、今より更に大変だったことは想像ができます。
私個人は性別も性自認も一致しています。
男なのか女なのかなんてあまり、意識せずに日々生きています。問われることがないからです。
わたしはわたし、です。
劇中、サチが
「わたしはわたしです」
と言った時、そうだよ、そうなんだよね!と心の底から思いました。
ただ、自分を偽ることなく生きて、
それを誰にも咎められることなく生きたいだけ。
飯塚監督、主演の中川未悠さんはじめ、トランスジェンダーの方々が演じ、制作されたことで言葉の説得力がありました。
トランスジェンダーに限らず、
生きずらさを抱えている人には、胸に迫るものがあると思います。
男でも女でもなく自分らしく生きる事
華のある役者がほぼいないがとても良い作品
実際にあったことを基に作られた作品のようで今の価値観だからこそできる作品なのかなと思いました。
私が子供の頃はまだジェンダーなどという言葉はなくオカマ、ホモなどと言われてバカにされる対象でしたね。今でも私もオカマと普通に使ってしまいます。ま、そういう時代と価値観で育ってきたのでこの作品は見る年代によって捉え方は違うかもです。この作品の時代背景は私が生まれるよりもさらに昔の話なので錦戸くんが最初えらい酷い正論ぶちかまして当事者たちを傷つけて結果的に死人が出てしまうのですが、あの頃の価値観で考えたら異常者として見てしまうのが普通だったかと思います。なんならここ10年くらい前まではそういった価値観はまだ残っていたと思います。おねえキャラをバカにして面白がる風潮がありましたもんね。
やはりそういった意味では今の時代はそういう方々には生きやすい時代になったかと思います。
ストーリー自体もとてもよくできており、演者さんたちの演技も素晴らしいです。
特に主演の方や塚地風のオカマの男性、あとはお店で働く3人のうちのボーイッシュじゃない2人のオカマの方々もめっちゃ上手でした。
あと、見終えるまで誰かわかりませんでしたが中村中さん。あのキャラもめっちゃ良かったですね。ハマり役でした。最初嫌なやつなのかと思ってたら本当はちゃんと思ってくれていたからこそあの感じだったんだなーと。
あとは渋川さんは最近は夜明けのすべてやミーツザ・ワールドなどで優しいおじさんの役で出ていたイメージがあったので、今回も心優しいマスターかと思いきや終盤で「えー今回そっち系なの?」と残念でした(笑)
正直、錦戸くんと主役の方の夫役、渋川さん以外は知らない人ばかりで正直、華のある今をときめく役者さんが出ていないけれどこういった事実があったことを知るには必要な作品かなと思いますし、より多くの方に見てほしい素晴らしい作品だなと思います。オススメです!
サチの「幸せ」とは、。
主人公のサチが最後に法廷で証言するシーンにこの映画の全てが包み込まれていたと思う。
サチ役の中川未悠は演技そのものが初めてのトランスジェンダーであるが、このシーンはカット割なしの長台詞を自分自身のものにし、感情の昂まりと共に見事に吐露した。そして、それを受けた弁護人役の錦戸亮は、憲法13条は「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と幸福追求権について涙ながらに話した。制止しようとする検察官役の安井順平との攻防も含め凄い場面を観せてくれた、。
1965年の事件だが、ブルーボーイというスラングも含め多くの人が全く知らない出来事にスポットを当て、しかも監督、出演者も当事者であるという画期的な映画を作り上げたことに拍手を送りたい。
この事件が軽微な有罪となったことにより性転換手術は違法の認識が出来上がり、その後30年近く日本はその医療行為が世界から遅れたとのことのようだ。そして現代。世界のLGBT割合は8%で日本は5%とも言われるようになった。「市民権」は得られたようにもみれるが、いわゆる「偏見」はまだまだ多い。更にアメリカでも欧州でも高市日本政府でも右傾化や自国第一主義が拡がるなかLGBTの権利の高まりは退潮してるように思う。
何がどうなることが正しいのかはよくわからないし正解そのものが見えないが、今を生きているすべての人間がすべからく「自由」であることが「幸せ」ってことなのかも知れない。
あなたは今、幸せですか?
性別違和を抱える人達を救うべく適合手術を施した医師、その不当逮捕を救おうと闘う弁護士、そして当事者達と主人公。
幼い頃からその違和感に葛藤し、周囲には好奇の目で囃し立てられ、それでも生きるために必死で抗う彼女達。
クライマックスの法廷シーンでの主人公の熱弁に涙。
それにしてもあの弁護士の前半までの言動、あー子さんが亡くなるまで不躾けで不勉強過ぎるやろうと腹が立ち、胸が痛くなりました。
えっ 日活!?
「爆弾」の翌日に鑑賞
そのせいか やたら緻密に丁寧に練られた
作り手が真心をこめた作品〜という印象でした。
この作品のカラリストも良い仕事をしているなーと。
日に焼けた 昔のカラーフィルムのような色合い。
法廷シーン、弁護士事務所の暗いライティングも
時代を考慮してリアリティあり。
小道具、スタイリストの仕事振りも見応えあり。
昔の三越、伊勢丹の紙袋、
ちょっと年代は ズレてたけど
化粧瓶やタクティクスの白い四角い瓶。
ダイニングテーブルの箸入れ、
肩紐の太いブラスリップ
ランニングシャツ+ステテコ
母親に手渡す 和装の木綿の寝間着
細かいチームプレイが光る
役者も良かった
オーディションで選ばれた一部主要キャスト。
演技的なスキルは無いのかもしれないが
魂で演じていて こっちの心臓をグリグリ
掴んで揺さぶられる
錦戸亮、テレビドラマで見てたときは
悪くないと思っていたが、さすがにスクリーンで
見せられると「ジャニーズ芝居」。
上手く言葉に出来ないけど、上手い下手とはまた違った
独特に上滑りして画面が歪んで見える印象。
対照的だったのが前原滉
良く見る役者だけど初めて この人スゴいと思った。
会社のシーンは一切出てこないけど
どんな仕事振りなのか、故郷でどんな生活なのかを
想像させてくる
また演技初心者の中川未悠と絡んでも
演者のオーラ調整して シーンを仕上げてくる
この人また見たいので 次の作品もチェックしてみよう
知っておくべき事実
ラストの証言シーンが圧巻‼️
昭和30年代、売春防止法で男娼が取り締まれないことから、性転換手術を行った医師が逮捕されて裁判にかけられることをモチーフにした作品。性転換手術をした元男性が証言台に立ち、法廷で戦う。
ジェンダーフリー、LGBTについてのメッセージを感じて敬遠されてる方も多いかもしれないが、ヒューマンドラマとしてしっかりとした映画だった。
前半は、全体にダメダメな感じで進んでいきつつ、カップルに寄り添う。このカップルも彼氏が弱々で幸せな結末が思い描けない。
法廷劇が軸になる後半も簡単には好転しない。むしろ周辺環境が悪化していく。後から考えるとラストにつながるミスリードだとわかる。
ラストの証言シーンが圧巻。観客を裁判官の視点に置き、主人公が静かに語りかける。
男らしさや女らしさは見た目なのか心なのか?
手術までして彼女は何を手に入れたのか?
是非劇場で彼女の魂の声を聞いてほしい。
ずっしりきました。
歴史があっての今なんだなー、と。
主演の中川未悠さんの熱演に拍手です‼️
ブルーボーイ事件の判決がでた1969年から、公に日本で性別適合手術が行われる1998年まで約30年。今でこそ公的文書でも性別記載欄に[男・女・それ以外]とあるのが当たり前になったけど、本当に長い歴史があったんですね。自分も子供の頃、レズ(L)・ゲイ(G)は知ってたけど(T)は聞いたこと無かったなぁ。トランプ大統領みたいに未だ未だネガティブな人達は多いし、自分自身も本当に心から受入れてるのか分からないし、多様性って凄く難しい問題だと思います。でも、とにかくこの作品に関しては、実際にトランスジェンダーである主演の中川未悠さんの熱演に大拍手です🙂
ブルーボーイ事件
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